著者
小川 博司
出版者
関西大学経済・政治研究所
雑誌
セミナー年報 (ISSN:18822010)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.23-29, 2009-03-31

第178回産業セミナー
著者
小川 博司 石田 佐恵子 長谷 正人 川崎 賢一 河原 和枝 遠藤 知巳 岡田 朋之
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

近年、現代メディアを取り巻く文化は、世界的な広がりを見せ、急速に変化している。だが、日本においては、その文化の具体的なありようや展開、日常生活に及ぼす影響などは十分に明らかになってはいない。本研究は、「クイズ形式の文化とその歴史的な変化から見る現代生活の諸相」に焦点を当て、メディア社会における文化のありようを明らかにしようとしたものである。本研究の目的は大きく分けて3つある。第1に、歴史社会学的観点からクイズ形式の文化が社会の中にどのように出現し、広がっていったかを明らかにすることである。第2に、歴史的な観点から描き出されたクイズ番組の変遷、クイズ文化の浸透に並行して、人々の日常生活における知識や情報のあり方の変化を明らかにすることである。第3に、アメリカ文化の強い影響を受けて導入されたクイズ形式の文化が、当初の輸入物の文化のありようを越えて、日本文化の一部として定着する際に、どのような形で加工され、「日本文化」化されたのか、明らかにすることである。具体的な作業としては、ラジオ時代のクイズ番組、テレビ時代のクイズ番組のデータを収集しデータベース化するとともに、クイズ番組関係者からのヒヤリングを行った。それらと並行して、アメリカ合衆国における「クイズショー・スキャンダル」についての検討、日本のクイズ文化について専門家からのヒヤリングなど、クイズ文化の歴史をどのように見るかの検討を積み重ねた。ここから、「高度情報社会」と呼ばれる現代の日常生活における知識や情報のおかれた意味について明らかにする、さまざまな知見が得られた。
著者
諏訪 裕文 馬場 信雄 畦地 英全 雑賀 興慶 崎久保 守人 上村 良 大江 秀明 岩崎 稔 吉川 明 石上 俊一 田村 淳 小川 博暉 坂梨 四郎
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.547-553, 2005-12-29
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

症例は62歳の男性. 膵頭部癌にて膵頭十二指腸切除術を施行した13カ月後, 胸部CTにて多発肺転移を指摘された. 塩酸ゲムシタビン1,000mg/m<sup>2</sup>の点滴静注を週1回行い, 3週投薬後1週休薬のスケジュールを1クールとして化学療法を開始した. 消化器症状や血液毒性がほとんど認められず, 第2クールからは外来通院で行うこととした. 第2クール後のCTで抗腫瘍効果はNCであり, 第3クールからはQOLの維持と長期投与を目的として塩酸ゲムシタビンの1回投与量を700mg/m<sup>2</sup>に減量した. 以後, 副作用なく癌性胸水の出現まで長期間NCを維持し, 外来にて14カ月間の継続治療が可能であった. 膵癌術後の肺転移再発の予後は極めて不良であるが, 本症例のように, ゲムシタビン治療により, 外来でQOLを維持しながら長期生存が可能な場合もある.
著者
小川 博司
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.17-30, 1980-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
42
被引用文献数
1

