著者
萩原 雄一 小川 博久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.715, pp.127-131, 2004-03-09
参考文献数
25

日本に暗号モジュールを評価する制度が無い現在,アメリカとカナダが運用しているFIPS 140.2に基づくCMVP(Cryptographic Module Validation Program)は一定の成功を収めている.本稿ではCMVPの成立要件及びその問題点を考察し,日本版CMVP(JCMVP)への改善案を提唱する.
著者
中澤 勇夫 雨宮 将稔 清水 裕之 秦 正治 広瀬 敏之 佐藤 英昭 木村 滋 小寺 隆三 阿部 宗男 杉田 邦博 水谷 太蔵 光武 雄一郎 工藤 栄亮 野原 学 吉川 憲昭 鈴木 文雄 関 和彦 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.568, pp.141-148, 2000-01-20
被引用文献数
1

第三世代移動通信システム(IMT-2000)は、世界各国で使用可能なグローバルサービスを目指す位置づけから1992年ITUにおいて世界共通の周波数(2GHz帯)の割当が行われた。国内のIMT-2000の2GHz帯導入に際しては、既存システムとの干渉特性を明らかにする必要がある。このため、(社)電波産業会(以後ARIB)では平成8年度より調査検討会を設置し、導入が期待されているCDMA方式による移動無線と、IMT-2000に割り当てられた周波数帯を用いている既存の固定無線との周波数共用の可否、及び周波数共用を可能とする条件を明らかにするために、計算機シミュレーションおよびフィールド実証試験について調査及び試験分析を行ってきた。本報告はこの内、フィールド実証試験についての調査及び試験結果の報告であり、相互干渉モデル、試験システム、広帯域伝搬路特性、電界強度特性等について述べる。
著者
鈴木 圭 小川 博 天野 卓 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.13-18, 2008-06-15
被引用文献数
3

ニホンモモンガPteromys momongaの巣箱利用率から本種の環境嗜好性を評価した。丹沢山地に548個の巣箱を設置し樹上性哺乳類全般の利用状況を調べた。巣箱利用率の高まる8月から10月における巣箱内の痕跡から,林相,水場の遠近および標高が本種の巣箱利用度に及ぼす影響を検討した。本種の巣箱痕跡率は広葉樹・モミの天然林において0.4%,スギ・ヒノキ人工林で0%,および天然林と人工林がパッチ状に混在する林で3.9%であった。一般線形モデルによる解析を行ったところ,本種は天然林と人工林の混在する環境を好んで生息し,水場の遠近や標高による影響は見られなかった。他方,山地林に普遍的に生息する樹上性ノネズミであるヒメネズミApodemus argenteusはこれらの環境要素に対して嗜好性を示さなかったことから,上記の嗜好性がニホンモモンガの特徴であることが推察された。
著者
後藤 達彦 江川 鍛 小川 博久 土用下 尚外 福田 浩幸 犬塚 博章 舘 忠裕 藤村 直也 安形 保則 ニラウラ マダン 安田 和人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.29, pp.65-68, 2010-05-06

有機金属気相成長法によりSi基板上に成長した厚膜CdTe単結晶層を用いた、大面積X線・γ線画像検出器の開発を目的として研究を行っている。これまで検出器の製作では、Si基板上のCdTe成長層に部分的な剥離や、多結晶化、電気特性の不均一等が発生する場合があり、これらの防止とその改善が課題であった。これらの問題はCdTe成長に先立って実施する、Si基板の成長前処理(GaAs処理)に原因があると考えられるのでその改善を図った。GaAs処理の改善後、CdTe成長層の剥離は防止でき、Si基板上全面で高品質の単結晶CdTe層が成長可能となった。p-CdTe/n-CdTe/n+-Si構造の成長層をダイシングし、ダイオードアレイを試作した。その結果、ダイシング時にもCdTe層の剥離は発生せず、CdTeとSiの結合状態も改善されていることが分かった。またアレイ内のダイオードについて電流-電圧特性を測定したところ、場所によらず均一なダイオード特性を確認できた。
著者
中須賀 好典 掘川 浩二 加保 貴奈 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.547, pp.21-26, 1997-02-28
被引用文献数
6

