著者
近藤 隆二郎 盛岡 通 城戸 由能 原田 弘之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.259-264, 1991-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
18

The environmental planning become to involve the spatial identicalcharacteristics found out by means of analysis on historical literacy, written books, drawn maps and soon.This study is to produce a concept in event management aiming environmentalb etterment from interpretation the contents of aqua-culture of the noted springs and wells on Uemachi-hill.The results from these analyses as follows: 1) the fresh springs and wells of Uemachi-hill were indispensable for lives of peoplc in Osaka especially before 1890. 2) Before modern water supply, water carriers named as MIZUYA delivered clean water to citizens. 3) In Edo era peoples were conscious of the nature of pureness, sweetness, sustainability and holliness as drinking water.Then we planed and managed an public-participated event named as ‘UEMACHI-DAICHIMIZU MEGUR I’ in which the concept introduced from the historically relationship of human and springs/wells of Uemachi-hill had the main theme as‘You play as MINYA.’ articipants enjoyed town watching and to bring water in one well and to throw water into another dried-up well as a ceremony for environmental resuscitation.
著者
鈴木 誠 粟野 隆 井之川 若奈
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.339-350, 2005-03-30
参考文献数
31
被引用文献数
1

明治時代の代表的軍人・政治家である山縣有朋(1838〜1922)は築庭を趣味とした。近代日本庭園の形に強い影響を与えた庭園として無鄰庵が有名だが、この庭は山縣を施主として植治(七代目小川治兵衛)が作庭した。したがって、山縣は近代日本庭園のデザインに強い影響を与えた人物とされる。しかし、植治と無鄰庵庭園についての研究は数多いものの、山縣と庭園とに関する研究は少ない。そこで本研究は山縣有朋の庭園観について、植治と出会う以前に造営した椿山荘庭園を中心に分析考察し明らかにすることを目的とした。結果として、山縣の庭園デザインの根源に、彼の故郷萩の山川の風景-原風景があることが指摘できた。
著者
Hideki UCHIYAMA Takeshi MACHI Michitaro NAKAMURA Yoshiyuki GUNJI Satoshi NOZAWA Masahiro NOHMI Mami SAITO
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN (ISSN:18840485)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.616-620, 2021 (Released:2021-07-04)
参考文献数
4

We propose a new educational use of a nanosatellite for high school and junior high school students, and not making a nanosatellite but using it. We held a workshop in which high school and junior high school students made observation plans using Stars-AO, which is a CubeSat equipped with a high-sensitivity visible-light camera. We evaluated the educational effects of the workshop by analyzing the response writings of the students and their replies to questionnaires. The participants' abilities and interest in science and space engineering increased because of the workshop. In this study, we report the workshop details and evaluation of its educational effects.
著者
栗原 まな
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.311-315, 2016-04-18 (Released:2016-05-20)
参考文献数
5

当院で入院リハビリテーションを行った16歳未満で発症した低酸素性脳症例35例(発症年齢平均5歳8カ月)の,急性期の状況と後遺症の状況を調査し,高次脳機能障害に焦点をあてて検討した.発症原因は溺水12例,窒息6例,心疾患10例などで,原因により年齢分布が異なっていた.後遺症は身体障害28例,知的障害30例,てんかん16例,高次脳機能障害12例であった.高次脳機能障害の内訳では視覚認知障害・注意障害が多かったが,小児では評価バッテリーに頼りきらず生活の中での把握が大切であった.それらへの対応についても述べた.
著者
谷本 智 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_1135-I_1146, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
14
被引用文献数
2

生活道路に流入する抜け道交通は交通安全上大きな問題である.既存の取り組みとしてハンプや狭さくなど速度抑制デバイスが用いられてきたが,抜け道交通のみを判別して取り除くことは困難であり根本の解決には至っていない.そこで本研究では欧州で普及しているライジングボラードに着目した.ライジングボラードは,抜け道車両の選択的排除が可能なツールであり,公道では未導入である日本における導入の可能性を検討するため埼玉大学構内において運用実験を行い,基礎研究として研究成果の蓄積を行った.被験者を用いた通行実験から,通行抑制効果が明らかになり抜け道対策としての有効性が示された.また車両との接触時の安全性,悪天候などの状況下での正常な作動が確かめられるなど,導入に向けた有益な知見を得ることができた.
著者
新井紀子# 菅原真悟# 尾崎幸謙# 犬塚美輪 新井庭子# 分寺杏介# 野口裕之 登藤直弥
雑誌
日本教育心理学会第59回総会
巻号頁・発行日
2017-09-27

