著者
山口 直比古
出版者
日赤図書室協議会
雑誌
日赤図書館雑誌 = The Journal of the Japanese Red Cross Hospital Libraries (ISSN:1346762X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-9, 2014-10-01

PubMedのような文献データベースには多くの論文が収録されているが、その中から、エビデンスレベルの高い論文を選び出すためには、臨床研究の進め方や、その研究デザインについての知識が欠かせない。エビデンスを視野に入れたPubMed検索に必要な基本的な知識を概説した。
著者
塚越 柚季
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.9-14, 2018-11-24

サンスクリットの文中の単語に自動で形態情報を付与するのは容易ではない.文中の語形 (主に語尾) は,連 声規則により主に後続する語の語頭の音によって変化する.このため,手を加えていないテキストに対する形 態情報の付与が難しい.そこで連声規則が適用されている原典テキストから,連声規則前の形の単語の連続に 戻すことが必要である.時間を要するが,語彙や形態の情報を元に連声を解除することは可能である.一方でそのような情報なしに Attention メカニズム + sequence to sequence モデルを用いて短時間に高精度で連声の解除にも成功している. 本研究では Attention のみを使って高い精度を出すことができる Transformer モデルを用いて,高精度な連声の解除を行った.
著者
寺本 万里子 松岡 彩子 野村 麗子 Teramoto Mariko Matsuoka Ayako Nomura Reiko
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-16-003, pp.1-22, 2017-02-20

ジオスペース探査(ERG)衛星に搭載される磁場観測器(MGF)のセンサ部(MGF-S)の地上較正試験を行い、感度とアライメントを決定した。MGF-Sに磁場を印加し出力値を測定することにより、誤差0.06%以内の高い精度でMGF-Sの感度を決定することができた。また、MGF-Sの軸間角度は直交から0.95度以内のずれを持ちその推定誤差は0.07度以内であった。MGF-Sのオフセットと感度の温度依存性を調べたところ、室温に対する相対感度は-20度Cから30度Cの間で、温度の差に対してほぼ直線的に変化することがわかった。一方、オフセットは温度に対し直線的な変化は見られなかったものの、再現性があることがわかった。以上の地上較正試験によって得られた感度とアライメント及びオフセットの決定精度はERGの観測期間の大部分で観測要求を十分に満たすことがわかった。
著者
川瀬 基弘 横山 悠理 横井 敦史 熊澤 慶伯
出版者
名鉄局印刷株式会社
雑誌
瀬木学園紀要 = Sekigakuen Kiyo
巻号頁・発行日
no.18, pp.3-9, 2021

Molecular phylogenetic analyses using mitochondrial COI gene sequences showed that Anodonta individuals from Nagoya and Toyohashi, Aichi Prefecture and Hokuto, Yamanashi Prefecture belong to Buldowskia shadini (Moskvicheva, 1973), proposing a new Japanese name “Yahazu-Numagai” for this species. This study raises the possibility that B. shadini individuals in various parts of Japan have been misidentified as Anemina arcaeformis (Heude, 1877) based on shell morphology.
著者
村本 詔司
出版者
神戸市外国語大学研究会
雑誌
神戸外大論叢 = Journal of foreign studies (ISSN:02897954)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.29-55, 2002-10-31
著者
小薗 真知子
出版者
熊本保健科学大学
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-6, 2012-03-31
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.215-228, 2014-03-05

松井(1990, 2000)や飛田(1991)は、青年期の恋愛行動の分類を行い、恋愛行動の進展プロセスについて明らかにしているが、どの程度の交際期間でそれらが進展するのかについては明らかにしていない。そこで、本研究では、交際期間に伴う大学生の恋愛行動の進展を明らかにすることを目的とした。全3 回の縦断調査において、同一の恋人と交際していた大学生126 名(男子38 名、女子88 名)を対象に、各調査時点における恋愛行動の経験の有無を尋ねた。その結果、松井(1990, 2000)の第4 段階に位置づけられるような行動も、交際8 ヶ月程度までには多くの大学生が経験しており、その後、親密さを示す行動や親密になる過程で生じる葛藤行動が徐々に増えるが、結婚に関わる行動は、ほとんど経験されないことが明らかになった。
著者
関沢 まゆみ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.203-236, 2012-03-01

本稿は,近年の戦後民俗学の認識論批判を受けて,柳田國男が構想していた民俗学の基本であっ た民俗の変遷論への再注目から,柳田の提唱した比較研究法の活用の実践例を提出するものであ る。第一に,戦後の民俗学が民俗の変遷論を無視した点で柳田が構想した民俗学とは別の硬直化し たものとなったという岩本通弥の指摘の要点を再確認するとともに,第二に,岩本と福田アジオと の論争点の一つでもあった両墓制の分布をめぐる問題を明確化した。第三に,岩本が柳田の民俗の 変遷論への論及にとどまり,肝心の比較研究法の実践例を示すまでには至っていなかったのに対し て,本稿ではその柳田の比較研究法の実践例を,盆行事を例として具体的に提示し柳田の視点と方 法の有効性について論じた。その要点は以下のとおりである。(1)日本列島の広がりの上からみる と,先祖・新仏・餓鬼仏の三種類の霊魂の性格とそれらをまつる場所とを屋内外に明確に区別して まつるタイプ(第3 類型)が列島中央部の近畿地方に顕著にみられる,それらを区別しないで屋外 の棚などでまつるタイプ(第2 類型)が中国,四国,それに東海,関東などの中間地帯に多い,また, 区別せずにしかも墓地に行ってそこに棚を設けたり飲食するなどして死者や先祖の霊魂との交流を 行なうことを特徴とするタイプ(第1 類型)が東北,九州などの外縁部にみられる,という傾向性 を指摘できる。(2)第1 類型の習俗は,現代の民俗の分布の上からも古代の文献記録の情報からも, 古代の8 世紀から9 世紀の日本では各地に広くみられたことが推定できる。(3)第3 類型の習俗は, その後の京都を中心とする摂関貴族の觸穢思想の影響など霊魂観念の変遷と展開の結果生まれてき た新たな習俗と考えられる。(4)第3 類型と第2 類型の分布上の事実から,第3 類型の習俗に先行 して生じていたのが第2 類型の習俗であったと推定できる。(5)このように民俗情報を歴史情報と して読み解くための方法論の研磨によって,文献だけでは明らかにできない微細な生活文化の立体 的な変遷史を明らかにしていける可能性がある。
著者
杉浦 滋子
出版者
麗澤大学大学院言語教育研究科
雑誌
言語と文明 = Language & Civilization (ISSN:21859752)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-27, 2015-03-31

