著者
海野 昭史
出版者
朝日大学
雑誌
朝日大学一般教育紀要 (ISSN:13413589)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.19-38, 2006

Cleanness(Purityと題されていることもある)は、Patience同様に、説教の例話として『聖書』、特に『旧約聖書』の物語を敷衍して語っている。Patienceは『旧約聖書』の中の「ヨナの書」(Ionas)を単独に扱っているのに対し、Cleannessは『旧約聖書』の複数の物語を取り上げている。したがって、両作品には、構成、それに伴う内容の取り扱いに差異が見られる。それで、今回は、Cleannessに見られる「内」と「外」を表すコントラストの機能を中心に考察し詩人の詩作の意図を論じてみたい。この作品には、タイトルに示されているように'clannesse'、またその反意語である'unclan-nesse'、およびこの2つの語に関連する表現が散りばめられている。それに伴い、'clannesse'の範疇に属するノエ、アブラハム、ロト、ダニエルそしてキリスト、'unclannesse'の世界の人々に属するルシファー、アダム、箱舟に入ることのできない人々、ソドムとゴモッラの人々、およびナブコドノゾル王の息子のバルタッサル王がそれぞれ対照的に登場している。ただ、ナブコドノゾル王については、状況によって'clannesse'と'unclannesse'の両面が見られる。こうしたコントラストに付随して見られる「内」と「外」の機能は作品の中で重要な役割を担っている。たとえ「外」を表す表現が使われていなくとも、「内」を表す表現が使われていれば、「外」を表す内容が暗示されている場合がある。また、その逆も有り得る。
著者
松本 秀人
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.145-149, 2010-07-01

観光と図書館の融合 = The fusion of tourism and libraries
著者
保崎 則雄 鈴木 広子
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.25-37, 1997-03-31

字幕つき映像においては、画面上で視るものが、映像情報と文字情報の2種類存在する。その情報内容は、音声と映像の提示技術と相まって、重複したり、異なったりという様相を絶え間なく繰り返しつつ進行するため、初級者にとっては、認知負荷が増し、混乱を招き、理解の干渉になっていることが確認されている。一方、英語上級者にとっては、字幕は新たな効果的情報源となりうると示唆される。ところが、その上級者の視聴過程に踏み込んで分析した研究は、ほとんどない。本研究では、現在までに収集した英語上級者の字幕つき音声映像の特徴的な視聴モデルを紹介する。映像と字幕間の三角形の情報処理パターン、ネイティブスピーカーの多角形視聴パターン、安定した字幕読みのパターン、上級者と初級者の視点注視時間のパターンの違いなどを具体的な視線運動の分析を中心として示し、上級者の視聴モデルについて実例を交え考察する。
著者
曽野 裕夫
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.159-213, 1993-12-20
著者
西川 慶子
出版者
広島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

けいれんモデル動物作出のために、申請者らによっってクローニングされたけいれん関連遺伝子SEZ-6のトランスジェニックマウスを作製した。トランスジェニックマウス作出に用いた導入ベクターはSEZ-6cDNAをネスティンのプロモーター/エンハンサーの神経特異的な発現を制御する領域に結合して構築した。このベクターはレポーター遺伝しとして大腸菌βガラクトシダーゼ遺伝子を用いて導入遺伝子の発現をモニターできるようにした。通常の方法により、このベクターを用いてトランスジェニックマウスを作製した。レポーター遺伝子の発現は、予想された通りに中枢神経系で強い発現を示した。このことから、導入したSEZ-6cDNAも中枢神経系で発現していることが予想された。このトランスジェニックマウスは雄雌とも正常な妊性を示した。さらに、組織レベルでは目立った異常は認められなかった。今後はこれらのトランスジェニックマウスのけいれん誘発剤に対する感受性を調べなくてはならないと考えている。
著者
郡山 桂子
出版者
佐賀女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02882965)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-10, 2012
著者
吉井 和佳 後藤 真孝 駒谷 和範 尾形 哲也 奥乃 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.82, pp.91-96, 2005-08-05

本稿では、認識誤りを含むドラム音の発音時刻列からドラムパターンを推定し、認識誤り補正を行う手法について述べる。本稿におけるドラムパターンとは、バスドラム音およびスネアドラム音の発音時刻列のペアで構成される周期的な時間構造のことを指す。まず、我々が提案したドラム音認識手法を音楽音響信号に適用してドラム音の発音時刻列を得る。次に、発音時刻列を短時間フーリエ解析しても止まる周期長に基づき、ドラムパターンを切り出す。ここで、同じドラムパターンは連続して反復されやすいという仮定をおき、各ドラムパターン区間における実際の発音時刻列を推定する。最後に、切り出されたドラムパターンと推定された発音時刻列との比較により、認識誤りの可能性が高い時刻を検出し、再検証を行う。ポピュラー音楽50曲を用いたドラム音認識実験で、補正手法により認識率が77.4% から80.7%に改善することを確認した。may include recognition errors and corrects them by using the drum patterns. In this paper, drum patterns are defined as periodic temporal structures which are pair of onset-time sequences of bass and snare drum sounds. First, we apply our drum sound recognition method to musical audio signals, and obtain onset-time sequences of drum sounds. Next, we calculate the period length of those sequences by applying short-time Fourier transform, and extract drum patterns from them. Under the assumption that the same drum patterns tend to be repeated, we estimate an actual onset-time sequences in duration of each drum pattern. Finally, by comparing each drum pattern with its corresponding estimated onset-time sequences, we detect time points where recognition errors may have been made, and verify those points. The experiments of drum sound recognition with 50 popular songs showed that our correction method improved the recognition accuracy from 77.4% to 80.7%.