企画主旨登藤直弥 本自主企画シンポジウムで取り上げるリーディングスキルテスト(Reading Skill Tests,RST)においては,いわゆる国語の文章読解問題のように,「文意が正しく読み取れるか」などといった大まかな能力が測定されているわけではない。RSTではより細かな認知能力,具体的には,「文の中における係り受け構造が正しく理解できるか」だとか「文間での照応関係が正しく認識できるか」などといった,より基礎的な読解能力が測定されるように設計されている。 このRSTに関しては,一昨年度よりその開発を始め,現在では,様々な学校・企業・自治体の協力を得て,データの収集や分析を進めているところである。その結果,以下に記載されているように,RST,さらには,「読解」という行為に関する様々な知見が蓄積されてきた。 そこで,本自主企画シンポジウムでは,RSTの開発を始めた経緯,RSTの仕様,RSTの教育測定学的性質,そして,RSTを用いて行われたいくつかの研究の結果について,以下に示す通り,計6名の先生方から話題提供をしていただく。基盤となる読解力を測る新井紀子 21世紀の知識基盤社会においては,人生を通じて必要となる知識やスキルが確立されたカリキュラムの枠組みだけでは十分には獲得できず,人が生涯にわたり学び・学習の活動を続けていく「生涯学習」が必要となる。その形態が,アナログかデジタルか,直接か遠隔かに関わらず,学習コンテンツの多くが書記言語の「読解」を前提として構成されている。そのため,知識基盤社会においては,書記言語の運用能力の如何が,労働市場での価値を大きく左右する。一方,学習者間で看過できない読解力の差が生じていることは動かしがたい事実である。読解力が知識基盤社会を生き抜くための核心的スキルであるならば,すべての学習者がそれを一定程度身に着ける教育プログラムがあることが,格差の少ない民主的な社会の形成の上で強く望まれる。 我々は,近年の深い言語処理の研究成果と対比させつつ,従来の読解の認知プロセスモデルを精緻化した上で,項目応答理論と認知診断モデルを用いた適応型テストを用いることにより,従来の学習到達度テストや読解力調査では測定することのできなかった読解に関わる認知プロセスにかかわる能力(認知能力)を高い精度で診断することを目的とするRSTの研究開発に着手した。その成果について発表を行う。RSTの各問題タイプの目的と作問方法菅原真悟 RSTでは6つの問題タイプを設定し,それぞれ異なる能力を測ることを目的としている。各問題タイプの概要は,以下の通りである。(1)「係り受け認識(DEP:Dependency Analysis)」:係り受け関係を正しく認識できているかを測る。(2)「照応解決(ANA:Anaphora Resolution)」:指示照応やゼロ照応を理解できているかを測る。(3)「同義文判定(PARA:Paraphrasing)」:2つの文を比較し,それらが同義かあるか否かを理解できるかを測る。(4)「推論(INF:Logical Inference)」:提示された文から論理推論することで,新しい知識を獲得できるかを測る。(5)「イメージ同定(REP:Representation)」:提示された文を読んで,それがどのようなことを表しているかイメージできるかを測る。(6)「具体例認識(INST:Instantiation)」:概念または用語の定義を読み,それがどのような状況に当てはまるか,具体的に認識できるかを測る。 各問題は,主に中学校及び高等学校で用いられている検定済教科書に載っている文を基に作問している。なお,RSTで教科書等に掲載された文を使用するにあたっては,各著作権者と協議のうえ,著作権許諾契約を結び実施している。本発表では,各問題タイプが,どのような目的で作問されているかを,具体例をあげて説明する。RSTの信頼性と妥当性および質問紙調査項目との相関尾崎幸謙・登藤直弥 本発表では,1)RSTの信頼性と妥当性,2)質問紙調査項目との相関について報告する。 RSTの各項目が適切に読解にかかわる認知能力を測定していることを調べるために,まず項目特性図を描き,その形状によって適切な項目であるか否かを判断した。通常の項目特性図は,合計得点のグループごとの各選択肢の選択割合を示したものである。しかし,現在のRSTは,受験者に対してランダムに項目提示を行っているため,受験者によって解いた問題が異なる。そのため,受験者に対する評価は項目応答理論を用いて行った。