著者
イェユンウェン 中小路久美代
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.117-124, 2011-04-15

組織やグループで現在開発中の,あるいは既に開発したシステムやオープンソースといった大量のソースコードを,その組織の知財として活用が望まれてている。そのようなソースコードに特化して検索するのが,エンタープライズ検索エンジンCodeDepotである.CodeDepotは,ソースコードを構造化された自然言語の文書とみなし,プログラムの構造情報と意味情報を同時に考慮しながら,正規化処理と重複インデキシングを行なう.これにより,ウェブインタフェースを介して数億行以上の大規模ソースコードを瞬時に検索でき,現場での実用に耐えるシステムとなっている.検索クエリ文字列のバリエーションや複雑な条件検索,さらには文字列をトークンに置換することで,コードクローンと呼ばれる構造的に類似するプログラム断片を,インタラクティブに検索できる.現時点で数十のソフトウェア開発組織で,コーディング作法の学習や保守のような開発作業の様々な局面で利用されている.利用した開発者からは,システムの高速性と簡便性が高く評価されている.
著者
亀岡柾堂 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1914
著者
佐々木 裕 磯崎 秀樹 鈴木 潤 国領 弘治 平尾 努 賀沢 秀人 前田 英作
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.635-646, 2004-02-15
被引用文献数
12

近年,大量の文書を用いて自然文によるユーザからの質問に答える質問応答(QA: Question Answering)システムに関する研究が注目を集めている.これまでいくつかのQAシステムが開発されてきたが,それらの多くは人手で作成されたルールや評価関数を用いて,質問の答えを大量の文書から抽出するアプローチをとっていた.これに対し,本論文では,機械学習技術を用いて,日本語QAシステムの主要なコンポーネントをそれぞれ学習データから構築することにより,QAシステム全体を構築する方法について述べる.具体的には,質問タイプや答えの判定を2クラス分類問題としてとらえ,質問文やその正解例から学習された分類器により,これらの機能を実現する.本アプローチのフィージビリティの確認のため,機械学習手法Support Vector Machine(SVM)を用いて学習型QAシステムSAIQA-IIを実装し,2 000問の質問・正解データによるシステム全体の5分割交差検定を行った.その結果,システムの性能として,MRR値で約0.4,5位以内正解率で約55%の正解率が得られることが明らかになった.This paper describes a Japanese Question-Answering(QA) System, SAIQA-II.These years, researchers have been attracted to the study of developingOpen-Domain QA systems that find answers to a natural language question given by a user.Most of conventional QA systems take an approach to manually constructing rules and evaluation functions to find answers to a question.This paper regards the specifications of main components of a QA system,question analysis and answer extraction, as 2-class classification problems.The question analysis determines the question type of a given question andthe answer extraction selects answer candidates thatmatch the question types. To confirm the feasibility of our approach,SAIQA-II was implemented using Support Vector Machines (SVMs).We conducted experiments on a QA test collection with 2,000 question-answer pairs based on 5-fold cross validation.Experimental results showed that the trained system achieved about 0.4 in MRR andabout 55% in TOP5 accuracy.
著者
前田 剛 有川 善久 佐藤 哲夫 藤原 勇一 中村 安雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.100, pp.33-40, 2008-06-19
被引用文献数
5

超高速インターネット衛星「きずな(WINDS:Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)」は、平成20年2月23日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット14号機により打ち上げられ、現在、初期機能確認試験を実施中である。本稿では、打上げから静止化までのクリティカルフェーズの運用結果の概要及び現在実施中の初期機能確認試験の実施状況について紹介する。
著者
徳丸 雄一 藤原 暁宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.23, pp.25-32, 2007-03-09
参考文献数
20

