著者
田口 正 戸田 昭三
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.T89-T93, 1989-06-05
被引用文献数
1 2

キャピラリー超臨界流体クロマトグラフィーを極性化合物分析へ応用した。移動相には高純度C02、カラムにはポリジメチルシロキサンを固定相とした溶融シリカキ十ヒラリーを用いた。カラム温度は100℃、水素フレームイオン化検出器(FID)の温度は350℃、そしてカラム圧力を150から400気圧に変化させ条件設定を行った。ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(TrittonX-100)について昇圧条件を一定にし、カラム温度を変化させると、保持時間が溶媒と試料とで相反した挙動を示し、試料のピーク形状も大きく変化することが分かった。Tritin X-100について5回測定したときの測定精度を相対標準偏差で表すと、保持時間が0.5%以下、ピーク高さが6.3%となり良い再現性が得られた。極性物質であるメタクレゾールノボラックオリゴマーについてトリメチルケイ素化剤を用いて誘導体化を行い超臨界流体クロマトグラフ分析したところ、誘導体化前に見られたピークは更に幾つかに分離し、分子の立体構造を推定するうえで貴重なデータが得られた。
著者
江藤 慶一 伊藤 延久
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.17, pp.36-39, 1961-10-25

最近水稲早期米の精白歩合・食味など品質に関して批判の声が高まっている。しかし早期栽培は試験研究の日なお浅く,品質特に食味についての研究は比較的に少ないようである。そこで私達は早期米の品質改善対策の基礎資料を得るため,早期米7品種について玄米の藷特性・精白歩合・食味等予備的な調査を行なったので,その概要を報告する。
著者
永村 悦子 中根 芳一 永村 一雄 中谷 明男 三木 信博
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.59, pp.105-116, 1995-10-25
被引用文献数
4

大阪(新版),奈良,金沢,輪島の標準気象データ平均年を作成し,これらに従来の大阪平均年,富山平均年を加えて,各要素の日平均値の年間変動,平均的日変動,頻度分布による各地の気候特性の比較検討を行った.その結果,大阪(新)の水平面全天日射量が大阪(旧)よりも大きく,7月には月積算値で約130MJ/(m^2・月)もの差異がみられた.また水平面全天日射量の頻度分布では,大阪(新),奈良とも最大30MJ/(m^2・日)近くまであるのに対し,大阪(旧)では,水平面全天日射量24MJ/(m^2・日)以上の頻度がゼロとなっている.さらに,奈良の気温はほぼ1年を通して大阪よりも約2℃低く,金沢では輪島,富山よりも1〜3℃高いことがわかった.
著者
茂木 清夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.419-427, 1969-06

Monthly distributions of small and large earthquakes in the Japanese region are discussed based on recent seismic data. Smaller earthquakes do not show any systematic annual variations. But large earthquakes with magnitude 7.5 and over occurred concentratively in some limited seasons and the active season is different in the two adjacent active regions. This regularity of large earthquakes in the Japanese region is confirmed by historical earthquake data. Regarding all the large earthquakes in the Northern and the Southern Hemispheres, no systematic annual variations can be concluded. This is not inconsistent with the above-mentioned regional regularity.|地震の頻度が季節変化を示すということが大森やDavison,その他の多くの人によって報告されているが,近年この問題を論じたものはほとんどみられない.この問題を論ずるには,信頼すべき資料にもとづいて,適切な解析を行うことが重要であるので,最近の高精度の地震資料によって再検討を加えることは有意義である.今回の結果によると,大森やDavisonらの指摘した規則性は認められないが,日本付近の大地震について,極めて著しい季節的集中性があることが見出された.要約すると,1.日本各地の小さい地震については,一般に,有意な季節変化は認められない.2.1920年以降のM7.5以上の大きい地震は特定の季節にのみ集中して起こる傾向がみられる.この傾向は,1600から1919までの大地震(M7.9以上)についても認められ,その集中性は統計的に有意である.その活動の季節は場所によってちがい,大きい地震は,北海道・三陸の太平洋側沖合では2月から5月まで,とくに3月に集中し,宮城県沖から関東・東南海道にかけては9月から1月まで,とくに12月に集中して起こった.3.世界中の大きい地震については,南北両半球の大きい地震がとくに夏に多いという規則性(Davisonによる)は認められない.

