著者
黄 〓惠 橋本 禅 星野 敏 九鬼 康彰
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.489-498, 2012-12-25

本研究では,台湾における農用地土壌汚染の社会的背景と,汚染及び汚染拡大の分布特性を明らかにすると共に,汚染対策の課題を日本の農用地土壌汚染対策の取組との対比により明らかにした.台湾の農用地土壌汚染は都市計画農業区やその周辺地域に多く,農村地域にある違法操業を含む工場排水の農業用排水路への放流が主因である.台湾の農用地土壌汚染対策による汚染の除去は対症療法的であり,工場排水への対策や未処理の底質による汚染の拡散や蓄積の防止を考慮した対策は取られない.本稿では,このような事態への対応方策として,①現在の点的な対症療法的対策から日本の農用地土壌汚染対策のような面的かつ抜本的な対策への改善,②工場の立地規制や排水基準の見直し,違法操業の取り締まり,③都市計画区域外の農業区については圃場整備事業等を契機とした土地利用の整序,を提案した.
著者
Polutov Andrey V.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.636, pp.158-165, 2005-01
著者
小林 良彰
出版者
日本法政学会
雑誌
日本法政学会法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-10, 1992-05-20

The issue on the political reforms has become more and more as a critical issue. The report which was issued by the 8th Electoral System Research Council on April 1990 was agreed by the LDP but in failed to pass the Diet. In this current situation, it is natural that the title "The Problems Related to the Political Reforms" was discussed at the symposium of the Japan Association of Legal and Political Science, 1991. We all admit the significance of the report issued by the Council which consists solely by non-politicians, however;we are also aware that the Council is also an advisory body of the Premier and the report is far from satisfactory. As our objectives being proposals of the new ideas which supplement current reform plans, this year's reports given at the symposium was very meaningful to the all members. The three reports, "The Correcting of the Representative Values" by Prof. Aminaka; "The Political Reforms and Electoral System" by Prof. Iwagami; and "The History of British Effors in Purifying the Political Funds" by Prof. Tomisaki all introduced the systems taken in the other countries to point out the weak points of the current plans. When we discuss the political reforms, it can be discussed on three main areas; the representative value, the electoral systems and the political funds. Although these three areas include wide range of technical problems, the things we must be aware of are the importance of the idea which the reforms are based on the importance of the Japanese culture when systems are considered. In otherwords, the reforms must be done under a posture which askes for whom and why the reforms have to be done otherwise the reforms could end up only as very superficial ones that are filled with politician's compromises. The three reports given at the symposium all cited other countries systems but it is naive for us to think they will work for Japan also. It is very dangerous to discuss the system without considering cultural differences. There is a need for us to introduce a system that best suits Japan. The issue on the political reforms is very difficult indeed. It doesn't only includes highly technical problmes but also many others. The current reform plans are far from satisfactory because they emphasize too much of the technical problems. We need to think more about our ideals and cultures. The technique is the way to achieve our goal and not the goal itself. If the current reform plans are to become really for our citizens, they need to be improved. As member of our Association, we all need further study on this issue as well as keeping a close eye on the plans.
著者
桒田 但馬
出版者
岩手県立大学総合政策学会
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.91-105, 2015-11

本稿の目的は東日本大震災復旧・復興にかかる特別課税の実態を明らかにし、その政策的示唆を得ることである。特別課税の決定に至る詳細な経緯を踏まえて、政府等における議論の主な特徴、特別課税の意義や問題などを明らかにすると、そこから次の政策的示唆を導出することができる。すなわち、恒久的な基金制度(「災害対策基金」)の早期の創設を国、都道府県、市町村レベルで義務化し、大災害に迅速に、かつ効果的に対応できるようにする。そうすれば、これまでのように復興基金を大災害ごとの特例措置として設定しなくてもよい。また、今回のように特別課税をきわめて大きな規模で行わなくてもよい。
著者
村尾 忠廣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.74, pp.21-28, 1995-07-21

