著者
佐々木 毅 福元 健太郎 中北 浩爾 谷口 将紀 成田 憲彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

1 1996年度に引き続き、政治改革に関する一次資料を収集・複写し、目録を作成した。本年度は、とくに国会審議関係の資料、第八次選挙制度審議会関係の資料、マスコミ関係の資料、および政治改革推進協議会(民間政治臨調)関係の資料を充実させることができた。その結果、昨年度以来収集した資料は約1000点に達した。これらの資料は、現在「政治改革ア-カイヴ」として東京大学法学部研究室内に暫定的に保管してある、今後、最終的な収納先および公開方法について検討する予定である。2 上記ア-カイヴを主たる素材として、政治改革に関する政治過程の分析を行うための「政治改革研究会」が、研究分担者・および8名の研究協力者(飯尾潤、岩井奉信、野中尚人、岩崎健久、濱口金也、内山融、岩崎正洋、川人貞史の各氏、順不同)を得て組織された。具体的な研究項目は、竹下〜海部内閣・宮澤内閣・細川内閣の時系列的部分と、自民党・野党・政治改革推進協議会・労働界・マスコミ・選挙制度・政治資金および腐敗防止などのテーマ別部分からなり、それぞれの項目について論文が提出されている。3 研究会の成果を社会化するため、『政治改革の記録(仮称)』編集委員会を断続的に開催し、1998年秋の公刊を目指して作業が進められている。現在は出版社との調整、提出済み論文の検討作業、および掲載資料の編集・インタビュー調査の準備を行っているところである。
著者
髙田 琢弘 吉川 徹 佐々木 毅 山内 貴史 高橋 正也 梅崎 重夫
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2020-0022-GE, (Released:2021-02-11)
参考文献数
26

本研究は,過労死等の多発が指摘されている業種・職種のうち,教育・学習支援業(教職員)に着目し,それらの過労死等の実態と背景要因を検討することを目的とした.具体的には,労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センターが構築した電子データベース(脳・心臓疾患事案1,564件,精神障害・自殺事案2,000件,平成22年1月~平成27年3月の5年間)を用い,教育・学習支援業の事案(脳・心臓疾患事案25件,精神障害・自殺事案57件)を抽出し,性別,発症時年齢,生死,職種,疾患名,労災認定理由および労働時間以外の負荷要因,認定事由としての出来事,時間外労働時間数等の情報に関する集計を行った.結果から,教育・学習支援業の事案の特徴として,脳・心臓疾患事案では全業種と比較して長時間労働の割合が大きい一方,精神障害・自殺事案では上司とのトラブルなどの対人関係の出来事の割合が大きかったことが示された.また,教員の中で多かった職種は,脳・心臓疾患事案,精神障害・自殺事案ともに大学教員と高等学校教員であった.さらに,職種特有の負荷業務として大学教員では委員会・会議や出張が多く,高等学校教員では部活動顧問や担任が多いなど,学校種ごとに異なった負荷業務があることが示された.ここから,教育・学習支援業の過労死等を予防するためには,長時間労働対策のみだけでなく,それぞれの職種特有の負担を軽減するような支援が必要であると考えられる.
著者
佐々木 毅 塚本 さなえ
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2390-2395, 1998-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

赤沈値(血沈値), CRP値は炎症病態把握での基本的検査とされ,自己免疫疾患例でのモニタリングにおける重要な検査の一つとして汎用されている.最近,新しい炎症マーカーとして血清アミロイドA蛋白(SAA)のルーチン検査が可能となった. SAAはCRP変動の乏しいSLEらリウマチ性疾患の活動期に上昇する.これらの炎症マーカーは自己免疫疾患例のモニタリングにおいて有力な指標となりうることと推定される.
著者
久保田 均 久永 直見 高橋 幸雄 佐々木 毅
出版者
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