今後の通信衛星を利用したサービスの多様化、大容量化の要求に応えるため、衛星搭載用増幅装置には益々の高出力化が必要となってきている。しかしながら、衛星という限られた電力資源、排熱能力の環境下において実現するためには、所望の線形動作を保証した上で、高効率に高出力を生成する革新的技術が必要となる。本報告では、高出力を得るために不可欠となるアレー増幅器の並列動作に着目し、上記課題を克服する高出力増幅器出力飽和点近傍動作を可能にする歪分散方式を新たに提案し、マルチポート増幅器、アクティブ・フェーズド・アレー・アンテナへの適用例を示す。また、本方式の動作原理と実験による実証結果を報告し、本方式の妥当性を示す。
著者
小川 博久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.4, pp.49-54, 2004-01-20

電子権利の安全な流通において,回数制限の実装は,重要な問題である.現在利用されている電子チケットでは,まとめ買いに対する利便性と安全性の問題が指摘されており,双方の要求を満たす技術が求められている.本稿では,(k n)しきい値分散法及び,(k L n)しきい値分散法を用いた権利回数制限の構成例を示し,実装及び評価について報告する.For a secure circulation of digital rights, it is an important issue to limit the number of use. It is often pointed out that digital tickets used nowadays have issues in convenience in regards to bulk buying and security. This article makes an illustration of limited rights of use applying (k, n) threshold scheme and (k, L, n) threshold scheme, reports implementation and evaluation.
著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。
著者
荘司 洋三 小原 慶 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.460, pp.65-70, 2003-11-21
参考文献数
5

60GHz帯などのミリ波帯は、マイクロ波帯と比較して遠方まで到達しない反面極めて広帯域な周波数幅を利用できるため、比較的近距離での高速データを実現する周波数帯として有望である。しかしながら、ミリ波帯では高安定な発振器の実現が技術的に困難なことから、高安定な信号伝送やシステムの低コスト化を実現することが難しかった。これらの問題を解決するため筆者らはミリ波自己ヘテロダイン伝送方式を提案してその有効性を実証してきたが、従来の伝送方式と比較すると受信感度が劣化するという問題があった。本報告では、受信回路をアレー化することで、ミリ波自己ヘテロダイン伝送方式の利点を損なうことなく、また受信可能な信号到来方向の指向性についても殆ど影響を与えることなく受信感度のみを改善可能であることを示す。またミリ波帯通信特有の伝搬特性に起因したフェージング対策としても有効であることを示す。
著者
小川 博司
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.17-30, 1980-12-31
被引用文献数
1

匿名性は、社会と個人の問題を、根源的に提示する概念である。何故ならば、社会とは、固有名をもった個人が、匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。A・シュッツの匿名性の概念は、この問題を考える際に、示唆に富んでいる。<BR>シュッツは匿名性の様々な程度を照射する虚の光源としてわれわれ関係を想定する。われわれ関係は、相互的な汝志向を基盤とし、そこでは他者は、時間・空間の直接性のうちに経験される。シュッツによれば、他者を間接的に経験すればするほど、他者の匿名性の程度はより高くなるとされる。尚、時間・空間の直接性は、われわれ関係の成立のための必要条件ではあるが、十分条件ではない。シュッツの匿名性の概念は、次の諸相に分節化される- (1) 機能的類型として匿名性、 (2) 「知られていない」という意味の匿名性、 (3) 社会的世界の構成原理としての匿名性、 (4) 所与の社会構造のもつ匿名性。<BR>(1) (2) は、個人としての他者の経験に関連する。 (3) (4) は、社会制度、言語、道具など、匿名性の高い領域に関連する。それらは、一方では匿名化による構成物であり、他方ではわれわれ関係の舞台に配置されている諸要素でもある。シュッツの理論では、 (3) と (4) は、匿名性とわれわれ関係という二つの鍵概念により結合されている。<BR>以上の匿名性の分節化は、社会の存立の考察、また現代社会の諸問題の考察に有用であろう。<BR>匿名性 (anonymity) という概念は、社会学においては、従来、主に大衆社会論的文脈の中で、都市社会やマス・コミュニケーションにおける人間関係の特徴を表わすものとして用いられてきた (1) 。しかし、匿名性は、社会と個人、もしくは類と個の問題を、より根源的に提示する概念であるように思われる。何故ならば、社会とは、固有名をもった人間個体が匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。本論文は、主にA・シュッツの匿名性の概念の検討を通して、現代社会において、個人と社会とが絡み合う諸相を解き明かすための視角を提出しようとする試みである (2) 。<BR>以下、具体的には、シュッツが匿名性の程度を示すためにあげた例示の検討を通して、順次、匿名性の諸相を抽出し、検討していくことにする。