著者
酒井 美里
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.355-359, 2020-07-01 (Released:2020-07-01)

本稿では,海外代理人の意見やテストコレクション評価の現状,また特許管理業務への導入例などを通して「AI(人工知能)系調査ツールとの付き合い方」を考察する。海外特許庁では,審査引例調査へのAI導入が積極的に検討され始めている。一方,無効資料調査などの場面では「どんな手段で調査をするかは依頼者の責任」という考え方もあり,AIは補助手段に留まる傾向が強い。今後,私たちサーチャーはAI系調査ツールとどのように付き合っていくべきなのだろうか。本稿では導入に対する費用対効果や,海外でのAI系調査ツール評価に関する話題,音楽配信サービス用のレコメンドAIなどの例を通して,AI系調査ツールについて考える「視点」を提案する。

3 0 0 0 刀剣と歴史

出版者
日本刀剣保存会
巻号頁・発行日
no.415, 1963-09
著者
長谷川 大
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.250, pp.2-11, 2016-10-15 (Released:2018-01-01)
参考文献数
15
著者
中村 民雄 百鬼 史訓 森下 捷三 大保木 輝雄
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.242-257, 2013-03-29 (Released:2014-04-04)
被引用文献数
1
著者
石橋 照子 岡村 仁 飯塚 桃子 Teruko ISHIBASHI Hitoshi OKAMURA Momoko IITSUKA
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-8, 2010-09-30

100床以上の精神科病床を持つ20の公立病院に入院中の統合失調症患者で、糖尿病を併せ持つ193名を対象とした。糖化ヘモグロビンの値により、対象をコントロール不良群と良好群のグループに分け、糖尿病の治療環境や血糖コントロールが困難と思われる要因を比較・分析した。その結果、2群の治療環境に有意差はみられなかった。また、血糖コントロール困難の要因のうち、「自制困難」「精神症状の悪化」が血糖コントロールに強く影響していたことから、精神症状の安定に配慮しつつ、自己コントロール感を高め、自制できるよう支援していく関わりが重要であることが示唆された。
著者
斎藤 富由起 守谷 賢二 Fuyuki Saito Moriya Kenji 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科 文教大学大学院 人間科学研究科
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
pp.43-50, 2009

本研究では、境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療として注目されている弁証法的行動療法(DBT)の観点から、DBT版マインドフルネス尺度を追試的に検討するとともに、DBTにおけるマインドフルネスと境界性パーソナリティ傾向の関連性を検討することが目的であった。マインドフルネス尺度を検討した結果、先行研究と同じ「中核的マインドフルネス」、「課題への注意集中」、「効果的な対人コミュニケーション」、「情動コントロール」という4因子構造が得られ、先行研究(守谷・池田・斉藤,2005)以上に信頼性と妥当性の高い尺度が作成された。さらに、境界性パーソナリティ傾向の高低を独立変数としDBT版マインドフルネス尺度得点を従属変数とした結果、境界性パーソナリティ傾向の高い人は低い人と比較して、マインドフルネス得点が有意に低いことが明らかになった。
著者
仲村 彰
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.189-195, 2009-06-15 (Released:2010-11-11)
参考文献数
12

これまでの射出脱出に関する研究の多くは,射出時の受傷部位やその程度に関する研究が多いことから,2名搭乗している航空機においてもそれぞれ搭乗者を個別に扱っており,2名の搭乗者をグループとして扱った研究はほとんどない.そこで,本研究は2名の操縦者をグループとして扱い,射出脱出時の行動の特徴を認識するために行われた.その方法として,2名操縦者が搭乗した射出脱出事例から操縦者それぞれの射出脱出タイミング,射出脱出シークエンス,射出脱出に関するコミュニケーションを抽出し,分析を行った.その結果,先に副操縦士が脱出する場合,その脱出判断は機長の指示に依存していることの他,機長が後に脱出する理由として,回復操作等の物理的被害回避だけでなくもう1名の操縦士の脱出確認といった責任者的行動が見られたこと,デュアル・イジェクションにおけるコミュニケーションの問題等2名搭乗した場合特有の現象も確認された.
著者
李 在鎬
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.84-98, 2011 (Released:2017-02-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本稿では,大規模テストの問題作成におけるコーパスの利用可能性を考察した。考察においては言語テスト分野におけるコーパス利用の現状を紹介した後,試験問題の作成過程でコーパスを用いる利点について述べた。そして,読解の問題作成での利用を想定し,日本語能力試験の級区分に基づくコーパスデータの分析を試みた。分析においては,日本語能力試験の読解テキストを学習データ,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の収録データを評価データにし,判別分析を行った。この分析から『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の収録データが1級から4級のどの級に相当するかを明らかにし,問題作成における利用範囲を示した。最後に,日本語教育におけるコーパス分析の視点としては,定量的アプローチだけでなく,具体的な用例を確認しながら質的に分析していくアプローチも必要かつ重要であることを指摘した。

