著者
佐藤 和宏 市瀬 龍太郎 栗原 聡 相澤 彰子 沼尾 正行
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.139, 2009 (Released:2009-12-15)

科学研究費の申請データを解析した結果について,報告する.本研究の目的は,研究助成金申請データから研究分野間の関係性を抽出する手法を,研究領域の時系列変化の解析と予測に応用することである.従来,学術研究の動向を調べる研究としては,論文のデータを用いる事が一般的であった.しかし論文を用いる方法には,研究分野によってバイアスがかかるという問題がある.これに対し著者らは,研究分野間の関係性の抽出に研究助成金申請データを用いることを提案し,その有効性を2005 年度の科研費申請データを用いて示した.本論文では,その手法を複数年度のデータに対して適用し,研究領域の時系列変化の解析と予測を行った結果について説明する.解析結果として,時系列変化の抽出に対する有効性を示唆する結果が得られた.予測もある程度は可能であったが,解決すべき課題が多く残っている.
著者
古屋 貴司 前村 恒 朴 英眞 佐土原 聡
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.15, pp.171-174, 2004-11

In addition to local police departments, many people have become concerned with the recent increase in nonviolent criminal activity within Japan. The purpose of this research is to explain trends in Japanese crime by visualizing relationships between crime-ridden areas and the characteristics of the surrounding environment.
著者
上原 聡
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-14, 2010-10-25

消費者行動研究では、消費者をコンピューターに見立てた情報処理アプローチが1970年代における主要な研究パラダイムであった。情報処理アプローチのような、認知過程を中心に展開された消費者意思決定モデルの中では、感情は認知過程の付随的要素として扱われてきた。しかし、さまざまな領域で感情の研究が進展したことを受け、1980 年代から現在にかけて、消費者行動研究のテーマとしての感情研究の重要性は徐々に高まっている。 このように、感情研究の重要性は認められてはいるが、その機能および構造が体系化された先行研究がみられないことが問題点として指摘できる。 そこで本稿の目的は、人間が日常的に行う社会的判断(意思決定)に焦点を絞り、感情を考慮した消費者行動研究を拡充していくための理論的基盤として、感情がどのような機能を果たしているか、さらに、感情をどのような構造として理解すべきかを解明することにある。そして、感情の機能と構造を解明するために社会心理学や感情心理学の知見を導入している。 結論として、感情構造を「快楽-覚醒」の2 軸により分類し、これにポジティブ感情とネガティブ感情を対応させ、それぞれをムードと情動に区分した上で、4 つの感情タイプ別に感情機能を説明することができた。最後に、この仮説を裏づけるため、社会的判断の場面である購買行動について実際にフィールド調査を実施し、データによる実証分析から、選択され易い認知処理方略を含む購買行動特性を感情タイプ別に明らかにしている。
著者
内田 直希 松澤 暢 三浦 哲 平原 聡 長谷川 昭
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.287-295, 2007-03-25 (Released:2013-08-05)
参考文献数
26
被引用文献数
4

Spatio-temporal distribution of quasi-static slip on the plate boundary east off Miyagi and Fukushima prefectures, NE Honshu, Japan is estimated by using small repeating earthquake data. The analysis of small repeating earthquakes has advantages of relatively high spatial resolution, especially near the trench, and the availability of long-term data (22 years) compared to GPS data. The results show that the repeating earthquakes are distributed outside the coseismic slip areas (asperities) of large earthquakes, showing that fault creep is dominant outside the asperities. The cumulative slip (slip histories) of small repeating earthquake groups reveal the existence of many non-steady aseismic slip events. Most of the episodic quasi-static slip events are associated with M≥ 6 earthquakes and they are frequently seen in the areas near the Japan trench in particular. Minor afterslip (∼15cm) of the 2005 Miyagi-oki earthquake (M7.2) is also estimated in the area which encompasses the coseismic slip area of the 2005 earthquake.
著者
関 瀬利 関 真美子 萩原 聡子 八重樫 昌也 手島 健次 浅野 和之 山谷 吉樹
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-5, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

頸部のオンコサイトーマと診断された10歳齢の避妊雌のスピッツが腫瘤再発の精査のために紹介来院した。胸部X線検査で肺水腫が確認され、症例はその検査時に重度の呼吸困難を呈し始めた。挿管し、陽圧換気と呼気終末陽圧を実施したところ、第2病日後に肺野の浸潤陰影が消失した。頸部腫瘤に関連した陰圧性肺水腫が示唆され、切除不可能な腫瘤によって生じた上部気道狭窄を緩和するために永久気管開口術が実施された。犬は第13病日に退院し、術後312日まで生存した。
著者
古屋 貴司 佐土原 聡
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.4, pp.255-260, 2002-11
被引用文献数
1

The mitigation of casualties from the earthquakes are one of the most important topics in the prevention countermeasure. The casualty relate to building damages. However, not only that but also other many factors such as time, human characteristics, regional characteristics and rescue influences. It is necessary to clarify the effect of each of them. In this research, the regional characteristics about the rescue activities from a wooden collapsed house was clarified. And the estimated intensity map shows that the most dangerous zone is located in east. The final subject of this study is to clarify relation between "the time" and "the probability of survival", and arrange the rescue tools effectively as the prevention countermeasure.
著者
藤井 智巳 菅原 準二 桑原 聡 萬代 弘毅 三谷 英夫 川村 仁
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.227-233, 1995-08
被引用文献数
15

