著者
翠川 三郎 野木 淑裕
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.2_91-2_96, 2015 (Released:2015-05-25)
参考文献数
6
被引用文献数
5

地盤の増幅度を推定するためのパラメータとしてよく用いられる深さ 30m までの地盤の平均S波速度 VS30 を深さの浅いデータから推定する方法について、日本の都市域でのデータを中心とした 2099 地点での S 波速度検層結果を用いて検討した。浅い深さまでを対象とした平均 S 波速度と深さ 30m までの値との関係にはかなりのばらつきがみられることから、対象とした深さの最深部の S 波速度の影響も考慮した関係式を求めたところ、既往の式に比べ、推定誤差が小さく、より汎用的な式を得た。
著者
三橋 暁 生水 真紀夫 碓井 宏和
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

メトホルミンは、G1停止により子宮体癌細胞の増殖を抑制した。この作用機序として、AMPKの活性化によるmTOR抑制に加えて、MAPKの抑制が関与している可能性がある。また、培養細胞で確認されたAMPK活性化、mTOR抑制に加えて、MAPKの抑制も認められた。メトホルミンの臨床使用量での短期投与で、子宮体癌組織でki67 indexの低下を認めた In vivoでのメトホルミンの作用は間接作用の可能性も示唆される。若年性体癌・異型内膜増殖症に対するMPA療法にメトホルミンを併用することで、インスリン抵抗性を改善し、再発率も低下させた。子宮体癌患者に対するメトホルミン療法の有用性が示唆された。
著者
浅川 伸一 岡 隆之介 楠見 孝
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

エンコーダ・デコーダモデル(Kalchbrenner and Blunsom, 2013)における中間層表現を入力情報の解釈機構の一部であると見做し,その解釈可能性を検討した。単語埋込みモデルは Firth(1957)以来の伝統であり解釈空間として仮定することは言語学の理に適っている。我々は Kintsch(2001)の予測モデルを題材に比喩理解の観点からモデルの評価を試み,Kingma(2014)の変分ベイズ自動符号器モデルと Bowman and Vilnis(2015)の変分リカレントニューラルネットワークモデルが文章のスタイル,トピック,高次統語特徴を抽出可能なことから,同モデルとの比較を含めた検討を行った。比喩理解を上述モデルを用いて比較することにより,文章理解,物語理解,暗号解読,記号処理,形式言語モデルとの関連への示唆が可能となることも議論した。
著者
峰島 厚
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.82-87, 2008-08
被引用文献数
1

障害者自立支援法施行後、安倍内閣は「再チャレンジ支援総合プラン」・「成長力底上げ戦略」による「就労支援施策」を重点とする障害者施策を打ち出した。障害者自立支援法が一般就労への移行を重視しているのと同じく一般就労を一面的に重視するものではあるが、それとは異なった性格を有している。安倍内閣の「就労支援施策」は、労働者としての労働条件、身分保障を問うことなく、少しでも働いて稼ぎ納税者になり、「福祉の支え手」(福祉の対象(使い手)でなくなる)となることをねらったものである。それは、格差と貧困のもと福祉ニーズをもつにいたった人々を雇用対策の対象にすりかえ、劣悪な労働条件で身分不安定のままに働く底辺労働者としてかり出すという、貧困と格差温存の、そして結果的には福祉ニーズの縮減、福祉施策の縮小に目的があった。そして国民の批判を受けて失墜した安倍内閣に代わって福田内閣が誕生するが、本論ではここ数年の国の施策を分析し、この福田内閣のもとでも「社会福祉の機能強化」を名目として再び障害者自立支援法による障害者の介護制度と介護保険制度との吸収合併がねらわれていると問題提起した。
著者
長尾盛之助 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1917
著者
中川 秀直
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1354, pp.6-9, 2006-08-21

9月、5年半にわたった小泉純一郎政権が終わる。足元の景気は堅調だが、国内人口は減少に転じ、新興国の追い上げで、国としての競争力は予断を許さない。 日本経済が今後、高い成長率を達成していくには何が必要か——。政治、経済界の有力者3人にポスト小泉時代の政策課題を聞いた。
著者
阿部 邦昭 村田 浩
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.281-284, 1989-11-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
1

空気中の物体の運動は放物線軌道からかなりずれるので,空気抵抗を無視して考えるわけにはいかない。ここではその例として,バトミントンのシャトルコック(羽根,シャトル)の運動をとりあげ,抵抗の大きさと軌跡について調べた。送風器を使った実験から,シャトルの受ける空気抵抗は速さの2乗に比例し,その無次元抗力係数は0.56となることがわかった。次にはね上げたシャトルの軌道をストロボ撮影し,その軌跡が,先に求めた抵抗値を運動方程式に導入して解いたものと一致することを示した。またこの抵抗値は自由落下するシャトルの終端速度から求めたそれとも一致する。
著者
福岡 博史
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 (ISSN:18848184)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.31-38, 1992-04-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

