著者
藤原 聡子 月澤 美代子
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 = Journal of the Japanese Society for the History of Medicine (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.49-64, 2014-03

精神予防性無痛分娩法はパブロフの高次神経活動学説を応用して考案され、1951年にソビエト社会主義共和国連邦で国策となった「薬物によらない無痛分娩法」の一つである。1952年に中華人民共和国に伝わり、1953年に菅井正朝が帰国のさい日本に持ち帰り、日本赤十字社本部産院長久慈直太郎により同産院にて導入された。菅井正朝ら産科医師と助産師の研究チームを中心とした本部産院・大森赤十字病院における精神予防性無痛分娩法の実践は、産前教育において妊婦の自律を育成する、施設における正常分娩の妊婦管理法の創出に貢献した。(著者抄録)
著者
友寄 龍太 大屋 祐輔 國場 和仁 崎間 洋邦 山城 貴之 普久原 朝規 宮城 朋 波平 幸裕 城間 加奈子 石原 聡
出版者
一般社団法人日本脳神経超音波学会
雑誌
Neurosonology: 神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.47-50, 2018

We report two cases of stroke with calcified cerebral emboli (CCE). Case 1 was a 76 years old woman who experienced stroke with right hemiplegia. Non-contrast enhanced cranial computed tomography (CT) and magnetic resonance imaging on admission showed acute stroke and CCE in the branches of the left middle cerebral artery (MCA). A calcified plaque was seen as mitral annular calcification (MAC) on echocardiography. No other plaque was seen on echo and CT, so we identified MAC as the source of the emboli. Case 2 was 92 years old woman who experienced stroke with right hemiplegia and disturbance of consciousness. Non-contrast enhanced CT showed acute stroke and CCE in the branches of the MCA and a chest CT showed aortic arch calcification. We identified as aortic arch calcification as the source of the emboli. In these cases, ultrasound examination and CT were useful for the diagnosis of CCE. Since CCE is difficult to diagnose, further investigations are recommended.
著者
稲垣 景子 佐土原 聡
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.21, no.49, pp.1153-1156, 2015-10-20 (Released:2015-10-20)
参考文献数
2
被引用文献数
2

Energy and water supply services are important for life and business continuity and disaster recovery. This study presents an outline of the investigation about building power equipment, problems faced, and correspondence during the rolling blackouts following the power shortage after the 2011 Great East Japan Earthquake. The subjects of the study were approximately 100 disaster base hospitals, all of which have non-utility generation facilities in the Greater Tokyo Area. The results of this research provide a basis for future building equipment design for disaster mitigation.
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.3I4OS14b1i, 2018-07-30

<p>本研究では,Twitterにおけるデマ・流言問題に着目し,デマならびにデマの訂正情報の拡散の仕方を4つのクラスに分類する.デマの拡散に対し,病気の感染モデルとして有名なSIRモデルに基づく「デマ拡散SIR拡張モデル」を提案し,東日本大震災における実際のデマ拡散が再現できるかを検証した.その結果,デマならびにデマの訂正情報の拡散がそれぞれ1回のピークを持つ事例において再現可能であることを確認した.</p>
著者
佐藤 季久恵 坂井 栞 高屋 英知 山内 和樹 大矢 隼士 栗原 聡
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

私たちは日常生活をおくる上で「空気を読むこと」について意識しないことはない.「空気」というものには実態がないが,日本人は度々物事の決定を「空気」に委ねることがある.よって場の「空気」である場の雰囲気をデザインするということが非常に重要になってくる.我々は中でもBGMに着目した.BGMには人をリラックスさせる感情誘導効果や店の雰囲気を明るくするようなイメージ誘導効果などがあり,大きな労力を必要とすることなく空間の雰囲気を変えることが可能である.本研究では,店舗の雰囲気を反映したBGMを推薦するシステムの構築を行う.撮影された店舗内動画に異なる環境音を組み合わせ,仮想店舗動画を作成する.その動画に対しラベル付けしたものを正解データとして学習を行う.楽曲に対しても同様のラベル項目を使用し,学習を行う.店舗内動画との類似度が高いものを推薦し,店舗の動画に対して適切であるかの評価実験を行った.
著者
坪井 一晃 須賀 聖 栗原 聡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

自宅やオフィス,そして通勤といった日常での行動様式や,店舗における曜日や季節,そして立地条件による商品の売れ方などには,様々な時空間的粒度の階層を内包するパタンが含まれているが,通常は階層ごとの分析であったり,どのような階層構造を持つかを事前に与えてしまうことが多い.そこで,本研究では群知能型手法を用いて,時系列データから階層構造とパタンの両方を自動的に抽出する手法を提案する.
著者
川口 正太郎 梁木 俊冴 池田 圭佑 伊藤 千輝 栗原 聡 荒牧 大樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

