- 著者
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上條浩一
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
- 巻号頁・発行日
- vol.2002, no.122(2002-CSEC-019), pp.31-36, 2002-12-20
デジタルコンテンツの著作権保護, 不正コピーの防止,改竄の検出,抑止等の手段として, 電子透かしが注目されている. 高耐性型電子透かしの大きな基本技術項目として, 耐性と画質(音質)があるが, これらはtrade offの関係にある. 埋め込み後のコンテンツの画質,音質を一定に保ったまま, 耐性を向上させる方法が多数提案されているが, 殆どのものは埋め込み直後の検出強度が最大になるような埋め込み方式を提案している. しかし,埋め込み直後の状態では大抵の場合検出強度は十分強く, 耐性が問題になるのは, 圧縮,アナログ変換等ポストプロセスがかかった後の状態である.本論文では, 電子透かしの耐性を, ポストプロセスがかかった後の検出強度を考慮に入れて埋め込みを行なうことにより向上させる方法について議論し, 実験によりその有用性を確認する.