著者
出口 浩一 横田 のぞみ 古口 昌美 中根 豊 深山 成美 西村 由紀子 小田 清次 田中 節子 加藤 三枝子 佐藤 久美子 福本 寅雄
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.1600-1622, 1988

1987年後半に分離した入院患者由来グラム陰性桿菌に対するMonobactam系抗生物質 (Carumonam (CRMN), Aztreonam (AZT)) の抗菌力をPenicillin系抗生物質 (PCs)(Piperacillin (PIPC)), Cephem系抗生物質 (CEPs)(Ceftazidime (CAZ), Cefotaxime (CTX), Latamoxef,(LMOX), Cefsulodin (CFS)), Carbapenem系抗生物質 (Imipenem (IPM)), そしてPyridonecarboxylic acid系抗菌剤 (Norfloxacin (NFLX), Ofloxacin (OFLX)) を加えて検討した。<BR>検討に供した株は<I>Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoca, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Citrobacter freundii, Enterobacter cloacae, Enterobacter aerogenes, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosa</I>, そして<I>Haemophilus influenzae</I>の合計13菌種400株である。<BR>1. Monobactam系抗生物質であるCRMN, AZTの抗菌力はほぼ同等であり, <I>E. coli, Klebsiella spp., Proteus spp., M. morganii, P. rettgeri</I>, そして<I>H. influenzae</I>の耐性菌はなく, <I>S. marcescens</I>の耐性菌は少ない。<I>C. freundii, Enterobacter spp., P. aeruginosa</I>の Monobactam系抗生物質の耐性菌は比較的高率であるが, これらの菌種に対するPCs, CEPs 耐性菌はMIC値≥50μg/mlのいわゆるResistant (R株) が高率であるが, Monobactam 系抗生物質の耐性菌はMIC値が12.5~25μg/mlのいわゆるIntermediate (I株) の占める割合が高い成績だった。<BR>2. PCsのPIPC耐性菌は検討に供した株のいずれにも平均して高率にみられた。<BR>3. CEPsの抗菌力は菌種によって異なっていた。CTX, CAZ, LMOX耐性菌は<I>C. freundii, Enterobacter spp., S. marcescens</I>に共通して高率であるが, <I>C. freundii, Enterobacter spp</I>. のLMOX耐性菌はI株の占める割合が高く, CTX耐性菌は<I>P. vulgaras,. M. morganii</I>にもみられた。なお, P. aeruginosaのCEPs耐性菌 (1株を含む) はCFS28%, CAZ12% だつた。<BR>4. Carbapenem系抗生物質であるIPMの抗菌力は13菌種のいずれに対しても耐性菌が皆無もしくは, 耐性菌が少なく最も安定した抗菌力を示したが, <I>Klebsiella spp., P. mirabilis</I>, そして<I>H. influenzae</I>にはMonobactam系抗生物質, CEPsの抗菌力に劣つていた。<BR>5. Pyridonecarboxylic acid系抗菌剤であるNFLX, OFLXの抗菌力はほぼ同等であるが, <I>P. vulguris, M. morganii, P. rettgeri, S. marcescens</I>, そしてP. aeruginosaの耐性菌 (I株を含む) が高率である他, K. pneumoniae, C. freundii, E. aerogenes, <I>H. influenzae</I>の耐性菌も散見された。
著者
池谷 守司 松井 繁幸
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.5, pp.20-23, 2012-01

ウインドウレス鶏舎において市販の白色レグホーン種400羽を用い、127日齢から462日齢の間、従来の白熱電球と一般電球形LED電球にて、15時間の連続照明を行い、鶏の生産性や経済性に及ぼす影響を検討し、以下の結果を得た。1. 産卵成績、卵質、体重、放卵時刻いずれの調査項目においてもLED区と白熱電球区に差はみられなかった。2. 電気使用量はLED区が0.3~0.4kWh/日、白熱電球区が3.5~3.6kWh/日であり、LED区の電気使用量は、白熱電球区の8~11%に低減した。その結果、電気料金を含めて算出した1羽当たり収益では、LED区が白熱電球区より約113円多くなった。以上の結果より、ウインドウレス鶏舎内における光源として白熱電球の代わりに一般電球形LED電球を用いることで、卵の生産に影響なく、電気料金が節約でき、1羽当たりの経済性も有利になることが明らかとなった。
著者
西松 一郎 粂野 文雄
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.25-31, 1966

