著者
前田 茂
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.57-70, 2001-09-30

Gilles Deleuze determine ses considerations sur le cinema, Cinema 1-L'image-mouvement : "[c] ette etude n'est pas une histoire du cinema. C'est une taxinomie, un essai de classification des images et des signes." C'est-a-dire que cette oeuvre n'est pas une pure application de l'epistemologie qui deroule de Matiere et memoire au cinema, mais une "classification" qui consiste d'echelonner des etres divers selon leur evolution. Nous en tirons la question qui oriente notre article : quelle est la liaison dans le cinema entre l'epistemologie des images cinematographiques et l'ontologie de ces images qui expliquerait leur evolution elle-meme? En effet, d'apres la definition de l'image chez Bergson, l'image cinematographique prend sa pleine et propre existence, et dans Cinema 2-L'image-temps qui en traite par rapport a la pensee, l'image-corps n'est pas consideree comme un des objet de la connaissance, ou le scheme qui la conditionne, mais une substance irreductible a la representation, qui nous force la pensee sans representation.
著者
柴田 義貞 山下 俊一 前田 茂人 本田 純久
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

低線量率放射線への長期被曝が人体に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、チェルノブイリ周辺地域住民における乳がん、甲状腺がん発生の実態について疫学調査を行った。1.乳がん乳がんの危険因子については、チェルノブイリ原発所在地のプリピャチ市を含む、チェルノブイリ30-km圏内からキエフ市に避難してきた、事故当時15-45歳の女性1997人(I群)と、事故以前からキエフ市に在住していた同年齢の女性1931人(II群)に対して、質問紙を用いて、月経・出産に関する因子、喫煙および飲酒状況、有病状況等についてウクライナ放射線医学究所と共同で調査し(I群は2003年、II群は2004年)、以下の結果を得た。I群はII群に比して、既婚の割合は小さく、離婚および死別の割合ならびに出産回数が有意に多く、閉経年齢も有意に高かった。乳がんの発生率に関しては、1982年から2001年までの20年間を4期間に分けて、ベラルーシ共和国における乳がんの年齢階級別発生率について、州別の期間間の比較および期間別の州間の比較を行った。乳がんの発生率は4期間を通じてMinsk市がほぼ全年齢階級でもっとも高く、その他の州の間には大差はなかった。また、それぞれの州では、ほぼ全年齢階級で乳がん発生率が期間を追って増加する傾向が認められた。現時点では、乳がん発生率に関して、放射線被曝の影響は認められなかった。2.甲状腺がん特定被曝集団の長期追跡調査を行い、国際甲状腺組織登録バンクの管理運営に参画し、収集した標本を基に各種免疫組織化学的解析および甲状腺がん関連遺伝子の解析を行い、次のような成果を得た。(1)ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の部分欠失や巨大欠損の詳細なプロファイル解析を行い、放射線被曝線量との相関関係を示唆するデータを得た。(2)新しいret/PTC遺伝子異常の再配列を発見した。(3)小児甲状腺がん組織を用いて分子生物学的解析を行い、BRAF異常に対する放射線の影響が否定的であることを示した。
著者
要 真理子 前田 茂
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

20世紀初頭に英国唯一の前衛芸術運動ヴォーティシズムを先導したウィンダム・ルイスが1940年代にメディア論におけるグローバリズムの先駆的思想を提示した経緯を明らかにし、そのうえで、今日のグローバリズムならびにナショナリズムの潮流を美学的/感性論的な観点から再検証する。これまでの予備的な研究を通じて、ルイスにおいては、未来派への不信感、ナチズムへの共感、そしてマーシャル・マクルーハンの「グローバル・ヴィレッジ」概念にも通じる思想には、共通する思想背景があることが明らかとなりつつある。政治学的には両立不可能にも見える以上の態度がいかにしてルイス個人において矛盾なく共存できたのかを明らかにする。
著者
前田 茂貴 井口 哲夫
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.63-75, 2011 (Released:2012-03-17)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

