著者
岨野 太一 今井 倫太
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.582-592, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
40

本論文では,目的のない散歩において,人と一緒に散歩するパートナーとなるロボットの発話の量について検討する.発話の量の調整は,話者に対する聞き手の印象や,会話自体の印象に対して大きく寄与する要素である.散歩においても,一緒に歩くパートナーとの会話は,散歩自体の印象に寄与すると考えられ,発話量に関する知見を得ることは大変重要である.本論文では,4種類の発話量のロボットに対して,参加者内計画による検証実験を行い,発話量についての多寡の感覚と,発話量による印象の変化について調査を行った.結果,4~5秒の短文の発話において,発話の開始から次の発話の開始までが10秒である場合に発話量が多いと感じ,40秒だと少なく感じるという知見が得られた.また,発話の開始から次の発話の開始までが20秒以下である場合,散歩のパートナーとしての評価や好ましさ,知的かどうかの印象の面で,他条件に対して有意に高評価であった.
著者
尾形 正泰 大澤 博隆 篠沢 一彦 今井 倫太
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-4, 2011-07-21

本稿では,Twitter をつぶやきプラットフォームとして利用し,Twitter 上に集約されている実世界に関する情報をロボットアバターを用いて提示するエージェントシステムを提案する.ロボットアバターは近年エージェントとして利用される機会が増えているが,モバイル端末などから使用するにはシステムが大掛かりでユーザに負担であった.音声認識技術を用いて容易な入力方法と,肩に載せるタイプのアバターロボットを用いることで,従来と比べてカジュアルなアバターロボットの使用を実現した.また,つぶやきを発話と方向指示をアバターロボットに表現させることで,利用者に実世界の事象を指していることを理解を促すシステムを作成した.In this paper, using Twitter as micro-blogging system, we propose agent system that presents information on twitter about real world with robot avatar. Though robot avatar is getting popular as agent recently, it is a burden for user to make use of agent through such as mobile device because of large system. Using easy input method with voice recognition and a type of avatar robot on shoulder, we realized more casual avatar robot than before. And to make avatar robot to present tweet as utterance and direction indication, system accelerate user to understand that information from avatar is about real world.
著者
植田 俊輔 今井 倫太 中村 圭佑 中臺 一博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

人間は雑音が多い環境下であってもある程度どこでどのような会話が行われているかを理解する事が出来るが,遠隔操作を行うロボットアバタでは遠隔操作者が遠隔地の音環境を理解する事は困難である.本稿では,雑音環境下でも操作者と遠隔地がインタラクションをスムーズに行うことを支援するユーザインタフェースUI-ALTを提案する.オフライン実験によりUI-ALTは遠隔操作者の雑音環境理解に有用であることが示された.
著者
芦原 佑太 大澤 正彦 島田 大樹 栗原 聡 今井 倫太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

前頭前野は,多くの脳領域の抑制・脱抑制や調停を行う機能を持つと考えられている.また,Accumulatorとして動作する神経細胞は前頭前野においても発見されており,特に自発的な運動の開始に関与しているという主張が報告されている. 本研究ではこれまで前頭前野に関して報告されている知見を参考に,Accumulatorモデルを用いて複数の機械学習器を調停する階層型脱抑制システムを提案する.
著者
柏原忠和 大澤博隆 篠沢一彦 今井倫太
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.237-238, 2011-03-02

本論文では、遠隔コミュニケーションの為の肩乗り小型ロボットア<br />バタの提案を行う。遠隔地からアバタを操作することで、遠隔地の<br />ユーザーは相手の空間を自由に見渡しながらコミュニケーションを<br />行える。ロボットと一緒に行動をすると人間はロボットの動作に気<br />を使い、また小型ロボットの場合は人間が手に持つという煩わしさ<br />があるが、本アバタは身に付ける事によりこれらを解決する。また<br />、アバタ装着者と同じ目線の映像を共有する事により、遠隔地の操<br />作者は相手の空間にいるような感覚を実現し、装着者もアバタによ<br />って遠隔地のユーザーの存在感を得る事が出来る。肩にいるアバタ<br />が耳元でささやく効果も上記に加えることで、より密接な遠隔コミ<br />ュニケーションを行える。
著者
渡邉 哲 小池 京太郎 尾形 正泰 篠沢 一彦 今井 倫太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.227, pp.1-4, 2014-09-19

