著者
福島 聡
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.30-36, 2016 (Released:2016-05-14)
参考文献数
19
被引用文献数
1 7

切除不能メラノーマに対しては,40年間にわたって有効な治療はなかった.しかし,抗PD-1抗体ニボルマブや抗CTLA-4抗体イピリムマブといった免疫チェックポイント阻害剤の登場で状況は一変した.免疫チェックポイント阻害剤は免疫抑制系を阻害し,腫瘍免疫を活性化する薬剤であるが,免疫療法として初めて大規模ランダム化試験でその有効性を証明した.夢の新薬である免疫チェックポイント阻害剤であるが,種々の免疫関連有害事象(irAE)が起きる.免疫チェックポイント阻害の時代においては,これまでにどのようなirAEが報告されており,どのような徴候に留意してフォローすべきかを頭に入れておくことは,臨床家にとって非常に重要である.irAEについて概説し,皮膚,消化管,肝臓,肺など項目ごとに既報を紹介し,免疫チェックポイント阻害剤使用における注意点をまとめる.
著者
Poppe Clemens
出版者
開拓社
雑誌
音韻研究
巻号頁・発行日
no.17, pp.67-74, 2014

2 0 0 0 OA 田近陽一郎

著者
大河原徳蔵 著
出版者
田近十三
巻号頁・発行日
1925
著者
河村 朗
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.47-57, 2004-03-30

世界的に人口成長率がここ数十年高かったアラブ地域の中で,サウジアラビアに焦点を絞って,この国の人口爆発が雇用問題にいかに影響を及ぼしているかを明らかにしている。またその問題の解決策としてサウジ政府が採用してきたサウジ人化が進んでいない理由を取り上げて,今後の課題について考察している。
著者
植竹 勝治 中谷 治奈 増田 尚子 吉田 善廣 江口 祐輔 田中 智夫
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.17/18, pp.191-193, 2009-03-31

γ-アミノ酪酸 (GABA) の経口投与が肉用牛の長距離輸送および出荷・屠畜時のストレスを低減するかどうかを調べた。試験1では,対照区の去勢牛4頭に20mLの蒸留水を,処理区の去勢牛4頭に体重当たり10mgのGABA粉末を20mLの蒸留水に溶解した水溶液を,それぞれ130.1kmの陸路輸送直前に経口投与した。分散分析の結果,供試牛の唾液中コルチゾール濃度に対する処理と輸送経過時間との交互作用は,経過時間が60分までは有意 (P<0.05) であったが,120分以降については有意ではなくなった。試験2では,肥育牛20頭を5頭ずつ4処理区に分け,屠畜場への輸送前と翌朝の屠畜直前に,G区には13gのGABA粉末を100mLの蒸留水に溶解した水溶液を,S区には100mLの生理食塩水を,SG区には輸送前に生理食塩水と屠畜直前にGABA溶液を,それぞれ経口投与した。C区には輸送前も屠畜直前にも何も投与しなかった。多重比較検定の結果,いずれの処理区のウシの血漿コルチゾール濃度も,C区のウシよりも有意に低かった (全てP<0.01)。血漿アドレナリン濃度も,C区に比べ,S区のウシで有意に低く (P<0.05),G区のウシで低い傾向 (P<0.10) がみられた。これらの結果から,GABAの経口投与は,肉用牛の輸送および屠畜時のストレスを投与後数十分間は低減させることが確認された。
著者
池井戸 潤 大宮 冬洋
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.88-92, 2012-05

最先端特許を巡る町工場の戦いを描いた『下町ロケット』で2011年の第145回直木賞を受賞した池井戸潤さん。金融、精密機械、電機、建設、運輸など様々な業界を活写する作風とエンターテインメント性で人気を集めている。 大学卒業後に入った都市銀行に7年間勤務し、中小企業への融資業務を担当。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1607, pp.8-9, 2018-04-30

放送もインターネットテレビも変わらないという首相発言があったが、誰もが知るように両者は大違いである。放送も通信も変わらないといった暴論は、このテーマの専門家ではない首相の発言としては聞き流せるが、それを後押ししている規制改革推進会議の周囲…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1699, pp.64-66, 2013-07-15

