著者
岩田 敏也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.552, pp.295-302, 2002-02-28 (Released:2017-02-04)
参考文献数
22

The aim of this research is to clarify the characteristic of the design and construction of beam svstetn in the main halls of the Esoteric Buddhist temple in TOKAl district in the Edo period. The conclusions are as follows. 1) There are some common distinctions of the beam svstem in "Gejin" (the outer chamber) of the Buddhist halls in this district in the Edo period, by which these Buddhist halls can be classified. 2) Some Buddhist halls adopted the Rainbow-beam of 3-pillar spans in the lengthwise direction of it, especially in the eastern part of MIKAWA and TOTOUMl areas. 3) These beam systems has developed still more in the Edo period, inheriting technical skills from the Medieval period. It has become more comnlicated with gigantic beams, in structure.

2 0 0 0 OA 佐州水替人足

巻号頁・発行日
vol.第6冊, 1000
著者
石附実著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1992
著者
谷村 健 濱田 明美 鬼束 楠里 野崎 直樹 甲斐 孝憲 小川 喜八郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.56-64, 2005-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

宮崎県日向灘沿岸および沖縄県石垣島周辺海域からの焼酎用酵母の分離を試みた結果,酵母様微生物を547株分離できた。産膜が見られず,糖醗酵性試験により,良好な結果の得られた16株を選抜した。選抜菌株について醗酵試験,芋焼酎小仕込み試験を行い,醗酵経過が安定し,酒質も良好であったBlD-12株を最優良菌株とした。同菌株はS. cerevisiaeであると同定され,従来の焼酎用酵母よりも耐塩性およびアルコール耐性が高いことが示唆された。高耐塩性は海水域由来株の指標の1つになりうると考えられる。また, 2次膠の最高晶温35℃前後の条件下おいても醸酵は順調に推移し,BlD-12株は高温耐性株であることが確認された。さらに,実地規模での芋焼酎仕込み試験で従来の酵母よりも良好な醸酵経過を示したことから,ソバ等に代表される他の穀類原料においても実用化が期待できる。

2 0 0 0 OA 御伽草子

出版者
巻号頁・発行日
vol.第21冊 (浦嶌太郎),
著者
富井 規雄 佐藤 圭介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1164-1170, 2013-10-15

鉄道において,事故等によってダイヤに乱れが生じた時の対応(運転整理)について,現状と今後のあり方を述べる.運転整理は,複雑で大規模な組合せ問題であり,また,迅速な対応が求められること,さまざまな状況を加味した評価関数の確立が難しいこと,予期せぬ事態の発生にそなえなければならないことなどといった難しさがあり,そのために,現状においては,ほぼ人手によって行なわれている.本稿では,利用者の視点にたった運転整理が重要であることを指摘し,そのような観点からの研究開発事例を紹介するとともに,今後望まれる研究開発項目を述べる.
著者
岡本 詔治
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.668-736, 2010-03-10
著者
岡ノ谷 一夫 池渕 万季 橘 亮輔 柳原 真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

模倣と共感がどちらも生得的な知覚運動メカニズムとして捉えられるという指摘は早くからなされてきたが、これを実証しようとした研究は少ない。本研究は、小鳥の歌学習とラットの情動伝染をそれぞれ模倣と共感の原初的なモデルとして、神経回路から行動のレベルまで、それらの共通点を探ろうとするものである。仮説として、「模倣も共感も、ミラーニューロンと報酬系のドパミン神経細胞とが密に接続することで生起する」を提案する。本研究はコミュニケーション行動の生物心理学的基盤を与えることとなろう。
著者
伊達 修一 寺林 敏 松井 浩平 並木 隆和 藤目 幸擴
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.485-489, 2002-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
5 6

水道水を用いて作成した培養液による水耕栽培で, しばしば発生する根部褐変の原因について調査した.サラダナの根部褐変は次亜塩素酸の形態で存在する水道水中の残留塩素とアンモニウムイオンが存在する培養液でのみ発生し, どちらか一方しか存在しない培養液では発生しなかった.また, 次亜塩素酸あるいはアンモニウムイオンどちらかを含む培養液に交互に移植しても根部褐変は発生しなかった.従って, 根部褐変は次亜塩素酸とアンモニウムイオンにより生成するクロラミンにより発生するものと考えられた.さらに培養液中の残留塩素濃度の低下は, 光条件下で鉄イオンの存在により促進された.
著者
贄 育子 小河 達之
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 = Journal of Japanese Society of Human Caring Research
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-35, 2015-09-30