インターネットを使った配信において,不特定多数の視聴者と,配信者側の人たちのコミュニケーションを実現する上で肩乗りロボティックアバタが有効な手段となりうるか検証した.視聴者の存在を実体化するために,ロボティックアバタを導入する.不特定多数の匿名な視聴者に一つの身体としてロボティックアバタを与え,全員で身体を共有し,キャラクター化させることによって,多数視聴者と配信者の周辺にいる人々をつなげた会話の場の構成を容易にすることが狙いである.また,広角カメラから取得したパノラマの映像やクリックと連動して動く映像を配信することによって,ロボティックアバタの周囲の会話状況を視聴者に捉えやすくする.
著者
渡邉哲 今井倫太 大西樹 尾形正泰
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.169-170, 2014-03-11

本論文では、肩乗りロボティクスアバタTEROOSに魚眼カメラを装備し、ロボット頭部のカメラとは異なる視点でも、操作者がロボットの視点で会話できるインターフェースのデザインを検討する。ロボットを装着する遠隔コミュニケーションは、装着者の周囲の人とアバタに反映させることで人の動きを容易に伝えることができるという利点を持つ。一方で、アバタのカメラはアバタの頭部に設置されており、操作者は頭部カメラからの映像情報のみで判断しなければならない欠点を抱えている。本研究では、TEROOS自身をも含めた、天頂からの視界を確保するために魚眼カメラを導入し、TEROOS周囲の情報を一覧できる映像を元にTEROOSの視点で会話ができるインタフェースデザインを検討する。

1 0 0 0 OA 野島久雄賞

著者
原田 悦子 今井 倫太 内海 彰 新垣 紀子 安村 通晃
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.385-386, 2013-12-01 (Released:2014-12-24)
参考文献数
3
著者
鳴海 真里子 今井 倫太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.34, 2003 (Released:2004-02-03)

本研究では、ロボット上の音声対話システムにセンサの情報とアクチュエータの動作を反映させる機構を実装し、ロボットが演出を行うことにより人間ロボット間で共感を実現させることを目的とする。実験により、その有効性を検証する。
著者
鳩 康彦 佐竹 聡 神田 崇行 今井 倫太 萩田 紀博 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.532-543, 2011 (Released:2011-08-15)
参考文献数
44

In daily conversation, we sometimes observe a deictic interaction scene that refers to a region in a space, such as saying “please put it over there” with pointing. How can such an interaction be possible with a robot? Is it enough to simulate people's behaviors, such as utterance and pointing? Instead, we highlight the importance of simulating human cognition. In the first part of our study, we empirically demonstrate the importance of simulating human cognition of regions when a robot engages in a deictic interaction by referring to a region in a space. The experiments indicate that a robot with simulated cognition of regions improves efficiency of its deictic interaction. In the second part, we present a method for a robot to computationally simulate cognition of regions. Finally, our model is implemented as region referring system in the communication robot Robovie and the system's effectiveness is confirmed.
著者
松田有史 今井倫太 大澤博隆 杉山治
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.169-171, 2011-03-02

本研究では、Twitterのツイートを個人の社会性の写像と考え、個人の特徴や存在感といったものがどのような点に現れるか検証した。個人の特徴を捉えることで、従来では明らかにならなかった嗜好、価値観、行動パターンといった存在感の一面を明らかにすることができる。得られた特徴は個人のアバターを創り出すといったアプリケーションや個人に適切な情報を発信するといった推薦システムなどを実装するための基本モデルになると考えられる。本研究では、Twitterタイムラインを解析することにより、個人の特徴的なパターンを抽出し、特徴モデルを形成する方法を提案する。
著者
尾形 正泰 杉浦 裕太 大澤 博隆 今井 倫太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

指に装着する指輪型のエージェントロボットを提案する.手が影絵に使われるように擬人性がある点を利用して,手にロボットデバイスを装着してエージェントの存在感を演出する.手に載せることで人間とのコミュニケーションで自然な距離を保ち,生活の中で人間の手を使う作業についてサポートをすることができる.買い物タスクに注目してユーザの行動と商品の探索を補助するシステムを設計してユーザスタディを行った.
著者
本田 喜久 川島 英之 今井 倫太 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.207, pp.49-54, 2002-07-10

近年,キャッシュを意識して探索を高速化するメモリ索引構造が提案されている.中でも,1999年に提案されたFull Cache Sensitive Search Tree(CSS-tree)は,探索時間がデータサイズによってはハッシュよりも短く,また索引構造のために必要なメモリ空間使用量がB-treeよりも少ない点で優れている.他方,更新処理が遅いため,CSS-treeが有用であるのはオンライン解析処理のように更新処理が極めて少ない状況に限られると言われている.しかし,更新処理を追加処理のみに限定すれば,索引構造の再構築時間を減らすことができる.そこで本研究では,追加処理のみが発生する状況において,CSS-treeへの挿入処理を高速化する手法を提案する.提案手法は,(1)配列とCSS-treeのノードの拡張に要するコストを減らすために,あらかじめ余分な索引構造領域を獲得しておき,(2)配列とCSS-treeの葉ノードの再マップに要するコストを減らすために,CSS-treeの葉ノードの領域をなくし,CSS-treeの内部ノードのスロットに,配列のキー値を格納する.提案手法の有効性を評価するために,C言語とアセンブラを用いて,SunOS 5.6上に実験用データベースシステムを実装し,挿入処理時間を測定した.実験の結果,提案手法は,更新処理を追加処理に限定しない再構築手法と比べて,最大で7.18倍速くなることがわかった.
著者
植田 俊輔 谷口 祐司 大澤 博隆 今井 倫太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