項目応答理論における受験者特性値θをすべての受験者について求め,これを合計得点の代わりとして項目特性図を描いた。 その結果,いくつかの問題については,問題文や選択肢の修正の必要があることが分かった。なお,RSTでは修正の必要の有無の判断・修正・再データ収集のループを回して実施し,適切な項目内容となるためのフローを作っている。 また,RSTの信頼性と妥当性については,項目特性図によってスクリーニングされた適切な項目のみを使って問題タイプ毎に検討を行った。具体的には,信頼性であれば,たとえばω係数(McDonald,1999)を用いて検討を行い,妥当性であれば,受験者特性値θ間の相関係数や「各受験者特性値や正答率と年齢との関係」などを用いて検討を行った。その結果,現状では,全ての問題タイプにおいて,十分な信頼性と妥当性が示唆される結果が得られている。なお,問題タイプ毎に,項目応答理論を適用する際の前提が満たされているかどうかについても確認を行ったが,この点についても,適用するにあたっての前提は満たされているであろうことが示唆されている。 さらに,信頼性と妥当性が確認された項目群を用いて,質問紙調査項目との相関を求めた。なお,これらの分析についても問題タイプ毎に行っている。この質問紙調査項目には,読書習慣,読書の好き嫌い,得意な科目などについて尋ねるものが含まれている。したがって,読解力という漠然とした構成概念ではなく,読解力を構成するより細かな認知能力について,読書習慣等に関する質問紙調査項目との相関を調べることができた。なぜ読むのが難しいのか:眼球運動の特徴から犬塚美輪 RSTの実施結果からは,教科書という基本的な学習リソースにおいて文理解が困難な学習者が少なくないことが示されたと言える。こうした困難の要因の一つは,教科書の文章の構造の複雑さにあると推測できる。一方で,学習者が十分な読解スキルを有していないことも要因であろう。読解スキル育成のためには,優れた(あるいは困難を持つ)読み手の特徴に基づいた介入案の検討が必要であるが,青年期の読み手の読解プロセスについては基礎的データが十分ではない。 そこで,本発表では,大学生を対象に,原文と構造を明確化した修正文における読解プロセスを検討する。予備的な研究からは,原文と修正文で読解時間は大きく異ならないものの,修正文では低成績者の理解を底上げすることが示唆された。本発表では,眼球運動のデータを用いて,原文と修正文で学習者の読解プロセスがどのように異なるか,そこからどのような教育的提言が可能かを論じる。小・中ギャップにつながる教科書テキストの特徴新井庭子・分寺杏介 教科書の文章は正しく読めることが前提とされてきたが,RSTの実施結果からは,学習者が正しく教科書を読めていない実態が示された。本発表では,学習者の読みを困難にしている教科書の具体的な特徴について検討を行った結果を報告する。 近年,教育現場でいわゆる小・中ギャップ,すなわち,小学校から中学校への進学において,新たな環境での学習や生活に対応できず不登校等に繋がる状況が問題視されている(中央教育審議会初等中等教育分科会,2012)。小・中ギャップは学習者の学習面と生活面から検討が進められており,学習面では,担任制の相違や授業形態の違いなどの指導法の面からの研究はあるが(中央教育審議会初等中等教育分科会,2012;伊藤,2014),学習者が抱える困難がどのようなものか,例えば教科書を読んで理解し知識を獲得できているか等を具体的に分析した研究は少ない。 そこで,小学校と中学校の理科教科書を題材として,そこにどのような量的・質的なギャップがあるかを分析した。また,読みを困難にするテキストのパラメータを予測し,小・中教科書テキストの間にそのパラメータで表現できるギャップがあることを示した上で, RSTの結果を用いてそのギャップが実際に人にとっての困難につながるかどうかを確認した。 「人にとってのテキストの難しさ」を扱う関連研究で伝統的に採用されてきたパラメータのうち,単語親密度・係り受けの数・距離の平均・ツリー構造の深さを採用し,特に係り受けの複雑さについて小・中間で明確な差があることを確認した。その他にも,これまでの研究では考慮されていなかった新規パラメータとして定義表現の数・分類表現の数について,小・中間で大きなギャップがあることを示した。
著者
杉浦 衛
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.611-619, 1957 (Released:2017-12-22)