建築業従事者の職業性難聴について、三重県建設労働組合の男性組合員を対象に難聴の原因として考えられる各種有害因子へのばく露、或いは複合ばく露との関連を探る目的で調査研究を実施した。また聴覚に関して、従来の質問紙調査による自覚的聴覚と定期健診時の聴力検査結果(客観的聴覚)との関連を明らかにするための調査も行った。騒音ばく露に振動ばく露が加わると難聴発症のリスクが増幅、そこへ有機溶剤ばく露が加わることでリスクは更に増幅することがわかった。一方、難聴自覚症有り群となし群で、健診時聴力検査の有所見率に差があるか否かの検定を行ったところ、難聴自覚症無し群でも客観的聴覚の有所見率が高まる傾向がみられた。
著者
濱野 哲敬 山本 敦史 小林 勉 設楽 仁 一ノ瀬 剛 下山 大輔 佐々木 毅志 高岸 憲二 角田 陽平 大澤 敏久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.810-814, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

腱板修復術後の筋萎縮・脂肪浸潤の変化について検討を行った過去の報告は,腱板修復術の手術操作そのものによる影響を考慮しておらず正確な評価がなされていない.本研究の目的は腱板修復術により腱板構成筋群の筋萎縮,脂肪浸潤が改善しうるか,術後早期と術後1年のMRIを用いて検討することである.2010年4月から2012年3月の間に肩腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った52例52肩を対象とした.筋萎縮の評価はThomazeauらの方法に準じて,棘上筋,棘下筋,肩甲下筋のOccupation ratioを計測し,脂肪浸潤の程度は同じスライスでGoutallier分類に準じて評価した.修復術後2週と1年でのそれぞれの評価を比較検討すると,筋萎縮は棘上筋のみで有意に改善し,この変化は中断裂以下で認められ,脂肪浸潤は棘上筋,棘下筋,肩甲下筋の全てで有意に改善し,この変化は大・広範囲断裂例で認められた.
著者
佐々木 毅
出版者
國家學會事務所
雑誌
國家學會雑誌 (ISSN:00232793)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.p468-494, 1983-06
著者
岩切 一幸 佐々木 毅 三木 圭一
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.354-366, 2022-11-20 (Released:2022-11-25)
参考文献数
9

目的:休業4日以上の労働者死傷病報告における業務上腰痛は,業務上疾病の約6割を占めており,安全衛生上の重要な問題となっている.しかし,最近において業務上腰痛の発生状況に関する分析は行われていない.そこで本研究では,近年の業務上腰痛の特徴を抽出することを目的として,2018年及び2019年の労働者死傷病報告(休業4日以上)における業務上腰痛の発生状況について解析した.対象と方法:対象は,労働者死傷病報告(休業4日以上)における業務上腰痛10,208件(2018年:5,043件,2019年:5,165件)とした.解析項目は,提出局(都道府県),災害発生日時,事業場の労働者数,被災者の年齢,性別,休業見込期間,業種(大分類,中分類)とした.解析では,単純集計及びクロス集計を行った.結果:業種大分類別の業務上腰痛件数は保健衛生業が31.3%と最も多く,次いで商業,製造業,運輸交通業であった.保健衛生業を業種中分類別にみると,社会福祉施設は全体の24.3%を占めており,介護労働者の腰痛が多発していた.都道府県別では寒い地方に件数が多くなる傾向はみられず,発生月別でも気温が低くなる11月~1月に件数が少なかった.発生曜日別では休日明けの月曜日に件数が多く,発生時刻別では午前9時~12時の時間帯において約4割の件数が発生していた.事業場規模別では労働者数10–49人が最も多く,業種中分類ごとにみると社会福祉施設では同10–49人,医療保健業では同300人以上が最も多かった.被災者数は,就業者10万人あたりに調整すると,女性の方が男性に比べて若干多く,30代及び20代が多かった.休業見込日数別では,2週間以内が全体の約6割を占めていた.考察と結論:2018~2019年の業務上腰痛は,社会福祉施設にて多く発生しており,なかでも労働者10–49人の事業場にて多かった.また,女性の件数が多く,休業見込日数2週間以内の腰痛が多かった.業務上腰痛件数を減らすには,これらの属性の発生状況を勘案した対策を検討し,実施していく必要がある.
著者
茂木 伸之 吉川 徹 佐々木 毅 山内 貴史 髙田 琢弘 高橋 正也
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2022-0018-CHO, (Released:2023-09-05)
参考文献数
28

