著者
田頭 瑞萌 中川 隆文
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.31-39, 2021-03-10 (Released:2021-04-03)
参考文献数
50

In this paper, we present a method for facilitating the diagnosis of vascular stenosis in hemodialysis treatments. Sensory evaluation based on vascular sounds is usually used to identify vascular stenosis. However, skilled clinical judgement is required for this work. We applied the Mahalanobis-Taguchi Method to the assessment of vascular abnormalities. Mel-frequency cepstral coefficients, histogram kurtosis, and autocorrelation coefficients are used as features. The difference between normal and abnormal sounds is measured by Mahalanobis distance (MD). The performance of this method is estimated for 60 vascular sounds, with correct results obtained at a rate of 87%for abnormal sounds. The proposed method provides better discrimination than sensory evaluation. In addition, the relative change in MD values along the auscultation positions is similar to the result achieved by sensory evaluation.
著者
青木 俊明 稲村 肇 中川 隆
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.231-238, 1999-09-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

本研究は産業構造と人口移動との関連と人口増加に大きな影響を及ぼす産業構造を明らかにすることを目的としている. FSM法という構造化手法を用いて, 人口成長状態の異なる地域毎に産業の構造化を行った. その結果を地域間・時系列比較を行うことにより, 人口増加に影響を及ぼす産業構造について検討した. 産業構造の分析において, 商業・サービス業及び産業構造の複雑さといった点に注目した. その結果, 1) 商業またはその他サービス中心の産業構造, 及び, 2) 一定以上の規模と複雑なネットワークを有する産業構造であること, が社会増加を促す産業構造であったことが分かった.
著者
高橋 礼子 近藤 久禎 中川 隆 小澤 和弘 小井土 雄一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.644-652, 2017

<p><b>目的</b>:大規模災害時には巨大な医療ニーズが発生するが,被災地内では十分な病床数が確保できず被災地外への搬送にも限界がある。今回,実際の地域での傷病者収容能力の確認を行うべく災害拠点病院の休眠病床・災害時拡張可能病床の実態調査を行った。<b>方法</b>:全災害拠点病院686施設に対し,許可病床・休眠病床・休眠病床の内すぐに使用可能な病床・災害時拡張可能病床についてアンケート調査を実施した。<b>結果</b>:回収率82.1%(許可病床258,975床/563施設),休眠病床7,558床/179施設,すぐに使用可能な休眠病床3,751床/126施設,災害時拡張可能病床22,649床/339施設であった。<b>考察</b>:いずれの病床使用時にもハード面・ソフト面での制約はあるが,被災地外への搬送に限界があるため,地域の収容能力を拡大するためには,休眠病床・災害時拡張可能病床は有用な資源である。今後,休眠病床の活用や災害拠点病院への拡張可能病床の普及を進めると共に,各種制約も踏まえた医療戦略の検討が課題である。</p>
著者
河本 実 中川 隆夫 柴田 俊忍 本田 宜史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集 (ISSN:00290270)
巻号頁・発行日
vol.30, no.209, pp.27-34, 1964-01-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

The effects of stress ratio, ratio of number of cycles and magnitude of applied stress on the fatigue strength of notched medium steel were studied under many-fold multiple rotating bending load in two stress levels. A few other investigators have reported that on the notched specimen the fatigue life is nearly equal to the calculated life by the linear damage law, i.e, Nth=n0/(nA/NA+na/Na). According to the test results the fatigue life on the notched specimen shows the same tendency to change with the stress ratio, the ratio of number of cycles and the magnitude of the applied stress as on the smooth specimen all over the stress range. But the value of N/Nth on the notched specimen seems to be larger than that on the smooth specimen. In the last part of this paper we state the way to modify the linear damage law with the stress correction factors which are the functions of stress ratio, the ratio of number of cycles and magnitude of applied stress. The method makes it possible to deduce the fatigue life under manyfold multiple load with the help of a few experimental data.
著者
高橋 春樹 中川 隆雄 仁科 雅良 須賀 弘泰 西浦 輝浩 出ロ 善純 小林 尊志 澁谷 美穂子 佐藤 隆幸 西久保 俊士
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.50-55, 2008 (Released:2013-03-14)
参考文献数
17