現在, オフィス内にオープンスペースを設ける会社が増加している.ヒト・モノ・情報が接する場を社内で設けることでイノベーションの創出を目指している.しかし, 現在のところオープンスペースの使用状況がわからないため効率的な利用ができていない.本研究は, オープンスペースに設置した各種センサから利用状況を把握することで, オープンスペースの効率的利用を促す方法を提案する.
著者
岡原 聡 奥田 邦晴 谷村 広大 島 雅人 片岡 正教 岡崎 由 宮垣 慶子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】我々が提唱する福祉型植物工場は,軽負荷かつ坐位での農作業が可能になるため,高齢者の就労年齢の延伸化に貢献するとともに障がい者,特に低賃金かつ就職難にある重度障がい者にも雇用促進,職域拡大,就労賃金の向上を図れる可能性がある。さらに植物工場の特徴として,室内環境で設置場所を自由にできることから都市部の高齢者や障がい者が暮らすコミュニティで事業展開できるため,アクセシビリティーの面からも注目を集めている。第48回全国理学療法学術大会では,リフトロボットを活用した完全人工光型植物工場における作業環境のユニバーサルデザイン化により,高齢者や障がい者の坐位作業での就労の可能性を示した。その後,奥行きが少ない縦50cm×横50cmに縮小した特製の定植板トレーや特製作業棚の開発,農業資材の導入など,作業環境の整備を進めている。一方,上肢を空間位で保持した肢位での作業が強いられることにより肩関節や頸部周囲筋群の活動が高まり,上肢負担が課題となっている。そこで本研究では,植物工場における頚髄損傷者の就労を目的とし,アシストシステムの一部に「グレイパー」という既存のブドウ収穫時の上肢アシスト機器を使用することで,坐位作業の上肢筋活動の軽減が可能であるかを検討した。【方法】対象は,男性頚髄損傷者3名(Zancolliの分類:C6A,BI,BIIの各レベル1名),平均年齢34±10歳であった。作業課題は,縦50cm×横50cmに9つの穴を空けた特製の定植板トレーを用い,9つの苗を植える「定植」を行わせた。植物は本学の植物工場研究センターで実際に育成している定植用の苗(約10g)を用いた。作業は事前に十分な説明を行い,植物を丁寧に扱うよう指示を与え,作業速度は任意で実施させた。測定条件は,上肢アシスト機器の有無による2条件とし,ランダムに実施した。なお,作業環境は対象者が日常生活で使用している車椅子を用い,作業台の高さを70cm,作業台と体幹の間隔を15cmに設定した。筋活動は,表面筋電計(Noraxon社製)を用い,作業中の筋電図電位をサンプリング周波数1.5kHzで記録し,作業開始から作業終了までを解析区間とした。対象筋は,農作業に伴う筋骨格系障害が上肢に出現することから,対象者の残存筋のうち,利き手側の僧帽筋,大胸筋,三角筋前部,三角筋中部,上腕二頭筋の5筋とした。測定波形は整流化し,各筋の最大随意収縮(Maximum Voluntary Contraction:MVC)を基準に正規化(%MVC)し,2条件における作業全体の平均%MVCを求め比較した。また,上肢アシスト機器有りでの平均%MVCを上肢アシスト機器無しでの平均%MVCで除し,最も軽減される筋の抽出を行った。【倫理的配慮,説明と同意】研究倫理審査委員会の承認を得た後,対象者に本研究の目的および内容について十分に説明し同意を得た。【結果】作業全体における平均%MVCは,僧帽筋,大胸筋,三角筋前部,三角筋中部,上腕二頭筋の順に,上肢アシスト機器無し条件では12.5±2.2%,14.9±10.7%,8.8±4.8%,6.4±3.3%,1.2±0.5%であり,上肢アシスト機器有り条件では10.4±2.3%,14.2±9.1%,7.7±3.6%,5.3±2.1%,1.2±0.7%であった。また,上肢アシスト機器有りは無しに比べ,作業中の平均%MVCが僧帽筋において最も軽減した。【考察】本研究により,上腕三頭筋の麻痺を有する第6頚髄損傷者でも植物工場の作業遂行が実用レベルで可能であることが分かった。また,定植作業時には僧帽筋と大胸筋の平均%MVCが10%を超えており,上肢アシスト機器を使用することで僧帽筋の活動量が軽減することが明らかとなった。福祉型植物工場におけるアシストシステムは,完全な自動化やロボットのようなものではなく,あくまでも働き手が坐位でも主体的に,そして可能な限り手動操作を基本として作業できる上肢の負担軽減機能を搭載することにより,個々人が有する能力や潜在能力を引き出し,筋骨格系障害を予防しつつ作業効率を維持できること目指している。今回使用した「グレイパー」は,形状記憶合金を用いているため上下・前後への作業時に下方からの柔軟な支えが可能でありつつ,支柱固定部が回旋を妨げないため,作業範囲が横70cm×奥行き50cm必要である定植作業においても下方からの上肢支持が可能であった。一方,形状記憶合金の元の形に戻ろうとする力が,上肢挙上位からの肩関節伸展・内転時の抵抗になり,大胸筋の筋活動が高まる場面もみられ,就労に活用するには習熟が必要であることが分かった。【理学療法学研究としての意義】頚髄損傷者の身体特性を捉えた理学療法学研究により,重度身体障がい者の農業分野への就労支援に寄与するとともに,労働者の筋骨格系障害の予防や作業効率を維持できる就労環境を整え,豊かな暮らしを支える一助になり得る。
著者
高田 敏弘 青柳 滋己 栗原 聡 光来 健一 清水 奨 廣津 登志夫 福田 健介 菅原 俊治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.115, pp.169-176, 2002-11-28
参考文献数
18
被引用文献数
2

