著者
林紀 代美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.491-511, 2001-09-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本研究は,下関漁港・商港において,水産物流通の空間構造を解明することを目的とする.この際水産物輸入取扱を含めて,特に集出荷活動に注目して生産から消費の空間全体を検討する.下関漁港は1970年代以降水揚が減少し,漁港市場の集荷では搬入物が増加した.買受人の活動は周辺地域への分荷供給を行う「地廻り」に中心が移った.集出荷地域は周辺地域を中心にほぼ関東以西に広がる.下関商港では,東アジアを中心に貝類やフグなど特色ある輸入水産物を扱う.中継輸送を介して全国出荷する.活動で中心的役割を果たすのは水産物輸入業者である.しかし結節点に関係業者が集積する漁港の集出荷活動の場合と異なり,彼らは必ずしも下関に所在せず,下関の業者に業務を委託する場合もある.両港の活動は一部相互関係を持っが,両港に関わる流通展開は独立している.下関は特徴の異なる港湾,活動空間を並存する水産物流通の空間構造を形成せざるを得ない.

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出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.84-85, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
著者
五十嵐 悠紀 五十嵐 健夫 鈴木 宏正
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_51-1_58, 2009-01-27 (Released:2009-03-27)

“あみぐるみ”は毛糸を使って作るぬいぐるみであるが,毛糸の編み方によって形状をデザインしていくため,初心者にはデザインすることが困難である.我々は3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを作成した.本システムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも製作手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなあみぐるみを作成できることを確認したので報告する.
著者
T. Yasuda T. Fujita Y. Miyagi Y. Kubota Y. Sato T. Nakajima M.G. Bemben T. Abe
出版者
Japan Kaatsu Training Society
雑誌
International Journal of KAATSU Training Research (ISSN:13494562)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.15-18, 2006 (Released:2008-05-22)
参考文献数
11
被引用文献数
19 40

The purpose of this study was to compare the EMG activity of blood flow restricted (limb) and nonrestricted (trunk) muscles during multi-joint exercise with and without KAATSU. Twelve (6 women and 6 men) healthy college students [means (SD) age: 24.1 (3.5) yrs] performed 4 sets (30, 15, 15, and 15 reps) of flat bench press exercise (30% of a predetermined one repetition maximum, 1-RM) during two different conditions [with KAATSU and without KAATSU (Control)]. In the KAATSU condition, a specially designed elastic cuff belt (30 mm wide) was placed at the most proximal position of the upper arm and inflated to a pressure of 100% of individual's resting systolic blood pressure. Surface EMG was recorded from the muscle belly of the triceps brachii (TB) and pectoralis major (PM) muscles, and mean integrated EMG (iEMG) was analyzed. During 4 sets of the exercise, gradual increases in iEMG were observed in both TB and PM muscles for the KAATSU condition. The magnitude of the increases in iEMG in the TB and PM muscles were higher (P<0.05) with KAATSU compared to the Control condition. In the first set, the mean exercise intensity from normalized iEMG was approximately 40% of 1-RM in both Control and KAATSU conditions. However, the mean exercise intensity of both muscles were 60-70% of 1-RM for the KAATSU condition and only about 50% of 1-RM for the Control condition, respectively, during the fourth set. We concluded that increases in iEMG in the trunk muscle during KAATSU might be an important factor for KAATSU training-induced trunk muscle hypertrophy.
著者
Masahiro KORENAGA Shunroku YAMAMOTO Shunta NODA Shin AOI
出版者
Railway Technical Research Institute
雑誌
Quarterly Report of RTRI (ISSN:00339008)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.134-139, 2019-05-01 (Released:2019-05-26)
参考文献数
9
被引用文献数
4

