著者
平 真木夫
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = Bulletin of Miyagi University of Education (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.199-207, 2017-01-31

The author first considered relation between backward design and curriculum management. Moreover, the author developed bird's view model of educational evaluation and based on that model pointed out failures of relative evaluation. The author secondary noted transition to active learning activities that becomes the focus of the next course of study in terms of educational evaluations, then introduced One-Paper Portfolio Assessment which is useful to evaluate active learnings.
著者
野本 忠司
雑誌
研究報告ドキュメントコミュニケーション(DC) (ISSN:21888892)
巻号頁・発行日
vol.2016-DC-101, no.8, pp.1-7, 2016-03-17

テキストの読み易さをいかに測るかというリーダビリティーの研究は今からほぼ 100 年前の 1920 年代に米国で始まった.その後,第 2 次世界大戦を経て,1950 年頃に現在でも使われている.Flesh-Kincaid,Fox,Gunning などの指標が誕生した.リーダビリティー研究は現在に至るまで大きなパラダイムシフトをいくつか経験しているが,本稿ではこれらがどのようなものであったのか,その時代背景と共に説明する.
著者
小山 順子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-28, 2016-03-12

日本文学史および和歌文学史において、中世後期は女性の活躍がほとんど知られない時代である。著名な女性作者も存在せず、作品もほとんど伝わらない。そうした中、国立歴史民俗博物館蔵高松宮旧蔵本『内裏女中月次続歌』は、文明十六年(一四八四)から文明十八年にかけて行われた八度の三十首続歌を収めるもので、出詠歌人のうち十三名が女性であることが特徴である。室町時代後期の女性歌人による詠歌は、これまで断片的にしか伝わらなかったため、女性歌人に関する貴重な資料である。『内裏女中月次続歌』の出詠歌人を比定し、どのような出自・経歴であったのかを検討すると、後土御門天皇の近親者もしくは身近に仕えていた後宮女官を中心とすることが判明する。また、『内裏女中月次続歌』が披講・参会を伴わない短冊のみの詠進であり、これは禁裏の月次和歌を模したためと推測する。さらに、勅撰和歌集撰進の希望が残っていたこの時代、勅撰和歌集を視野に入れた催しであった可能性を考えた。In the history of Japanese literature and the history of traditional Japanese poetry, women did not cut conspicuous figures in the last part of the Medieval period. There is no famous poet or famous works by women authors. Under such situation, “The Monthly Poetry by Imperial Court Ladies (内裏女中月次続歌)”, owned by the National Museum of Japanese History, was reported. This book contained eight times of monthly poetry that performed from 1484 through 1486 presented by 5 men and 13 women. This study clarified the identification of persons.
著者
寺元 貴幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.60-63, 2016-12-15

全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)は比較的歴史の長いコンテストであり,文部科学省,総務省,経済産業省等から後援を受け,さらに多くの企業から支援も受けている.今回は3部門のうち競技部門について紹介している.競技部門は毎年ルールや競技システムをフルスクラッチで開発しており,参加者だけでなく主催者側も熱い戦いを繰り広げている.平成27年度に長野市で開催された第26回大会の様子を中心に,競技ルールや競技システムについて報告している.また,本選用に開発した競技システムを他の教育でも活用できるよう,インターネットで公開しているのでその様子についても報告している.
著者
松本 亮介 川原 将司 松岡 輝夫
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.31-38, 2011-11-24

近年,AmazonEC2 に代表されるクラウドの台頭に伴い,ホスティングサービスの低価格化が進んでいる.そこで,我々は限られたリソースから大多数のホスト (約 12000 ホスト) を処理するための Web ホスティング基盤を開発した.リソースを必要最小限に抑えるために Apache の VirtualHost 機能を用いて,アクセスのあったホスト名でコンテンツを区別し,単一のプロセスで複数のホストを処理する方式を採用することにした.本稿では,VirtualHost 採用と大規模対応に伴って生じる運用面とセキュリティ上の課題を明確化し,新しい Apache モジュールの開発と suEXEC の改修によって,それらを解決する手法を提案する.その結果,信頼性と運用性の高い大規模 Web ホスティング基盤を構築できた.
著者
福島 邦彦 三宅 誠 伊藤 崇之 河野 隆志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.627-635, 1987-06-15

従来のパターン認識は入力パターンの変形や位置ずれの影響を避けるために まず入力パターンの位置や大きさの正規化を行った後に特徴抽出や識別を行う方式が多かった.これに対して 筆者らは先に 生物の視覚神経系を参考にして 高度のパターン認識能力と学習能力を持つ神経回路モデル"ネオコグニトロン"を提案した.ネオコグニトロンは 入力パターンの変形が位置ずれ ノイズなどに強いパターン認識能力を示す.生物の神経系をヒントにしているため その反応特性は人間に似ており 人間が似ていると感じるものはネオコグニトロンも似ていると判断する.しかも学習能力を持っているので あらかじめ学習させておけば どのようなパターンでも認識させることができる.すでにわれわれは ネオコグニトロンによる手書き数字認識システムをミニコンピュータで実現しているが 今回は ネオコグニトロンの演算量がどの程度かを一般の技術者に直感的にわかってもらうため 広く普及しているマイクロコンピュータを用いてシステムを構成した.プログラムは できるだけ高速に動作させるために種々の工夫をこらして作成した.このシステムがマイクロコンピュータでも実現可能であるということは その演算量がそれほど膨大なものではなく 専用のハードウェアを用いれば 実用になる速度で働くシステムを製作できることを示している.
著者
平山 弘
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.26(1991-HPC-040), pp.1-8, 1992-03-21

多倍長数の数の乗算には、高速フーリエ変換 () を使えば原理的には高速に計算できることはよく知られたことである。この計算は倍精度浮動小数点演算で行うのが高速で有効な方法である。この場合、計算途中で誤差が生じる。この計算法を使うには、この誤差がどの程度の大きさであるか知る必要がある。本論文では、解析的方法、半解析的方法、数値方法によってその誤差がどの程度大きさであるかを調べた。FFTを使った計算は、計算機の僅かな計算精度の違いによって、計算できる桁数が大きく変化することがわかる。1語に5桁の数値を入れた多倍長数の場合、仮数部が53ビットのIEEE方式の場合約5万桁、56ビットのIBM方式のとき、16万桁の計算が可能である。
著者
穂坂 衛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.48-49, 2007-01-15
著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; HUMANITIES and NATURAL SCIENCES (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.49-58, 2016-07-31

本稿は,20世紀前半における名古屋市および名古屋市の人々と中東各国・地域との関係について考察した。まず,当時の名古屋市の人々が中東出身者を見る機会は少なかった。また,名古屋市における中東に関する啓蒙活動は,大日本回教協会(昭和13年設立)の協力があって昭和15年以降,2回ほど行われたにすぎない。ただし,実業家たちは大正末頃から中東に関心を持ち始め,恐慌の一時期を除いて,太平洋戦争が始まる直前まで貿易先として中東には関心を持ち続けていた。その背景には,名古屋商工会議所と大日本回教協会の積極的な活動があった。ただし,実際には中東からの輸入が行われた時期は短く,いずれの国や地域からの輸入品の量もごく僅かであった。