著者
山田 善靖 松井 知己 杉山 学
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.158-168, 1994
被引用文献数
16 57

事業体の経営効率を評価するには、その優れている点に焦点を当てて分析する方法とその劣っている点に焦点を当てて分析する方法が考えられる。DEA(Data Envelopment Analysis)は事業体の優れている点から効率性を評価する方法であり、一般に広く利用されている。これに対して本論文では、事業体の劣っている点に焦点を当てて非効率を分析する方法として"Inverted DEA(Inverted Data Envelopmen Analysis)"を提案する。Inverted DEAは、従来のDEAモデルと同じ仮定を用いるが、目的関数にDEAとは逆の関係を与えて事業体の経営に対する非効率の度合いを評価する手法である。次に、ここで提案したInverted DEAが有効に利用される例として、Inverted DEAと従来のDEAを用いて事業体を分類する方法を論じる。この方法は、Inverted DEAとDEAによる評価を組み合わせて用い、事業体の良い所と悪い所を総合的に把握し分類する方法である。この方法は、DEAを単独に用いる場合にしばしば指摘される問題点である、特異な活動をする事業体の評価が高く出る傾向がある点と、大部分の事業体のDEA効率値が1に近い場合、評価が困難である点を補うことができる。最後に実際のデータを用いて、事業体の経営効率の評価分析を行う。
著者
横内 健一
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.14, pp.12-15, 1998-08-03

小学校4年生の社会科で、インターネツトを利用した学習を行つた。沖縄県那覇市の小学校と電子メールを使って交流を図ったり、互いに気候、生活、交通、特産物など学習の疑問を尋ねあったりしなガら自分の課題に迫る調べ学習の授業を進めた。また、ホームページを活用して調べ学習の貿料として利用する活動も行った。本校はインターネツトに直接接続する環境にはないガ、工夫することによって授業に活用してきた事例を紹介する。
著者
福谷 茂
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.102-110, 2000-09-01
著者
竹林 幹雄 黒田 勝彦 鈴木 秀彦 宮内 敏昌
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.674, pp.35-48, 2001-04-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3

本論文では, 自由化が進展した国際航空旅客輸送市場の構造分析を行うことを目的とする. まず, 市場をエアラインと旅客から構成される完全競争市場であると仮定し, モデル化を行った. さらに, 旅客需要はネットワークのサービスレベルに応じて弾力的に変化する需要変動型とした. 次に2010年におけるアジア~太平洋~欧州路線にモデルを適用し, 需要予測を行うと同時に, 成田, 関西両空港における空港容量拡張の影響を検討した. その結果, 空港容量の拡張により, ハブ機能を強化することが可能であることを示した.
著者
野川 敏史 高山 芳幸 齋藤 正恭 横山 敦郎
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.170-178, 2015

<b>目的</b>:部分欠損症例において,インプラント支持補綴装置(ISFP)と部分床義歯(RPD)が欠損隣接歯の予後に及ぼす影響を比較・検討することを目的として後ろ向きコホート研究を行った. <br><b>方法</b>:北海道大学病院歯科診療センター義歯補綴科にて,2003年から2011年の間に,ISFPまたはRPDを装着し,補綴治療終了後1年以上経過し,年1回以上のリコールに応じている患者を対象とした.全部床義歯装着者や診療録の不備により不適当と判断したものは除外した.調査項目は,性別,年齢,補綴方法,残存歯数とし,欠損隣接歯では,歯種,根管治療の有無,歯冠補綴・修復の有無,同名対合歯の有無を調べた.エンドポイントは抜歯,および何らかのトラブル(破折,脱離,齲蝕,根尖性歯周炎,辺縁性歯周炎)があった時点としてKaplan-Meier法により生存率,トラブル未発生率を算出した.補綴装置間の比較にはlog-rank検定を用い,有意水準は0.05とした.<br><b>結果</b>:対象患者は501名(ISFP:41名,RPD:460名)であった.欠損隣接歯の5年生存率は,ISFPで97.5%,RPDは90.9%であり有意差は認められなかった(<i>P</i>=0.060).トラブル未発生率は,ISFPで89.3%,RPDは70.5%であり有意差が認められた(<i>P</i>=0.008).<br><b>結論</b>:本研究において,補綴装置の選択が欠損隣接歯の予後に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
北村 俊雄 稲葉 俊哉 松井 啓隆
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