Content We investigated 76 cases during the 6-year period from 1999 to 2005 in which a patient who developed a consciousness disorder while bathing was brought to the Emergency and Critical Care Center of Tokyo Women's Medical University Medical Center East. In. 86% of the cases the patient was in cardiopulmonary arrest, and they had a group of diseases with a poor prognosis in which the outcome was death, even the 6% of the patients who were resuscitated.The most common age group was the 70-to 79-year group, which contained 46% of the patients, and those 70 years of age and older accounted for 70% of the total.  Examination was possible in 16 cases, and the most common category, in 10 of them, was “drowning/suspicion of transient ischemic attack”. Adequate examinations were not performed on the patients who died in the outpatient department. Moreover, because the autopsy rate was low, it was impossible to make a definitive etiological diagnosis. However, the fact that “many were elderly persons whose autonomic nervous system's regulatory function is reduced” and that “the incidence was highest during the winter (53% during the 3 months from December to February)” suggests involvement of cardiovascular and cerebrovascular diseases secondary to changes in blood pressure. Many preventive measures have been described in the literature, and improvement in the resuscitation rate is expected as a result of becoming familiar with. and thoroughly implementing them. All 10 cases that occurred in public baths, where the time before discovery should have been short, were cases of cardiopulmonary arrest, and it is impossible to clearly explain why resuseitation attempts failed in all 10 of them. In order to identify the causative diseases we think it would be worthwhile to consider 1) performing a whole-body CT examination after confirming death, and 2) perforrning open-chest cardiac massage (only in patients brought to the hospital within a short time).
著者
山崎 章 河島 長義 谷口 智通 中川 隆
出版者
関西医大誌
雑誌
関西医科大学雑誌 (ISSN:00228400)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.453-460, 1978

心電図は他の循環器系検査にくらべ操作が簡単で,一般臨床における親近感もつよく,またその解読で得られる情報の利用価値は高い.ことに危険な虚血性心疾患や不整脈の診断治療には欠くことのできないものであり,日常検査法のひとつとして手術適応の決定や手術後経過の管理にも用いられている.もちろん,心電図所見のみでは臨床状態の把握は不可能であり,他の系統的な検査結果とあわせて判断しなければならない.<BR>一方,実施臨床上,手術前後に危険な不整脈に遭遇した際には,その成因の解明とともに適切な処置が必要とされる,しかし,一般病院における手術後管理の大部分は一部の心電図専門家の取り扱いから離れることも多く,外科領域でも不整脈に対する原因対策および応急処置の必要な状態も生じてくる.開胸手術ばかりでなく,開腹手衛においても不整脈の発生することはよく知られており,種々の集計的報告も少なくない.しかしながら個々の症例をとうし,その臨床経過および発生過程をかえりみることもあながち無意味とは思われない.最近,われわれは泌尿器科手術後に著明な不整脈の発生した3例を経験したので報告するとともに,若干の文献的考察を加える.
著者
佐藤 孝幸 中川 隆雄 仁科 雅良 須賀 弘泰 高橋 春樹 出口 善純 小林 尊志
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.941-947, 2009-12-15
参考文献数
19
被引用文献数
1

カフェインは嗜好品の他,感冒薬や眠気予防薬として普及しているため,過剰摂取が容易である。大量服用から致死的中毒を来した2症例を救命した。〈症例1〉34歳の女性。市販感冒薬を大量服用後,心室細動から心静止状態となり救急搬送された。感冒薬成分中の致死量のカフェインが心肺停止の原因と考えられた。〈症例2〉33歳の男性。自殺企図にて市販無水カフェイン(カフェイン量24g)を内服,嘔吐と気分不快のため自らの要請で救急搬送となった。いずれも大量のカフェイン急性中毒例で,薬剤抵抗性の難治性不整脈が特徴であった。早期の胃洗浄,活性炭と下剤の使用,呼吸循環管理により救命することができた。とくに症例2では,早期の血液吸着により血中濃度の減少と症状の劇的な改善を認めた。これは血液吸着の有用性を示す所見と考えられる。
著者
中川 隆之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.141, no.4, pp.184-187, 2013 (Released:2013-04-10)
参考文献数
19

感音難聴に代表される内耳障害は,主な身体障害のひとつであるが,多くは不可逆性であり,根本的治療法の開発が強く望まれている.本稿では,内耳蝸牛の感覚上皮に焦点を当て,障害進行段階に応じた治療法開発の取り組みについて紹介する.音響刺激を神経信号に変換する役割を担う蝸牛感覚上皮の有毛細胞が障害されているが,未だ細胞死に至っていない段階では,インスリン様成長因子1などの薬物局所投与の難聴治療への可能性が呈示され,臨床試験も行われている.有毛細胞が喪失しているが,感覚上皮を構成するもうひとつの細胞である支持細胞が温存されている段階では,ノッチ情報伝達系制御による支持細胞から有毛細胞への分化転換による有毛細胞再生による聴覚再生が研究されている.さらに,障害が進行し,再生のソースが蝸牛内に残されていない段階では,工学的な蝸牛感覚上皮再生ともいえる人工感覚上皮開発が行われている.今後の研究発展により,革新的難聴治療が臨床的に実現することが望まれる.
著者
藤居 勇貴 蔵谷 勇樹 下國 達志 中川 隆公 佐々木 文章 中西 勝也
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.932-937, 2018 (Released:2018-10-31)
参考文献数
26
被引用文献数
2