本論文は,入出力機構を持ち現実空間に遍在する実体を基本構成要素とするシステム・プラットフォーム,Organic Entia について述べる.本システムは,実空間中の物体に起因する情報を主な対象としたアプリケーションの構築と,その際の自律構成を第一の目標に置く。更に本システムを基盤として,実空間中の環境データと人とを結ぶHuman-Environment Interface を確立することを目指している.本稿の後半では,Organic Entia の実現の基盤となるロケーションモデル,cell-proximity model を紹介する.In this paper, we propose Organic Entia, an open architecture for real-space com-puting.It focuses on objects in real-space rather than information in digital (cyber) space. The key requirements for this system are ability to handle location infor-mation without pre-configuration and to implement interfaces between real-space objects and people. We also introduce a novel location model based on cells and proximity measure.
著者
佐藤 季久恵 高屋 英知 小川 亮 芦原 佑太 栗原 聡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

交通渋滞の解消における主な取り組みであるナビゲーションと信号機制御において,今回は後者について深層学習を用いる手法を提案する.これまでにもGAやマルチエージェント等による手法が提案されているが,交通状況の特徴をいかに抽出するかが課題となっている.そこで,高い特徴抽出能力を持つ深層学習と,報酬に基づいた最適な行為を学習する強化学習を組み合わせたDeep Q-Networkを用いた制御手法を提案する.
著者
芦原 佑太 大澤 正彦 島田 大樹 栗原 聡 今井 倫太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

前頭前野は,多くの脳領域の抑制・脱抑制や調停を行う機能を持つと考えられている.また,Accumulatorとして動作する神経細胞は前頭前野においても発見されており,特に自発的な運動の開始に関与しているという主張が報告されている. 本研究ではこれまで前頭前野に関して報告されている知見を参考に,Accumulatorモデルを用いて複数の機械学習器を調停する階層型脱抑制システムを提案する.
著者
相原 聡
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.320-326, 2006-10-25 (Released:2011-02-17)
参考文献数
17

単板式の超小型・高精細カラーカメラを目指して, 光の3原色それぞれにのみ感度を持つ有機光電変換膜を積層した単板カラー撮像デバイスの研究に取り組んでいる. セルを用いた実験では有機材料を選択することで光の3原色にほぼ対応した感度を持つ有機光電変換膜が作製できることを確認し, 有機光電変換膜を適用した撮像管による動作実験ではハイビジョンにも対応可能な高い解像度が得られることがわかった. さらに, 有機膜を1枚積層したCMOSイメージセンサを試作し特性評価を行ったところ, 有機膜で生成された電荷による明瞭な信号出力電圧が観測され, 有機材料を光電変換部に適用した積層型単板カラー撮像デバイスの開発に見通しを得ることができた.
著者
中瀬 絢哉 栗原 聡 森山 甲一 清川 清 沼尾 正行 雄山 真弓
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

アンビエント環境では、人の行動をセンサネットワークで検出するだけでなく、環境からの人に応じた能動的なインタラクションが重要な機能である。 本研究では、日常でのそれぞれの人に適したインタラクションの獲得のための強化学習法を提案する。今回はバイタルセンサを用いてユーザの状態を分類し、提案手法の性能を実験によって示す。