著者
中澤 昌彦 吉田 智佳史 佐々木 達也 陣川 雅樹 田中 良明 鈴木 秀典 上村 巧 伊藤 崇之 山﨑 敏彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

【目的】本研究では,急峻で複雑な地形と大径材搬出への適用が期待できる欧州製タワーヤーダを用いた作業システムを開発することを目的に,間伐作業の功程調査を行った。前報で架線下の上荷集材作業について報告したので,本報では上荷横取り集材作業を中心に報告する。【方法】搬器にShelpa U-3toを搭載したMM社製WANDERFALKE U-AM-2toを用いて,上荷横取り集材作業を実施し,時間分析を行なった。【結果】魚骨状に4列伐採し,27サイクル,28本,計17.87m3を集材した。平均荷掛量は0.66m3,平均集材距離は156.6m(135.7~194.6m),平均横取り距離は25.7m(5.1~48.1m)で,打ち合わせや遅延時間を除く横取り集材作業時間の合計は10,371秒となった。既存タワーヤーダであるツルムファルケ(平均荷掛量0.37m3)と比較すると,横取り作業時間が約2割短かった。以上から,本調査区における上げ荷横取り集材作業の生産性を求めると6.2m3/時となり,架線下だけでなく横取り集材作業においても既存タワーヤーダより高い生産性が期待できることが示唆された。
著者
伊藤 崇達
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

日本の高等教育では,アクティブ・ラーニングが理念として掲げられてきており,その実証的な検討が求められている。本研究は,「自己調整学習(self-regulated learning)」と「社会的に共有された学びの調整(socially shared regulation of learning)」をグランドセオリーとし,「I」「You」「We」の学び手の3視点から「真正なる学びあい」がいかに成立するかについて,心理尺度をもとに実証的に検討を行った。尺度の作成にあたっては,「I」視点が,「自己調整学習」,「You」視点が「共調整された学習(co-regulated learning)」,「We」視点が「社会的に共有された学びの調整」によるものと捉え,調整を支えている中核的な心理的要素として,「動機づけ」と「動機づけ調整方略」に焦点をあてることとした。動機づけの自己調整に関する研究では,内発的な動機づけ,すなわち,興味や関心を高めるような自己調整がパフォーマンスの向上において重要であることが明らかにされている。グループ活動において,自分自身,グループのメンバー,グループの全体のそれぞれの動機づけをいかに調整しているかについて,新たに尺度を作成し,検討を行った。学びあいの真正性は,実社会での学びあいとの接続を考慮することで検討することとした。具体的には,すでに職を得ている社会人にも同様の調査を行い,大学生との比較検証によって明らかにした。グループ活動への自律的動機づけ,グループ活動のパフォーマンス指標,期待,価値といった変数との関連について検証を行い,高等教育における実践への示唆を得たところである。
著者
大谷 和大 岡田 涼 中谷 素之 伊藤 崇達
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.477-491, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
48
被引用文献数
11

本研究は, 学級で強調される社会的な目標である, 「学級の社会的目標構造」に焦点をあて, 学級の社会的目標構造が, 児童の学習における動機づけに関連するプロセスを検討することを目的とした。研究1では, 小学5, 6年生, 289名を対象に, 向社会的目標構造と規範遵守目標構造から構成される学級の社会的目標構造尺度を作成することを目的とした。その結果, 本研究で作成された尺度は, 一定の信頼性を有し, 既存の学級環境を測定する尺度と概ね予想される関連を示したことから, 妥当性の一部を有すると考えられた。研究2では, 小学校23校(117学級)に所属する小学5, 6年生合計3,609名を対象に, 学級レベルと児童レベル双方において, 学習動機づけに関連するプロセスを検討した。その結果, 両レベルにおいて, 向社会的目標構造は相互学習を通じ内発的動機づけおよび, 自己効力感と関連することが示された。一方, 規範遵守目標構造は児童レベルにおいてのみ, 有意な媒介効果を示したものの, その値自体は小さなものであった。本研究の研究・教育実践上の意義について論じた。
著者
都木 徹 服部 有希子 小宮 恵 今井 篤 岸 憲史 伊藤 崇之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.478-487, 2005-02-01
被引用文献数
2

近年, コンピュータを用いて語学教育を支援するCALL (Computer Assisted Language Learning)システムの開発が盛んに行われている.本論文では, CALLシステムの一つとして, NHK教育テレビの語学番組「中国語会話」で利用することを目的に開発された声調学習ツール"声調弐号"及び"声調参号"を取り上げ, そのシステムの利用効果について述べる.これらのCALLシステムは, 模範音声と学習者音声の両者のピッチ軌跡を画面に比較表示するとともに, 学習者音声の韻律を模範音声の韻律に矯正した変換音声を聴取することができ, 視覚的にも聴覚的にも韻律に関する発音習得を支援することを目的としている.視聴者からは, 従来の模範音声と学習者音声を聞き比べるだけの場合より分かりやすいと好評であった.本システムで用いている視覚的・聴覚的学習支援の効果を明らかにするため, 番組とは独立に日本人に対して行った韻律に関する発音習得実験では, 特に学習者自身の音声とその韻律を矯正した音声を聞き比べる効果が高いことが示された.
著者
伊藤 崇達 神藤 貴昭 高嶋 重行 竹内 温子 菅井 勝雄 前迫 孝憲
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.377-385, 2004-03-20
被引用文献数
4

本研究は,自己効力感,不安,自己調整学習方略,学習の持続性に関する因果モデルの検証を行うことを目的とした.自己効力感尺度,学習時の不安感尺度,認知的側面の自己調整学習方略尺度,自己動機づけ方略尺度,学習意欲検査(GAMI)の下位尺度である持続性の欠如が,中学生449名に対して,試験の1ヶ月前と1週間前の2回にわたり実施された.共分散構造分析によって検討を行った結果,以下のことが明らかとなった.(1)自己効力感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略と内発的調整方略をよく用い,外発的調整方略は用いていなかった.(2)学習時の不安感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略,内発的調整方略,外発的調整方略をよく用いていた.(3)内発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と負の関連を示し,外発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と正の関連を示していた.
著者
関 孝夫 伊藤 崇之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.605, pp.65-70, 2001-01-24

CGアニメーションによる運動の再現やジェスチャ認識等を目指して、画像からの人の動き計測の様々な研究が行われている。従来の単眼視時系列画像を使用した手法では、3次元動作への未対応、推定結果のずれの累積といった問題がある。本稿では、単眼視時系列画像からスティックモデルの状態を確率的に推定する方法を用いて、3次元的な動き追跡を可能にする手法について報告する。実験室で撮影された動画像に本手法を適用し、2次元及び3次元の基本的な動作について、本手法の有効性を示す。また、動作の速い場合にもモデル推定にずれが少ないことを示す。
著者
伊藤 崇仁 篠原 亮 梶本 裕之 川上 直樹 舘 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.106, pp.53-60, 2005-05-27

By projecting the master image onto the slave robot, high-quality, face to face communications of the interlocutor and the master are achieved in the master slave system. In the process, we use retrorefrective projection technology. In addition, transmitting depth information of the master enables the interlocutor to view the master imge (projected onto the slave robot) from any point of view, while the system is quite simple.