著者
黄木 千尋 赤間 由美 森鍵 祐子 小林 淳子
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal (ISSN:0288030X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.25-35, 2021-02-15

背景】日本人の2人に1人ががんに罹患するといわれている。喫煙は、がんに最も大きく寄与する因子であり、がん患者のたばこ対策は大変重要であるが、がん患者の喫煙の実態や関連要因・社会的ニコチン依存度に関する報告は少ないのが現状である。外来化学療法を受けている患者の喫煙の実態と認識を明らかにすることを目的として、がん患者に対する効果的な禁煙指導、喫煙防止対策を検討した。【方法】対象はA病院において外来化学療法を行う患者のうち認知症や質問紙調査票への記入が困難な患者を除外した257名。調査内容は、基本属性、対象者と家族の喫煙状況(「非喫煙」「過去喫煙」「現在喫煙」とブリンクマン指数(一日喫煙本数×喫煙年数))、喫煙に対する認識(加濃式社会的ニコチン依存度(KTSND)と加熱式タバコに対する認識)、禁煙理由である。本研究は山形大学医学部倫理審査委員会の承認(2019-22)を得て行った。【結果】分析対象は257名、有効回答率100%であった。対象者の喫煙状況は、「非喫煙」106名(41.2%)、「過去喫煙」144名(56.0%)、「現在喫煙」7名(2.7%)であった。同居家族に喫煙者がいる割合は、「非喫煙」19.8%、「過去喫煙」25.0%、「現在喫煙」57.1%であった。「現在喫煙」のブリンクマン指数は「過去喫煙」よりも高く、喫煙による健康への影響を強く受けていることが推察された。KTSND得点は、「非喫煙」よりも「現在喫煙」「過去喫煙」が有意に高く、喫煙経験者は非喫煙経験者よりも社会的ニコチン依存度が高く喫煙を容認していた。「加熱式タバコは禁煙の場で使用してもよいと思う」割合は「現在喫煙」が「非喫煙」「過去喫煙」よりも有意に高い結果であった。また、「加熱式タバコを使う事は健康に対し害が少ないと思う」「加熱式タバコを使うことは禁煙に役立つと思う」者がそれぞれ約30%となり、加熱式タバコに関する正しい知識の普及啓発の必要性が示唆された。【結論】外来化学療法を受けているがん患者について、現在喫煙している患者への禁煙支援は重要な課題であり、家族を含め、過去喫煙者・非喫煙者に対しても喫煙による健康被害の知識の普及・啓発と継続した喫煙状況の把握に基づく禁煙支援の必要性がある。
著者
小清水 直樹 井上 裕介 伊藤 靖弘 岩嶋 大介 菅沼 秀基 小林 淳 朝田 和博 須田 隆文 千田 金吾 田井 久量
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.25-30, 2009-01-25 (Released:2016-10-29)
参考文献数
15

背景.気管気管支アミロイドーシス(以下ア症)は中高年に多くみられる疾患であり若年者の報告はまれである.症例.15歳女性.2004年より嗅覚の低下があり,アレルギー性真菌性副鼻腔炎が疑われた.2006年8月鼻出血が続き,易出血性の副鼻腔ポリープがみとめられた.当院耳鼻科でポリープ切除術を施行し,鼻腔アミロイド(AL型)と診断された.全身検索目的および乾性咳嗽にて,当科に紹介となった.気管支鏡検査では,気管下部よりびまん性に粘膜の発赤・浮腫性の腫脹があり,易出血性で気道は狭小化していた.気管支粘膜生検でもアミロイドの沈着をみとめた.明らかな基礎疾患はなく,その他の臓器にはアミロイドの沈着はみられず,原発性と考えられた.呼吸器症状は軽微で,若年者でもあることから,吸入ステロイド剤投与にて経過観察をしている.4ヵ月後の胸部CTでは,気道病変に変化をみとめていない.検索した限りでは,原発性気管気管支ア症としては,本例が最年少であった.結論.基礎疾患のない若年者にも,気管気管支ア症がみられることがある.びまん性気管気管支ア症に対する副作用の少ない有効な治療法の開発が望まれる.
著者
小林 淳 蔡 恩美 山中 修也 櫻 勇人 山本 隆太 加藤 宏平 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.507, 2016

