著者
後藤 智英 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.1-4, 2010-03-12

本論文は,コンピュータグラフィックスにより現実感のある滑雪シーンを生成する手法を提案する.具体的には,屋根雪の落滑雪を,滑雪開始,滑雪中,雪の分割,滑落中,滑落後の5つのステップに分け,それぞれのステップごとに調査・研究文献データをもとに雪の動きを算出した.さらに,中点変位法やポイントスプライト技術を用いて雪を表現することで,屋根の上に積もった雪が滑雪し地面に衝突するまでの一連の動作の滑雪シミュレーションを実現した.このとき,屋根,家形状,雪質および気温の各パラメータを任意に与えることにより多様なリアルタイムでの滑雪シミュレーションを可能とした.
著者
越山 顕一朗
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

超音波作用下で細胞膜に働く張力の周期的な変化を再現する分子動力学シミュレーションコードを開発し,チャンネルタンパク質,コレステロール,イオンを含む脂質膜分子モデルに応用した.これより,張力変動下での, 脂質膜での孔構造の形成,チャネルタンパク質の不感受性,イオンの孔構造透過パターンの変化,コレステロール・リン脂質膜の相変化を明らかにした.さらにin vitro超音波ニューロモジュレーション(NM)実験装置を開発し,装置における音場制御がNMが生じるより正確な超音波条件を見積もる上で重要であることを指摘した.
著者
鈴木 博人
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.805-816, 2004-11-30
参考文献数
12
被引用文献数
2

日本における大雨の出現頻度の経年変化を明らかにすることを目的に,日本全国の気象官署18箇所を対象に1950年から2003年の54年間におけるひと雨の1,3,6,12,24時間降水量及び総降水量の再現期間が2,5,10年以上の大雨の出現頻度の経年変化を分析した.暖候季(5月から10月)における大雨の出現頻度には,大雨の時間スケールや基準によらず,全般的に1950年代から1960年代前半にかけて高く,1960年代後半から1980年代にかけて低く,1990年代以降が最も高いという変動傾向がみられる.ただし,3,6時間降水量の再現期間が2年以上の大雨の出現頻度は1990年代以降だけが高い傾向にあり,特に1990年代後半に高い傾向にある.また,1950年から2003年の期間後半の大雨の出現頻度の増加傾向はほとんどの場合に有意な期間があるが,期間前半の減少傾向に有意な期間がみられるのは一部の場合のみである.梅雨季(5月から7月)及び台風季(8月から10月)における再現期間が2年以上の大雨の出現頻度は,大雨の時間スケールによって変動傾向に違いがみられるが,いずれの季節も1990年代以降は高い傾向にある.

1 0 0 0 OA 赤穂忠臣録

著者
留守孤雲 著
出版者
帝国史書研究会
巻号頁・発行日
1915
著者
by Henry G. Schwarz
出版者
Western Washington
巻号頁・発行日
1992
著者
三輪 のり子 大橋 達子 岩城 直子 河相 てる美 滝原 香 吉澤 環 福井 則子 石川 今日子 寺嶋 順子 山本 美千代 梅田 加洋子 堅田 智香子 高木 妙子 細川 佳子 山田 真由美 楠 早苗 若林 理恵子 安田 智美 泉野 潔 永山 くに子 田中 三千雄
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.101-110, 2005-07
被引用文献数
1