匿名性は、社会と個人の問題を、根源的に提示する概念である。何故ならば、社会とは、固有名をもった個人が、匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。A・シュッツの匿名性の概念は、この問題を考える際に、示唆に富んでいる。シュッツは匿名性の様々な程度を照射する虚の光源としてわれわれ関係を想定する。われわれ関係は、相互的な汝志向を基盤とし、そこでは他者は、時間・空間の直接性のうちに経験される。シュッツによれば、他者を間接的に経験すればするほど、他者の匿名性の程度はより高くなるとされる。尚、時間・空間の直接性は、われわれ関係の成立のための必要条件ではあるが、十分条件ではない。シュッツの匿名性の概念は、次の諸相に分節化される- (1) 機能的類型として匿名性、 (2) 「知られていない」という意味の匿名性、 (3) 社会的世界の構成原理としての匿名性、 (4) 所与の社会構造のもつ匿名性。(1) (2) は、個人としての他者の経験に関連する。 (3) (4) は、社会制度、言語、道具など、匿名性の高い領域に関連する。それらは、一方では匿名化による構成物であり、他方ではわれわれ関係の舞台に配置されている諸要素でもある。シュッツの理論では、 (3) と (4) は、匿名性とわれわれ関係という二つの鍵概念により結合されている。以上の匿名性の分節化は、社会の存立の考察、また現代社会の諸問題の考察に有用であろう。匿名性 (anonymity) という概念は、社会学においては、従来、主に大衆社会論的文脈の中で、都市社会やマス・コミュニケーションにおける人間関係の特徴を表わすものとして用いられてきた (1) 。しかし、匿名性は、社会と個人、もしくは類と個の問題を、より根源的に提示する概念であるように思われる。何故ならば、社会とは、固有名をもった人間個体が匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。本論文は、主にA・シュッツの匿名性の概念の検討を通して、現代社会において、個人と社会とが絡み合う諸相を解き明かすための視角を提出しようとする試みである (2) 。以下、具体的には、シュッツが匿名性の程度を示すためにあげた例示の検討を通して、順次、匿名性の諸相を抽出し、検討していくことにする。
著者
井門 彩織 足立 樹 楠田 哲士 谷口 敦 唐沢 瑞樹 近藤 奈津子 清水 泰輔 野本 寛二 佐々木 悠太 伊藤 武明 土井 守 安藤 元一 佐々木 剛 小川 博
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.257-264, 2014 (Released:2015-01-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

チーター(Acinonyx jubatus)において,種を保存するうえで飼育下個体の繁殖は極めて重要である.しかし,飼育下での繁殖は困難とされ,繁殖生理の解明が重要となっている.本研究では,飼育下での環境変化がチーターの発情に与える影響と要因を探ることを目的として,4頭の飼育下雌チーターの行動観察及び糞中エストラジオール-17β含量の測定を行った.各放飼場には,1日に2~3個体を交代で放飼し,雄の臭いや鳴き声などが雌の行動と生理にどのような影響を与えるのか調べた.その結果,4頭中1頭で,放飼方法を雌2頭交代から雌雄2頭交代に変化させることによって,行動の増加と糞中エストラジオール-17β含量の上昇が見られた.また,一部の雌の繁殖状況が同時に飼育されている他の雌の発情に影響を与えるのかを調査するため,育子中個体の有無で期間を分け,各期間で行動数と糞中エストラジオール-17β含量を比較した.その結果,同時飼育の雌に育子中個体がいた期間では,行動数と糞中エストラジオール-17β含量が発情と共に増加した.しかし,育子中個体の育子が終了した後の期間では,糞中エストラジオール-17β含量の変化と関係なく行動数に増減が見られた.以上のことから,雌チーターにおいては雄との嗅覚的接触が発情を誘発するとともに,同一施設で飼育される雌の繁殖状況が他雌個体の繁殖生理と行動に影響を与えている可能性が考えられた.
著者
木村 泰生 藤田 博文 山川 純一 瀧口 豪介 丸山 翔子 高井 亮 荻野 和功 小川 博
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.146-153, 2018

<p>症例は33歳の女性で,2年前に下行結腸癌による大腸イレウスに対して自己拡張型金属ステント(self-expandable metallic stent;SEMS)留置後に,腹腔鏡下左半結腸切除術を施行した.その際の病理組織学的所見は,中分化型腺癌,深達度SS,n0,ly1,v1,stage IIの診断であった.術後2年目にCEAの上昇およびCTで下腹部に約3 cmの腫瘤性病変を認め,FDG-PETでも同部のみに集積を認めたことから孤立性再発病変と判断し,腹腔鏡下に腫瘤摘出術を施行した.術中所見では腫瘤は大網内に約3 cmの孤立性の腫瘤として認め,その他に明らかな播種および転移病変は認めなかった.病理組織学的所見では,下行結腸癌の血行性大網転移と診断された.結腸癌の孤立性大網転移はまれな再発形式で,これまでに報告例はない.本症例は近年増加傾向である金属ステント留置後の手術症例(外科手術前の処置bridge to surgery;BTS)であり,ステント留置と大網再発の因果関係は不明であるが,大腸ステント留置症例における長期的な予後は不明な点も多いため今後も症例の蓄積が必要である.</p>
著者
岩田 直子 小川 博之
出版者
社団法人 日本伝熱学会
雑誌
日本伝熱シンポジウム講演論文集 第47回日本伝熱シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27, 2010 (Released:2010-05-19)

