著者
岩橋 尊嗣
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.98-106, 1997-02-28 (Released:2010-03-18)
参考文献数
22
著者
鳥海 不二夫 西村 啓 浅野 千尋 石井 健一郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.190-198, 2008

近年市場における個人投資家の割合は増加の一途をたどっている.これにともない,アルゴリズムトレードを利用した取引が注目されている.しかしながら,投資家にとって取引エージェントの作成は障害が多く,自動取引エージェント上に優秀なアルゴリズムを実現するのは困難である.そこで,本研究では投資スキルは十分にあるもののプログラミングのスキルが十分ではない投資家に対して,その投資家の投資戦略を取引エージェント上で実現することを目指し,自動取引エージェントの作成支援システムを提案し,第一回スーパーカブロボコンテスト用で利用した.その結果,コンテスト参加者の60%が本支援システムを利用して取引エージェントを作成した.作成支援システムによって作られた自動取引エージェントは,Javaプログラミングによって作成された自動取引エージェントと比較して同程度の取引を行うことが出来ることを確認した.また,プログラミングスキルの低い投資家に対してもアルゴリズムトレードへの参加を促すことができたことを確認した.
著者
石井 敏夫
出版者
国士舘大学哲学会
雑誌
国士舘哲学 (ISSN:13432389)
巻号頁・発行日
vol.4, 2000-03
著者
中村 隆
出版者
アジア経営学会
雑誌
アジア経営研究 (ISSN:13412205)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.137-150, 2015

One of the most important requirements, on a maker's side, for maintaining and strengthening the competitiveness of their product in emerging markets is that the maker should be able to make a wide range of satisfactory responses to their users' diversifying needs. For finely satisfying their users' diversifying needs, the customizability of their product is really important. Such customizability of a product complements its own ability to meet the users' needs. On the other hand, in good response to users' needs for being able to use a durable consumer product in a long term, after-sales service (such as repairs) by a maker and/or its affiliate as well as the quality and durability of their product itself are also essential requirements. Such customization and after-sales repairing are supposedly performed by product makers, but many cases of them in emerging markets are uniquely performed by other enterprises than such makers. This system is defined as After-Market. Its role is thought to help a product remain competitive and become more competitive in emerging markets. This paper examines an actual case of the abovementioned requirements. The author made researches on, for analytical purpose, country-tailored models of Honda's Super Cub sold and used in Vietnam and Cambodia, both of which are emerging economies. As a result, it has been found out that Super Cub is well-designed and structured for easy customization and repairs. Also it has been found that the existence of After Market associated with such customization and repairs of Super Cub models is one of the essential factors contributing to the strong competitiveness of Super Cub in such emerging countries.
著者
江口 祐輔
出版者
麻布大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

我が国においてイノシシによる農作物被害が各地で発生している。被害を防ぐためには、対象となる動物の行動を把握し、新たな防除技術の開発や総合的対策の展開を図る必要がある。本研究は、超音波による音刺激に対するイノシシの行動を調査し、誘因性と忌避製について検討し、イノシシの行動制御技術開発のための基礎的知見を得ることを目的とした。音刺激試験:飼育イノシシにおける試験では1頭ずつ音を提示した。提示音は音圧波形をサイン波に設定し、周波数を中-高周波数領域で10k〜80kHzの8段階、中-低周波数領域で2k〜5Hzの9段階に設定し、超音波発生装置を用いて発生、イノシシの反応を記録した。周波数が40kHzの音に対して、「静止」、「スピーカー定位」、「スピーカー探査」の反応を示す個体が認められた。このことからイノシシは超音波を聞くことができると推察されるが、すべての超音波に対して忌避反応を示さず、超音波を嫌がらないと推察された。しかし、ヒトの可聴域内である500Hzの音に対して忌避反応と思われる「逃避」、「身震い」の反応を示す個体が認められた。500Hzで忌避反応と思われる反応が確認できたため、新たに200Hzの試験を行ったところ、「逃避」、「身震い」の反応を示す個体が認められた。野生個体の試験では群れに対して同時に音を提示したところ、飼育個体と同様の傾向を示し、新たな防除技術開発の可能性が示唆された。しかし、試験中に群れが移動してしまうなど、十分なデータを得るには至らず、試験を継続する必要がある。豚の尿に対する試験:雌ブタの発情期の尿と非発情の尿および、対照として蒸留水をイノシシに嗅がせた結果、発情尿に対する雄イノシシの反応が大きく、嗅ぎ行動が多く発現した(P<0.05)。また、捕獲おりに発情尿を入れた試験では、反応試験と同様、雄の反応が大きく、檻に侵入後、フレーメン様行動が認められ、誘因物質として実用化の可能性が示唆された。(特許申請を行うため、成果の公表を見合わせる必要アリ)
著者
尾﨑 俊也
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.85-97, 2017