<p>近年、光格子中の冷却原子に対する量子気体顕微鏡の技術が急速に進展している。我々はこれまでにYb原子の量子気体顕微鏡を作成に成功している。これによって光格子中での原子位置を1サイトの単位で決定することができる。今回我々はこの技術を分子に適用した。光格子中のYb原子に対する2光子光会合によって電子基底状態の分子を作成し、さらにその分子を原子に戻して観測することで、分子の量子気体顕微鏡による観測に成功した。</p>
著者
小林 淳一 津田 正史
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1114-1123, 1997-12-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
37
被引用文献数
4 7

Manzamines, β-carboline alkaloids having unique heterocyclic systems from marine sponges, are of considerable current interest as compounds generated through unprecedented biosynthetic path or as a challenging target for total synthesis. Recently many manzamine-related alkaloids have been isolated from marine sponges, indicating the unique biogenetic path of manzamines.
著者
御園生 尭久 吉見 武義 福田 利弘 小林 淳一 長尾 幸徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.11, pp.1526-1531, 1978
被引用文献数
2

1,8-ナフタレンジカルボキシミド[1a]およびN-メチル換-1,8-ナフタレンジカルボキシミド(X=H,OCH<sub>3</sub>,0H,NH<sub>2</sub>,SO<sub>3</sub>Na)[Ib~f]をパラジウム触媒を用いて水素化することにより,[1f]の場合を除き,それぞれ相当するテトラヒドロ誘導体である1,2,3,4-テトラヒドロー1,8-ナフタレンジカルボキシミド[2a](収率77%),およびN-メチルー5-置換-1,2,3,4-テトラヒドロー1,8-ナフタレンジカルボキシミド(X=H,OCH<sub>3</sub>,0H,NH<sub>2</sub>)[2b~e](収率b:82%,c:62%,d:68%,e:78%)を得ることができた。<BR>さらに[1a]を同じ触媒でより強い条件で水素化するとデカリンー1,8-ジカルボキシミド[3]が得られることを確認した。また[2a]および[2b]を塩化アセチルで処理すると,それらのアシル誘導体である3-アセトキシー5,6-ジヒドロー4荏ベンゾ[de]インキノリンー1-オン[4a],および3-アセトキシー2-メチルー5,6-ジヒドロ-4-ベンゾ[de]インキノリンー1-オン[4b]を生じた。
著者
小林 淳 北村 諭
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.176-179, 1997
参考文献数
10
被引用文献数
1

1995年に宇都宮で開催された第18回日本気管支学会総会出席者を対象に喫煙に関するアンケート調査を行い, 我々自身の喫煙に関する意識を調査した。その結果, 総配布数943枚に対して回収数は748枚で, 回収率は79%であった。喫煙率は22%であり, 回答者の勤務する病院が全面的に禁煙であるのはわずかに59名(8%)であった。また, 医師は39%のみが分煙されているのに対して, 患者は82%が分煙されていた。病院内たばこ販売については, 約6割で自動販売機や売店でたばこが販売されていた。その一方で82%の回答者が病院の無煙環境を望んでいた。我々は職業的倫理観から患者に禁煙を勧め, 同時に自らも率先して禁煙すべきであろう。また気管支学会内部でも十分に論議し, 関連学会と共同で何らかの社会的行動をとるべきではないかと考える。
著者
小林 淳 蔡 恩美 山中 修也 櫻 勇人 山本 隆太 加藤 宏平 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 71.2 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.507, 2016 (Released:2017-12-05)

近年、光格子中の冷却原子に対する量子気体顕微鏡の技術が急速に進展している。我々はこれまでにYb原子の量子気体顕微鏡を作成に成功している。これによって光格子中での原子位置を1サイトの単位で決定することができる。今回我々はこの技術を分子に適用した。光格子中のYb原子に対する2光子光会合によって電子基底状態の分子を作成し、さらにその分子を原子に戻して観測することで、分子の量子気体顕微鏡による観測に成功した。
著者
松田 光子 森鍵 祐子 細谷 たき子 小林 淳子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.10-19, 2018 (Released:2018-02-10)
参考文献数
27