日常環境において,利用場面に応じた様々な所有権が発生するオブジェクトが存在する.こういったオブジェクトの所有権は,オブジェクトを利用するユーザにとっては曖昧でわかりづらいものである.本研究では,実世界移動エージェントとの音声対話によるオブジェクトの所有権判断および情報提示を行うシステムT-SHOWを提案する.ユーザがエージェントと対話を行うことで,ユーザにとっての所有権の曖昧さを解決する.
著者
広瀬 健志郎 佐竹 聡 川島 英之 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.47-52, 2004-09-10

本研究の目的は、コミュニケーションロボットのソフトウェアアーキテクチャに詳しくない一般ユーザが、ロボットを情報提供の手段として容易に利用できる手法を提案することである。ロボットの動作をプログラミングする手法は多数あるが、本研究の目的と照らし合わせると、それらは多種類のロボット間でのコンテンツ共有が不可、一般ユーザにとって使いにくい、センサ情報を反映したコンテンツ提示が不可のいずれかの問題を抱えている。よって本研究では、上記の3条件を満たすために、ロボットのコンテンツを直感的に記述できるエディタを開発と、そのコンテンツを多種類のヒューマノイドロボットで実行できるように、抽象的なモーションを具体的な関節情報に置き換える言語仕様を定義し、それらをロボットに実行させるシステムを開発した。
著者
広田 裕 川島 英之 梅澤 猛 今井 倫太
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J89-A, no.12, pp.1090-1103, 2006-12-01

本論文は,複数のアプリケーションが共通参照可能なセンサネットワークの設計モ デルとしてセマンティックセンサネットワークを提案する.センサからのデー タは単なる数値の時系列であり,数値のみから意味のある情報を引き出せない. センサと物体の取付け関係のもとで解釈して初めてデータが意味のある単位と なる.セマンティックセンサネットワークは,センサと物体の取付け関係 を管理し,メタデータとセンサデータの対を環境記述の最小単位とする.また, 論理表現に基づく推論規則をもち,物体同士や物体と環境との関係を記述する. 環境記述は時系列データとして蓄えられ,アプリケーションに提供される.特 徴的な点は,物体に関するクラス定義をもち,センサと物体の取付け関係を インスタンスとすることで,物体を中心とした世界モデルをセンサネットワー ク上に構築できることである.実装例として,実世界指向メタデータ管理シス テムMeTを構築した.RFIDタグを用いて物体とセンサの取付け関係を拾得し, クラスからインスタンスの生成を可能にした.更に,アプリケーションとし て知能ロボットとGUIを用意しMeTの動作を検証した.
著者
佐竹 聡 川島 英之 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.49-55, 2004-08-04

本稿の目的は、HTMLファイルの情報を人間へ提示するブラウジングロボットの開発である. ブラウジングロボットには以下3つの機能が必要である. 機能1は、ロボットの身体動作および発話内容をHTMLファイルから生成する. 機能2は、ロボットが情報提示するメインコンテンツをHTMLファイルから切り出す.機能3は、リンク情報の検出・提示である. 本稿では、この3つの機能を持つブラウジングロボットシステムCOSHORを提案する. 機能1を持つため、ロボットの身体動作は、キーワードマッチングで定義された行動から選択される.機能2を持つため、メインコンテンツを抜き出すフィルタ関数がWebコンテンツごとに定義される. 機能3を持つため、COSHORはリンクの存在を提示する身体動作を持ち、センサ情報をトリガとしてリンク先のHTMLファイルを提示できる.The purpose of this paper is to develop a HTML browsing robot system. A browsing robot requires follwoing three functions: (1) The robot can create motions and contents of utterances from a HTML file. (2) The robot can retrieve the main contents of a HTML which is exhibited. (3) The robot can detect and exhibit link information. To realize these three functions, this paper proposes COSHOR. (1) COSHOR selects its motion from defined motions by using keyword matching. (2) COSHOR has filter functions for each Web content. This filter function retrieves the main content from the content. (3) COSHOR has the motion which exhibits link information and the sensor detection function which triggers reading new referred page.