著者
市毛 由美子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.176-179, 2018-01-15

非ウォーターフォール型ソフトウェア開発の典型であるアジャイル型開発において,従来のウォーターフォール型開発の契約条件を流用することは問題である.アジャイル型開発の特性に合致して,かつ,紛争予防機能や予測可能性のある契約条項はどのようなものか.情報処理学会に設置された情報処理に関する法的問題研究グループ(LIP)では,アジャイル型開発の具体的事例に則し,実際に発生しうる諸問題を想定して,その未然防止のためのプラクティスを,当事者間の合意に取り込むための契約条項を検討中である.研究成果は,情報処理学会の全国大会にて提示する予定である.
著者
瀬川 駿 桝田 秀夫 森 真幸 永井 孝幸
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.3, pp.1-6, 2018-02-26

DNS サーバは DDoS 攻撃や DNS リフレクター攻撃などの様々な攻撃の対象や,攻撃のための踏み台にしようとする不正通信にさらされている.また,不正通信が行われる際に,特徴的な DNS クエリパターンがみられる場合が知られている.このような不正な通信に繋がるものと正規のもののクエリに対して,レスポンスを適応的に制御できれば,DNS サーバの防御に繋がる.本稿では,DNS サーバの前段に DNS クライアントからの通信を監視するシステムを配置し,攻撃者からのクエリに対してレスポンスを適応的に制御することで DNS サーバへの攻撃を抑える手法を提案する.
著者
久野 靖 江木 啓訓 赤澤 紀子 竹内 純人 笹倉 理子 木本 真紀子
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.41, pp.255-262, 2017-08-10

電気通信大学では 1 年次の前期に 「コンピュータリテラシ」 を必修で開講している.2017 年度から科目の運営をリフォームし,さまざまな実習を多く行ってもらうように工夫している.その中で 「コンピュータの動作原理」 を学ぶ回の実習材料として仮想的な (簡潔な命令セットを持つ) コンピュータのシミュレータをアセンブリ言語で記述するものを取り入れた.本発表ではその経験について報告する.
著者
谷 信一
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkyu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.68, pp.22-31, 1937-08-25
著者
笹田 耕一 卜部 昌平 松本 行弘 平木 敬
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.25-42, 2012-03-30

我々は,高性能なRuby処理系の開発を行っている.Ruby処理系は仮想マシン(VM)を用いて実現されているが,現在のVMでは,同時にたかだか1つのRubyスレッドのみ実行するという制約があり,並列実行をサポートしていない.また,複数のRubyプロセスを用いて並列実行すると,計算に必要となるオブジェクトの転送がプロセス間転送となり,オーバヘッドが大きいという問題がある.そこで,我々は1つのプロセスに複数のVMを並列に実行できるマルチ仮想マシン(MVM)の開発を行っている.各VMはオブジェクト空間を独立に管理するが,各VMが同一プロセス内にあることを活かしたVM間の高速なオブジェクト転送を行うことができる.また,これらの機能をRubyから利用するためのプログラミングインタフェース(API)を設計した.さらに,Rubyの遠隔メソッド呼び出し機構であるdRubyをMVM上で利用できるように拡張し,MVMの利用を容易に行うことができるようにした.MVMの実装は,現在の処理系との互換性を維持するため,既存の処理系のプロセス全体で共有されるデータ,たとえばC言語のグローバル変数やI/O資源などを,VMごとに保持するようデータ構造を変更することで行った.本論文では,開発しているMVMの設計と実装について述べ,MVMを用いるためのAPIを説明する.そして,MVMを用いた並列処理の現在の実装での性能評価について述べる.
著者
筧 捷彦
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-3, 2015-01-23

論文誌「教育とコンピュータ」の誕生に際して,折から起きている初中等教育からのプログラミング教育も含めた情報教育推進の流れの中で当学会の果たすべき役割に対する雑感を述べて,論文誌とその対象とする研究領域の発展に期待するところを記す.
著者
浅原 正幸 河原 一哉 大場 寧子 前川 喜久雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.299-305, 2018-02-15

国立国語研究所は言語研究に資する258億語規模のウェブコーパス『国語研ウェブコーパス』を構築した.コーパスの構築は,ページ収集・言語解析・保存・検索系の構築の4種類の部分工程からなる.本稿では,『国語研ウェブコーパス』を概説するとともに,その検索系である『梵天』の機能について紹介する.この検索系は100億語規模のテキストコーパスを文字列だけでなく,形態素列・係り受け部分木に基づく問合せが可能である.
著者
塚本悠馬 笹野遼平 高村大也 奥村学
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-214, no.14, pp.1-8, 2013-11-07

近年,Twitter をはじめとするマイクロブログを利用した商品やイベントの告知に対し,多くのユーザが感想など告知の投稿者やその告知への感想に関心があるユーザにとって有益な関連投稿を行うようになってきている.しかし,関連投稿の多くは告知投稿とは明示的に関連付けられてはいないため,告知の投稿者がこれらの関連投稿を見つけるのは容易ではない.そこで本研究では,特に Twitter の機能であるリツイートに注目し,告知に対する非明示的な関連投稿を効率的に収集する手法を提案する.

