著者
長谷部 ゆかり 齋藤 文子 ハセベ ユカリ サイトウ アヤコ Yukari Hasebe Ayako Saitoh
雑誌
聖泉論叢
巻号頁・発行日
no.17, pp.167-179, 2010

老年期を目前にした更年期にある女性は,閉経,子どもの独立など様々なライフイベントの変化からもストレスが蓄積し更年期うつ病や更年期障害などを引き起こす危険性がある1)。このため,医療職者は更年期女性の健康管理に着目し,心身の健康を保持するようなサポートが必要だと考える。高齢者には,老徴の現れとともに身だしなみやおしゃれに対して消極的になる傾向があり,心身ともに老化を促進させる要因となる2)との報告があり,化粧療法などの生活意欲向上方法が提案されている。一方,加齢とともに機会が減少するような結婚式などの非日常的なイベント時の装飾が生活意欲向上にどのように影響するのか報告された例はない。今回,更年期女性に対しウエディングドレス着用というイベントを提供した結果,精神的側面への影響を認めた。
著者
斉藤 浩一 高橋 郷史 サイトウ コウイチ タカハシ サトシ Koichi Saito Satoshi Takahashi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-9, 2005-09-20

本研究は、最近言われる「理科嫌い」について、教育心理学的に原因を追求するものである。さらに、教育方法等に提言を行う。本稿では、実際の高校生に対してアンケート調査を行う。ここではまず「理科志向」という概念を設定し、それに満たない者を「理科離れ」の状態にあると定義する。さらに、これまでの理科教育やこれから志向する理科系への意識がどのように、因果関係を持っているか実態を捉え、モデルを構築する。以上によって、どのような教育施策が有効か、提言を行うものである。
著者
齊藤 壽彦 サイトウ ヒサヒコ Hisahiko SAITO
雑誌
千葉商大論叢
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.49-106, 2003-03-31

本論文において,日本銀行が大手銀行などから直接にその保有株式を買入れた問題を実証的,総合的に考察した。単なる現状分析にとどまらず,理論研究を基礎に,時間的推移も考慮に入れてこの問題を考察した。政策評価(意義と問題点の分析)も行った。本論文においては,まず本施策の決定過程を考察し,当初株式買入を拒否していた日本銀行が,不良債権問題の深刻化と株価低落に伴う大手銀行の経営悪化という状況変化のもとで,日本銀行自らがこの異例の施策の採用を決断するに至ったことを明らかにした。続いて本施策の目的,日銀の株式買入方法,買入れ状況を論述した。さらに日銀の株式買入限度額引上施策について,それが実施された背景や目的について考察した。最後にこの施策を信用秩序維持,証券市場,貨幣・中央銀行信認に及ぼす影響について検討した。本施策は日本銀行が銀行の株価変動リスク軽減を通じて金融システムの安定を図る政策であって,また,政府に不良債権の早期処理への取組を促すという役割をもっており,それは一定の役割を果たしたが,それは大きな限界をもっており,また証券市場の改善には役立たず,中央銀行の財務悪化を通ずる信認毀損の恐れという問題点をもっていたということをを明らかにしている。
著者
斉藤 日出治 サイトウ ヒデハル Hideharu SAITO
雑誌
大阪産業大学経済論集
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-24, 2010-09

Japan occupied the island of Hainandao just before the Asia Pacific War.The Japanese army murdered many Hainandao inhabitants during this occupation. Nevertheless the facts of these massacres have been suppressed and neglected by japanese government and people after the war. We have been researching the facts of the massacres by the Japanese army through interviews with the survivors in Hainandao. As a result we found these massacres did not happen accidentally, but were purposely carried out in accompaniment with the military operations of the Japanese army. These massacres took place continually from February 1939 to August 1945. I analyzed the Military Diary of the Japanese Navy in Hainandao. Recorded in this diary is not only military operations in the narrow sense, but also various government policies. For example, the mining of natural resources, management of land, control of prices, the education for the island inhabitants, and securing human resources. The aim of the Japanese army was to continue its war effort by pillaging resources, food, and using forced labor, among other things. It tried to construct a sphere of self-sustenance by pillage of its occupied countries. Many government policies were necessary to construct this sphere of self-sustenance by pillage. It shows the particularity of Japanese imperialism in comparison with Occidental imperialist practices.
著者
壁谷 久代 斉藤 一枝 畠山 妃美子 栃原 きみえ カベヤ サイトウ ハタケヤマ トチハラ H. KABEYA K. SAITO H. HATAKEYAMA K. TOCHIHARA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-80, 1981-03-31

