著者
樫山 鉄矢 武市 朗子 木村 仁 布山 峰雄
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 : 日本伝染病学会機関誌 : the journal of the Japanese Association for Infectious Diseases (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.717-721, 1999-08-20
被引用文献数
2 1

路上生活者, あるいはいわゆるホームレスにおける結核症の実態については, 本邦でもいくつかの検討がなされている.しかしながら非結核性の呼吸器感染症については, 今までほとんど検討されていない.われわれは1993年8月当院開設時より1996年7月までの3年間に当院に入院した, いわゆるホームレスのうち, 臨床的に肺炎と診断された症例について検討した.患者は18例, 平均年齢51歳全例が救急車で来院し, 入院は冬季の夜間に集中していた.呼吸不全や重篤な合併症を有する例が多く, 入院後の集中的な治療にかかわらず, 1/3以上が死の転帰をとった.起炎菌が肺炎球菌と推定された例が多く, 重症の肺炎球菌肺炎が多いことが特徴的であった.
著者
渡邊 洋 梅村 浩之 吉田 千里 松岡 克典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.491-500, 2001-05-01
被引用文献数
4

没入型VR装置(CAVE)を用いて広域視野(前面、床面、両側面)に、エンドレスループ状のトンネル内部を進行するヴェクションを生じさせるオプティカルフローを模擬した視覚環境下で、中心視野における奥行順序判断の感度としきい値を調べた。実験の結果広域視野にオプティカルフローが与えられた場合、奥行判断の感度が高くなり回転方向に依存してしきい値がシステマティックに変化することが示された。この結果を説明するものとして被験者のimplicitな基準面の参照と周辺視野情報からの体性感覚の変化が考えられた。
著者
鐙谷 武雄 上山 博康 村田 純一 布村 充 蝶野 吉美 小林 延光 阿部 弘 斉藤 久寿 宮坂 和男 阿部 悟
出版者
日本脳神経外科学会
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.1195-1200, 1987-12-15
被引用文献数
6 12

A case of dural arteriovenous malformation (AVM) in the anterior cranial fossa is reported. A 61-year-old male was hospitalized because of sudden onset of severe headache, vomiting, mild hemiparesis, and lethargy. Computerized tomography disclosed left frontal subcortical and fronto-temporal subdural hematomas. Angiography revealed an AVM in the anterior cranial fossa, fed by the bilateral anterior ethmoidal arteries and drained by the left olfactory and left fronto-orbital veins. The latter veins had large, varicose dilatations and drained to the basal vein of Rosenthal. Two weeks after artificial embolization, surgical evacuation of the hematoma and removal of anomalous vessels, including a varicose dilated vein, were carried out. The involved dura at the olfactory groove was coagulated rather than totally removed. According to literature, the dural AVM in this region is fed primarily by the anterior ethmoidal artery and drains via the leptomeningeal veins into the superior sagittal sinus. Varicose dilatation of a draining vessel is considered a characteristic angiographical finding. The high incidence of bleeding from dural AVMs in this region is related to the varicose dilatation. The drainage capacity of the elongated leptomeningeal veins is insufficient, and the high arterial pressure in the AVM leads to the development of varicose dilatation and intracranial hemorrhage.
著者
直井 聡 矢吹 真紀 浅川 敦子 堀田 悦伸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.105-106, 1993-09-27

これまで帳票内の一行単位の一文字枠やフリーピッチ枠に接触した文字を分離する手法を提案した.具体的には,枠接触文字から文字枠を除去した途切れパターンに対して,幾何学的情報と位相構造の大局的な評価により補完するGIM(Global Interpolation Method)を開発した.本稿では,対象を数字に限定して複数行ある表形式枠まで拡張し,それに伴って必要な途切れパターンの綿密な補完方法と,大局的評価用の補完領域の設定方法について述べる.
著者
菅原 一秀 野崎 広志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.211-212, 1994-09-20

オンライン文字認識装置において、単語の部分的な文字の入力からいくつかの候補単語を推定、表示し、それらの中からユーザーが選択できるようにしたい。本稿ではこの候補単語の推定のことを予備選択と呼ぶ。この予備選択により、高速に候補を部分的入力からも推定できるようになるので、ユーザーが速くペン入力を使用できるようになる。予備選択のためには、頻度情報を持った語い集と、一文字ずつの文字認識のスコア付の認識結果を使う。認識装置には誤認識はつきものであるが、選択すべきリスト中に正解単語が無いのは非常に不都合である。そこでこの予備選択時にはたとえ認識結果からの組み合わせからは出てこない単語でも、それが一文字の置換程度で得られ、かつ、頻度の高いあるいは語い集に載っているものならば、結果のリスト中に残るような、認識の耐雑音性とでもいうべき仕組みが必要である。また、予備選択は軽い処理である必要がある。これに時間がかかるようでは次の文字を入力した方が早いことになり意味がなくなる。本稿では、この2つの点、認識の耐雑音性と、処理の軽さを実現する手法として、単語ごとの文字の出現行列を使い、認識装置からの一文字ごとの認識結果に対しその文字が各単語に含まれているかどうかを調べるものを提案する。さらにインプリメンテーション、予備実験の結果を示す。
著者
熊谷 由美子 紙谷 恒 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.127-132, 1999-02-10

本報告は,旭川市内の小学校特殊学級に在席する,自閉症児Aちゃんとの個別指導の取り組みについて述べたものである。これまで行ってきたひらがなの一文字一文字の読み指導と併行し,単語は文字の集合体として成り立ち,意味を持っていることを知らせるための取り組みを行った。文字カードを読んで絵カードを選ぶ課題では,単語を構成している一文字一文字のそれぞれに対応する絵カードを選んでしまっていたが,横書きから縦書きの形に変えることでそれが「気付き」となり,すぐに改善できた。また,絵本の書き写しや歌詞カード作りなど,Aちゃんの好きなことを取り入れた活動を行う中で,歌詞を指差しながら確認するなどの成果が見られるようになった。