日本では教員の長時間労働や精神疾患による病気休職者数が減少していない状況である.本研究は,過労死等の重点業職種である教職員に該当する義務教育教員の多くを占める公立小中学校教員の公務災害の過労死等防止対策に資する課題抽出を目的として,公務災害として認定された過労死等の負荷業務の特徴について検討した.対象は2010年1 月から2019年3月までに公務災害に認定された全392件(脳・心臓疾患事案146件,精神疾患等事案246件)の内,教員88件(脳・心臓疾患事案52件,精神疾患等事案36件)とした.その結果,脳・心臓疾患の100万人当たりの発症件数は男性が80%を占め,男女の疾患名では脳内出血が最も多かった.精神疾患等は,100万人当たりの発症件数は男性が多く,疾患名はうつ病エピソードが最も多かった.学校別の件数は,脳・心臓疾患は中学校で多く,精神疾患等は小中学校それぞれ半数であった.脳・心臓疾患事案では,負荷業務として「部活動顧問」が最も多く,長時間労働を認定要件とする事案に影響を及ぼした.精神疾患等では,業務による負荷の「住民等の公務上での関係」における保護者によるものが最も多かった.負荷業務である「部活動顧問」,「住民等の公務上での関係」の課題を解決することが,公立小中学校教員の過労死等防止対策のひとつになると考えられる.
著者
村田 理沙子 大野 正和 秋元 耕 矢部 顕人 戸舎 稚詞 福島 琢 榊原 温志 土屋 勇輔 鈴木 雅仁 近江 哲生 佐々木 毅 清水 茂雄
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1036-1041, 2020-09-15 (Released:2021-10-05)
参考文献数
18

症例は74歳女性.今回入院の2年前にたこつぼ症候群の診断で入院となり,心内血栓・高血圧に対する加療が行われた後,壁運動の改善を確認し退院となった.退院後は近医で高血圧,高血糖の加療が行われていた.X年10月,受診2,3日前より食思不振が出現し,1日前から嘔気・嘔吐・動悸・冷汗が出現し改善しないため,救急要請し来院した.来院時著明な高血圧を認めており,血液検査で心筋逸脱酵素の上昇・心電図検査でST低下・経胸壁心臓超音波検査で心尖部の過収縮,心基部の無収縮を認め,たこつぼ症候群の診断で入院となった.たこつぼ症候群の再発は稀であり診断基準に褐色細胞腫の除外が必要とあることから,スクリーニング検査として内分泌検査を行ったところ血中カテコラミンの上昇を認めた.腹部CT検査で右副腎に直径3 cm大の腫瘤があり,131I-MIBGシンチグラフィで同部位に集積を認めたことから褐色細胞腫によるカテコラミン心筋症と診断した.ドキサゾシンの投与を2 mgから開始し,自覚症状,心電図変化,左室壁運動異常は改善したため第8病日に退院となった.外来でドキサゾシンを最大量の12 mgまで増量したのち腹腔鏡下右副腎摘除術を行った.その後経過は良好で,以降カテコラミン心筋症の再発はなく,高血圧,糖尿病の増悪なく経過している.今回,初回は一次性たこつぼ症候群と診断したが,再発時に褐色細胞腫による二次性たこつぼ症候群と診断した1例を経験したので報告する.
著者
髙田 琢弘 吉川 徹 佐々木 毅 山内 貴史 高橋 正也 梅崎 重夫
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.29-37, 2021