音楽分析の理論は、客観性を欠くがゆえに数限りなく唱えられる。しかし、認知音楽学や音楽心理学、そしてまた、音楽知能などコンピュータサイエンスの研究者たちが注目し、関心を抱いている音楽理論はLerdahl & JackendoffとE.Namourによる理論の二つに収斂されつつあると言ってよいだろう。このうち前者は、言語学の生成文法をモデルにしているとはいえ、シェンカ一理論に近く、古典和声に依拠しているために理解しやすい。一方、後者、ナームアの理論は「Beyondo Schenkerism」以降、マイヤー理論から独自の理論へと急速な展開を見せているため注目はされても理解することが難しい。ナームア理解の鍵となるものは、おそらく3つの原型理論、すなわちシエンカーのUrsaze、マイヤーのArchetype、そして90年代ナームアのMelodic Archetypeを区別することだろう。言い換えれば、歴史的文脈の中に今日のナームア理論を位置づけるということである。Among many music theories, two by Jackendoff & Lerdahl and E.Narmour have occupied the attention of computer scientists and psychologists in music. Narmour's theory, has not been applied to in scientific studies like Jackendoff & Lerdahl's theroy. This is probably due to the difficulty of understanding many new terms invented by Narmour himself. As a result his theroy is seen as a curiosity or something new or unique. The worst of it is that the philosophical standing point is missed or sometimes understood in the opposite. In order to understand his latest theory correctly and make it applicable to computer science, the process of how Narmour has developed Meyer's theory must be clarified. In this paper, we point out three different concepts of fundamental structure which are named "Ursaze" by H.Schenker, "Archetype" by L.B.Meyer and "Melidic Archetype" by E. Namour. Despite the fact Namour was one of Meyer's students, his concept "Melidic Archetype" is far from the other two concepts. While both Schenker and Meyer pointed out their concepts of fundamental structure in terms of top-down style schema, Narmour found his archetype structure as a bottom-up pan-style structure. This difference makes Namour's theory so unique and difficult to understand. Put another way, the difference between Mcyer and Namour is the key for understanding the latest Narmourian theory.
著者
福永 航也
出版者
麻布大学
巻号頁・発行日
2011