The examination of the fluorescent substances in the blood by rabbit blood has made clear the fluorescent substances found in it. Five kinds of fluorescent substances are found in the blood besides riboflavin. The investigation has been pursued with the application of spot colour reaction derived from paper partition chromatography, spector examination, contrivance of development solvent and bioassay. The result has shown that folic acid derivative in violet fluorescent substance, 3-hydroxykynurenine in yellow-green fluorescent substance, kynurenine in blue fluorescent substance and protoporphyrin in red-brown fluorescent substance have been identified. In yellow-brown fluorescent substance, a substance which seems to have a relation with protoporphyrin has been presumed.
著者
大津 広敬 安部 隆士 船木 一幸
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.628, pp.181-188, 2006 (Released:2006-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

An applicability of the electrodynamic heat shield system to super-orbital reentry vehicles was investigated. In the case of the super-orbital reentry flight, due to the strong ionization reactions inside the shock layer, the heat shield system which utilizes the electromagnetic force is expected to work well. In the present study, in order to evaluate the reentry heating reduction by this heat shield system, we performed a CFD analysis including thermochemical non-equilibrium effects and an electromagnetic force. The flight condition used for the present study is that the velocity is 11.6km/s at the altitude of 64km at which the stagnation point heat flux of the MUSES-C reentry capsule is considered to be the maximum value. From our CFD results, we found that the heat flux to the vehicle could be reduced by up to 50%. Additionally, it was also found that the drag coefficient increased with the magnetic field strength, and the maximum value of the drag coefficient was 2.0 with the magnetic field strength of 0.6[T].
著者
田熊 一敞 片岡 駿介 吾郷 由希夫 松田 敏夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.134, no.4, pp.180-183, 2009 (Released:2009-10-14)
参考文献数
35
被引用文献数
1 2

「細胞の自殺プログラム」として見いだされたアポトーシスは,胎生期における器官形成や各器官での新陳代謝に伴う細胞死のみならず,虚血性病変や悪性腫瘍などでの細胞死においても関与することが示され,生理的あるいは病態的いずれの細胞死においても重要な役割を果たすことが明らかとなってきた.中枢神経系においても,アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経脱落疾患においてアポトーシスの関与が見いだされた.このような背景のもと,種々の疾患において,アポトーシスの発現制御機構の解明を通した新たな治療法開発へのアプローチが,国内外ともに最近の研究の潮流となりつつある.本稿では,アルツハイマー病におけるアポトーシスについて,アミロイドβペプチドによるミトコンドリア障害を中心に最近の研究の進展を紹介する.

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1886年07月10日, 1886-07-10

5 0 0 0 OA 落話中興来由

著者
式亭三馬//〔輯〕
出版者
巻号頁・発行日
1815

書名は表紙書き題簽による。裏表紙書き題簽「落話会刷画帖」。式亭三馬が収集した文化年間の落話会の刷物8枚を貼り込み、自ら注釈を加えてまとめたもの。刷物のなかには、朝寐房夢羅久、林屋正蔵、三笑亭可楽などの名が見える。書名の「中興」は、江戸落語が元禄期の鹿野武左衛門以後途絶し、談洲楼烏亭焉馬(1743-1822)等により再興したことを指すものであろう。貼り込まれた刷物とともに、三馬が細かに記した注釈により、落語の源流を支えた人びとの様子が伝わる。渋江抽斎、飯島花月、京の藁兵衛(堀野文禄)旧蔵。
著者
西岡 大輔 栄原 智文
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.153-155, 2017-09-20 (Released:2017-09-29)
参考文献数
5

緒言:Ambulatory Care-Sensitive Conditions (ACSCs)とは「適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院を減らすことができる状態」のことであり,ACSCsである患者の入院回避は重要である.ACSCsの高齢心不全患者に慢性疾患ケアモデルを適用し再入院までの期間を延長しえた事例を報告する.症例:92歳男性.慢性心不全のために定期通院しており,2014年4月まではコントロール良好であった.その後の入院頻度が増えたため,2015年2月より慢性疾患ケアモデルを適用した.その結果,心機能は継時的に増悪していたにも関わらず,再入院までの平均日数が適用前後で30.5日から64.3日と延長した.考察:利尿剤のスライディングスケールを用いた治療は,欧米では慢性疾患ケアモデルに基づき実施されている.慢性疾患ケアモデルのもとでフロセミドのスライディング療法を開始したことでACSCsにある患者の再入院までの期間が延長できた.
著者
日下 博幸 羽入 拓朗 縄田 恵子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.479-492, 2010-09-01 (Released:2012-01-31)
参考文献数
26
被引用文献数
2 3

本研究では,2000年7月4日に東京で観測された局地豪雨を対象に,GPS可降水量とヒートアイランド現象に着目した気象観測データの解析を行った.その結果,この日,大気の状態は不安定で,平野スケールの地上風の収束場が都心に位置しており,山岳から都心に移動してきた降水系に伴う発散風と海風としての南風の局所的な収束が都心で生じていたことが確認された.さらには,可降水量の増加域は降水域と一致しており,その値は降水の数時間前に増加し,約1時間前に最大になる傾向にあったことがわかった.しかしながら,ヒートアイランド現象は明瞭に見られたものの,それに伴う都心での明瞭な水蒸気の集積は認められなかった.本事例の場合,ヒートアイランドが東京で強い上昇流を引き起こしながら水蒸気を集積し豪雨を発生させたと考えることは難しい.