- 著者
-
前田 茂
中川 致之
- 出版者
- Japanese Society of Tea Science and Technology
- 雑誌
- 茶業研究報告 (ISSN:03666190)
- 巻号頁・発行日
- vol.1977, no.45, pp.85-92, 1977-03-31 (Released:2009-07-31)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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各種市販茶の総合的な理化学的分析を行い,製茶の種類による相違を検討した。1)下級煎茶,番茶,ほうじ茶にくらべ,玉露,上級煎茶が高濃度を示した化学成分は,全窒素,カフェイン,アミノ酸,灰分,リン酸,カリウムであった。2)アスコルピン酸は,煎茶,かまいり茶の上級品が多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。3)タンニンは,下級かまいり茶に多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。4)ヘッドガスクロマトグラフィーの結果,玉露,上級煎茶は,ジメチルサルファイドのピークが大きく,下級煎茶,番茶,ほうじ茶は,加熱臭と推定される,2一メチルプロパナールのピークが大きかった。5)色差計による測色値は,玉露は,マイナス側にとくに大きく,煎茶,かまいり茶は,比較的小さかった。この実験を行なうに当たり,ご助言,ご協力を仰いだ,農林省茶業試験場,原技官,久保田技官,岩浅技官,斉藤技官,阿南技官,天野氏に深く感謝します。