Neutron spectrum unfolding is a widely used technique for characterizing neutron fields for various types of reactor dosimetry, where the neutron spectrum is derived from integral measured data such as multiple-foil activation rates and moderated neutron detector counts. Many spectrum unfolding codes have been developed so far and their performances have been compared. However, a standardized metrology for neutron spectrum unfolding has not been satisfactorily established yet from the viewpoints of adequate selection and usage of unfolding codes, response function database and input data set preparation. This article reviews the present status of the neutron spectrum unfolding technique that is mainly related to reactor dosimetry with activation foils and discusses the validity of the solution spectra obtained from different unfolding codes under a typical fast reactor neutron field. The results show that the solution spectrum strongly depends on a priori (i.e., guess) spectrum required for the input data as well as the theoretical assumption in each unfolding code. The issues that must be resolved to improve the accuracy of reactor dosimetry are summarized for the a priori input spectrum, the nuclear database, and the standardization of the unfolding procedure.
著者
前田 茂 中川 致之
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1977, no.45, pp.85-92, 1977-03-31 (Released:2009-07-31)
参考文献数
18
被引用文献数
6 12

各種市販茶の総合的な理化学的分析を行い,製茶の種類による相違を検討した。1)下級煎茶,番茶,ほうじ茶にくらべ,玉露,上級煎茶が高濃度を示した化学成分は,全窒素,カフェイン,アミノ酸,灰分,リン酸,カリウムであった。2)アスコルピン酸は,煎茶,かまいり茶の上級品が多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。3)タンニンは,下級かまいり茶に多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。4)ヘッドガスクロマトグラフィーの結果,玉露,上級煎茶は,ジメチルサルファイドのピークが大きく,下級煎茶,番茶,ほうじ茶は,加熱臭と推定される,2一メチルプロパナールのピークが大きかった。5)色差計による測色値は,玉露は,マイナス側にとくに大きく,煎茶,かまいり茶は,比較的小さかった。この実験を行なうに当たり,ご助言,ご協力を仰いだ,農林省茶業試験場,原技官,久保田技官,岩浅技官,斉藤技官,阿南技官,天野氏に深く感謝します。
著者
星野 智 大川 真一郎 今井 保 久保木 謙二 千田 宏司 前田 茂 渡辺 千鶴子 嶋田 裕之 大坪 浩一郎 杉浦 昌也
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.130-135, 1992-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
17

悪性腫瘍の心転移はまれでないが生前診断は困難なことが多い.今回剖検例にて発見された転移性心腫瘍につき臨床病理学的検討を行った.1980年から1987年の連続剖検2,061例のうち肉眼的に転移性心腫瘍の認められた64例を対象とした.年齢は55歳から93歳(平均76.6歳),男39例,女25例であった.全悪性腫瘍は845例であり,心転移率は7.6%であった.原発巣は肺癌34例が最も多かった.心転移率は肺癌,胃癌などが高かったが,消化器癌では低かった.転移部位は心膜81.3%が最も多く,心内膜へ単独に転移した例はなかった.心膜へはリンパ行性転移が多く,心筋へは血行性転移が多かった.特に肺癌は心膜の転移,心房への転移が多い傾向にあった.心単独の転移はまれで55例は他の臓器へ転移が認められ,肺,肝,胸膜,骨に多かった.心電図異常所見は95%にみられたが,転移部位による特異性は認められなかった.しかし心膜転移例で心膜液量増加に伴い低電位差と洞頻脈が高率に出現してきた.悪性腫瘍を有する患者では常に心転移を念頭におき,注意深い臨床観察が必要である.
著者
樋口 仁 若杉 優花 川瀬 明子 前田 茂 宮脇 卓也
出版者
一般社団法人 日本歯科麻酔学会
雑誌
日本歯科麻酔学会雑誌 (ISSN:24334480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.81-96, 2021-07-15 (Released:2021-07-15)
参考文献数
19