"顔面の各形態的因子と個性との関係を知るために,眉,眼,鼻,□,顔型の各々の官能検査結果を基に,重要と思われる顔の各形態的因子を選出し,顔面の試料を作成した.そしてその試料を用いて,強い-弱い,明るい-暗い,整っている-整っていない,あたたかい-冷たいの4形容詞対についてSD法により官能検査を行い,多変量解析によって両者の関係を検討したところ,次のような結果を得た.1.強い-弱いについては眉角度が最も影響し,次に眼の面積,眼角度の順であり,鼻,□,顔型の影響は少ないという結果であった.2.明るい-暗いについては眼の面積が特に大きく影響するという結果で,次には黒眼径/眼開大経が高い係数を示した.従って三白眼ほど暗いという結果であった.3.整っている-整っていないでは,眼の面積が最も大きく影響し,次には眉角度,鼻幅の順となっている.しかし評価の因子をもつこの形容詞対については,累積寄与率がやや低いことから別の要因も考えられる.4.あたたかい-冷たいについても眼の面積が最も大きく影響するという結果であった.以上の重回帰分析結果より,眼の面積は個性を判断するためにかなり重要な形態的因子であると考えられる.またクラスター分析においては,強い-弱いという形容詞対により大きく3群に分かれていることから,個性を表わすためには重要な形容詞対であると思われる.しかし,これらは平面的な,しかもモデル化した試料を用いているため,今後はこの結果を基に,生体へと発展させ,被服の着装効果との関係を明らかにしていきたいと考えている.終りに,本研究の官能検査の検査者として協力して下さった服飾専攻の学生諸姉に対し深く感謝いたします.なお,本研究は,日本家政学会第32回総会において発表したものである."
著者
タグチ ミナ イワサ レイコ サイトウ ヨシヤ ナカノ テルミ Mina Taguchi Reiko Iwasa Yoshiya Saito Terumi Nakano
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies
巻号頁・発行日
vol.33, pp.127-143, 1991-03

This study was a trial for developing a multi-media learning package which combines a broadcasting program with other media. NHK School Broadcasting Special Series, "Hearing a Story -Totto-chan-", was chosen for the study, and a learning system incorporating it was constructed. A personal computer connected to simulated CD-ROM was selected as the medium for making maximum use of the strengths and for compensating for the weaknesses of the TV program, which is to improve students' listening ability. A CAI system for producing optimal learning was developed, and its effects were validated.
著者
サイトウ アキヒロ
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-27, 2010

「ゲームニクス」とは任天堂が製品開発に対してとても重要視している考え方であり、ノウハウでもあります。ゲーム市場を維持していくためには、粗悪なソフトの市場流通の阻止と考えた任天堂は、「スーパーマリオクラブ」というソフトの品質をチェックする機能を社内に作りました。そこでお客様が何を求めているのかを具体的に知っていくとともに、その要望を具現化していったのが「ゲームニクス」なのです。ゲームニクスは大きく5つの要素があり、それぞれに細かく細分化された項目で構成されています。これらはすべて快適な操作性の実現と思わず夢中にさせてしまうためのノウハウなのです。これはゲーム以外でも応用が利くノウハウでもあります。最新の技術も操作性が良くなければ誰も使ってはくれません。"手触り感の良い操作感"が実現できて始めて先端技術はユーザーにとっての魅力となるのです。
著者
"栃原 きみえ 斉藤 一枝 水口 綾子 池田 恵子" トチハラ サイトウ ミズグチ イケダ K. "TOCHIHARA K. SAITO A. MIZUGUCHI K." IKEDA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-12, 1979-03-15