This article explains processes for improving the railway earthquake early warning system. These processes were introduced to use data transmitted in real time from recently developed ocean bottom seismic networks. Three mechanisms were designed to be able to exploit this data: 1) an algorithm for servers in OBS system base stations; 2) a procedure to allow transmissions between the servers and railway company receivers; and 3) a system built into the receiver to determine whether running trains need to be stopped or not. Confirmation was obtained that the proposed processes were able to reduce the risks to railways from earthquakes, because they are capable of extending the lead time before the arrival of strong seismic motion.
著者
楠 正和 百武 大志 田中 芳征
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1765, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに】近年リハビリテーションにおけるレセプト減額査定が増加している。平成27年度,福岡県理学療法士会の減点査定調査結果によると,年齢により一律に減額査定されている傾向があり,特に80歳以上が6単位を超える単位数を「過剰」という理由で減額査定されている。また平成28年より,回復期リハビリテーション病棟(以下回復期病棟)では,アウトカム評価を実績指数で表し27未満の場合に,6単位を超える介入が入院料に包括される事となった。そこで本研究は,80歳以上の患者に対する6単位を超える介入が,80歳未満の患者と同等の効果があるのか,アウトカム評価である実績指数を用いて比較検討をおこなった。【方法】対象は当院回復期病棟を2013年4月1日~2014年3月31日までに退棟した351名のうち,算定区分が脳血管疾患のもの113名と運動器疾患のもの160名とした。除外基準は在棟中の死亡患者,回復期病棟対象外患者とした。後方視的に診療録から,年齢,1日あたりの単位数,FIM(入棟・退棟・利得),在棟日数を収集した。また,実績指数と,その計算式の分子に当たる運動項目FIM利得(以下m-FIM利得),分母にあたる算定上限日数比(在棟日数を回復期病棟入院料の算定上限日数で除した値)を患者あたりにて算出した。疾患別の対象を80歳以上と80歳未満の2群にわけ,各項目の比較検討をおこなった。統計解析にはSPSS ver16を使用し,Mann-Whitney U検定とχ2検定にて検討した。有意水準は5%未満とした。【結果】脳血管疾患:80歳以上/80歳未満(対象:50/63名,年齢:85.6/70.9歳(p<0.05),1日あたりの単位数:7.10/7.25単位,入棟FIM:58.1/78.9点(p<0.05),退棟FIM:75.5/104.4点(p<0.05),FIM利得:18.7/25.1点,在棟日数:43.2/49.4日,m-FIM利得:14.4/20.9点(p<0.05),算定上限日数比:0.27/0.31,実績指数:65.4/94.1)運動器疾患:80歳以上/80歳未満(対象:104/56名,年齢:87.4/65.6歳(p<0.05),1日あたりの単位数:6.51/6.85単位(p<0.05),入棟FIM:71.8/96.5点(p<0.05),退棟FIM:89.9/111.6点(p<0.05),FIM利得:18.1/15.2点,在棟日数:34.6/28.5日(p<0.05),m-FIM利得:16.6/13.4点,算定上限日数比:0.38/0.32(p<0.05),実績指数:56.6/54.4)【結論】脳血管疾患と運動器疾患は共に,実績指数に有意差はみられなかったことから,80歳以上の患者であっても,80歳未満の患者と同等の改善効果があることが示唆された。80歳以上の患者は実績指数が27を大きく超えており,平成28年の回復期病棟連絡協議会における全国平均データ(脳血管:FIM利得17.7,在棟日数88.2,運動器:FIM利得17.2,在棟日数56.7)においても,上回る成績であった。これらのことから,80歳以上の患者の6単位を超える介入は過剰ではなく,年齢で一律に減額査定されるべきではないと考える。
著者
YUTAKA KUNIMATSU YOSHIHIRO SAWADA TETSUYA SAKAI MOTOTAKA SANEYOSHI HIDEO NAKAYA AYUMI YAMAMOTO MASATO NAKATSUKASA
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Anthropological Science (ISSN:09187960)
巻号頁・発行日
pp.170126, (Released:2017-04-29)
被引用文献数
2

The African primate fossil record is very poor between the mid-Middle and mid-Late Miocene. Nakali (~10–9.8 Ma) is one of the rare African localities that have yielded primate fossils from this period, including a new genus of great ape, Nakalipithecus nakayamai, and another large-bodied hominoid species. The Nakali primate fauna also includes small-bodied ‘apes’ and Old World monkeys (mostly colobines). In this article, we describe a new specimen of a small-bodied ‘ape’ discovered from Nakali, which is assigned to nyanzapithecines. Nyanzapithecines are characterized by their derived dental morphology, and the previously known nyanzapithecines range in chronological age between the Late Oligocene and early Middle Miocene (~25–13.7 Ma). The new nyanzapithecine specimen from Nakali is therefore the latest occurrence of this group in the African fossil record, extending its chronological range by almost 4 million years younger.
著者
北迫 勇一 高垣 智博 池田 正臣 田上 順次
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.282-288, 2017 (Released:2018-01-09)
参考文献数
20

