著者
上野 清貴
出版者
中央大学商学研究会
雑誌
商学論纂 (ISSN:02867702)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1-2, pp.35-71, 2019-09-10
著者
吉高 淳夫 松井 亮治 平嶋 宗
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1696-1707, 2006-06-15

映画やテレビドラマといったコンテンツにおいて,アクセスの柔軟性・多様性を実現するためには,特定の雰囲気や印象を強調する演出,すなわちコンテンツに埋め込まれた感性情報を検出し,それを反映させることが重要である.様々な演出技法を述べた「映画の文法」では,ズームやドリーなどのカメラワークは,ある場面の雰囲気や印象を強調するための重要な演出手法として位置づけられている.カメラワーク検出に関する先行研究では,映像主体の視覚上の変化という観点ではほぼ同様であるが演出意図が大きく異なる,ズームイン?キャラクタドリー,ズームアウト?プルバック間の弁別ならびにそれらの検出を,動物体の存在を前提として十分な精度で検出することは未解決であるため,カメラワークによる演出を検出できない.本論文では,上記カメラワークを区別して検出することにより,カメラワークによる演出効果により映像に込められた感性情報を抽出する手法を提案する.さらに,動物体存在下で上記カメラワークを検出,弁別し,カメラワークに基づく演出,すなわち感性情報を検出するという目的に対する提案手法の有効性を評価した.
著者
三好 克彦 山本 強 永山 隆繁
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1829-1843, 1993-08-15

北海道大学は、1989年より3か年計画でキャンパスLAN HINES(ハイネス)の構築を行った。ハイネスは、北海道大学における情報のインフラストラクチャとして位置付けて、教育研究のみならず、大学事務のOA化にも利用できるものとして計画された。大学に存在しているあらゆる種類の計算機を接続できるよう、マルチプロトコルを採用し計算機相互の接続とともに、電子メール等のサービス機能と、イメージ系の相互交信を可能とする基本的概念を具現した。基幹ネットワークとしてFDDI規格の双対モードの光ファイバを4リング張り巡らし、各部局はイーサネットで接続している。キャンパスで多数使われているパソコン等も、RS232Cで接続できるようにして、誰でもが使いやすい環境を実現した。函館にある水産学部との間は、高速ディジタル回纏で接続し、全学の一体化に大きく貢献している。さらにネットワーク管理の省力化を図るため、ハイネス全体の管理を1か所で行えるよう、新たに開発した集合分散管理方式を使用している。アドレス管理は、1992年4月から学術情報 ネットワークの一つとしてインタネット・バックボーンが動き出したので、世界と共通の墓盤なので重要である。このため、独特な簡単で確実なアドレス管理方式を考え出し、効果を上げている。
著者
本多 千明 Chiaki HONDA
雑誌
教育学研究論集 (ISSN:21877432)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.21-27, 2014-03-14

社会科の目標は,「公民的資質の育成」であるとされている。「小学校学習指導要領解説 社会編」2008(平成20)年8月では,この「公民的資質」について,「日本人としての自覚をもって国際社会で主体的に生きるとともに,持続可能な社会の実現を目指すなど,よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎をも含むものであると考えられる。」と説明している。社会科教育では,公共の精神に基づいて主体的に社会の形成に参画し,「よりよい社会の形成に参画する資質や能力」をどのように育成するのが良いのだろうか。 そこで,本研究では,地域社会の課題解決を目指した社会的活動に生徒を積極的に関与させ,生徒の市民性を発達させる ことをねらいとした教育方法である,アメリカで誕生したサービス・ラーニング(Service Learning)」に注目する。アメリカでは,1990(平成23)年に「国家及びコミュニティ・サービス法(National and Community Service Act)」が成立して以来,幼稚園・小学校・中学校・高校・大学で数多くのサービス・ラーニングの実践が行われている。「よりよい社会の形成に参画する資質や能力」を育成する方策を考えるために,市民性育成に関する取り組みや,日本におけるサービス・ラーニングの適用可能性と期待される効果について検討する。
著者
菅 豊
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.63-94, 1994-03-31

日本において,低湿地を積極的に稲作地として利用し,「水辺」を改変する農業は,通常,技術的未発達が指摘され,その技術に費やされる労苦からの脱却がことさら強調される傾向があった。確かに低湿な水田で行われる農耕は,重い労苦が伴い,不安定な収穫しか望めない泥濘だったのは間違いないし,従来,民俗,地理,歴史などの多くの研究者によって,この水との格闘の歴史は明らかにされてきた。しかし,果たして低湿地農耕は,生活環境によって規定されるがゆえにあらがうことのできない,いやいやながら,しぶしぶと行われていた不本意な農耕技術だったのであろうか。そしてその湿田は,人々が生計活動を行う上で,消極的,否定的,悲観的にしか取り組めないような苦渋に満ちたネガティブな生産空間だったのであろうか。この疑問を解決することが本稿の目的である。本稿では全国に分布する低湿地開拓技術が,必ずしも不利な状況で消極的に営まれていたのではなく,ポジティブにとらえ得る技術であったという視点から,この農耕技術を見直していくつもりである。本稿で対象とする地域において低湿地農耕は,むしろ完全に水田化されていない,不完全な耕作地であるがゆえに獲得できる,有利さを持っていると考えられる。土地所有制度の限界を克服することのできる低湿地農耕技術の社会的特質が顕在化する時,それは生産性の低さといったデメリットをさし引いても,なお余りあるものとして位置付けられるのである。この不完全な耕作地の活動が継続できた背景には,その経済的,社会的な有利さと共に,各生計活動のリスクを合い補え,より安定した生活を維持することのできる,複合的生計活動の展開があったと考えられる。
著者
浜垣 誠司 柴山 雅俊 石原 次郎 鈴木 健司 大島 丈志
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.126-89, 2022-03-16

This report is a record of a symposium aimed at analyzing the imagination of Kenji Miyazawa’s work from a psychiatric perspective. Some of Miyazawa’s works are highly recordable and are interpreted as reflecting his realistic situation. This report takes the poem “Shukan”, and analyzes it from the perspective of “dissociation”, showing that it can be interpreted as “imaginary companion”.