症例は83歳の男性で,発熱と腹部違和感を主訴に来院した.造影CT検査で,右腹腔内に脂肪濃度を呈する13cm大の腫瘤性病変,および周囲脂肪濃度の上昇を認めた.大網原発脂肪肉腫や大網捻転の可能性が考えられ,準緊急的に手術の方針となった.手術は大網腫瘍摘出,腹壁・回盲部合併切除術を行った.術後は創離開を生じたが保存的治療により改善し,術後47日目に退院となった.病理所見は大網原発の高分化型脂肪肉腫であった.脂肪肉腫は大腿,臀部,後腹膜に発生することが多く,大網原発のものは極めて稀である.脂肪肉腫は高分化型・粘液型・円形細胞型・多形型・脱分化型に分けられ,高分化型は比較的予後が良いとされる.しかし,腹腔内発症の脂肪肉腫は,腫瘍の完全切除が難しい,十分量の放射線照射ができないなどの理由により,他部位発症のものより予後不良である.本症例では拡大腫瘍切除が奏効し,11カ月間の無再発生存が得られた.
著者
中川 隆太郎
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.509-514, 2015-12-01 (Released:2017-04-13)

2000年代半ば以降,欧米を中心として世界的にオープンデータ政策が活発化するなかで,著作権やEUのデータベース権などをめぐり,各国で様々なライセンスデザインの取り組みが重ねられている。本稿では,オープンデータとライセンスデザインというテーマについて,まず前提として,なぜパブリック・ライセンスが基本形となるか説明したうえで,議論の中心となるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスやEUのデータベース権について紹介しつつ,従前の状況を敷衍する。そのうえで,CC4.0の登場によりオープンデータとライセンスデザインの問題が新たな局面を迎えていることを指摘し,最後に「CC4.0時代」における今後の展望と課題を論じる。
著者
中川 隆太郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.509-514, 2015-12-01

2000年代半ば以降,欧米を中心として世界的にオープンデータ政策が活発化するなかで,著作権やEUのデータベース権などをめぐり,各国で様々なライセンスデザインの取り組みが重ねられている。本稿では,オープンデータとライセンスデザインというテーマについて,まず前提として,なぜパブリック・ライセンスが基本形となるか説明したうえで,議論の中心となるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスやEUのデータベース権について紹介しつつ,従前の状況を敷衍する。そのうえで,CC4.0の登場によりオープンデータとライセンスデザインの問題が新たな局面を迎えていることを指摘し,最後に「CC4.0時代」における今後の展望と課題を論じる。
著者
中川 隆 甲斐 諭
出版者
九州大学大学院農学研究院
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.235-246, 2002-02

我が国において未許可の遺伝子組換えとうもろこし「スターリンク」が検出されたGMO問題は、日米協議にまで発展し、輸出前検査を行うことで合意に達したものの、今なお、国ごとに異なる認可品種、分別、表示規制、検査・評価方法等、課題が山積しており、また平成13年4月より、表示制度が開始されたこともあって、今後その動向が注目される。こうした状況下、生協と農協・生産農家が連携を図り、搾乳牛に遺伝子組換え原料を一切給与せずに生産される「non-GMO牛乳」の供給がグリーンコープで行われている。non-GMO牛乳とは、搾乳期間中、飼料原料を完全に非遺伝子組換え作物に切り替えて生産された牛乳であり、現在、グリーンコープが最も力を入れている商品の1つである。飼料原料から遺伝子組換え作物を一切排除した画期的な牛乳で、平成10年5月より供給が開始された。ちなみに、グリーンコープで供給されている牛乳はすべてnon-GMO牛乳である。本稿では、non-GMO牛乳が生産されるに至った背景、生産状況、地域農業の振興に果たす効果、また当面している課題を、現地実態調査を踏まえて、生協と農協・生産農家の両面から分析し、この新たな試みによる牛乳の需要開発のための諸課題と問題点を明らかにする。
著者
中川 隆 甲斐 諭
出版者
九州大学大学院農学研究院
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.235-246, 2002-02

我が国において未許可の遺伝子組換えとうもろこし「スターリンク」が検出されたGMO問題は、日米協議にまで発展し、輸出前検査を行うことで合意に達したものの、今なお、国ごとに異なる認可品種、分別、表示規制、検査・評価方法等、課題が山積しており、また平成13年4月より、表示制度が開始されたこともあって、今後その動向が注目される。こうした状況下、生協と農協・生産農家が連携を図り、搾乳牛に遺伝子組換え原料を一切給与せずに生産される「non-GMO牛乳」の供給がグリーンコープで行われている。non-GMO牛乳とは、搾乳期間中、飼料原料を完全に非遺伝子組換え作物に切り替えて生産された牛乳であり、現在、グリーンコープが最も力を入れている商品の1つである。飼料原料から遺伝子組換え作物を一切排除した画期的な牛乳で、平成10年5月より供給が開始された。ちなみに、グリーンコープで供給されている牛乳はすべてnon-GMO牛乳である。本稿では、non-GMO牛乳が生産されるに至った背景、生産状況、地域農業の振興に果たす効果、また当面している課題を、現地実態調査を踏まえて、生協と農協・生産農家の両面から分析し、この新たな試みによる牛乳の需要開発のための諸課題と問題点を明らかにする。