木星以遠の外惑星では太陽光の減衰が激しいため,深宇宙探査機にはラジオアイソトープ(RI)発電が有用である.RI発電は,RIの崩壊熱を電気エネルギーに変換して一次電池として使用するものであり,米国及びロシアでは1960年代から宇宙用電源として用いられてきた,実績ある電源である.その熱電変換器として最も多用されているのが熱電変換素子であり,これを用いたRI発電をRTGと呼ぶ.日本では,民生用の熱電変換素子の開発は行われてきたが,RTGへの利用は検討例すらない.宇宙用と民生用では使用する熱環境条件が大きく異なる.本件では,RIの代用として擬似熱源を使用し,宇宙環境を模擬した条件での熱電変換素子の性能評価を行う.
著者
北條 達也 井口 順太 高橋 仁美 小川 博之 Tatsuya Hojo Junta Iguchi Hitomi Takahashi Hiroyuki Ogawa
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 = Doshisha Journal of Health and Sports Science (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
no.4, pp.51-55, 2012-03-01

肋骨の疲労骨折は,ゴルフなどで生じる中位から下位の肋骨骨折がよく知られているが,第一肋骨の疲労骨折の報告は比較的少ない。われわれは,大学生チアリーダーに発生した第一肋骨の疲労骨折を経験した。左肩甲部痛で発症し,さらに左上肢尺側のしびれと痛みを自覚した。安静および低出力パルス超音波治療によって加療するも骨癒合は得られなかったが,1年後には競技に復帰できた。X線検査では評価が困難な同部位の評価に3DCTは,有用であった。
著者
岩下 明生 小川 博 安藤 元一 Iwashita Akio Hiroshi Ogawa Motokazu Ando
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.69-76, 2015-09

アライグマ(Procyon lotor)の密度指標として捕獲効率(CPUE)が有効であることはすでに知られているが,このデータは捕獲作業を実施しなければ得られない。そこで,自動撮影データから得られた諸指標[撮影効率,撮影するのに要した期間(LTD),撮影メッシュ率]を捕獲効率と比較することによって,自動撮影データの密度指標として有効性を検討した。アライグマの生息状況が異なる神奈川県内の3地域の林地を主な調査地として,2010-2011年に自動撮影調査を行った。捕獲効率,捕獲するのに要した期間(LTC)および捕獲メッシュ率は,行政による防除事業データから算出した。これら指標を地域間で比較すると,撮影効率,撮影メッシュ率,捕獲メッシュ率は,捕獲効率と同様の傾向を示したが,LTDとLTCはそうではなかった。一般化線形混合モデルにより解析したところ,撮影効率は捕獲効率に対して有意な正の関係がみられたが,LTCにおいてはみられなかった。これらのことからアライグマの密度指標として,撮影効率は有効であった。
著者
金 炫禛 伊勢 紀 増澤 直 福田 正浩 小川 博 安藤 元一
出版者
日本湿地学会
雑誌
湿地研究 (ISSN:21854238)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.17-27, 2019 (Released:2019-06-21)
参考文献数
49

希少動物の保全計画を策定するには広域における生息環境の情報が求められることから,地理情報システム(GIS)を用いて日本の環境におけるカワウソの生息可能性を探った.韓国におけるカワウソの痕跡に基づいた生息地情報をもとに日本の環境における本種の生息適地を類推することを目的に,韓国全域におけるポテンシャル・ハビタット・マップを作成した.日本においても広い範囲でカワウソの生息適地が抽出され,その環境は韓国のカワウソの糞がよく見つかる環境に似ていた.本研究の結果からは,日本にも韓国のカワウソの生息地と類似した環境があることが明らかになったため,日本における現在の環境でカワウソは生息できると考えられる.
著者
鎌田 恭輔 小川 博司 田村 有希恵 広島 覚 安栄 良悟
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.250-262, 2017

論文撤回のお知らせ<br><br>論文題目:てんかん外科手術から得られる病態生理<br>著&emsp;&emsp;者:鎌田 恭輔、小川 博司、田村 有希恵、広島 覚、安栄 良悟<br>掲&ensp;載&ensp;誌:脳神経外科ジャーナル&ensp;Vol.26&ensp;No.4&ensp;pp.250-262<br><br>当論文は,2017年3月24日に公開いたしましたが,著者からの申し出により撤回されました.