著者
小出 昌秋 渡邊 一正 神崎 智仁 植田 ちひろ 岡本 卓也 古田 晃久 森 善樹 中嶌 八隅 金子 幸栄 井上 奈緒 村上 知隆
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

【背景】成人先天性心疾患に心房細動(AF)を合併するケースが少なくない。AFは放置すれば脳梗塞のリスクとなるため、可能であれば積極的に治療することが望ましく、当院では以前より積極的にメイズ手術を行っている。【目的】当院におけるメイズ手術の成績について報告する。【対象と方法】2000年1月~2014年12月に経験した成人先天性心疾患手術88例(平均年齢40.5±17.2歳)を対象とし後方視的に検討。メイズ手術はCox Maze IIIに準じてCryoとRFにて行った。【結果】88例中21例(23.9%)に術前AF(慢性または発作性)を合併しており、AF合併例の平均年齢は55.7±15.6歳でAF非合併例の35.7±14.8歳と比較して有意に高齢であった。AFは慢性12例、発作性9例であった。AF合併例の心内病変はASD 6例、ASD+TR±MR4例、VSD1例、術後残存ASD1例、AVSD術後MR3例、VSD術後TR1例、TOF術後PR±MR2例、PPA術後1例、MR1例。全例で右房拡大を認め、左房径も43.9±10.5mmと拡大傾向がみられた。21例中初期の2例とAtrial Standstillであった1例を除く18例に対してメイズ手術を行った。手術死亡なし。メイズ術後観察期間平均36.0ヶ月(1~101ヶ月)で、1例で術直後からATが持続して術後5ヶ月でカテーテルアブレーションを行い洞調律に復帰。1例で術直後洞不全ありAAI PM植込み施行。1例で術後7年目に心房粗動となりカテーテルアブレーションを計画中。残りの15例では洞調律を維持しており発作性AFの出現もなかった。AF症例でメイズ手術を行わなかった3例のうち1例が術後遠隔期に脳梗塞を発症し死亡した。【考察】成人先天性心疾患手術症例の約1/4にAFを合併しており、メイズ手術を行った全例でAFは消失した。術後上室性不整脈に対してはカテーテルアブレーションやペースメーカーで対処することが有効であった。AFを合併した成人先天性心疾患症例に対するメイズ手術の成績は良好であり、積極的に行うべきであると考えられた。
著者
清水 嵩之 古川 慎哉 藤岡 燿祐 金本 麻友美 玉井 惇一郎 梅岡 二美 宮岡 弘明
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.672-679, 2022-12-30 (Released:2022-12-30)
参考文献数
33

症例は50歳代男性.X-9年に2型糖尿病と診断され治療中であった.X-5年8月に左尿管癌,多発リンパ節転移と診断され治療を開始し,2次化学療法としてX-1年11月から抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ)を開始.X年2月下旬より食欲低下を認め,口渇,吐き気も出現したため3月初旬に当院を受診.血液検査で糖尿病性ケトーシスと診断し同日入院.空腹時血清Cペプチドは1.1 ng/mLから0.3 ng/mLに低下し,入院後補液とインスリン持続静脈注射を行い入院18日目に退院した.発症後2年経過したが,インスリン分泌は低下したままである.本症例は抗PD-1抗体投与後に内因性インスリン分泌が急激に低下したことから,抗PD-1抗体投与に伴う1型糖尿病と診断した.抗PD-1抗体投与中は慎重にケトーシスおよびケトアシドーシスを疑う症状の有無を確認し,高血糖を認めた場合には内因性インスリン分泌の評価を行う必要がある.
著者
古谷 陽一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.339-344, 2017 (Released:2018-02-07)
参考文献数
15

