著者
川中 翔 佐藤周行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.61, pp.25-32, 2008-06-25

我々は新しいものや概念が新たに創られた場合それを創造と呼ぶが,実際にはそれ以前に既に成立していた概念が下地にあって創られる.これらは解析すべき重要な依存関係であるが,既存の関係性解析の研究は時系列的に静的なものが多くを占めている.本研究では,ソーシャルブックマークにおける概念を記述するタグを解析することで,時系列的な概念の依存関係を抽出する手法を提案する.この手法は,共起率が高いタグ同士は依存関係を持ち,出現順が早い方が依存関係の親となるタグである,との仮定に基づいている.さらに本研究では実験によって手法の評価を行ない,直観的に有用な結果を抽出することに成功した.Creation can be defined as making something exist that has not existed before. However, in many cases, something new is derived from something old. These are essential to analyze, but previous work mainly concentrate on chronologically static relations. In this paper, we propose a method of extracting these chronological concept dependency by analyzing tags that describe concepts in Social Bookmark. This method, is based on the hypo high cooccurent tags have dependency and the first emergence time of tags determines order of dependency.
著者
岡部 寿男 古村 隆明 佐藤 周行 山地 一禎 中村 素典
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.12, pp.1-6, 2014-02-20

Web サービスの認証連携で属性情報を用いてサービス提供サーバが認可判断を行う場合において、認証連携プロキシを経由することで、属性提供サーバが提供する個々の属性情報の詳細をサービス提供サーバに対して秘匿すると同時に、サービス提供サーバの認可の条件を属性提供サーバに対して秘匿したいという相反する要求に対応するための仕組みを提案する。
著者
島岡 政基 西村 健 古村 隆明 中村 素典 佐藤 周行 岡部 寿男 曽根原 登
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.7, pp.871-882, 2012-07-01

通信の安全を確立するサーバ認証を適切に行うには,パブリック認証局から発行されたサーバ証明書が必要である.しかしながら,過去にはパブリック認証局から発行を受けることの重要性が正しく認識されてこなかったことがあり,更には商用のサーバ証明書は審査手続きが煩雑な上に学術機関の実態に沿っていないなどの課題もあったため,学術機関におけるサーバ証明書の普及は遅れていた.そこで筆者らは,学術機関のために最適化したサーバ証明書発行スキームと,証明書自動発行支援システムからなる学術機関のためのサーバ証明書発行フレームワークを提案した.国立情報学研究所による実証実験と本運用を通じて,同スキームにより高い身元確認レベルを確保しつつ審査手続きの学術機関最適化を,また同システムにより認証事業者の証明書発行業務を自動化するとともに各学術機関が必要な学内システムを用意した場合には学術機関側の工数削減も可能であることを実証した.
著者
佐藤 周之 上野 和広 長谷川 雄基 珠玖 隆行
出版者
高知大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-02-07

本研究課題は,ベトナム社会主義共和国内における農業水利施設のコンクリートを対象とし、品質評価ならびに農業水利施設の機能不全の原因究明を行うとともに,材料学的な見地から最適な施工・維持管理手法の提案を行うものである。本研究の遂行には、ベトナムにおける現地調査が不可欠である。そのため、2019年度中に原位置調査を実施するための発電機や変圧器、その他様々な資・機材の手配や調査計画の立案を進め、2019年度末からの実行へと移るだけの状態としていた。ところが2019年度末からの世界的なコロナ感染拡大の影響を受け、まず2020年3月のベトナムへの渡航を中止した。その際は、ベトナム側の入国禁止措置が主たる理由であった。2020年度初以降、日本での感染拡大も続き、海外への渡航が全面的に困難となっていった。2021年度は、我が国ではようやく11月、12月に感染拡大が収束したため渡航を計画したが、今度はベトナム側が再度のロックダウンとなり、研究協力者であるVinh大学側の研究者にも感染者が出たとの連絡があった。我が国でもオミクロン株の流行が起こり、そのまま年度末を迎えた。そこで、研究分担者ならびに現地カウンターパートの了承を得た上で、当初予定であった研究終了期間を2021年度末から2022年度末へと、再度の研究期間の延長申請を行った。以上の理由から、本年度(2021年度)は具体的な研究成果を上げることができなかった。そこで、2022年度への延長申請を行った。研究活動としては、研究手法と想定する内容の基礎研究を国内で進め、一定の進捗をみることができた。
著者
長谷川 雄基 佐藤 周之 上野 和広 長束 勇
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.II_29-II_34, 2020 (Released:2020-06-25)
参考文献数
7