薬物治療中は他の薬物や食物の相互作用について考慮する必要がある。ヒトでは、併用薬、食餌、病態、経口投与補助剤、サプリメントなど様々な因子により薬物の体内動態が変化することが報告され、これらの情報をもとに適正な薬物治療が行われている。しかし、獣医療では、薬物相互作用を引き起こす因子に関する知見が非常に少ない。薬物相互作用により血中濃度が予測より増加あるいは減少することで、薬物の効果を過小評価したり、副作用を過大評価したりしてしまうケースがある。例えば、ゾニサミドはイヌのてんかん発作に対し有効性が高いことが前臨床試験において判明していたが、実際の獣医療ではてんかん発作を抑制しないというのが獣医師の見解であった。この矛盾は、獣医療でのてんかん発作に対する第一選択薬であるフェノバルビタールが薬物代謝酵素を誘導し、ゾニサミドがその誘導した酵素で分解されるという薬物相互作用が原因であることを本論文の第1章で明らかにした。 薬物相互作用を引き起こす因子は獣医療特有のものも多く、ヒトの情報が転用できない場合が非常に多い。ヒトのてんかんに対し広く用いられているバルプロ酸やカルバマゼピンは、イヌでは代謝が著しく速いため、1日に4-5回投与しなければ有効血中濃度を維持できない。そのため、イヌのてんかんにはフェノバルビタールが第一選択として用いられている。このことが、前述のイヌ特有の薬物相互作用を引き起こした。また、イヌはヒトとは異なり、毎日同じドッグフードを摂取する。ドッグフードの成分が薬物と相互作用を引き起こす場合、その作用は継続するため、イヌ特有の薬物-食餌相互作用が惹起される可能性が非常に高い。 本論文では、獣医臨床上イヌで薬物相互作用を惹起する因子を薬物動態学的観点から明らかにすることで、獣医療における適正な薬物使用法確立の礎を構築した。第1章 薬物-薬物相互作用:フェノバルビタールが抗てんかん薬ゾニサミドの薬物動態におよぼす影響とその持続期間 フェノバルビタールはイヌのてんかんに対し第一選択薬として用いられている。しかし、副作用などにより減量あるいは退薬すべき時には、ゾニサミドと併用あるいはゾニサミド単独投与に変更することが多い。本章では、これら2薬の相互作用の可能性について追究した。フェノバルビタール反復投与中にゾニサミドを経口投与すると、ゾニサミドの最高血中濃度および半減期はフェノバルビタール非投与に比べ減少した。この作用は、フェノバルビタール断薬後も10週間持続した。また、チトクロームP450(CYP)活性の指標となるアンチピリンの代謝は断薬後4週まで促進されていた。本結果より、フェノバルビタール反復投与時および断薬後10週間はゾニサミドの代謝が促進されることでその血中濃度が減少し、少なくとも断薬後4週間はCYP誘導が血中濃度減少のメカニズムとして関与していることが示唆された。第2章 薬物-食餌相互作用:尿pHコントロール食が抗てんかん薬フェノバルビタールの薬物動態におよぼす影響 イヌでは、尿石症の治療・予防に尿を酸性化する食餌やアルカリ化する食餌を用いる。また、これらの尿石症は抗てんかん薬投与時により多く誘発される可能性が示唆されている。本章では、尿pHコントロール食と抗てんかん薬フェノバルビタールの相互作用の可能性について追究した。尿をアルカリ化または酸性化する食餌を与え、フェノバルビタールを単回経口投与すると、フェノバルビタールの血中半減期は、尿をアルカリ化する食餌で短くなり、酸性化する食餌で長くなった。また、フェノバルビタールの尿中排泄率は、尿のアルカリ化により上昇し、酸性化で低下した。本章では、尿pHコントロール食がフェノバルビタールの尿排泄率を変化させ、薬物動態に影響をおよぼすことが明らかとなった。第3章 薬物-病態相互作用:僧帽弁閉鎖不全(MR)が新規心不全薬ニコランジルの薬物動態におよぼす影響 イヌの心不全治療(主にMR)にはACE阻害薬、ジゴキシン、ループ利尿薬、ピモベンダンが用いられているが、これらを併用しても十分な効果を得られない症例が少なくないため、新規心不全薬の開発が待たれている。MRは薬物の体内動態に影響を与えることが報告されているため、本章では、獣医領域で有用性が期待される冠血管拡張薬ニコランジルとMRとの相互作用の可能性について追究した。作出したMR犬にニコランジルを経口投与したところ、ニコランジルの血中濃度は投与量依存性に増加した。薬物動態学的解析の結果、ニコランジルの体内動態はMR犬とコントロール犬との間に差は認められなかった。MRがニコランジルの薬物動態には影響を与えないことが示唆された。第4章 薬物-経口投与補助剤相互作用:経口投与補助剤(ペースト、カプセルおよびオブラート)がゾニサミドの薬物動態におよぼす影響 獣医療では、ペースト状の食べ物、カプセルやオブラートなどの経口投与補助剤は、粉薬や苦い薬物、多数の薬物を投与するときに汎用されているが、これらが薬物動態におよぼす作用は不明であった。本章では、苦みが強いにもかかわらず長期間にわたり反復投与する必要のある抗てんかん薬ゾニサミドを経口投与した時に、これらの経口投与補助剤がゾニサミドの薬物動態に及ぼす影響について追究した。単回経口投与後のゾニサミドの吸収は、ペーストで包むともっとも速く、カプセル、オブラートの順に遅かった。ペースト、カプセルおよびオブラートで包むことはゾニサミドの吸収を遅らせることが明らかとなった。第5章 薬物-サプリメント相互作用:セントジョーンズワートが免疫抑制剤シクロスポリンの薬物動態におよぼす影響 シクロスポリンは、イヌのアトピー性皮膚炎に対し有効性が高い薬物である。セントジョーンズワートは、無駄吠えや分離不安などのストレス要因に対し有用性が認められているサプリメントであり、アトピー性皮膚炎で痒みに苦しむイヌにシクロスポリンとともに併用する可能性がある。本章では、セントジョーンズワートとシクロスポリンの相互作用の可能性について追究した。セントジョーンズワート反復投与開始から少なくとも1週後にはシクロスポリンの血中濃度は減少し、その作用は4週間持続した。小腸および肝臓のCYP mRNA量を測定すると、それぞれCYP2B11/3A12およびCYP2C21/3A12のmRNA量が増加していた。以上の結果より、セントジョーンズワートが小腸及び肝臓のCYP3A12量を増加することによってシクロスポリンの薬物動態に影響をおよぼすことが示唆された。 本論文では、イヌ特有に薬物相互作用を引き起こす因子について薬物動態学的手法を用いて追究した。その結果、併用薬、食餌、病態、経口投与補助剤、およびサプリメントがCYP量増加などを引き起こすことで薬物動態に影響を与える可能性があることが明らかになった。本論文ではイヌの薬物相互作用研究の重要性を示唆するとともに、獣医療における適正な薬物使用法確立の礎を構築した。
著者
松島 周一
出版者
愛知教育大学日本文化研究室
雑誌
日本文化論叢 (ISSN:09191151)
巻号頁・発行日
no.22, pp.13-36, 2014-03