3 0 0 0 OA 南極の地名

著者
原田 美道 Yoshimichi HARADA
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1768-1776, 1964-02

Japanese geographic nomenclature in Antarctica was decided by Japanese Promotive Headquarters of Antarctic Research Expedition (J.P.H.A.R.E.) in 1961, based on the policy of United States Advisory Committee on Antarctic Names. Until 1963 total 98 place names were decided by Antarctic Names Committee of Japan, Ministry of Education, and authorized by J.P.H.A.R.E. Those names are classified by First class, Second class and Third class generally. The provisional gazetteer will be published in the near future, in which all official names and their descriptions are contained. Place name lists are shown in Appendices 1, 2 and 3, and new names are located in Figs. 1, 2 and 3 respectively. Exact geographical positions are shown in the topographic maps which are being compiled by Geographical Survey Institute.
著者
廣中 詩織 佃 洸摂 濱崎 雅弘 後藤 真孝
出版者
ARG Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
ARG 第11回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 = Proceedings of the 11th ARG Web Intelligence and Interaction
巻号頁・発行日
pp.17-22, 2017

オリジナルコンテンツから次々と新しい派生コンテンツが制作されるN 次創作活動では,複数人のクリエータがコラボレーションをしてひとつのコンテンツを制作することが盛んに行われている.本稿では,動画共有サービスに投稿された,音楽に関するN 次創作動画を対象として,コラボレーションがもたらす効果について分析する.具体的には,以下の3 つの観点から分析を行う:(1)コラボレーションが動画の視聴のされ方に与える影響,(2)コラボレーションがクリエータのアクティビティに与える影響,(3)コラボレーション関係に基づくクリエータの特性.分析の結果,コラボレーションによって制作された動画は再生数がより多くなること,コラボレーション動画を制作したクリエータはより長い期間N 次創作活動を行うこと,コラボレーションをしたクリエータのペアの25%以上は複数回のコラボレーションをしており,コラボレーションには一定の継続性があることなどが明らかになった.
著者
鈴木 博之 四郎翁姆
出版者
言語記述研究会
雑誌
言語記述論集 = JOURNAL OF KIJUTSUKEN(Descriptive Linguistics Study Group) (ISSN:2432244X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.23-42, 2017-04-30

This article presents a story named Origin of highland barley’s seeds narrated in the Lhagang dialect of Minyag Rabgang Khams Tibetan with linguistic glossing, translation, and annotation. This story is not transmitted in the speech community of Lhagang Tibetan, but well known as one of the Tibetan traditional oral stories in Chinese, circulated as a part of books as well as online articles. The present version is artificially composed: after memorising several Chinese versions, the second author, native speaker of Lhagang Tibetan, narrated without referring to the Chinese text. Therefore, it is of an experimental nature as a linguistic material and we will examine how the narrative style has been influenced by the translation process other than a general analysis of a narrative.The analysis shows that:● this narrative version lacks a hearsay marker, probably because it is not orally transmitted;● aorist is a default TAM marker in the narrative; and,● irregular use of the ergative marker is attested.
著者
山根 信二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.73-80, 2014-08-17

近年,世界各国で高等教育機関におけるゲーム開発の導入が進み,学位プログラムの実装が進んでいる.この背景には各分野からの学際的な取り組みが存在するが,本論文ではその中でもコンピュータサイエンスとゲーム開発の関連に注目する.特に米国の大学におけるゲーム研究開発のビジョンと動向をまとめ,1990 年代から2010 年代までのおよそ20 年間でたちあがった新たな学問分野についてそのビジョンやモデルを整理する.最後に日本を含めた地域への展開において求められる課題を示す.
著者
板持貴之 三輪誠 田浦健次朗 近山隆
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.209-210, 2012-03-06

近年,イラスト投稿サイトと呼ばれるサービスを通じ,様々なイラストがインターネット上で閲覧できる.そのようなサービスにおいては,投稿者の情報(作者情報) と共にイラストが投稿されることが多いが,作者の検索を行うときは作者名などのキーワードを知らなければ検索ができないのが現状である.そこで本研究では,作者情報が未知のイラスト画像を入力し,そのイラストの作者らしい作者のランキングを出力する画像認識システムを提案する.画像認識システムの認識手法としては,イラストの作者情報をラベルとした教師あり学習を用いる.本論文では特に,その学習に用いる,作者を識別するためのイラストの特徴量に焦点を当てて提案・評価を行う.
著者
小山 裕己
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.90-91, 2017-12-15