初生子牛による大豆蛋白質の消化率およびその利用性を知るために本研究を行つた。<br>1) 脱脂粉乳,乳糖,大豆油などを含む基礎飼料に大豆粕または妙つた大豆粉(キナ甥)を各々22.4%,27.8%混ぜ,ホルスタイン種雄初生子牛4頭を用い,生後10日令から39日令までを3期にわけ代謝試験を行い次の結果を得た.飼料の糧蛋白質の消化率は第1期(15~19日)大豆粕区46.4%,キナ粉区53.0%,第3期(35~39日)大豆粕区69.2%,キナ粉区76.4%でキナ粉区が若干よかつた.また,体重当りの1日窒素蓄積量およびみかけの生物価は第1期(15~29日)大豆粕区0.03g,10.8%,キナ粉区0.13g,31.7%,第3期(35~39日)大豆粕区0.11g,29.6%,キナ粉区0.26g,50.4%でキナ粉区がよかった.基礎飼料の粗蛋白質の消化率を用いて,大豆粕とキナ粉の粗蛋白質の消化率を求めると,第1期(15~19日)大豆粕0%,キナ粉10.9%,第3期(35~39日)大豆粕43.2%,キナ粉54.5%となる.第3期は第1期に比し消化率が高くなつた.<br>2) 全乳を基礎飼料とし,ホルスタイン種雄初生子牛4頭を用い10日令から41日令までを4期にわけ,4種の飼料A:大豆粕100g/day,B:大豆粕20g/day,C:キナ粉100g/day,D:キナ粉200g/dayを与えて,ラテン方格法で代謝試験を行い,次の結果を得た,牛乳+飼料の組蛋白質の消化率,体重当りの1日窒素蓄積量およびみかけの生物価は各々平A:91.7%,0.23g,47.3%,B:87.0%,0.28g,46.9%,C:91.1%,0.25g,51,3%,D:88.2%,9.29g,52.5%で各飼料間に有意差はなかつた.牛乳の粗蛋白質の消化率を用いて大豆粕とキナ粉の粗蛋白質の消化率を計算すると,各々平均79.7%,78.2%となった.<br>3) 大豆蛋白質の消化率,体重当りの1日窒素蓄積量およびみかけの生物価は,基礎飼料が全乳の場合は脱脂粉乳の場合に比し著しく高くなつた.
著者
星野 光徳
雑誌
語文論叢 (ISSN:03857980)
巻号頁・発行日
no.5, pp.49-61, 1977-08-30

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著者
笹川 久吾
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
自律神経雑誌 (ISSN:03870952)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-3, 1948-09-15 (Released:2011-05-30)
被引用文献数
1
著者
鹿児島 浩
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

乾燥・凍結に耐性を持つ南極クマムシActuncus antarcticusのゲノム解析を行い、総塩基数28.9 Gbの配列を得た。これにより完成したミトコンドリアの全長配列(14.4 kb)の解析結果を、国際的科学雑誌Mitochondoriaに投稿するべく、現在、論文の準備を進めている。一方、本来の目的であったクマムシの核ゲノム配列については、細菌ゲノム配列の混入のために完成には至らなかった。そこでクマムシの無菌化を行い、餌のクロレラとの二者培養の系を確立した。これによりクマムシの高純度の長鎖ゲノムDNAを調整することが可能になり、10x genomics社のchromium、並びにPacBio社のRSIIによる完全長ゲノムの決定を開始する準備が整った。さらに、南極線虫Panagrolaimus davidiから得られた乾燥・凍結耐性遺伝子の候補遺伝子LEAを、実験モデル生物Caenorhabditis elegansに遺伝子導入し、本来、乾燥感受性の生物であるC. elegansに乾燥耐性を付与することに成功した。これは耐性遺伝子の実用的な応用に大きなインパクトを持つ結果だと考えている。また、乾燥耐性との強い関連を持つ高温耐性生物(温泉に生息する)について、2報の論文を発表した。以上のように、数々の困難を乗り越え、研究のは好ましい方向に向かっていたが、残念ながら研究を続けるポストに就くことができず、科研費申請資格を喪失し、本研究を中止することになった。成果を期待され研究費を交付された研究を全う出来ず、慙愧の念に堪えない。現在、これまでに整備した実験材料や研究成果を活かせるよう、これまでの共同研究者と調整を行っている。