当帰芍薬散加地黄に相当するエキス製剤2剤の併用が有効であった16症例を経験したので報告する。全例女性で年齢の中央値35.5歳(範囲22-62歳),疾患は不妊症5例,皮膚疾患5例,婦人科疾患2例,冷え症2例,オトガイ神経知覚異常と倦怠感それぞれ1例。全症例で当帰芍薬散証に強い血虚を認めていた。不妊症5例は全て治療1年以内に妊娠した。他疾患は症状の程度が初診時の半分以下までに軽減した。掌蹠膿疱症の1例と慢性湿疹ではステロイド外用剤なしでも良好な状態となった。当帰芍薬散証で血虚の程度が強い場合,加地黄が有用だと思われる。
著者
古屋 昭弘
出版者
早稻田大學中國文學會
雑誌
中國文學研究 (ISSN:03850919)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.40-57, 1985-12-01
著者
草野 凌 吉川 憲一 宮田 一弘 Neil David Parry 石本 立 古関 一則 冨田 洋介 佐野 歩 矢吹 惇 水上 昌文
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.399-407, 2022-12-20 (Released:2022-12-20)
参考文献数
23

【目的】Spinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory(以下,SCI-FAI)を翻訳し,信頼性を検討した。【方法】国際基準に準じてSCI-FAIを日本語へ翻訳した。不全脊髄損傷者34名を対象とした。評価者2名が動画上でSCI-FAI評価を2回実施した。級内相関係数,Cronbachのα係数,Weighted K係数,Bland-Altman分析を用いて信頼性を確認した。【結果】検者内信頼性Intraclass Correlation Coefficients(以下,ICC)(1, 1)は0.928~0.973,α係数0.967~0.986,K係数は0.713~1.00,1名の評価者に固定誤差・比例誤差が確認された。検者間信頼性ICC(2, 1)は0848,α係数は0.916,K係数は0.349~0.899,固定誤差,比例誤差は確認されなかった。【結論】日本語版SCI-FAIは本邦の臨床設定において信頼性を有する評価であることが確認された。
著者
中井 健太郎 山本 修太郎 友岡 知加 井上 めぐみ 古原 千明 宿理 朋哉 髙江 啓太 谷口 拓也 池田 綾 小江 雅弘 満生 浩司
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.61-69, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
24

透析患者の心臓手術においてガイドラインに即した周術期プロトコールを作成し, 多職種が連携して管理を行ってきた. 当院における周術期合併症を調査することによりプロトコールの検証を行った. 2016年から2018年に心臓手術を行った症例のうち大血管の同時手術を除く128例を対象として, 維持透析29例 (透析群) と, 非透析群99例を比較検討した. 心臓手術の内訳は, 大動脈弁置換術および冠動脈バイパス術が最も多く, 両群間で差を認めなかった. 入院中死亡は透析群で2例 (7%), 非透析群で3例 (3%) であり有意差を認めなかった. 術後在院日数は透析群で有意に長く (30.7日 vs. 23.3日), 予定外の体外循環を要した割合は透析群で有意に高率であった (17% vs. 1%). ただし, CABG単独においては, 術後在院日数, 予定外の体外循環は両群間で同等であった. 特に弁膜症手術に際しては, 予定外の体外循環を減らし入院期間を短縮するため, さらなる検討を行っていきたい.
著者
田中 里尚 中村 仁 梅原 宏治 工藤 雅人 古賀 令子
雑誌
服飾文化共同研究最終報告
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.11-20, 2012-03-30

It is intended for our joint research to collect the documents indicating the relationship of Japanese fashion and pop culture after World War Ⅱ. The genre that I collected is divided into six, and, as for the "the postwar times", "theory", "administration" are documents to study the background of the relationship of Japanese fashion and pop culture and, as for the "pop-music" "visual culture" "animation /comics/video-game" are mutual documents to show with the fashion concerned. According to the collection document, firstly, the pop culture has a strong spread power to youth people. Secondly, the pop culture has power to operate the impression of fashion. Thirdly, the pop culture becomes the database of various styles..
著者
石橋 璃子 古澤 之裕 本田 裕恵 渡邉 康春 藤坂 志帆 戸邉 一之 高津 聖志 栗原 新 田渕 圭章 長井 良憲
雑誌
日本薬学会第142年会(名古屋)
巻号頁・発行日
2022-02-01