"被服の着装効果と人の個性との関係を明らかにするために,個性の要素の1つである顔の形態的因子を研究対象とし,本学学生222名を被験者として,1/2大の写真を用いて各部位の計測をした.1.眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度 眉,目,鼻,口の各部位の長径,幅径および角度を計測し,最大,最小,平均,標準偏差を求めた.2.眉,目の長径,幅径,角度の左右差と出現率 顔の因子の左右アンバランスは個性の研究に必要と考え,眉長,眉幅,眼裂長,眼開大径および眉頭を基点とする眉尻の角度,眼頭を基点とする眼裂の角度の左右差について検討したが,左右同径,および同角度は極めて少なく,各項目ともに約80~90%の者に左右差が認められ,高い出現率であった.3.眉,目,鼻,口の相関係数 眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度の120項目について相関係数を求めたところ,41項目が有意であった.その中で眉長,眉幅,眉角度,眼裂長,眼開大径のおのおの右と左間の相関係数が特に高い傾向を示した.そこで類型化のための資料には,左右のいずれか一方でよいと判断し,本研究では右を用いることにした.4.眉,目の類型化 4-1 眉,目の長径,幅径による類型化と出現率 本研究を進めるにあたって,先ず顔の因子の類型化が必要と考え,今回は眉と目を取り上げ,長径,幅径の標準偏差±3σを用いて5段階に分け,両者の組み合わせによって類型化を試み出現率を求めた. 4-2 眉,目の角度による類型化と出現率 眉長と眉角度および眼裂長と眼角度の各標準偏差を用いて類型化を試みたが,上り眉は52.7%と過半数を占め,下り眉は31.1%また0度つまり眉頭と眉尻が水平線上にある眉は16.2%であった. 目の場合,上り目の出現率は97.7%と圧倒的に高く,下り目は0.5%,0度は1.8%と低い傾向であった. 4-3 眉の特殊型 眉の形には俗にいう三日月型,への字型などがあるが,これらの形態と個性との関係を追求するために類型化を試みたが,全体の中での出現率は三日月型が22.5%,への字型が14.0%であった. 4-4 一重まぶた,二重まぶたの例 目の形態には俗にいう一重まぶた,二重まぶたがあるが,出現率は一重まぶたが55.4%二重まぶたが33.0%,また左右のいずれか一方が一重まぶた,または二重まぶたのいわゆる左右アンバランスの目は10.8%であった.以上のように一重まぶたの者が圧倒的に多かったのは,東洋人種である日本人の特徴を裏付けているものといえよう. 7-5 眉,目の位置に関する類型化 左右の眉頭間および眼頭間の各標準偏差を用いて5段階の類型化を,また眉の下縁と目の上縁間の標準偏差を用いて眉,目間の類型化を試み,眉と目の位置に関する形態を把握した.以上,眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度を数値として確認し,また眉,目について類型化を試みたが,続けて鼻,口の類型化を試みたいと考えている.今後これらの資料をもとにして個性との関係を追求し,更に被服との関係についても明らかにしてゆきたいと考えている.終りに本研究の資料収集に御協力くださった高梨亨子講師,また被験者として御協力くださった服飾専攻の学生諸姉に,深甚の謝意を表します."
著者
呑山 委佐子 斉藤 秀子 與儀 由香里 呑山 委佐子 斉藤 秀子 與儀 由香里 NOMIYAMA Isako SAITO Hideko YOGI Yukari ノミヤマ イサコ Nomiyama Isako サイトウ ヒデコ Saito Hideko ヨギ ユカリ Yogi Yukari
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学 家政系研究紀要
巻号頁・発行日
vol.44, pp.75-91, 2008