The Bi-Digital O-ring test is a diagnostic method in which the patient's physical condition is judged by his/her finger stregth. The patient is made to form a Bi-Digital ring using the thumb and any other finger on the same hand. The doctor then forms two of the same rings with his/her own hands, interlocking them with the patient's ring and then, While the patient using his own finger strength resists, the doctor attempts to pull open the ring from both sides using his own bi-digital o-rings. Diagnosis is made based on the patient's ability to maintain closure of the ring.We apply this test to make diagnosis in the areas of conservative dentistry, prosthetic dentistry and oral surgery. It is a very useful method for occlusal diagnosis, determination of mandibular position and teatment and diagnosis of temporomandibular joint porblems. We would like to report on our objective observations and clinical cases.

1 0 0 0 OA 大成武鑑 4巻

出版者
出雲寺万次郎
巻号頁・発行日
vol.[2], 1845
著者
オニール パトリック 和田 葉子
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
pp.26-31, 2012-04

本発表では7世紀の古英語のアルファベットの起源について考察する。まず、見本になった、あるいは、影響を与えた可能性があると思われる様々な国や地域のアルファベット、つまり、ルーン文字、フランク語、ブリトン語(ウェールズ語)、アイルランド語のアルファベットを概観する。そして、アイルランド語とそのアルファベットが古英語のアルファベットとその文字の形成に果たした役割について論じる。
著者
Tae Gon Kim Sea Hyun Bae Gye Yeop Kim Young Eok Kim Kyung Yoon Kim
出版者
理学療法科学学会
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.1059-1062, 2012 (Released:2012-12-28)
参考文献数
25
被引用文献数
2

[Purpose] The purpose of this study was to analyze the architectural properties of muscles on ultrasonographic images of chronic stroke patients taken during different muscle activities. [Methods] Thirty chronic stroke patients were equally divided into three groups according to their Modified Ashworth Scale grade (1 to 3). Ultrasonographic equipment was used to measure structural properties of their skeletal muscles (muscle thickness, muscle pennation angle, and length of muscle fascicles). [Results] Muscle thickness, pennation angle, and fascicle length significantly decreased both at rest and during MVIC (Maximum Voluntary Isometric Contraction) as muscle spasticity increased. Each group’s muscle pennation angle markedly increased during MVIC compared to at rest. Each group’s muscle thickness and fascicle length decreased during MVIC compared to at rest. [Conclusion] Changes in structural properties of the skeletal muscles influenced architectural properties of the muscles on ultrasonographic images. Our results indicate that understanding the structural properties of the skeletal muscles of chronic stroke patients needs to take into consideration the ultrasonographic architectural properties of the muscles.
著者
芳賀 和夫 岡島 秀治
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.40, pp.p49-54, 1989-12

本州中部の亜高山帯,高山帯にのみ分布するユリ科植物,キヌガサソウの葉裏に生息する穿孔亜目のアザミウマを新種としてCtenothrips nonnaeの名を付して記載した.観察できた標本はすべて翅がきわめて短い小翅型であった.なお,本属は日本で初めてのものである.
著者
宮本 旬子
出版者
鹿児島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

<目的> キヌガサソウKinugasa japonicaは日本固有のユリ科の多年草で、染色体数は2n=40の8倍体である。ツクバネソウ属Parisやエンレイソウ属Trilliumと形態的共通点があり、2属間の雑種起源ともいわれる。本研究では、スライドグラス上でキヌガサソウの染色体DNAにParisやTrilliumの全DNAを結合させたとき双方の塩基配列が似ていれば良く結合し異なれば結合しないことを利用して、キヌガサソウの40本の染色体中にParisやTrilliumの染色体と似た遺伝子配列を持つ染色体が在るか否かを調べることを目的とした。<方法> まずParisとTrilliumの2倍体種の葉からCTAB法によって全DNAを抽出して蛍光標識した。ゲノムin situハイブリッド法(GISH)によりこれらの全DNAをスライドグラス上に展開したキヌガサソウの染色体に結合させ、蛍光顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察し、蛍光強度から結合の程度を検討した。<結果> parisかTrilliumいずれのDNAを用いた場合でも、キヌガサソウの各染色体上に部分的にプローブDNAの存在を示すシグナルが現れた。このことはParisやTrilliumの塩基配列と良く似た配列がキヌガサソウの染色体上に存在することを示しているが、キヌガサソウの40本の染色体の中に現生のParisとTrilliumの染色体と全く相同な染色体が半々ずつ存在しているわけではないことも明らかになった。以上の研究結果の一部を平成6年にKEW Chromosome Conference(イギリス)、日本植物学会大会(札幌)、および染色体学会年会(高知)において公表したほか、本研究に関する論文を現在投稿中である。

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[342],