<p>本稿は、社会学的行為理論の枠組みから男性性概念を用いて男性のDVや性暴力を研究しているメッサーシュミットから知見を得て、暴力行為と男性性の関係を明らかにすることを目的とする。行為理論の枠組みから、男性の暴力行為がどのように理解されうるのかは大きく問われてこなかった。他方、犯罪心理学の分野において、男性の暴力行為の原因が個人の病理的な特性や性衝動に回収される傾向にあった。そのなかで、メッサーシュミットの研究からは、暴力行為に極めて社会的な過程があることが理解できる。メッサーシュミットは暴力行為の社会的意味が暴力行為者にとって重要なものであり、暴力行為を通じて、男性性が実践される側面を解明した。この意味で、われわれの社会が構築してきた男性性が、暴力加害に作用していると言える。男性の女性に対する暴力については、支配的な男性性をめぐる男性同士の社会的な闘争で周縁化された男性が、女性に対する暴力を行使することで、支配的な男性性を実践する社会過程があると分かった。さらに、性暴力は異性愛に特徴づけられた男性性を行為することを通じて、より支配的な男性性を実践できる傾向にあることも読み取れた。このように、女性に対する男性の暴力が発生する背景に、社会的に構築された男性性があり、また性的な意味を経由することで、よりその支配性が暴力行為者によって見出されるのである。</p>
著者
鬼塚 雅子
出版者
埼玉女子短期大学
雑誌
埼玉女子短期大学研究紀要 (ISSN:09157484)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.137-170, 1998-03-01

1910年に刊行されたWalter de la Mareの小説The Returnは一般に怪奇小説に分類されることが多い。物語は一人の平凡な男に憑依現象が突然ふりかかる墓場の場面から始まるが、その内容は怪奇現象そのものより、主人公の心理状態-別の意識の侵入によって自分を失うまいと必死にもがき抵抗する精神的苦闘の様子-が中心に、生々しく描かれている。本稿では、この小説を怪奇小説と心理小説の両面から分析し、possession、identity、personalityについて論じる。また、作品を通してde la Mareが表現しようとした生と死及び時間の定義について、さらにはタイトルのreturnのもつ意味についても考察する。
著者
近藤 文里
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.65-78, 2000-06-30 (Released:2017-07-28)

本論文は、子どもの時期に受けた前頭葉損傷の後遺症に関する2つの仮説の妥当性を検討した。第1の仮説は、発達の早い時期に前頭葉に損傷を受けた子どもの場合は、障害がすぐには現れず、遅れて現れるとする「障害の遅延生起」仮説である。また、第2の仮説は、子どもの時期に前頭葉に損傷を受けた症例は成人のそれよりも行動の障害がより重いとする仮説である。この仮説を検討するため、従来報告された14症例について損傷時期ごとに分類したうえで、損傷直後とその後の行動特徴の推移を調べた。その結果、第1の仮説は支持されたが、より重要なこととしては発達の時期ごとに特徴的な問題が現れることが明らかになった。また、第2の仮説も支持されたが、子どもの時期に受けた前頭葉損傷のなかでも両側性前頭葉損傷は片側前頭葉損傷よりも重大な行動の障害を示すことが明らかになった。
著者
大倉 恭輔
出版者
実践女子大学
雑誌
Jissen English communication = Jissen English communication (ISSN:2436195X)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.47-65, 2021-03

The year of establishment and regional distribution of 120 women's schools named "Jissen Jogakko"(Jissen Girls' School) before the end of World War II were confirmed and listed. This research will contribute to the literature concerned with the foundational histories of higher educational institutions in Japan.
著者
HATTORI Ryuji
出版者
総合政策学部
雑誌
総合政策研究 = Japanese Journal of Policy and Culture (ISSN:13417827)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-20, 2021-03-10

This year marks the 100th anniversary of the Washington Conference, which was held from November12, 1921 to February 6, 1922. In 2001, I attended an international conference, “Treaty-Bound: JapanesePolitics and International Diplomacy, 1853-Present,” sponsored by the University of California, Berkeley.This paper was submitted at that conference. As for the international conference, see my work, KokusaiSeijishi no Dōhyō: Jissenteki Nyūmon [A guide to international political history: A practical introduction](Hachioji: Chuo University Press, 2004).
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_71-2_80, 2016-07-31 (Released:2016-11-15)
参考文献数
11

直接情緒に働きかける音楽は,人の時間経過の感覚に影響を及ぼすと考えられ,モーツアルトのK.265/K.300eキラキラ星変奏曲が同じメロディで12の異なる様式に演奏されている点に注目して感覚時間比の測定を行った。予想と異なり,静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。
著者
松田 博子 名取 和幸 破田野 智美
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.69, 2019-03-01 (Released:2019-06-23)
参考文献数
26

好きな色がパーソナリティと関係すると思っている人は少なくないが,パーソナリティが色の好みに影響を及ぼす理由についてはほとんど解明されていない.本研究は調査の季節,場所,対象者の年齢,職業を限定し,11年間継続して,延べ2026名(男性931名,女性1095名)の大学生の調査を行った.75色のカラーチャートから,「好きな色」,「着たい色」,「よく着る色」を選択するよう求め,後日YG性格検査を実施し,約半数の色にパーソナリティとの関係が示された.さらに,選択した「好きな色」,「着たい色」,「よく着る色」の色イメージ得点と,選択者のYG検査のパーソナリティ特性の12尺度得点との相関を求めた.男女とも相関が見られ,自らのパーソナリティによく似たイメージの色を好み,着たいと思い,よく着るという知見が得られた.また情緒安定性,協調性,思考的外向に男女の違いが見いだせた.