<p>本研究は,過労死等の多発が指摘されている業種・職種のうち,教育・学習支援業(教職員)に着目し,それらの過労死等の実態と背景要因を検討することを目的とした.具体的には,労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センターが構築した電子データベース(脳・心臓疾患事案1,564件,精神障害・自殺事案2,000件,平成22年1月~平成27年3月の5年間)を用い,教育・学習支援業の事案(脳・心臓疾患事案25件,精神障害・自殺事案57件)を抽出し,性別,発症時年齢,生死,職種,疾患名,労災認定理由および労働時間以外の負荷要因,認定事由としての出来事,時間外労働時間数等の情報に関する集計を行った.結果から,教育・学習支援業の事案の特徴として,脳・心臓疾患事案では全業種と比較して長時間労働の割合が大きい一方,精神障害・自殺事案では上司とのトラブルなどの対人関係の出来事の割合が大きかったことが示された.また,教員の中で多かった職種は,脳・心臓疾患事案,精神障害・自殺事案ともに大学教員と高等学校教員であった.さらに,職種特有の負荷業務として大学教員では委員会・会議や出張が多く,高等学校教員では部活動顧問や担任が多いなど,学校種ごとに異なった負荷業務があることが示された.ここから,教育・学習支援業の過労死等を予防するためには,長時間労働対策のみだけでなく,それぞれの職種特有の負担を軽減するような支援が必要であると考えられる.</p>
著者
佐々木 毅
出版者
國家學會事務所
雑誌
國家學會雑誌 (ISSN:00232793)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.p574-592, 1981-08
著者
南 優子 佐々木 毅
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

目的:SLE患者集団の前向き調査を行い、大豆製品及びその他の栄養素摂取と活動期発現・動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管疾患、血栓症)発症との関連を調べる。方法:1995年に、女性SLE患者279名を対象に食物頻度摂取調査を含む自記式質問紙調査を行った。さらに、担当医からこれら患者の臨床情報を収集しベースラインデータとした。栄養素摂取量は5訂食品成分表により算出し、疾患活動性はLACCにより評価した。患者を10年間(1995-2005)追跡調査し、活動性変化と臓器障害発症を観察した。この観察結果をもとに、ベースライン時非活動期にあった216名のデータを解析し、栄養素摂取と活動期発現との関連を明らかにした。また、ベースライン時非活動期かつ動脈硬化性疾患のない196名のデータを解析して栄養素摂取と動脈硬化性疾患発症との関連を明らかにした。結果:216名の非活動期患者のうち、43名が1995-1999の間に活動期に移行した。対象者の各栄養素エネルギー調整摂取量をパーセント点で3群に分け、最下位を基準に交絡要因を補正した各群の活動期発現のリスクを比例ハザードモデルにより算出した。大豆製品摂取、イソフラボン摂取と活動期発現との間に有意な関連は認められなかったが、ビタミンB6及び食物繊維摂取は有意に活動期発現のリスクを低下させていた。一方、非活動期かつ動脈硬化性疾患のない196名からは、1995-2005の間に20名の動脈硬化性疾患発症が観察された。大豆製品・ゲニステイン摂取量の多い群で中程度の動脈硬化性疾患発症リスクの増加がみられたが、大豆製品摂取と動脈硬化性疾患発症リスクとの間には有意な関連は認められなかった。
著者
佐々木 毅 寺山 正一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1509, pp.168-170, 2009-09-28

問 民主党政権が動き出しました。総選挙での308議席獲得という圧勝劇は、戦後日本の政治システムという観点から、どう見えますか。 答 長らく続いた自民党的な意思決定システムが賞味期限を迎え、それに代わる仕組みをどう作るか。ここ10年余り、国内政治の底流に流れていたメーンテーマの1つの結果と見ることができるのではないでしょうか。