本研究では DNA計算を用いて浮動小数点数の演算を行うアルゴリズムを提案する. まずはじめに DNAによる浮動小数点表現を定義する. 本研究で取り扱う浮動小数点数は符号部 指数部 仮数部から構成され 符号部は1ビットの2進数であり また 指数部と仮数部は それぞれqビットとmビットの2進数であるものとする. 次に 浮動小数点数対に対して加算を行う2つのアルゴリズムを提案する. 1つ目のアルゴリズムはO(m^{2})種類のDNAを用いることによりO(log m)ステップで実行可能であり 2つ目のアルゴリズムはO(m^{2}2^{m})種類のDNAを用いることによりO(1)ステップで実行可能である. また O(n)個の対に対する浮動小数点数の加算を行うアルゴリズムも提案する. このアルゴリズムは O(nm^{2}2^{m})種類のDNAを用いることにより O(1)ステップで実行可能である. また最後に 浮動小数点数の乗算を行うアルゴリズムを提案する. このアルゴリズムO(m^{2})種類のDNAを用いることによりO(log m)ステップで実行可能である.In this paper, we consider procedures for floating point arithmeticoperations with DNA molecules. We first propose data structure for representing floating point numbers with DNA molecules. The floatingpoint number consists of a sign bit, an exponent and a mantissa. We assume that the exponent and the mantissa are binary numbers of q andm bits, respectively. We next propose two procedures for an addition of floating point numbers. The first procedure executes an addition inO(log m) steps using O(m^{2}) DNA strands, and the second procedure executes an addition in O(1) steps using O(m^{2}2^{m}) DNA strands. Wealso propose a procedure for additions of O(n) pairs of two floating point numbers. The procedure executes O(n) additions simultaneously inO(1) steps using O(nm^{2}2^{m}) DNA strands. We finally propose a procedure for a multiplication of a pair of two floating pointnumbers. The procedure executes a multiplication in O(log m) steps using O(m^{2}) DNA strands.
著者
小松 智希 成澤 和志 篠原 歩
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012-GI-28, no.8, pp.1-8, 2012-07-06

探索空間が非常に広く,評価関数が作りにくいゲームにおいて行動決定を行う手法にモンテカルロ法があり,囲碁や大貧民などのゲームに対して有効な手法であることがわかってきた.しかし,麻雀のように探索空間全体に対して得点が得られる組み合わせが少ないゲームでは,モンテカルロ法は報酬を得ることができるプレイアウトの回数が少ないため,十分な効果を発揮することができない.本論文では,麻雀におけるモンテカルロ法の非効率性を実験的に検証する.また,プレイアウトにおいて効率的に報酬を得ることができる手法を提案し,モンテカルロ法と比較することで実験的に有効性を示す.
著者
園田 立信 永延 清和 長谷川 信美 御手洗 正文
出版者
宮崎大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2000

「家畜は夜作られる」という諺が昔は語られていた。これは、十分な急速によって、エネルギーのロスを少なくすれば、それだけ、家畜の健康を保証し、成長や生産を促進できるという科学的な常識であった。本研究グループは、上記の考えは理論的には間違っていないと考えるが、昨今の近代的、すなわち集約的な使用管理下の家畜での行動などの実態をみていると、現状では全く異なっているのではないかと発想し、下記のような調査を行った。本研究では、草地での放牧、コンクリート床のペン、ケージ(鉄枠)の3種の飼育管理条件を設定し、それらの生理的・行動的状態を、心電図、脳波、および暗視ビデオカメラを用いて調査した。なお、5分毎に睡眠の程度を、身体の動き、心電図、および脳波で評価し、5点満点で評価した。なお、豚の睡眠時脳波については、ヒト脳波の分類に近似させることを試みたが、出現波形の違いと出現頻度の特徴から6種類に分類し、他の生理的指標をあわせた。その結果、豚のおかれた飼育環境によって、睡眠の状態は著しく異なることが明らかとなった。すなわち、ケージ飼育では、見た目では"睡眠"下にあるが、脳波はα波がもっとも多く、深い睡眠を示す脳波は殆ど出現しなかった。この場合、心拍数は少なくなることはなく、多いままであった。従って、拘束下の豚は、行動面では横臥・伏臥しているが、エネルギー消耗の多い状態であることが明らかとなった。逆に、放牧された豚の脳波と心拍数を観察すると、横臥時の脳波は周期的に深いものとなり、心拍数も明らかに少ないことが観察された。従って、この豚ではエネルギー消耗の少ない休息を行っていることが明白であった。コンクリート床のペンで飼育した豚の休息時の生理的指標は、上記のケージ拘束と放牧との中間にあった。以上より、通常の集約的養豚システムでの豚では休息時もエネルギー消耗が多く、「寝る子は育つ」という諺はあてはまらないことが確認された。
著者
周 菲菲
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.85-102, 2012-12-26