本研究では,水砂噴流摩耗試験に対するサンドブラスト法の代替性の検討および材料の耐摩耗性の評価試験として実務上多用されるテーバー式摩耗試験とサンドブラスト法の比較検討を目的とし,細骨材粒径を変化させたモルタル供試体を対象とした比較検証実験を行った.結果として,サンドブラスト法では,試験時間の差異により試験後の供試体表面の状態は変化し,試験時間が短いと水砂噴流摩耗試験に近い選択的な摩耗現象を再現し,試験時間が長くなるとテーバー式摩耗試験に近い面的に進む摩耗現象を再現できる可能性が考えられた.加えて,粒径0.6mm以上の割合が大きい細骨材を使用した無機系補修材については,サンドブラスト法の試験時間を10秒とすることで,水砂噴流摩耗試験による現行の無機系補修材の品質評価と同等の評価ができる可能性が示された.
著者
長束 勇 小林 範之 石井 将幸 上野 和広 長谷川 雄基 佐藤 周之 佐藤 嘉展
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

初年度(2017年度)の成果を踏まえ,本年度は日本国内で実施する実験・解析の課題について取り組むこととした。一方,ブータン王国側のカウンターパートである農林省農業局(DOA)との共同研究の推進(とくにVisa取得,計測機器や資材のブータン王国内への搬入)に,日本の大学との関係の明文化が求められたことに加え,ブータン王国の国政選挙から政権交代(2018年12月)があり,現地調査等の進行を止めざるを得なかった。その中で,佐藤が2018年6月に単独で渡航し,DOAのチーフエンジニアと面談をし,現地実証実験のフィールドの確認と今後の工程を確認している。本研究課題のゴールは,開発途上国で容易に応用可能で経済性に優れ,耐震を含めた安定性を有する小規模ため池の工法開発である。本年度は,各研究分担者によって,実験室内レベルで設定した研究課題をそれぞれ進めた。根幹となるため池築造技術に関する研究としては,ベントナイトを利用する研究を進めた。ベントナイト混合土によるため池堤体内の遮水層構築は,理論的には可能である。しかし,ベントナイトの膨潤特性の管理や強度特性など,安定した貯水施設の利用には課題が残っている。本年度は,ベントナイトの種類,ベントナイト混合土を室内試験にて一定の条件で確認するための母材,ベントナイト添加率と物理的・力学的特性の評価を行った。本実験で確認した条件下でのベントナイト混合土に対して,透水性の評価までを行い,十分に実用に耐える配合条件を確保できることを確認した。今後,最終年度には,耐震性および浸透特性の解析を国内で進めながら,ブータン王国内における現地実証試験の具体化を進める予定である。具体的には,現地で確保できるベントナイトならびに母材を用いたベントナイト混合土の特性評価,ならびにため池堤体の建造技術への応用を進める予定である。
著者
松下 寛治 佐藤 周也 大前 学
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.763-769, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
12

本研究では,制御判断の分かりやすい伝達やドライバの危険感覚に適合した自動運転を目的とし,90年代に提案された前方視野の危険感に基づくドライバモデルの自動運転制御への適用を試みた.従来のモデルに走行パス,曲率の危険感,速度による許容リスクの変動を加えることで,複雑な形状の構内走路の走行を可能とした.
著者
長谷川雄基 長束勇 谷村成 佐藤周之
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,コンクリートの表層品質の評価指標として適用される表層透気係数に着目し,表層透気試験の結果からコンクリートおよび無機系補修材料の耐摩耗性を推定する手法を実験的に検討した。結果として,表層透気係数と摩耗質量との間には関連性のあることが確認でき,表層透気係数から耐摩耗性を推定可能な関係式を示した。しかしながら,けい酸塩系表面含浸材は,塗布する銘柄ごとに表面改質効果が異なることから,表層透気係数と摩耗質量との間には必ずしも一定の傾向が成立しないことが示唆され,本研究で導いた関係式による推定の精度が低下するケースのあることが考えられた。
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 佐藤 周行 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.163-169, 2013-05-02