「ポイント付与は消費者の価格参照性を鈍らせ、言い訳消費を促す効果がある」。単純な価格比較だけに固執しなくなり、「将来の購入の約束」に対してより多くの現金を支払う。また、ポイント還元によって貯蓄意識が刺激され、単純な値引き購入と比べ、「消費…
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2013-07-21

この資料は『日経グローカル』の「観光地点検」に連載された記事です。本著作物は、日本経済新聞社の許諾を得て掲載しています。日本経済新聞社の許可なく内容の全部又は一部を複写・転載することを禁じます。
著者
大木 聖子 永松 冬青 所 里紗子 山本 真帆
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

本発表では,高知県土佐清水市立清水中学校にて実践されている「防災小説」の効果について考察を行う.筆者らは2016-2017年度の2年間,清水中学校にて防災教育の実践研究を行ってきた.土佐清水市は,2012年に内閣府から発表された南海トラフ巨大地震の新想定で最大34m以上という全国一の津波高が算出された地域である.これを受けて地域住民からはあきらめの声も聞こえていたが,清水中学校が始めた「防災小説」作りはこの絶望的な状況を打破しつつある.「防災小説」とは,近未来のある時点で南海トラフ巨大地震が発生したというシナリオで,生徒ひとりひとりが自分が主人公の物語を800字程度で執筆したものである.発災後のどの時点を綴ってもいいが,物語は必ず希望をもって終えなければならない.この「防災小説」は,執筆した生徒自らの変化をもたらしただけでなく,教員・保護者・地域にも大きな影響を与えた.なぜいわば架空の物語にすぎない「防災小説」がこれだけの影響力を持つのかを探るべく,防災小説の分析と並行して,その後の生徒や教員・保護者の行動変容を一年間にわたって追跡することで,防災小説の理論的考察を行った.結論から言うと,「防災小説」には大きく2つの効果があった.ひとつは,防災の範疇を超えて生徒たちが自己実現を果たすことに寄与した点,もうひとつは,生徒自身やその周辺を含むコミュニティを防災の理想的な状態に先導した点である.「防災小説」はナラティヴ・アプローチの防災分野への応用と位置づけられる.内閣府の発表した新想定はドミナント・ストーリーに相当し,事態の硬直化を招いている.防災小説が,南海トラフ巨大地震が発生したときの描写を「最後は必ず希望を持って終える」物語として綴られたものであることを考えれば,まさにこれがオルタナティヴ・ストーリーとなり,硬直化した事態を解消しつつあると説明できる.また,防災小説は小説の中では過去であっても実際には未来に相当する地震発生までの期間をどのように過ごすべきかを,自ら綴った言葉で制約している(ナラティヴの現実制約作用).「防災小説」執筆後の防災教育活動やひいては日常生活にも良い影響がもたらされたのは,自分で具体的に描写した目指すべき自分像を,生徒ひとりひとりが持ったことによると考察できる.矢守・杉山(2015)は,もう起きたことをまだ起きていないかのように語る「Days-Beforeの語り」と,まだ起きていないことをもう起きたかのように語る「Days-Afterの語り」という概念を導入し,両者が両立されたとき「出来事の事前に立つ人々をインストゥルメンタル(目的志向的)に有効な行為へとより効率的に導くことができるのではないだろうか」と予測している.防災小説は言うまでもなく「Days-Afterの語り」である.そして,自らの死に匹敵しうる出来事を「防災小説」の中において経験する生徒たちは,実際にはまだその出来事が起きていない「今この時」を思うときまさに「Days-Beforeの語り」の状況におかれており,コンサマトリー(現時充足的)の重要性に気づいている.つまり,「防災小説」は「Days-Afterの語り」であると同時に,「Days-Beforeの語り」にもなっており,矢守・杉山が予測していた状態を実証したものと言える.そして,この状況を効率的に導くことができる理由も,上記のナラティヴ研究の文脈において明らかにできたといえる.さらには,防災小説は学校現場で実施されることで,終わらない対話(矢守, 2007)に導いている.その結果,防災の理想的状態と位置づけられているステータスである,〈選択〉を重ねてなお残るリスクを〈宿命〉として住民全員で引き受ける未来に向かって,防災小説が生徒とその周辺コミュニティを先導していると結論した.
著者
佐伯 啓思
出版者
新潮社
雑誌
新潮45
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.326-334, 2013-01
著者
中家 浩 高見 秀輝 小畑 千賀志 押野 明夫 芳賀 圭悟 千葉 充子
出版者
宮城県水産研究開発センター
雑誌
宮城県水産研究報告 (ISSN:13464329)
巻号頁・発行日
no.11, pp.5-13, 2011-03
被引用文献数
1