ヒトの腸内には約40 兆個もの細菌が存在しており、腸内細菌の異常が代謝内分泌疾患の発症と関連することが明らかになっている。近年、抗炎症作用や代謝調節改善作用を示すポリフェノールが、腸内細菌叢に影響することでメタボリックシンドロームを改善することが示されており、天然物由来成分の作用メカニズムの1つとして腸内細菌叢の変動が注目を集めている。我々は、甘草由来ポリフェノールであるイソリクイリチゲニン (Isoliquiritigenin: ILG)が、抗炎症・抗メタボリックシンドローム作用を示すことを明らかにしたが、ILGの作用メカニズムについては不明な点が多い。本研究では、ILGが腸内細菌叢の変化を介して抗メタボリックシンドローム効果を示すか検証した。 野生型C57BL/6マウスに高脂肪食(HFD)を摂餌させて誘導される肥満や糖尿病が、0.5% ILGの混餌(HFD+ILG)により改善した。内臓脂肪組織における炎症マーカーについては、ILGによりCD11cやTNFaの発現が減少し、大腸組織において腸管バリア機能関連遺伝子であるTjp1の発現増加が認められた。さらに、ILGにより腸管のムチン産生の増加も確認できたことから、ILGには腸管バリア機能改善効果があると考えられた。16s rRNAシークエンスによる腸内細菌叢解析では、ILGにより腸管バリア機能向上や抗肥満・高糖尿病効果を示すParabacteroides goldsteiniiとAkkermansia muciniphilaの増加が確認された。 ILGによる抗肥満・抗糖尿病効果が腸内細菌叢の変化によるものか調べるため、HFD群およびHFD+ILG群糞便を用いた腸内細菌叢移植 (Fecal Microbita Transplantation: FMT)を行った。ILG群からFMTを受けたC57BL/6マウスは、HFD群からのFMTを受けたマウスと比較して、体重増加の軽減や、移植8週後の内臓脂肪重量と内臓脂肪組織における炎症マーカーの発現の低下や抗糖尿病効果がみられた。以上のことから、ILGが抗メタボリックシンドローム効果を示す機序として、腸内細菌叢が寄与していると考えられた。
著者
坂下 風子 古川 真理江 牧野 州明 中野 聡志 石橋 隆
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.239, 2010 (Released:2011-04-06)

長野県木曽郡南木曽町周辺に分布する苗木-上松花崗岩にはアルカリ長石のひとつである微斜長石の変種であるアマゾナイトが産出する(日本希元素鉱物,長島,1960).本研究では同地区およびアメリカコロラド州に産出するアマゾナイト試料として用い,アマゾナイトの不均質な着色の原因を明らかにすることを目的とした. 研究手法は,顕微分光光度計,偏光顕微鏡および電子顕微鏡観察,X線回折,化学組成分析,赤外線吸収スペクトル法によって苗木花崗岩ペグマタイト中のアマゾナイトの組織と化学成分,カラーリングとの関係を試料の不均質性に対応させて報告する.
著者
酒井 治己 栗原 善宏 古内 友樹 岡田 あゆみ 竹内 基 柿野 亘 須田 友輔 後藤 晃
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3-4, pp.47-66, 2022-08-26 (Released:2022-08-26)
参考文献数
21

カムチャツカ・サハリン・千島・日本列島地域から記載されたカワシンジュガイ属 Margaritifera 担名タクサのタイプ標本を調査した結果,この地域を通して2種の存在が確認され,それぞれカワシンジュガイMargaritifera laevis(Haas, 1910)及びコガタカワシンジュガイM. kurilensis(Zatravkin & Starobogatov, 1984)に同定された。前種は前閉殻筋痕上縁が丸く擬主歯が比較的小さいこと,一方後種は前閉殻筋痕上縁が角張っており擬主歯が比較的大きく頑丈なことによって特徴づけられる。コガタカワシンジュガイにしばしば適用されてきたM. middendorffi (Rosén, 1926)は M. laevisの新参異名であると判断された。また,M. middendorffi の新参異名とされてきた M. togakushiensis Kondo & Kobayashi, 2005 は,M. kurilensis の新参異名と判断された。

1 0 0 0 OA 南涯遺集

著者
古川郁 著
出版者
古川渙一郎
巻号頁・発行日
vol.巻上, 1939

1 0 0 0 OA 乃木式文庫

著者
古江椢堂 編
出版者
椢会事務所
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1920
著者
古谷経衡著
出版者
ベストセラーズ
巻号頁・発行日
2014