近年,シングルサインオンの技術を応用し,組織をまたがった認証連携を行う取り組みが広がりを見せている.民間ではOpenIDの仕組みを活用した認証連携が進む一方,学術ではSAML(Secudty Assertion Markup Language)を用いた認証連携の枠組みが,国を単位として世界的に立ち上がってきている.OpenIDやSAMLでは,認証結果とともに,認証された利用者に関する属性情報をサービス提供側に受け渡す仕組みが用意されているため,単なる利用者の本人確認にとどまらない,高度な情報連携の可能性を秘めている.本報告では,大学等が運用管理する認証サーバと,民間のサービス提供サーバとを連携させ,大学が保持する職種(学生,職員,教員など)に関する属性情報を提供することにより,学割サービスを実現するためのプロトコルゲートウェイの設計および試作について述べる.
著者
佐藤 周平 土橋 宜典 山本 強 安生 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.1-6, 2009-10-29

近年,流体シミュレーションに基づいた自然現象のシミュレーション手法が多く提案されている.その一つとして,爆発のシミュレーション手法が提案されているが,その形状は多くのパラメータに依存しており,ユーザの意図した形状を得ることは困難である.我々は,これまで,ユーザの指定した単一の目標形状に一致するよう爆発のシミュレーションを制御する手法の開発を行っている.本稿では,この手法を拡張し,複数の目標形状をキーフレームとして指定することで複数回の爆発の制御を可能とする手法の開発を目指す.提案手法により,異なる目標形状に制御された複数の爆発のシミュレーションを連続して行うアニメーションの生成が可能である.Recently, many simulation methods for natural phenomena based on fluids simulation have been proposed. A method for explosion is also proposed, but the shapes of the simulated explosions depend on many simulation parameters. Therefore, it is difficult to create a shape of explosion that users specified. In this paper, we propose a method for controlling explosion simulations to form shapes that users specified. The user specifies the multiple shapes of the explosion at several key frames. Using the proposed method, the animation of explosions controlled into specified shapes can be generated.
著者
緒方 英彦 高田 龍一 鈴木 哲也 山崎 大輔 佐藤 周之
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.405-409,a2, 2010 (Released:2019-01-08)
参考文献数
4

農業水利施設の機能保全では,それぞれの施設で異なる構造形式,供用される環境条件に応じた変状発生パターンに基づいて機能診断が実施され,施設特有の変状に即した対策工法が実施されなければならない。そのためには,表面変状だけでなく内部変状を的確に見極める変状認知力を持つことが必要になる。本報では,寒冷地にあるRC開水路を対象に,凍害による内部変状の発生パターンを採取したコアから考察するとともに,現地踏査(概査)でこの内部変状を推測する手段を述べる。また,RC開水路の凍害ひび割れ発生形態に基づいた対策工法について提言を行う。
著者
長谷川 雄基 小嶋 啓太 佐藤 周之 長束 勇
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.I_215-I_220, 2017 (Released:2017-11-08)
参考文献数
10