HL60はレチノイン酸で好中球に、Vitamin D3で単球に分化する。本研究ではHL60分化において経時的にRNAseqを行い、好中球および単球に分化する際に上昇してくる遺伝子を複数の遺伝子を同定した。しかしながら予想したようにこれらの遺伝子が染色体上の近傍に存在するということはなかった。そこで、HL60の分化におけるエピジェネティクスが果たす役割を調べるためにエピジェネティクス因子ASXL1のノックダウンを行い、細胞分化とヒストン修飾の関係を調べた。ASXL1ノックダウンはヒストンH3K4とH3K27のトリメチル化を低下させ、HL60の分化を阻害した。
著者
北 潔 稲岡 健ダニエル 原田 繁春 斎本 博之
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は寄生虫のエネルギー代謝系酵素群が極めて特殊な性質を持ち、宿主中での寄生適応に重要な役割を果している事を明らかにして来た。シアン耐性酸化酵素(Trypanosome alternative oxidase)は宿主の血流中に生息するアフリカトリパノソーマの増殖に必要不可欠であり、薬剤標的として有望な酵素である。そこで我々が見出した特異的阻害剤アスコフラノンに着目し、化学の領域から生命現象を捉え、その応用を視野に入れたケミカルバイオロジーの観点により酵素の特徴、阻害剤との相互作用、そしてアスコフラノンの生合成経路を明らかにした。

1 0 0 0 OA 和漢運気指南

著者
西川如見 著
出版者
西川忠英
巻号頁・発行日
vol.後篇, 1900
著者
津志田 藤二郎
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.448-449, 2006-08-15