【要約】 緒言 : アーティカイン塩酸塩 (アルチカイン塩酸塩) は, 歯科治療に際して世界的に広く使用されているアミド型の局所麻酔薬であるが, 現在日本では薬事承認を受けていない. そこで本邦での歯科用アルチカイン製剤 (OKAD01) の導入を目指し, OKAD01を日本人の口腔粘膜下に投与した際の安全性および血中薬物動態を検討するため, 日本人を対象としたOKAD01の第Ⅰ相試験を行った. 方法 : 健康な日本人成人男性を対象とした. OKAD01 1カートリッジ (1.7ml) および3カートリッジ (5.1ml) を口腔粘膜下にそれぞれ6名ずつに投与した. OKAD01投与前, 投与終了15, 30, 60分後, および2, 4, 12, 24時間後の血漿中アルチカイン濃度の測定を行った. またOKAD01投与前, 投与後に臨床検査, バイタルサインなどの測定を行い, OKAD01投与による有害事象を検討した. 結果 : 1カートリッジ群の薬物動態パラメータ値 [平均値±標準偏差 (最小値-最大値)] は, 最高血中薬物濃度 (Cmax) が374.35±97.65 (252.7-514.5) ng/ml, 最高血中薬物濃度到達時間 (Tmax) が0.25±0.00 (0.25-0.25) hであった. また3カートリッジ群では, Cmaxが694.00±175.23 (517.9-970.4) ng/ml, Tmaxが0.42±0.13 (0.25-0.5) hであった. 有害事象は1カートリッジ群に 「頭痛」 が1件認められたが, OKAD01との因果関係はなしと判断された. 結論 : OKAD01を日本人の口腔粘膜に投与した際のCmaxは, 本治験の安全域とした5.0 μg/ml未満であることが確認された. また, OKAD01に関連した有害事象は認められず, OKAD01は, 20歳以上の健常日本人男性に対して忍容性が認められ, 安全性に問題はないと考えられた.
著者
前田茂己
出版者
シャ-プ研究開発本部
雑誌
シャープ技報
巻号頁・発行日
no.72, 1998-12
著者
金子 康智 渡邉 敏生 前田 茂稔 鷲尾 宰司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.17-00184-17-00184, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
22
被引用文献数
3

Although bladed disks of turbomachinery are nominally designed to be cyclically symmetric (tuned system), the vibration characteristics of all blades on a disk are slightly different due to the manufacturing tolerance, the deviation of the material property, the wear during operation, and so on. These small variations break the cyclic symmetry, and split the eigenvalue pairs. The actual bladed disks with the small variations are referred to a mistuned system. Many researchers have studied mistuning, and main conclusions are while mistuning has an undesirable effect on the forced response, it has a beneficial (stabilizing) effect on the blade flutter (the self-excited vibration). Although such mistuning phenomena of bladed disks have been studied since 1980s, almost all studies focused on the amplification factor of the displacement response, and few studies researched the amplification factor of the vibratory stress response. Therefore, in the previous paper, authors studied the amplification factor expressed by the vibratory stress for the lower modes of the bladed disk, using the simple assumption. In this study, the mistuning effect expressed by the vibratory stress for the lower and higher modes are examined, using the reduced order model without any assumptions. First, formulation for evaluating the mistuning effect expressed by the vibratory stress is derived, using the reduced order model SNM (Subset of Nominal Modes). Second, the frequency response analysis of the mistuned simple bladed disk consisting of flat plates is carried out systematically. Finally, comparing the amplification factor of the displacement response with that of the vibratory stress response including the synthesized stress (Mises stress and the principal stress), mistuning phenomena expressed by the vibratory stress are clarified.
著者
前田 茂 要 真理子
出版者
京都精華大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1920年代を通じて、英国のモダニズム批評は、新しいメディアである映画を扱い始め、それにより、文学と絵画を前提とする以前の美学と批評論は、新たに練り直されねばならなかった。この練り直しは、1930年代に入りロシア由来のフォーマリズム映画批評が紹介され、以降の映画研究における主流となっていくにつれ、ほとんど無視されてきた。こうした傾向に抗して、本研究では英国の批評動向における上記の部分に光を当て、現代の批評理論へのその有効性を検討することを目指した。その結果、ヴァ-ジニア・ウルフやウィンダム・ルイスらの言説の中に「時間感覚」と呼べるものが言及されるようになった事実を明らかにした。
著者
前田 茂人 林田 直美 メイルマノフ セリック 清水 一雄 兼松 隆之 林 徳真吉
出版者
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2007年から2009年の3年間にかけて、セミパラチンスク(カザフスタン)の核実験場近くのセミパラチンスクがんセンターおよびセミパラチンスク医科大学にて、甲状腺癌および乳癌に対する外科的医療支援を行った。同地域では、1949年から1989年まで489回にもわたる核実験が行われており、2009年は核実験が閉鎖されて20年となる年である。甲状腺癌および乳癌の標準的診断および外科治療が施行されるように、インターネット教育および現地での実践を行った。特に甲状腺癌外科治療おいては、頸部リンパ節郭清の概念および手技の導入が現地外科医になされたと考えられた。