宮城県気仙沼市地先に位置する2漁場(海底勾配が小さく弓状に湾入した場所:漁場A、海底勾配が大きく岬状に突出した場所:漁場B)を調査海域に設定し,両海域に生息するエゾアワビの成熟過程,浮遊幼生出現動態,初期稚貝の着底密度およびその後の生残について比較を行い,親貝集団造成の効果が発揮される漁場環境の検討を行った。1)エゾアワビの生殖腺指数は台風の後近通過後に大きく減少した。台風の接近のない年は,水温変化,小さな波浪による波高,流速が産卵の引き金になることが推定された。2)浮遊幼生の高密度出現後の3日連続水平分布調査から,漁場Aでは少量多回産卵・地先滞留型,漁場Bでは大量一回産卵・広域分散型である可能性が得られた。3)着底直後の着底密度と,それから約3カ月後の分布密度には有意な正の相関関係が見られたが,着底直後の着底密度が1,000個体/m2以上など非常に高い場合には密度効果が生じることが考えられた。4)殻長が8mm以上に成長した稚貝では,着底直後の初期稚貝と比較して生残が安定し,漁場A,B間では同等に生残・成長することが考えられた。

2 0 0 0 OA 古事記伝 44巻

著者
本居宣長
出版者
巻号頁・発行日
vol.[11],
著者
飯塚 朋子 谷 万喜子 高田 あや 井上 博紀 鈴木 俊明 若山 育郎 吉田 宗平
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.127-132, 2002 (Released:2005-05-21)
参考文献数
14

Cervical dystonia appeared in March 1998, and it seemed that no treatment was effective. Treatment by means of acupuncture started in March at Kansai College of Oriental Medicine. In the patient with cervical dystonia, EMG at the initial treatment showed only left splenius (SPL). Also shortening of the neck in the left frontal side was found, to treat these symptoms multiple epidermis needles was used. The retaining needles were GV20 for involuntary movement and SI3 for SPL. After 2 months from the start of treatment there was improvement of the neck posture in the sitting position, and smooth neck movement. This case also proves that EMG analysis and correct treatment by means of acupuncture improves the symptoms.
著者
白土 修 遠藤 達矢
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.957-962, 2015-11-25

はじめに 首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)は,頸部伸筋群の筋力低下が主因である頸部の垂れ下がり症状(chin-on-chest deformity)が発生する後弯変形の特殊病態である1).症状としては,飲み込みの悪さからくる摂食困難や洗面の不自由があり,頸部痛を訴える場合も多い.前方注視困難により歩行に支障が生じるなど日常生活にさまざまな困難をきたし,QOLを大きく低下させる. DHSに関する報告は,1886年Gowersの重症筋無力症例が初めてである.原因疾患として,運動ニューロン疾患,多発性筋炎,筋ジストロフィー,多系統萎縮症,パーキンソン症候群,頸椎症,Machado-Joseph病,甲状腺機能低下症,進行性核上性麻痺,脳梗塞など多岐にわたる5,9,17,21).そのため,DHSを診察する場合,その鑑別を行うことが必要である.背景に治療可能な種々の疾患が存在することを考慮して専門医の判断を仰ぐことも必要である. 原因となる基礎疾患がある場合,その治療が必須である.特に神経内科的疾患の場合,内科的コントロールがとれていることが重要である.外科的介入も報告がみられているが,効果は報告によってさまざまであり,統一した結論に至っていない22).頸椎症によるDHSに対しては,手術療法が有効であったという報告も散見されるが,限界があるという意見も多い.しかし,手術による頸椎alignmentや頸部不安定性の改善は,患者の生活の質の向上に有益である場合もある4,16,18,24). 保存療法・観血的療法のいずれも,リハビリテーション(以下,リハと略す)がADLやQOL向上,姿勢改善に有効である場合がある.本稿では,DHSの報告例を再検討し,病態や姿勢の特徴を踏まえリハの可能性について述べる.