目的 : 酸蝕症の疫学調査から歯間清掃に関するアンケート調査結果を抽出し, 各世代における歯間清掃用具 (デンタルフロスおよび歯間ブラシ) の使用頻度について, 歯間清掃を始めた動機づけ要因も含め比較検討を試みた.  材料と方法 : 本研究趣旨に同意が得られた被験者1,108名のうち, アンケートに対しすべて回答した969名分 (15~89歳, 平均年齢48.4歳, 男性494名, 女性475名) を対象として, 酸蝕症の疫学調査における口腔衛生状況に関する質問事項として, デンタルフロスおよび歯間ブラシの使用有無 (有の場合はその頻度 : 常時または時々) ならびに歯間清掃を始めた動機づけ要因について調査した. 被験者全員を, 10~20代, 30代, 40代, 50代, 60代および70~80代の6世代に分類し, 同アンケート結果の世代間における比較検討を試みた.  結果 : 全世代における歯間清掃用具の使用頻度は, デンタルフロスの常時使用が30%, 歯間ブラシでの常時使用が28%であった. また, 各世代における同使用頻度について 「常時+時々」 と 「未使用」 を比較した場合, デンタルフロスでは60代が40代を除くほかの世代に比べその使用頻度が高く, 歯間ブラシでは50~80代が10~40代に比べその使用頻度が高かった (p<0.05). また, 同使用頻度について 「常時」 と 「時々+未使用」 を比較した場合は, デンタルフロスでは60代が10~30代に比べ 「常時」 使用している割合が高く, 歯間ブラシでは50~80代が10~40代に比べ 「常時」 使用している割合が高かった (p<0.05). さらに, 歯間清掃を始めた動機づけ要因は, 30代を除くすべての世代において歯科医院からの推奨で開始したと回答する割合が半数以上を占め, 30代ではその割合が低かった (p<0.05).  結論 : 歯間清掃用具の使用頻度は, デンタルフロスで世代間の明確な差を認めなかったのに対し, 歯間ブラシは年齢が増すごとに明らかに使用頻度が増加する傾向を示した. 歯間清掃を始めた動機づけとして, 多くの世代において 「歯科医院からの推奨」 が寄与していることが示唆された.
著者
栗山 靖弘
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.65-80, 2017-03-31 (Released:2017-03-24)
参考文献数
21

高校時代の運動部活動の実績が評価されて大学に進学する人びとがいることを、我々は経験的にも認知しており、スポーツ推薦によって大学に進学するという現象は、特に珍しいものではない。しかし、スポーツ推薦による進学先がどのように決定されるのかというメカニズムに関しては、実証的に明らかにされていない部分が多い。 そこで本稿では、大学入試におけるスポーツ推薦を進路決定の仕組みのひとつと捉え、当該試験を利用した進路形成の特徴を明らかにした。具体的には、ある私立の強豪校野球部を事例とした、スポーツ推薦を利用した進学先決定のメカニズムの解明である。強豪校運動部のスポーツ推薦による大学進学は、高校と大学の指導者間の関係によって規定されており、いわば、指導者の人脈を経由した進学先の決定が行われている。このことを、野球部員と指導者へのインタビュー調査と、部員の進路先が把握可能な個票という、経験的なデータを用いて示した。 はじめに、全国の私立大学におけるスポーツ推薦入試の実施状況を、マクロ・データによって概観し、続いて事例研究から、進学先決定のメカニズムを描き出すという順序をとった。 これらの作業を通じて、強豪校運動部員の進路形成が、部活を通じて行われていることを明らかにした。そして、最後に、部活を通じた進路形成が重視される理由として、その進路形成機能自体が強豪校の存立基盤であることを示した。先行研究では、一般的な学校の運動部活動を成り立たせるのは「子どもの自主性」であるとされてきたが、強豪校を成立させる基盤については明らかにされていなかった。本稿の知見により、強豪校を成り立たせているのは、部活を通じた進路形成機能であることを主張した。