1 0 0 0 聖夜

著者
玄侑 宗久
出版者
集英社
雑誌
すばる (ISSN:03876381)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.20-32, 2016-04
著者
小林 敬一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.p297-305, 1995-09

Various resources can be used to prevent from forgetting things : for example, habitual actions to use external memory devices, metamemory knowledge of external memory devices, script knowledge for planning, and others' aids. The availability of the resources is not equal for anyone, however. The purpose of the present study was to examine developmental changes in contents of the available resources and the relationships among the resources for elementary school children in their homes. The questionnaires concerning the resources were administered to seventy second graders, sixty-six fourth graders, seventy-one sixth graders, and their parents. As results, the children's knowledge increased with grades, while parental aids decreased with grades. Significant (marginally significant) correlation between children's knowledge and parental aids were found in fourth graders only. Moreover, there was a significant (marginally significant) correlation between children's habitual actions to put the room in order and children's script knowledge in fourth and sixth graders, although differences in habitual actions among graders were not significant.
著者
中島 伸一 杉山 将 ニコン
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.453-483, 2013-09-25

変分ベイズ学習は,行列分解モデル,混合分布モデルや隠れマルコフモデルなど,ベイズ学習の計算が困難なモデルにおける有力な近似学習手法として知られており,その良い性能が様々なアプリケーションにおいて実験的に示されてきた.実験的成功に伴って理論解析も活発に行われ,解のスパース性を誘起する相転移現象などの興味深い性質が解明されている.本論文では,変分ベイズ学習理論の最新動向を紹介する.
著者
渡邉 章乃 上田 奈実 矢口 行雄
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.115, pp.P4010-P4010, 2004

1. はじめに2002年渡邉らは本大会において、常緑および落葉広葉樹8種の葉から葉面菌および内生菌の分離を行った結果、それぞれ特徴ある菌類が分離されたことを報告した。すなわち葉面菌では<I>Alternaria</I>属、<I>Cladosporium</I>属、<I>Microsphaeropsis</I>属、<I>Pestalotiopsis</I>属の4属菌が高頻度に分離され、また内生菌では<I>Phyllosticta</I>属、<I>Phomopsis</I>属、<I>Glomerella cingulata</I>の3属菌が高頻度に分離された。特に<I>G.cingulata</I>と<I>Phyllosticta</I>属は、葉面ではほとんど分離されず、代表的な内生菌であることがわかった。そこで本報告は、常緑広葉樹4種の葉の成長と内生菌との関係について解明するため、当年生葉と1年生葉を経時的に採取し、内生菌の分離、同定を行い、さらに季節的変動についての調査を行った。2. 方 法東京農業大学世田谷キャンパス内にある常緑広葉樹、トウネズミモチ、サンゴジュ、キョウチクトウ、ヤマモモの4種の当年生および1年生葉を供試した。当年生葉は、新葉が展開した2003年4-11月まで、1年生葉は同年3-11月までの間、2週間に1回、葉を経時的に採取した。その後、当年生葉においては葉柄を除く葉の先端から基部までの葉身および葉幅を計測し、葉面積(葉身長と葉幅長の積を2/3倍, Shimwell,1971)を求めた。葉の計測は、2003年4-8月まで行った。採取および計測後、直ちに直径1cmのコルクボーラーでくり抜き、葉ディスクを作製し、70%エタノール30秒→1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1分→70%エタノール30秒→滅菌水30秒で表面殺菌処理を行った。その後、葉ディスク3枚を葉の表面にPDA培地が接するように置床し、室温下で3週間の培養を行った。発生した菌類は、分離、同定し発生率を求めた(発生したディスク数 / ディスク数×100)。3. 結果および考察1)当年生および1年生葉から分離された内生菌常緑広葉樹4種の当年生および1年生葉から分離された菌類を同定した結果、全調査期間に当年生葉で306ディスクから17属菌が分離でき、1年生葉では704ディスクから14属の菌類が分離、同定できた。すなわち当年生葉が1年生葉に成長するに従い内生菌は増加傾向を示すことがわかった。分離した菌を同定した結果、当年生および1年生葉ではほぼ同様に<I>Phyllosticta</I>属、<I>Phomopsis</I>属、<I>G. cingulata</I>の順に高頻度で分離された。これは2002年に同様な調査を行った渡邉ら(2002)の報告に類似した。このことから<I>Phyllosticta</I>属、<I>Phomopsis</I>属、<I>G. cingulata</I>の3属菌は、常緑広葉樹4種の当年生および1年生葉における代表的な内生菌であることが示唆された。 2)葉の成長と内生菌の関係 当年生葉の成長と内生菌との関係を検討するため、常緑広葉樹4種の新葉展開後から葉面積を調査した結果、新葉から成葉に成長する期間は樹種によって差がみられた。すなわちキョウチクトウとヤマモモでは約30日であり、これに対してトウネズミモチとサンゴジュでは、約60日であった。新田(1995)は、常緑広葉樹8種において2_から_6週間で葉の成長は完了すると報告し、本実験の結果もこれに類似した。 次に葉の成長と内生菌の発生について調査した結果、新葉から葉の成長がほぼ止まる間の成長期には、内生菌の発生は低く、葉が成長するに従い内生菌の発生は増加した。すなわち成長期には、葉面からの感染が低いことが示唆された。 3)異なる葉齢における内生菌3属の季節的変動当年生および1年生葉で高頻度に分離された<I>Phyllosticta</I>属、<I>Phomopsis</I>属、<I>G. cingulata</I>の季節的変動を調査した結果、トウネズミモチとキョウチクトウでは、新葉が展開した4月の早い時期から発生がみられたのに対して、サンゴジュとヤマモモでは7月頃から発生し、樹種により新葉展開後の内生菌の発生時期が異なった。さらに、トウネズミモチとサンゴジュでは、当年生および1年生葉において3属菌の発生がほぼ同様にみられたのに対して、キョウチクトウとヤマモモでは、葉の成長に伴い<I>Phyllosticta</I>属菌の発生が顕著にみられた。以上の結果より、常緑広葉樹4種の葉における内生菌の発生を当年生および1年生葉に分けて調査した結果、明らかに樹種により新葉展開後の内生菌の発生時期が異なり、さらに内生菌の中でも樹種により優占的に発生する菌が異なることがわかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1786, pp.28-31, 2015-04-06