本研究では, 無機系材料の耐摩耗性の評価におけるサンドブラスト法の適用性を検討した.サンドブラストの基本的性能の評価として, 研磨材の粒径の差異が試験結果に及ぼす影響と試験時間の経過に伴う研磨能力の低下の有無を検証した.加えて, サンドブラスト法におけるモルタル供試体の表面形状, 質量減少量, 摩耗深さの経時変化を評価した.結果として, 材質が同じ研磨材を使用した場合, 研磨材の粒径の増大に伴い供試体の質量減少量は増加することが確認できた.一方, 本実験条件では, 試験時間840sまでは研磨能力は確実に低下しなかった.サンドブラスト法では, 試験時間の延伸に伴い結果のばらつきが拡大することが確認され, 試験時間10sと30sではばらつきの少ない結果が得られることが明らかとなった.サンドブラスト法の試験時間30sで得られる平均摩耗深さは, 水砂噴流摩耗試験の試験時間10hで得られる数値に相当することが確認された.
著者
長谷川 雄基 杉山 基美 佐藤 周之 野中 資博
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.333-340, 2012-08-25 (Released:2013-08-25)
参考文献数
7

農業用コンクリート開水路の一般的な補修工法として,表面被覆工法がある.本研究では,コンクリート水路におけるひび割れ幅の変動量を調査するとともに,耐アルカリガラス繊維ネットを用いた表面被覆工法のひび割れ拘束効果を検証した.調査の結果,同規模のコンクリート水路のひび割れ幅の変動特性は,無筋構造とRC構造で大きく異なることを確認した.とくに,無筋水路におけるひび割れ幅の季別の日変動量は,RC水路における季別の日変動量よりもはるかに大きくなった.両側面に背面土が存在しない小規模水路においては,東西方向に延びる水路であっても,水路の南面と北面のひび割れ幅の変動量は同程度であった.耐アルカリガラス繊維ネットを使用することで,表面被覆材にひび割れの変動を拘束する効果を付与することができ,表面被覆材の表面に発生するひび割れを抑制できることがわかった.
著者
佐藤 周友 朝倉 政典 木村 俊一 斎藤 秀司 山崎 隆雄
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

代数的な多様体(代数方程式で定義された図形)の上のベクトル束を調べる道具としてチャーン類というものがある。これはベクトル束がどれくらい(あるいは、どのように)ねじれているかをコホモロジーとよばれる線形空間の中で測る「物差し」である。本研究では、「そもそもチャーン類はどのようなコホモロジーの中で定義され得るのか?」という素朴な疑問から出発し、最小の条件(公理)を定式化した。さらにそのようなコホモロジーにおいてリーマン・ロッホの定理が実際に成り立つことも証明した。
著者
林 力丸 河井 昭治 佐藤 周一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

高圧分光学のうち、円偏光二色性(CD)のその場観察を行うための耐高圧セルを開発するため、石英光学セル、サファイヤ光学セル、人工合成ダイヤモンド耐高圧セルによるCD測定を検討した。これを用いてポリアミノ酸、各種タンパク質・酵素の円偏光二色性(CD)測定を高圧下で行った(「その場」観察)。特にαヘリックスやβ構造と共にタンパク質立体構造の耐圧力性を比較し、タンパク質構造形成の原理を解明することを目的にし、以下の結果を得た。1)高圧下(400MPa以下)でのCD測定を行うため、光学窓に石英とサファイヤを用いるセルを組み立て、紫外領域における測定限界の改良と、人工ダイヤモンド窓による光学セルを作成し、ダイヤモンドに含まれる不純物のCD測定に与える影響を検討した。その結果、近紫外CDの測定が可能なことを明らかにした。2)高圧下(500MPa)でポリグルタミン酸とボリリジンのαへリックスとβ構造の崩壊過程を観察するため、pH条件を酸性からアルカリ性に変化させて、pHと圧力の関係を測定した結果、ダイヤモンド窓は220nmに吸収があることがわかり、α、β両構造を明確に分離できなかった。3)リボヌクレアーゼAとカルボキシペプチダーゼYおよびそれらの1残基置換変異型酵素の圧力効果を解析し、タンパク質構造の圧力安定性を測定し、リボヌクレアーゼAのPhe120とカルボキシペプチダーゼYのシステイン残基の構造への寄与を明らかにした。4)ダイヤモンド窓をもつ耐圧セルにより、タンパク質の近紫外CDを測定し、圧力の三次構造に与える影響を解析した。特にリボヌクレーーゼAの280nm付近の高圧下のCDを測定し、この圧力変性が二状態遷移であることを明らかにした。