著者
村川 由加理 池松 裕子
出版者
日本クリティカルケア看護学会
雑誌
日本クリティカルケア看護学会誌 (ISSN:18808913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.43-50, 2011 (Released:2015-01-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究は,ラザルスの心理学的ストレスモデルを基に,術前不安の喚起過程と看護援助の内容について整理した.医学中央雑誌から62の論文を選出し,術前不安と看護援助を「不安の素因」「影響要因」「看護援助」と位置づけ,研究結果や記述された表現をカテゴリー化した.不安の素因は『生命への脅威』『未知への脅威』『麻酔の作用・副作用への懸念』『術後の身体的苦痛への心配』など13に,影響要因は『個人的背景』『疾患/手術内容』『情報と知識』,看護援助は『認知の促進』『情緒的支援』『連携と調整』『リラクセーション』に分類された.手術が「脅威」であれば,不安の素因で示した反応がみられ不安が喚起される.この過程には影響要因が関連する.看護援助は不安喚起の過程のどの部分に働きかけるかは不明ではあるが一部で不安低減の効果が検証されていた.本研究により術前不安に関する研究疑問が焦点化され,系統的な研究の促進が期待される.
著者
梶井 一暁
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.162, pp.15-26, 2016

2016 年はジョン・デューイの『民主主義と教育』が刊行されて100 周年である。同書をはじめ,デューイの著作は,現在も私たちに影響を与えつづけている。彼の教育に関する思想と実践を,これまで私たちはどう研究し,どう摂取してきたか。本稿はその研究史の一断面として,紹介的受容から批判的摂取に至る過程を,近代日本における教育学の発達の過程に重ねながら捉えようとするものである。また,二元論的枠組みへの挑戦者としてのデューイ,教師教育改革におけるデューイ研究の位置という観点も交え,デューイ研究の展開と課題について検討を加える。
著者
高西 淳夫
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1988

制度:新 ; 文部省報告番号:甲757号 ; 学位の種類:工学博士 ; 授与年月日:1988-03-10 ; 早大学位記番号:新1422 ; 理工学図書館請求番号:1209
著者
小金澤 鋼一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1987

博士論文
著者
山口 仁一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1997

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1200号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:1997-03-06 ; 早大学位記番号:新2453 ; 理工学図書館請求番号:2056
著者
西部 邁
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.60, no.13, pp.p261-268, 1982-11
著者
高木 絢加 谷口 彩子 駒居 南保 村 絵美 永井 元 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.19-25, 2014
被引用文献数
1

炭酸水の口腔内刺激 (清涼感) に着目し, 炭酸水の飲水が実体温をどの程度変化させるのか, その反応は炭酸の口腔内刺激のみでも起こるのかどうかを明らかにするために, 等温・等量の炭酸水と水を用いた飲用試験と偽飲 (Sham-feeding;SF) による口腔内刺激のみの試験を行った。炭酸水の飲水 (炭酸水) , 水の飲水 (水) , 炭酸水の偽飲 (炭酸水SF) , 水の偽飲 (水SF) の4試行をrandomized crossover designで実施した。前夜10時より絶食した若年女性13名に, 室温を26℃に保持した実験室で異なる日の朝9時にサンプル (15℃, 250 mL) を負荷した。心電図 (心拍数, 心拍変動) をサンプル負荷前20分間および負荷後40分間測定し, 深部体温 (鼓膜温) , 末梢体温 (足先温) を高感度サーモセンサーで連続測定した。鼓膜温は水・炭酸水ともにSFでは変化せず, 飲水で一過性に低下した。足先温は, 飲水 (水, 炭酸水) で約2.5-3℃低下し, 水SFでは約1℃の低下であったのに対し炭酸水SFでは約2.5℃の低下を認めた。心拍数は, 炭酸水, 炭酸水SFで負荷直後に一過性に上昇した。結果より, 炭酸水の口腔内刺激 (味, 炭酸刺激) のみでも足先温や心拍数を変化させることが示された。
著者
井上 裕子
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
北海道大学大学院文学研究科研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
no.10, pp.219-233, 2010

1945年から1949年の台湾を舞台にした映画『悲情城市』では,史実を伝える文字画面や筆談の文字,また複数の言語によるセリフ,手紙や日記体のナレーション,ラジオ放送の音声など,豊かな手法で物語が語られている。そしてこのすべて言語にかかわる手法は視覚による文字と聴覚による音声に分けることができ,映画のなかの文字と音声の言語はそれぞれ対称的に配置され,その機能と効果を果たし,物語内容を語っている。さらにこれらの言語は,物語とともに,台湾という空間における一時の歴史的時間をも語っていることが分かる。そして,この映画のその視覚的な文字と聴覚的な音声に着目し,それらを分析・考察して浮かび上がってくるのは,情報伝達における音声言語の未全であり,一方での文字言語の十全である。映画をみるに当たって,私たちは音声で映像を補うよりは字幕を頼りにする。音声情報に十分な注意を払わずに,視覚情報に重きを置く。これはやはり,映画における音声の映像への従属を示すのだろうか。しかし,『悲情城市』では聞こえる音声が情報伝達の未全を示す一方,聞こえない音声である「沈黙」がそれを補うように伝達の十全を表わしている。音声には多くの情報が隠されており,文字は映像に組み込まれることで,映像の力に勝るとも劣らない機能を発揮する。つまりそれは,音声と映像の豊かな統合であり,そこに映画の構造における映像と音声というものを考察する一つの機会ととらえることができる。この作品では,視覚の文字,聴覚の音声が映画の構造のなかでそれぞれ対等の機能と効果を果たし,映画のなかの物語と映画の背景と,そして媒体としての映画そのものを作り上げているのである。
著者
Seung Wan Hong Yun Gil Lee
出版者
ARCHITECTURAL INSTITUTE OF JAPAN, ARCHITECTURAL INSTITUTE OF KOREA, ARCHITECTURAL SOCIETY OF CHINA
雑誌
Journal of Asian Architecture and Building Engineering (ISSN:13467581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.125-132, 2018-01-15 (Released:2018-01-15)
参考文献数
27
被引用文献数
24

This study examines the previously unknown relationship between using human behavior simulation, equipped autonomous, intelligent Virtual-Users, and students′ self-experimentation performance in fire egress planning. The research method involved 70 students in authentic design courses who proposed floor plans for office buildings before and after simulating evacuee behaviors. They then scored their experiences based on using the simulation. Statistical analysis of those scores reveals that using human behavior simulation helps students find unexpected problems, evaluate the validity and functionality of design solutions, conduct the experimentation process more efficiently, and determine the solutions with relative ease. The main reasons for these results are posited to be the explicit, analytic, and observable representation of virtual evacuees, their manipulative parameters, and an integrated system between human behavior simulation and Building Information Modeling (BIM). The findings of the present study can contribute to developing a rational computational means for education in fire egress planning.