グローバリゼーションが進む中,人,モノや情報がいわゆる「時間と空間の圧縮」(Harvey,1989)を経験している。そこで,グローバルで脱領土的な社会生活が生まれるとされるが,その最も顕著な例は観光である。現在,インターネットのグローバルな普及によって,双方向性の情報コミュニケーション革命が発生し,観光者は受動的な客体ではなく,観光を「制作」する主体ともなっている。観光イメージやヒト,モノがグローバルな科学技術と連動して越境する,こういう観光の複雑なメカニズムや出来事を解き明かす為には,インターネットについての質的なアプローチが要請されている。そ こで,筆者は本稿でまず中国人観光についての研究におけるインターネットの重要性を論じ,従来の観光研究におけるインターネット研究をレビューし,更にオンライン・インタビュー,バーチャル・エスノグラフィー,焦点インタビューといった質的オンライン研究のいくつかの手法を取り入れ,北海道への中国人観光者を考察した。本研究により,インターネット時代の観光研究に新たな方向性を示したい。
著者
佐藤 文隆
出版者
京都大学附属図書館
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.1-3, 1995-01
著者
前田 辰昭 高木 省吾 中谷 敏邦 高橋 豊美
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

北海道西岸沖合に産卵のため来遊するスケトウダラの魚群構造と回遊の研究は、当初計画通り実施された。昭和62年度から平成元年度の4月と10月に、後志沖合から青森県沖合の日本海で水温、塩分、餌料プランクトン等の外、航走中24KHzの魚探を作動させて、スケトウダラの分布と密度を観察した。また、中層トロ-ルによる漁獲試験と標本採集をした。この外2月には檜山沖合で本種の標識放流を実施した。1.4月の魚群は沿岸の産卵場付近では150〜300m層に、沖合では200〜400m層と、沖合ほど深い。分布域は日本海の中央部にまで達し、対馬暖流水と亜寒帯水との境界域に当る前線域に高密度群が出現した。2.10月の魚群は産卵期の接近に伴い、次第に接岸し、沿岸域で最も密度が高い。この時期は高水温のため、400〜500m層と分布層が深い。3.魚群の年齢組成は3〜8才で、それらの中心は卓越年級群の1984年生れである。3ケ年間では1989年10月が最高密度を示した。4.標識放流は昭和62年度から平成元年度までの2月に、檜山沖合で約4500尾について実施した。本研究期間内の再捕結果は、従来の知見とされた定説の北上回遊と異なり、索餌期の夏期には南下して津軽海峡に出現し、さらに新潟県沖合から富山湾沖合にまで回遊して再捕されている。しかし、産卵期には放流地点の檜山沖合でのみ再捕され、本種の回帰性の強さが示唆された。5.本種の回遊は従来、北部の武蔵堆周辺から陸棚沿に南下し、産卵後は再び北上するとされていた。しかし、本研究では、成魚は南西部沖合から接岸し、産卵後は再び南西海域に回遊することが明らかになった。今後は不明であった幼稚魚の移送先や未成魚期の生活域の把握が必要である。それは来遊量予測や資源変動の解明に不可欠なためである。
著者
上田 朋宏
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.3-7, 2010-05-31

高齢者の排尿障害の特徴は,加齢自体に寄る膀胱の機能低下と加齢に伴う複合障害による膀胱機能の外からの修飾により複雑な病態を呈する事が多い.しかも,加齢により排尿障害リスクが増加する合併症(癌,糖尿病,脳血管障害,骨盤内手術)の管理が優先され,本来高齢者の尊厳に関わる排尿が何の評価も受けず放置されてしまう事も少なくない.高齢者の排尿管理はおむつやバルーンカテーテルに依存しやすいが,継続可能な排尿管理体制を構築すれば検尿,残尿測定,膀胱の活動性の評価に基づく薬物治療で十分排尿自立まで導きその状態を維持することができる.世界一の長寿国の日本の未来は高齢者の排尿管理にかかっているといっても過言ではない.その第一歩は高齢者の排尿障害を「歳のせい」としてあきらめず医療職・介護職として向き合うことだと思われる.
著者
青木 秀憲 宮下 芳明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.37-42, 2008-05-21
被引用文献数
1 4

本稿では,ウェブサービス「ニコニコ動画」でのコメント頻度によってその映像にともなう音楽のサビ部分の検出や映像要約に応用可能なのかを検証すべく,様々なジャンルの映像をとりあげ評価を行った.In this paper, we investigated various movies on Nicovideo, and checked the relation between the frequency of comments and chorus-section in the music used in it. We also proposed the method for video summarization using the frequency of comments on Nicovideo.