著者
DeyueDeng 大塚孝信 伊藤孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013-ICS-171, no.2, pp.1-8, 2013-03-11

近年行われた情報フィルタリングの研究では,共起情報を導入し,フィルタリングの性能を上げるには,学習データが大規模となることで,膨大となる処理時間への対応が課題となっている.したがって,共起の単語数を増加させた場合,爆発的なデータ数となる共起を高速に処理する方法を考えることが必要である.ストレージの容量的問題もあるが,データの処理,プログラムとデータベース間協調の効率を向上することが重要となる.また,共起の増加に伴いノイズも増加するので,処理性能に支障をきたす可能性もある.本研究では既存手法では構築困難な大規模な共起データを本扱う手法を提案する.提案手法では,並列処理を用いて,実用的範囲で許容できる時間内学習過程や判定過程を実行できるフィルタリングを実装できる.
著者
漆原 直人 矢野 正幸
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.207-211, 2014 (Released:2015-03-13)
参考文献数
7

小児の胃食道逆流症の当科での診断手順,治療方針と外科的治療経験などについて報告した。当科では外科治療として腹腔鏡下の Toupet 法による噴門形成術を標準術式としており2000–2013年までに Toupet 噴門形成術が151例(腹腔鏡122例,開腹29例)に施行された。脳性麻痺など神経筋疾患に伴うものが121例と最も多く,食道閉鎖や横隔膜ヘルニアなどの術後10例,食道裂孔ヘルニア10例で,合併疾患のない正常児は 5 例であった。合併疾患のない 5 例は,高度食道炎と食道狭窄 4 例と反復性中耳炎・咽喉頭炎 1 例であった。最近,胃食道逆流症が難治性中耳炎,咽喉頭炎などの原因になるとの報告がみられるようになった。しかし中耳炎,咽喉頭炎など耳鼻科領域の疾患と GER の関係については,症例も少なく,また小児外科医への認知度も低いことから,今後の検討が必要と思われる。
著者
村山 和夫 勝見 哲郎
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.951-953, 1986-10-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
11

33才, 既婚男性で, 不完全勃起を主訴として入院. 性歴, 現症, 一般検査, ホルモン検査では異常を認めない. 夜間陰茎勃起は不完全で, 陰茎血圧・上腕血圧比はやや低値を示した. パパベリンテスト, すなわち塩酸パパベリン40mg陰茎海綿体注入では1分で勃起開始, 5分で完全勃起となり, 陰茎の勃起反応は正常と考えられた. しかしこの勃起は長時間持続し, 疼痛も出現したため, 45時間後に腰椎麻酔下でcavernoglandular shuntを施行した. この24時間後には陰茎は弛緩した状態となつた.近年インポテンスの診断あるいは治療として血管作動性物質の陰茎海綿体注入による人工的勃起が利用されている. この方法の注意すべき合併症は持続勃起症であり, 9例の報告を集計できた. これに対する治療として脱血あるいは陰茎海綿体への血管収縮剤の注入が行われている.

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著者
井上探景 画
出版者
福田熊二良
巻号頁・発行日
1887
著者
川久保 寛
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.112-97, 2012-11-18
著者
日高 水穂 Mizuho HIDAKA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.11-24, 2016-07

日本語の授与動詞の語彙体系を〔遠心性授与動詞/求心性授与動詞〕のように表すとすると,近畿地方を中心とした「中央部」の方言では〔ヤル/クレル〕の語彙体系を発達させてきているのに対し,中部地方以東や九州地方以南の「周辺部」の方言では〔クレル/クレル〕を維持するものがある。この〔ヤル/クレル〕と〔クレル/クレル〕が接触する地域では,本動詞用法においては〔クレル/クレル〕が維持されるのに対して,補助動詞用法では〔ヤル/クレル〕の対立を生じている場合がある。この授与動詞体系の方言接触による変容の諸現象と地理的分布を,FPJD調査の結果により検証する。When expressing the lexical system of Japanese verbs of giving as the giving verb of centrifugal direction from a speaker or the giving verb of centripetal direction to a speaker, [kureru/kureru] are maintained in the peripheral dialects used in the east of the Chubu region or in the south of the Kyushu region; however, the lexical system of [yaru/kureru] has been maintained in the central dialects used in the Kinki region. In regions where this [yaru/kureru] makes contact with [kureru/kureru], there are cases where an opposition of [yaru/kureru] occurs in the usage of the auxiliary verb; however, [kureru/kureru] is maintained in the usage of the main verb. Various phenomena of metamorphosis through dialect contact in the system of verbs of giving and their geographical distribution have been investigated through the results of the Field Research Project to Analyze the Formation Process of Japanese Dialects (the FPJD survey).
著者
石井 和夫
出版者
福岡女子大学
雑誌
文芸と思想 (ISSN:05217873)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.A13-A24, 2005-03-01
著者
桃山 和夫
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.263-268, 1983
被引用文献数
2 7