2014年11月、上海の名門、復旦大学で開かれたピケティ氏の講演会で、こんなやり取りがあった。会場の参加者から「中国のこれからの発展に関して、習国家主席に何かアドバイスはありませんか」と質問を受けたピケティ氏はこう答えた。 「企業や政府の間にはび…
著者
仲川 晃生 清水 繁夫 越智 直
出版者
The Kanto-Tosan Plant Protection Society
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.31-34, 2011-12-01
被引用文献数
1

2009年春作~2010年春作にかけて,亜リン酸肥料 (ホスプラス: 大塚化学製,アリンサンデス2号: 日本医薬品開発研究所製) のトマト疫病に対する防除効果について試験した。トマトは品種 「桃太郎」 を使い,春秋2回露地条件下で試験した。2009年春・秋作では液体肥料を使い,500倍または1,000倍に希釈した各液肥を,肩掛け式電動小型噴霧器により疫病の初発前から1週間毎に合計4回散布 (200L/10a) し,最終散布7日後に効果を判定した。この結果,対照のマンゼブ・メタラキシル剤より防除効果は劣るものの,亜リン酸液肥散布区では41.1~76.5に及ぶ防除価を示し,効果が認められた。次いで,省力防除を目的に粉末にした肥料 (アリンサンデス2号の10%または20%含有肥料,日本医薬品開発研究所試作) を使い,苗処理による本病防除効果を調べた。粉末肥料を5gまたは10gの割合でトマト苗移植時の植穴に処理した場合, 防除効果は認められなかった。しかし,育苗時に1gまたは2gの粉末肥料を小型 (9号) ポットの園芸培土と混和して育成した苗を圃場へ移植した場合は,処理量等により効果は異なるものの,防除価で15.1~56.7の効果を示し,一定の効果が認められ有効であると考えられた。
著者
山田 光義
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学留学生センター紀要 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-13, 1997-01

Lu Xun (1881~1936), a world renouned Chinese writer, came to Japan in 1902 to study to become a medical doctor. Later, however, he changed his mind and decided to be a writer. Although in Lu Xun's case his change of heart was approved, present interpretations of Japanese immigration law usually does not allow foreign students' changes of heart. This is due to the overriding emphasis on "the continuity of the purpose of study". This paper examines the reason behind Lu Xun's change of heart and proposes that the current policy of Japanese immigration authority be reconsidered to make the birth of another Lu Xun possible in the future.