- 著者
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大澤 博隆
今井 倫太
- 雑誌
- ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2007, no.12, pp.188-194, 2007-11-09
本研究では,シミュレーション上で実施されることの多い繰り返し囚人のジレンマゲームを人間のプレイヤ同士で行わせ,各エージェントの戦略を,実際の人間プレイヤ同士にプログラムさせることで,ゲーム上でのエージェントの戦略の変化を調べる.これにより,実際の人間同士の集団ゲームにおいて,人間がどのように戦略を変化させていくか分析した.本研究では Axelrod の初回の大会の条件を元に,囚人のジレンマゲームの条件を設定し,大学の授業の課題として,授業参加者 72 人の人間を対象とし,25 日間の実験を行った.その結果,Axerlod の初回の大会や,シミュレーションの結果と異なり,上位のものほど記述が複雑化する傾向が発見された.また複数のプレイヤ同士が協力する「主人−奴隷戦略」,上記の戦術に対する寄生戦略,自身の勝利を目指さず,他プレイヤを追い落とす戦略など,一見すると合理的でない,様々な戦略が確認された.