病エビ中腸腺の押しつぶし染色標本または,生鮮標本を以下いずれかの方法で観察することにより,本症の診断が可能と考えられる。1. 押しつぶし染色標本により肥大した無構造核を観察する。2. 生鮮標本の暗視野観察により白色無構造の肥大した核を観察する。3. 生鮮標本の位相差観察により肥大した異常核内に多数の桿状の物体を観察する。
著者
米川 敏子
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1944-07
著者
米川 親敏
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
0000
著者
中尾 都山[尺八]
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
0000
著者
前田 知子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.268-278, 2016 (Released:2017-01-08)
参考文献数
22

研究データのオープン化を求める動きが国際的に高まっているが,日本においては,研究データの整備体制等に関し,現在も課題が指摘されている。本稿では,その要因を明らかにすることにつなげるため,科学技術政策において最初に研究データが取り上げられた 1960 年度から2015 年度までを対象に,科学技術会議等によって作成された関連資料を調査し,研究データに対する施策の検討状況と実施状況を把握した。また,研究データ整備を施策化する困難さとその理由についても考察した。1970 年代前半迄はデータセンターの具体化方策の検討,1970 年代後半以降90 年代迄は数値データ/ファクト情報という枠組による施策の検討が実施されたが,関連施策が本格的に展開されるには至らなかった。 2000 年以降は研究情報基盤もしくは知的基盤という枠組の一部で記載される形となり,研究データに関しての包括的な方針や施策案は示されなくなった。
著者
山根 信二 三上 浩司 長久 勝 中林 寿文 中村 陽介 小野 憲史 新 清士
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2012-CE-116, no.4, pp.1-4, 2012-10-06

ゲーム開発のアプローチの一つであるゲームジャムが,近年世界各地で開催されている.即席チームによる短期開発であるゲームジャムでは,開発サイクルの全局面を体験することができる.ゲーム開発者団体のIGDA日本は,福島県南相馬市の協力を得て,即席チームが短期間でゲームを完成させるゲームジャムとして,「福島GameJam」を2011年より開催している.2回目の福島GameJam 2012では,南相馬市や国内外の会場をリアルタイム中継しながら同時多発ゲーム開発を行った.さらに南相馬市会場では小学生の全学年を対象としたワークショップを併設し,ゲーム開発を学びはじめた高校生が開発チームに参加した.この試みの背景解説および新たな人材育成の取り組みについて速報を行う.
著者
Mizuki Matsunuma Mao Sato Yoshiaki Kai
出版者
日本動物分類学会
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.87-97, 2017-05-25 (Released:2017-05-25)
参考文献数
26

A poorly known sculpin, Atopocottus tribranchius Bolin, 1936 (Cottidae), was redescribed on the basis of 56 specimens from several localities in Japan; off Yamaguchi, Kyoto and Niigata Prefectures on the Japan Sea coast, and Kochi Prefecture on the Pacific coast, and in the northern East China Sea. The specimens from Yamaguchi, Kochi and the East China Sea represent the first specimen-based records for the species from those regions. Minute organs on the trunk surface, previously regarded as lateral-line pores, are most likely epidermal pits containing free neuromasts, and lateral-line pores are restricted to a row of embedded lateral-line scales on the anterodorsal portion of the body. Diagnostic characters of the monotypic genus, Atopocottus Bolin, 1936, are here reviewed on the basis of external and selected osteological characters, described for the first time. The genus is more similar to the Southern Hemisphere (Indonesia, Australia and New Zealand) genus Antipodocottus Bolin, 1952 than to Stlengis Jordan and Starks, 1904, known only from Japan, in having poorly developed cephalic sensory canals with few pores and the lateral-line scales in a simple canal without dorsal and ventral branches. However, Atopocottus differs from Antipodocottus in having fewer lateral-line scales (3–5 vs. 5–33 in the latter); the uppermost preopercular spine with 1–6 dorsal branches, their length and width becoming shorter and narrower, respectively, toward the spine tip, some of them with two spinous points (vs. 2–5 simple, similarly sized dorsal branches); and lacking a supraocular tentacle (vs. usually present). A more comprehensive examination of the two genera is necessary to determine their monophyly.