高齢者社会へのメッセージ展PartⅣで高齢者用寝衣と留め具のいろいろ等について展示発表した。また、坂本モデル製M100-5小春さん(こはる)を対象に一般のパジャマ、工夫パジャマ2種の着脱介助の過程を観察し、検討した。結果は以下のようである。1)高齢者用寝衣については、見学者の高い関心が示され、高齢者の特性を考え設計した、オーガニック木綿製の手作りパジャマが好評であった。 2)介護用パジャマについては、本学の学生たちに被服全般や、要介護に対する衣服への工夫やアイディアの必要性が理解され、高齢者への経緯や思いやりの気持ちの涵養の一助となった。 3)高齢者体験用手袋で留め具の開閉をした結果②自由に動くボタン、④ブーメラン形のボタン、⑤封筒の留め具感覚の2~3mmのひも使い⑧ドットボタンがやりやすいという意見が多かった。 4)着脱介助の場合、マジックテープまたはファスナーをつけることにより平面形状に展開してから着衣する工夫パジャマは、一般のパジャマより側臥への姿勢転換回数が顕著に減少し、介護者の負担を軽減することが示唆された。At the Exhibition of Messages to an Aging Society Part Ⅳ, various products such as sleepwear and fasteners for the elderly were exhibited. Also, Sakamoto Model's M100-5 Koharu-san was used to observe the process of helping to dress and undress, using general pajamas and 2 types of special pajamas. The results of our investigation are as follows. 1) Observes showed strong interest in elderly sleepwear, with favorable evaluation of organic cotton handmade pajamas designed with characteristics of the elderly in mined. 2) This school's students understood the necessity of ideas for general pajamas and pajamas for the for people that require assistance. It helped to foster feelings of repect and consideration toward the elderly. 3) As a result of trying to open and close fasteners while wearing elderly exexperiential gloves, many throught that these buttons were easy to use : (2) Freely moving buttons, (4) Boomerang type buttuns, (5) Threaded buttuns like those used to close envelopes, (8) Dot buttuns. 4) When aiding undressing, special pajamas required dramatically fewer changes of body position than for general pajamas, suggesting less burden on the care giver.
著者
斉藤 悦子 川谷 旺未 サイトウ エツコ カワタニ アキミ Etsuko SAITO Akimi KAWATANI
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.54-72, 2017-03-31

1860年、南北戦争開戦前夜のアメリカに幕末の日本から遣米使節団が訪れ、そのワシントン到着の様子はニューヨークの主要メディアでも大々的にとりあげられた。その中でもふんだんなイラスト付きで報じたハーパーズ・ウィークリー紙には、一般的な記事のほかにも、風刺漫画や漫談風の記事なども掲載された。本稿は1830年代からアメリカジャーナリズムの中でひとつのジャンルとして人気のあった、架空の「田舎者」的人物がなぜか歴史的瞬間に立ち会って親戚に見聞録の手紙を送る、というスタイルのコラムを訳出、注釈したものである。判読の難しいvernacularで書かれた時事放談を、まず判読して標準英語に直し、注をつけて日本語に訳出した。遣米使節団がニューヨークの庶民に向かってどのように伝えられたか、という資料として紹介したい。
著者
斎藤 直樹 斎藤 直樹 SAITO Naoki サイトウ ナオキ Saito Naoki
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.127-138, 2014-03-05

This paper is designed to examine foreign policies of the Chinese government, particularly the Hu Jintao Leadership toward North Korea which has continued military provocations represented by the nuclear tests since the early 2000s.
著者
齋藤 政則 篠山 浩文 齋藤 明広 篠山 浩文 安藤 昭一 シノヤマ ヒロフミ 齋藤 明広 Akihiro Saito サイトウ アキヒロ 知久 和寛 Kazuhiro Chiku チク カズヒロ 安藤 昭一 Akikazu Ando アンドウ アキカズ
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.35-41, 2010-03

市販されている各種糸状菌由来の糖質分解酵素剤に注目し、加水分解活性が弱く配糖化活性が強い酵素の有無を調べ、その精製を試みた。その結果、Trichoderma sp.由来の市販キシラン分解酵素剤に、キシランのみを基質とした場合、その加水分解活性がないにも関わらず、キシランとカテコール共存下ではキシランを分解しカテコールを配糖化する酵素が認められた。本酵素は分子量約73,000の単量体で機能するものであり、20残基のN末端アミノ酸配列は既知のキシラナーゼと相同性が認められなかった。これらの諸性質から本酵素は新規であることが示唆された。至適pHと至適温度はそれぞれ4.0と40℃であった。