3 0 0 0 OA 史籍雑纂

出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第2, 1912
著者
森本 昌宏
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 = Medical journal of Kinki University (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3-4, pp.151-156, 2010-12-01

[抄録] 肩こりは症状名であり,現在でも他の疾患に付随する症状として扱われることが多いことから,医師が肩こりの診療に積極的に取り組んでいるとは言えない状況にある.肩こりの明確な定義がないこと,主観による判断による部分が多いこと,その病因も正確には分析されていないことなどがその原因と考えられる.例えば,症候性肩こりの原因である頸椎疾患をとっても,神経根症がその主体であるとする報告や,加齢に伴った椎間板や椎間関節の変性が主体であるとする報告があり,一定の見解を得るには致っていない.さらに,治療法に関しても randomized controlled traials による検討が蓄積されている訳ではない. このような現状からは,肩こりを単に症状として扱うのではなく,基礎疾患の検索を含めて正確な診断を行うこと,治療にあたってはより適切な治療法を選択することが要求される.また,今後はevidence based medicineの実践による基礎研究,研究デザインの構築が期待される.
著者
印旛郡 編
出版者
印旛郡
巻号頁・発行日
vol.巻3 巻4 巻5, 1913
著者
安田 雅俊 田村 典子 関 伸一 押田 龍夫 上田 明良
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

大分県の無人島(高島)において特定外来生物クリハラリスの個体群を対象として①いかに個体数を減少させるか、②いかに残存個体を発見しするか、③外来リス根絶後の生態系の回復過程をいかに把握するかを検討した。異なる防除オプション(生捕ワナ、捕殺ワナ、化学的防除)の組合せが迅速な根絶達成に必要と結論した。クリハラリスの化学的防除の試験を行い、生態系への負の影響を最小化する技術を開発した。ベイト法は低密度個体群において有効と結論した。防除開始直後の高島の生物群集(鳥類と昆虫類)に関するデータを得ることができた。これは高島におけるクリハラリス地域個体群の根絶後における生態系回復の理解において重要となる。
出版者
東海大学出版会
巻号頁・発行日
2009
著者
坪井 真
出版者
作新学院大学女子短期大学部
雑誌
作新学院大学女子短期大学部研究紀要 = Sakushin Gakuin University Women's College Research Bulletin (ISSN:24337064)
巻号頁・発行日
no.3, pp.11-20, 2019-12-27

本稿は、社会福祉史の分野で多くの業績を残した吉田久一の先行研究から、福祉思想に関する主要な研究成果(吉田1979・1989・2003)を取り上げ、史観を中心とした分析視座の特徴を分析・考察した。その結果、吉田の研究成果は、宗教と福祉思想の関係性が重要であり、西洋と日本における文化的・社会的特徴が福祉思想の通時的特徴に影響を及ぼすという分析視点を示した。一方、史観は、マルクス(Marx, K., H.)とエンゲルス(Engels, F.)が確立した唯物史観を基盤としつつ、当初から下部構造と上部構造の相対性を重視している点が特徴であった。また、吉田はヴェーバー(Weber, M.)による理念型も論究しているが、宗教と福祉思想の関係性に着目した社会科学的な史観は検討課題として残されている。したがって、ヴェーバー(Weber, M.)による宗教的エートスを鍵概念に位置づけた史観を確立することが今後の研究課題である。
著者
繁宮 悠介
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.322, 2004 (Released:2004-07-30)

カニ類では、ハサミ脚の大きさや形態が左右で異なる現象が頻繁に見られる。ハサミ脚の左右性は、シオマネキ類やカラッパ類で特に顕著であるが、このような形態的非相称性は、左右のハサミの機能分化と関係しており、特殊化した側のハサミ脚は、シオマネキ類では配偶者獲得のため、カラッパ類では巻貝捕食のためというように、各種の特徴的な行動や生態と密接に関連している。 左右性が見られるカニ類の多くの種では、個体群中に右利きの個体と左利きの個体の両者が共存する。左右性の発現は、遺伝的に決定されていると考えられることから、鏡像関係にある二者が、自然選択によって個体群中に維持されていることになる。 この研究では、サワガニにおける左右性多型が、どのようなメカニズムによって維持されているのかを解明することを目的とする。サワガニはオスでのみ片側のハサミ脚が大型化し、右利き個体が7_から_8割を占める。まず、オスの大型化したハサミが、採餌においてどのように使われるかを調べるために、実験室における採餌行動を観察した。次に、10余りの個体群において、どちらの体側の付属肢が失われているかを調べ、オスの左右性が付属肢欠失にあたえる影響を明らかにした。最後に、各個体群の左右比が、附属肢欠失個体率や性比などの個体群特性のどれと相関を示すのかを調べた。これらの調査から得られた結果を総合して、多型維持メカニズムについて議論する。