<B>1.食事バランスガイドの制定</B><BR>食事は,運動やストレス,喫煙,飲酒などとともに,私たちの健康に大きな影響を与える要因の一つになっており,健康を維持するためにはそのバランス,すなわち「フードバランス」あるいは「食事バランス」が重要であると考えられるようになった.アンバランスな食事を続けると高血圧や糖尿病,心疾患,脳血管疾患,アレルギーなどの免疫系失調等の生活習慣病に陥る確率が高くなり,生活の質が低下するのみならず早死にを招く結果となることは,誰もが理解するところである.しかし,理解しながらもその実践となると,心もとないのが現実である.こうした事態を打開するため,平成12年に制定した「食生活指針」を具体的な行動に結び付け,国民一人ひとりがバランスのとれた食生活を実現していくことができるよう,食事の望ましい組み合わせやおおよその量を分かりやすくイラストで示した「食事バランスガイド」を,農林水産省と厚生労働省が共同で平成17年6月に決定・公表した.主食(米やうどん,パン)と副菜(野菜やいも,キノコ,海藻等の料理),主菜(肉や魚,卵,大豆等の料理),そして牛乳・乳製品と果物の5つのグループの望ましい摂取量をコマの体積からイメージできるように図案化し,摂取バランスが悪いとコマが倒れ,いわば生活習慣病などの不測の事態が生じることをイメージさせるガイドである.コマの上の軸にはコップがあり,水やお茶などの飲料水摂取の重要性も意識させ,さらにコマの上を走る人間の姿も図案化され,食事のみならず普段からの運動の重要性も見て取れ,世界的に見ても分りやすくユニークなガイドになっている(図1).この「食事バランスガイド」は,同時期(平成17年6月)に制定された「食育基本法」を実践するための教材ともなっており,わが国に健全な食生活を定着させるために大きく役立つものとして期待されている.<BR><B>2.マクガバン報告から現在まで</B><BR>食事と健康の関係について注目し,それを行政的な課題として取り上げた最初の事例は,1977年の「マクガバン報告」である.米国の上院議員であったマクガバン氏は,1960年代の米国民一人当たりの医療費が世界のどの国よりはるかに高いにも係わらず,平均寿命が世界26位であることに失望を覚え,アメリカ上院栄養問題特別委員会を設置して世界から学者を集めて食事と健康に関する調査を行い,膨大な調査結果(マクガバン報告)を1977年に発表した.その中で,(1) 炭水化物摂取の奨励,(2) 脂肪摂取の抑制,(3) 飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸摂取の推奨,(4) コレステロール摂取の抑制,(5) 砂糖摂取の抑制,(6) 食塩摂取の抑制を取り上げ,タンパク質(P)と脂質(F),炭水化物(C)摂取の比率は,当時の日本の食事が理想的であり,米国の食事は間違っていることをすなおに認め,以後積極的な食事改良政策を展開した.その後,米国農務省は1992年に各食品群別に食べる量をピラミッドに示した面積から推定できるフードガイドピラミッドを制定し,2005年には個人の事情に合わせることが可能なマイピラミッド型のフードガイドを制定するに至っている.なお,米国でのフードガイドピラミット制定以来,オーストラリアやカナダ,イギリス,オランダ,ポルトガル,中国等でもそれぞれ独自の図案によるフードガイドが制定され,各国が生活習慣病の予防に向けた取り組みを活発に行う時代が到来している.<BR><B>3.国民栄養調査と「日本食事摂取基準(2005年版)」の制定</B><BR>こうした「フードガイド」制定の科学的な根拠としては,わが国で毎年実施している国民健康栄養調査がある.それによると3大栄養素であるPFCについては,30歳以上69歳までの人の摂取目標量がそれぞれエネルギー比で20%未満,20以上25%未満,50以上70%未満となっている.また,脂肪については飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けてその摂取基準を定めており,18歳以上の男性では飽和脂肪酸の目標量(エネルギー)が4.5~7.0%,n-6系脂肪酸の摂取目標量(エネルギー)が同様に10%未満,n-3系脂肪酸の摂取目標量(エネルギー)が男性の18歳以上49歳までが9.4%以上,50~69歳までが11.6%以上,70歳以上が8.8%以上となっている.この他,ビタミン,ミネラルなど微量栄養素についても,それぞれ摂取量の基準が「日本食事摂取基準(2005年版)」に示されており「食事バランスガイド」には,この食事摂取基準を満たすための役割も期待されており,当面はわが国において摂取量が不足している野菜の摂取目標値1日350gと果実の摂取目標値1日200gの実現が重要な課題になっている.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1551, pp.54-58, 2010-07-26

アフリカのキリマンジャロなど世界の名峰を踏破してきたクライマーが、また1つ、自らに高い目標を課した。英蘭ユニリーバのポール・ポルマンCEO(最高経営責任者)だ。その目標とは「売り上げ倍増」。同社の2009年の連結売上高が約400億ユーロ(約4.3 兆円)だから、日本円に直せば10兆円近くを目指すことになる。
著者
谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

This paper describes the problems of approaches towards‘’symbol systems ’’in the research eld of arti cial intelligence. In conventional arti cial intelligence researches, amodal symbolic systems have been explicitly or implicitly assumed. In contrast with such approaches, we insist that a symbol system have to be considered as a part of an emergent system called symbol emergent system. Based on the concept, we describe the importance of the approach called symbol emergence in robotics.
著者
徳田 悟 永田 賢二 岡田 真人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

学習において,確率分布の構造はサンプルの個数が増えるにつれて徐々に明らかになる.ではサンプル数が少なくともいくつであれば,その構造を発見できるのであろうか?我々は物質の相転移を議論する統計力学との数理的等価性に基づき,ベイズ学習における系の秩序変数を計算し,その転移点が学習に必要な最低サンプル数に対応することを示す.ニューラルネットワークの一種である動径基底関数ネットワークにおいてその検証を行う.