本研究では,欧米における内視鏡看護研究の歩みと現状を明らかにすることを目的に文献的考察を行った. MEDLINE (1951〜2003年)とCINAHL(1982〜2003年)のOvidのWeb版(2004年5月7日現在)を使用し, Key wordを"Nursing and Endoscopy"とする全種類の文献のうち,看護系雑誌に掲載されていた109篇を対象に分析を行った.その結果, 1966〜1980年代までは解説が中心であったが, 1990年代に入ると研究報告や症例報告もみられるようになり,文献数は増加傾向を示していた.しかし約50年間において,解説に準ずるものが全体の86%を占め,研究報告8.3%,症例報告4.6%であり,未だに内視鏡看護に関する研究が乏しい現状が明らかとなった.文献は活用目的により,『患者の安全・安楽への援助(48.7%)』『医学知識の習得(22.9%)』『看護業務の質の向上や円滑化(28.4%)』の3カテゴリーに大別された. 1960年代後半は医学知識の習得のための報告が主であったが, 1980年代中頃から患者の安全・安楽への援助に関するものが急増していた.さらに1990年代になると,再び医学知識の習得のための報告があり,看護業務の質の向上や円滑化を図るための報告も次第に定着してみられるようになっていた.これらは報告内容によりさらに12サブカテゴリーに分類された.とくに患者の成長段階・理解力・疾患や病期・心理面など患者の特性に視点を置いた看護の報告や,スタッフの教育や健康管理,関連部門や他職種との連携などの実践に繋がる報告が少なく,この方面への研究の蓄積が今後の課題として考えられた.
著者
長田偶得 著
出版者
大学館
巻号頁・発行日
1901
著者
野嵜 直
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.9-16, 2001-12-15
被引用文献数
1

本稿は,1990年代の紙・パルプ産業における生産と資本系列の動態を分析し,環境問題対応や海外進出に関しても検討したものである。1990年代の紙・パルプ産業では,王子製紙や日本製紙といった大資本による各資本の系列化が事実上完了する一方で,バブル崩壊以降のデフレ調整下にあって製品価格が下落を続け,各社の収益は圧迫された。こうした状況に対して各社は,不採算部門の廃棄や,新鋭設備による増産を通じた単位コスト低減といった生産体制の再構築によって対応した。また,各社は海外植林や古紙利用といった環境問題への対応を前面に押し出している。海外植林は1990年代後半にさらに進展したが,他方,海外市場獲得を目指した直接投資は包装材料や特殊紙などの分野に限られている。
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-07

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-14

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
矢田 俊文
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.29-36, 2014-01-01

Google世代もしくはGoogle時代のインフォプロがおちいり易い「情報リテラシー」の盲点に留意し,調査研究を行う人材を育成するためには,どのような教育を設計し,どう実行するべきか。データベース会社のノウハウを通して,利用者教育のデザインと具体的手法について論じる。急増するエンドユーザに必要な「情報リテラシー」を伝え,利用者対応で疲弊しない,サステイナブルな知識と人材育成の方法を議論する。
著者
佐渡島 紗織
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.22-28, 2014-01-01

本稿の目的は,アカデミック・ライティング教育において情報リテラシーに関する問題はどのような点にあるかを検討し,今後,求められる指導の方向を示すことである。国語科教科書や小論文演習教材などをみると,日本の小・中・高・大学と受験塾では,情報を自分の文章にどのように取り込むかの,十分な指導,一貫した指導がなされていないことがわかる。引用・参考文献明記の学習を通して,《情報を再定義させる》学習をさせることが必要である。それによって,多様な立場・意見を検討した上で自身の立場を確立し,明確な意見を発信できる学生を育成したい。
著者
井田 浩之
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.8-14, 2014-01-01

本稿では,学習者の知識創造を可能にする情報リテラシーの条件として,(1)学習者の情報リテラシー能力を向上させるための「問い」を共有するプラットフォームの必要性,(2)情報リテラシーのスキル的側面を考えたときに,「脱文脈」化されたスキルに意味があるのか,換言すれば,学習者にとっての情報リテラシー能力とは知識創造に結びついていること,(3)学習者の情報探索行動のメカニズムが解明されていない中,情報行動に制約をかける取り組みへの疑問を呈する。今後情報リテラシー教育を図書館側が牽引するには,カリキュラム,教育内容,その評価方法を含め,学習者の視点で一からデザインすることが求められていることを指摘する。
著者
兵藤 健志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.15-21, 2014-01-01

本稿では,ACRLが2000年に発表し,また,2014年に改訂を予定している『高等教育のための情報リテラシー能力基準』を軸として米国の高等教育における情報リテラシーのこれまでの定義や最新の議論を概観する。併せて,情報リテラシーの展開に学術コミュニケーションという新たな視点をもたらした2013年のACRLによる白書『学術コミュニケーションと情報リテラシーの交点:変わりゆく情報環境へ向けて戦略的協同を創造する』を紹介する。