『NHK 全国方言資料』第1-6 巻のデータの分析により、推量形に終助詞ガがつく場合の用法、断定形に終助詞ガがつく場合の用法を記述し、後者は前者から派生したと主張した。また、断定形にガがつく用例がある地点を地図化し、その結果から、断定形につくガはかつてより広く分布していたが、優勢な地域で他の終助詞が用いられることによって分布が狭くなったと考えられる。
著者
小川 健
出版者
専修大学社会科学研究所
雑誌
専修大学社会科学研究所月報 = The Monthly Bulletin of Social Science (ISSN:0286312X)
巻号頁・発行日
vol.633, pp.37-46, 2016-03-20

本稿では一時期注目され、その後も派生の登場を含めて独自の進化を遂げている暗号通貨の先駆け、ビットコインについて取り上げる。ビットコインはブロックチェーンと呼ばれる暗号技術の発展・普及に大いなる役割を果たしたこともあり、その歴史的意義は決して小さくない。また、伝統的には貨幣が機能するには中央銀行の役割が欠かせなかったが、中央銀行が存在しない通貨に関する近年の実例を提供したことから、その教育的意義も大きい。こうした仮想通貨を通貨として正式採用の動きも見て取れる。しかし、現状ビットコインなどの普及率は(決済手段の1つとして普及し始めてはいるものの)決して高くはない。この状況でビットコインを国などの法定通貨に採用することは、国際的な資本移動を制限しない限り、効果的な短期的経済政策の手段を失うことに繋がるので望ましくない。この事項は(当たり前とも取れるような)比較的簡明な理由によるものであり、学部生の国際金融のテキストにも直ちに取り入れられても不思議はない。しかし、ビットコインが登場してまだ年数が浅いこともあり、学部生のテキストへの採用事例も少なく、本稿のような形での記載例はあまり見かけない。そこで本稿では現在の状況では、国際金融の学部生のテキストにも記載可能な形でビットコインを、国の法定通貨として正式に採用・普及させることは適さないことを示す。
著者
三本松 政之
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.13-20, 1996-12-01

The aim of this paper is to analyze of the unequal social treatment of minorities from the Multiculturalsim perspective. Multiculturalism is derived from ethnic, cultural assimilation. The concept is mainly related to ethnic minorities. It suggests the mechanism to exclude minorities and the perspective of social treatments for them. It has many positive aspects to change the position of the people in weakness. But also it is facing their limitations. We need to realize the strength of fragility to constract the new social principle of the majority and minorities.
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.73-81, 2011

インドには,ユーラシア大陸においてインドのみにしか観られない乳加工技術がある。ライム汁(植物有機酸)を凝固剤にしてチーズを加工したり,加熱濃縮系列群の乳加工を採用したりと,大変珍しい技術が存在している。また,乳製品の菓子である乳菓にも種類が多い。鴇田の報告(1992)からも分かるように,類似した乳加工技術や乳製品がインドでは多種多様に発達している(図1)。新しい乳菓を開発しようとしている菓子職人,和食と乳製品との融合を図ろうとしている開発者には,ぜひインドを訪問されてみられるとよい。斬新なアイデアが得られることであろう。 本稿と次号Vol.53 No.7ではインドの都市と農村での事例を中心にして,乳製品の種類とその加工法,そして,利用のされ方について紹介する。インド乳製品の多様性の整理を試みるために,本稿では類型分類法として,乳のみを素材とした乳製品と添加物を付加した菓子的な乳製品とを区別するために,乳のみを原材料として加工した乳製品を「乳のみの乳製品」,乳を主な材料にし,砂糖やナッツ類などを添加して加工した菓子様乳製品を「乳菓」として区別する。「乳のみの乳製品」には,酸乳,バター,チーズ,バターオイル,バターミルク,クリームなどを含み,その製造工程は乳のみを原料とした加工技術により構成される。一方,「乳菓」を加工する工程は,「乳のみの乳製品」に添加物を付加し,乳製品を様々な菓子に加工する乳加工技術となる。本稿では,インドの複雑な乳製品の土台となる「乳のみの乳製品」について先ずは報告する。
著者
大内 義三
出版者
亜細亜大学法学研究所
雑誌
亜細亜法学 = Asia University Law Review (ISSN:03886611)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1・2, pp.1-26, 2021