外科的矯正治療が反対咬合者の顎口腔機能, 特に咀嚼リズムに及ぼす長期的効果について横断的に評価した.研究対象は, 初診時に外科的矯正治療を要する反対咬合者と診断され, 治療後5年以上経過した28症例(術後群)である.対照群として, 未治療反対咬合者23例(術前群)と正常咬合者22例(正常咬合群)を用いた.なお術後群については手術法による差異を知るために, 下顎単独移動術を適用した13例(One-Jaw群)と, 上・下顎同時移動術を適用した15例(Two-Jaw群)とに区分した評価も行った.咀嚼リズムは下顎運動測定装置(シロナソグラフ・アナライジングシステムII)を用いて測定した.本研究の結果は以下のとおりであった.1. 術後群の開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, 咀嚼周期は, いずれも術前群および正常咬合群との間に差が認められなかった.2. 術後群の咀嚼周期の変動係数は術前群と比べ小さい値を示し, より安定した咀嚼リズムを示していた.また術後群の開口相時間, 閉口相時間, 咬合相時間, 咀嚼周期の変動係数はいずれも正常咬合群との間に差が認められなかった.3. One-Jaw群とTwo-Jaw群とも咀嚼リズムはほぼ同様の値を示し, 術式や外科的侵襲の程度による差異は認められなかった.本研究の結果から, 外科的矯正治療による顎顔面形態の改善と咬合の再構成が, 長期的術後評価において, 咀嚼リズムの安定化に寄与していることが示唆された.
著者
高原 浩 高原 聡
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.22-27, 2013 (Released:2013-01-31)
参考文献数
22

症例は31歳の女性.昼食でサバの刺身を食べ,その翌朝4時頃より腹痛,悪心を認め来院した.超音波検査で,骨盤腔に腹水があり,小腸壁の肥厚が認められた.上部消化管内視鏡で異常はなく,経口的消化管造影で,回腸の異常拡張と,それに続く肛門側回腸の狭窄,拇指圧痕所見をみとめた.経肛門的ダブルバルーン内視鏡で,大腸には異常がなかったが,回腸粘膜は終末部より著しい浮腫状を呈し,深部回腸にアニサキス虫体を発見し,生検鉗子により摘出した.腹痛は急速に消失し,腹水も二日後にはほとんど消失した.本症例は小腸アニサキスを小腸内視鏡で発見し摘出し得た初めての報告例であると考えられた.
著者
松本 光弘 清原 良三 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.126, pp.53-56, 2008-12-10
被引用文献数
1

近年,携帯電話は高機能化しており,様々なアプリケーションを利用することができる.その一方,多くのアプリケーションの中から必要なものを選択する必要があり,携帯電話の操作は複雑になっている.しかしながら,携帯電話はユーザが素早く且つ手軽に所望のアプリケーションを利用できることが非常に重要である.一方,携帯電話の利用に関して,ユーザは時刻や位置,それまでの操作の状況や日々のスケジュールなどの,様々な外的要因に依存して利用する傾向がある.このような外的要因に基づく携帯電話の特徴的な利用パターンを抽出できれば,ユーザが所望するアプリケーションを予測することができる.本論文では,時空間的利用履歴を基にしたアプリケーション推薦するシステムを構築し,頻度のみを用いたアプリケーション推薦システムと比較することで,本システムの評価を行った.Recently, cellular phones are made high performance, because they provide with various application. On the other hand, a user must select the application one wants to use from among a complex application menu structure. A cellular phone might be used in various contexts and, therefore, it is very important that users can find the desired application easily and quickly. Besides, users use some applications depending on a variety of external factor(e.g. time, location, process of operation and dairy schedule et.al). Hence, there are some patterns in our daily behavior. So, if the habitual operation patterns can be extracted, this means that we can predict the operation of cellular phone. In this paper, we built an Application Recommendation System Based on Temporal-spatial History Log, and compared with a conventional frequency based application recommendation system.
著者
宮崎 武 荒木 俊輔 上原 聡 今村 恭己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.396, pp.29-33, 2005-11-08

情報セキュリティ技術の様々なシステムにおいて、組み込まれた擬似乱数生成器の乱数出力を攻撃者が予測できないという擬似乱数の安全性はシステム全体の安全性を保つ上で重要である。その安全性を評価する場合、擬似乱数が予測できない値を出力していることを確かめるため、擬似乱数の統計的性質を調べる乱数検定を行うことが一般的である。しかし、統計的性質だけでは擬似乱数の安全性を評価できない。本稿では、擬似乱数の乱数検定とは異なる安全性評価の一つとして、全数探索攻撃に耐性がある乱数種の選択範囲(乱数種長)を考える。攻撃者が想定できる情報を元に、全数探索攻撃によって乱数種を求める計算量を考え、これをブロック暗号の鍵を全数探索攻撃する計算量と比較することで評価する。この実例として、ロジスティック写像による擬似乱数生成器について、短い長さしか持たない乱数種への全数探索攻撃実験を行う。そして、この攻撃に耐性のあるようにするには、乱数種長を最低限どの程度にする必要があるのかを、この結果から推測する。
著者
松原 聡 山口 翔 岡山 将也 池田 敬二
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.77-87, 2012-12-25

2010年代に入り、日本でも、電子書籍が普及し始めた。電子書籍では、コンピュータによる音声読み上げ技術 (TTS) を使うことで、音声で書籍の内容を聞くことが可能になる。このことは、視覚障害者に、読書の道が開かれることを意味する。しかし、日本においては、音声読み上げ対応の電子書籍はまだわずかしかない。<br>紙の書籍による読書が困難なのは、視覚障害者だけではない。読字障害者 (ディスレクシア)、身体障害者などの読書障害者ともいうべき者や、健常者であっても、指先をケガしてページをめくれない者、老眼が進んだ者なども含んだ読書困難者、さらには満員電車の中で、イヤフォンで読書をしたいというニーズもある。<br>こういった広範なニーズを踏まえて、政府は、すでに発足した出版デジタル機構などを通じて、積極的に、音声読み上げ対応の電子書籍の普及に取り組む必要がある。