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ実現への示唆を得るため、人工妊娠中絶の法規制に関する女性の意識調査を実施した。20~24 歳の女性、妊娠中の女性及び出産経験をもつ女性を対象に、母体保護法と刑法堕胎罪に関する認知、人の始期、母体と胎児の権利の優位性について調査した。その結果、母体保護法に比べて、堕胎罪に関する認知が低い一方で、その存続を望む割合が高かった。その理由は、生命の尊厳を守るためという回答が最も多かった。また、受精直後を人の始期と考えている割合が最も高かったが、母体よりも胎児の権利を優位とする割合は低かった。生命の尊厳という倫理観はもっているものの、法制度の認知度を鑑みると、女性が自らの身体やそれをめぐる法整備について関心を持ち行動しているようには考え難く、そのような機会も乏しいと推察し得る。以上のことから、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する教育の必要性が示唆された。
著者
相原 嘉之
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.11, no.18, pp.171-180, 2004-11-01 (Released:2009-02-16)
参考文献数
16

飛鳥地域には謎の石造物と呼ばれる飛鳥石(石英閃緑岩)の彫刻加工石材が多く存在する。この中のひとつに「酒船石」がある。その用途・製作時期についても謎のままであるが,平成4年度にこの石造物のある丘の中腹で,奈良県天理市近郊で採石される凝灰岩質細粒砂岩切石で構築された石垣が発見された。遺跡が飛鳥宮の東方に位置し,天理市で採石される石材で石垣を構築していることから,『日本書紀』斉明2年是歳条に記載のある「宮の東の山に石を累ねて垣とす」,あるいは「両槻宮」に該当する遺跡として注目を浴びた。その後の調査でこの石垣は丘陵を取り巻くように700m以上にも及ぶことか判明してきた。さらに平成11年度には北側の谷底から亀形石槽を含む導水施設が見つかり,遺跡が7世紀から9世紀まで存続していたことがわかり,その性格についても重要な示唆を示すものとなった。これまで12年間,25次にわたる調査によって,遺跡は4つの地域に区分が可能である。これらは遺跡の範囲確認調査として実施してきたが,各地域によってその性格等が判明してきた。丘陵上の石垣はその構造からみて,防御施設よりも視覚を意識した構造であり,その中心に酒船石がある。築造時期は明言できないが,斉明朝として問題はなく,石垣の倒壊時期は天武朝の白鳳南海地震と推定できる。さらに丘陵西斜面の列石はその後改修されていることも判明した。北部地域では遺構の変遷が明らかとなり,斉明朝に造営され,その後天武朝に大規模な改修を経て,平安時代まで存続する。亀形石槽を含む導水施設は,その構造や立地から祭祀色が強く,斉明から持統朝にかけての天皇祭祀を実践した遺跡であると考えられる。一方,東部地域では,飛鳥東垣内遺跡で検出していた運河の上流部分を確認した。これまでの調査を検討すると,酒船石の丘陵東側から香具山の西側までのルートが復元でき,斉明2年是歳条にある狂心渠と対比されることになった。また,西部地域では7世紀後半から8世紀にかけての石組溝を検出し,飛鳥盆地東側の水を北へと流す基幹排水路と推定された。また,同時に出土した大量の木簡群から周辺に飛鳥宮の官衙が推定されるようになった。これらのことから酒船石遺跡は丘陵上及び北部地域が一体となって構成されており,『日本書紀』にも記される斉明朝に築造され,天武・持統朝まで継続的に使用された,天皇祭祀に関わる遺跡と考えられる。また,東部地域はこの遺跡に砂岩石材を運搬するための運河「狂心渠」を中心とした遺構群である。さらに西部地域は一部で丘陵部に関わる遺構もみられるが,主に飛鳥宮の官衙地区のひとつと推定できる。いずれにしても酒船石遺跡は律令制成立前後の天皇祭祀に関わる巨大な遺跡であり,律令国家形成過程における天皇祭祀の形態を研究する上でも重要である。