目的 新任期保健師の集団・地域を対象とした実践能力の到達度を把握し,家庭訪問の実施状況,指導体制,家庭訪問に対する認識との関連を明らかにすることを目的とした。方法 山形県内の行政保健師で,新任期(1∼5年)保健師64人を対象とし,無記名自記式質問紙調査を行った。調査項目は,基本属性,家庭訪問の実施状況と指導体制,家庭訪問に対する認識,および新人看護職員研修ガイドライン∼保健師編∼の保健師到達目標項目のうち専門職としての能力Ⅱである集団・地域を対象とした実践能力の14項目とした。14項目の到達度について「ひとりでできる」を100,「ひとりでできない」を0とするVASで自己評価による回答を求め,独立変数との関連をt検定,Pearsonの相関係数により分析した。結果 有効回答数は52人であった。家庭訪問の指導体制との関連では同行訪問の経験がある者はない者より集団・地域を対象とした実践能力である「健康課題に気づく」,「人々の力を見出す」,「目標設定と方法の選択」,「活動の評価」の到達度が有意に高かった。訪問記録を提出している者は「健康危機管理体制の理解説明」,「健康危機対応の理解説明」の到達度が有意に高く,訪問記録提出時の上司のアドバイスがある者は「アセスメント」の到達度が有意に高かった。家庭訪問の認識との関連では「対象の生活に合わせて行う活動である」,「家族全員の健康を考えながらの活動である」,「多職種と協働しながらの活動である」と認識する者ほど「目標設定と方法の選択」の到達度が有意に高かった。結論 同行訪問や記録の提出,記録提出時のアドバイス,保健師の家庭訪問に対する認識が新任期保健師の集団・地域を対象とした実践能力に関連することが明らかとなった。
著者
工藤 崇 小林 淳
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9-10, pp.305-311, 2013-11-25 (Released:2014-04-24)
参考文献数
39
被引用文献数
2 12

十和田火山先カルデラ期~カルデラ形成期のより詳細な噴火史編年を目的として,十和田火山及び八甲田火山起源テフラを対象に,フィッション・トラック(FT)及び放射性炭素(14C)年代測定を行なった.その結果,白ベタテフラ(WP)より0.23±0.05 Ma,T-6テフラより0.19±0.05 Ma,ザラメ1テフラ(ZP1)より0.08±0.03 Ma,奥瀬火砕流堆積物より0.09±0.03 MaのFT年代が得られた.得られたFT年代は,いずれも層序と矛盾はしないものの,誤差が数万年と大きい.そのため,より精度良く噴火年代を見積もるためには,他の年代測定法の適用も含めて,今後さらなる検討が必要である.一方,BP2からは17,730 ± 70 BPの14C年代が得られた.この年代は,層序と良く調和しており,BP2の噴出年代を示すものとして妥当と判断される.
著者
木平 百合子 小林 淳 松岡 緑郎 北村 諭
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.1029-1032, 1988

健康成人男子26名に紙巻タバコ5本を20~30分間という短時間内に喫煙させ, 血中補体C3a値およびC5a値を radioimmunoassay 法を用い測定した. 血中C3a値およびC5a値はいずれも喫煙終了直後に有意な上昇を示し, 喫煙終了20分後にも増加する傾向を示した.
著者
長谷島 伸親 小林 淳晃 竹澤 信治 大和 邦雄 門山 周文 川野 裕
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.1105-1110, 1995

ベリリウムの使用量に比し, 本邦の慢性ベリリウム症の報告は少なく20数例である. 今回, 我々は, 低含量Be銅合金加工工場で発生した慢性ベリリウム症の一例を経験した. 症例は24歳, 男性, 労作時呼吸困難を主訴に受診した. 19歳の時より当院受診時まで, 1.8%未満のベリリウム銅合金加工工場に勤務し, 細線加工に従事していた. 胸部X線像では左気胸と両肺にびまん性の微細な粒状影と嚢胞が認められ, 肺機能検査は, 拡散障害と拘束性障害を示していた. 肺生検組織で壊死を伴わない類上皮細胞性肉芽腫と胞隔炎を認め, 肺組織に正常より高濃度のベリリウムが検出された. BeSO<sub>4</sub>による気管支肺胞洗浄液リンパ球刺激テストと末梢血リンパ球刺激テストは共に陽性であった. 職業歴と検査所見より慢性ベリリウム症と診断した.
著者
赤間 由美 森鍵 祐子 大竹 まり子 鈴木 育子 叶谷 由佳 細谷 たき子 小林 淳子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.342-353, 2014 (Released:2014-08-08)
参考文献数
23
被引用文献数
1

目的 生活保護現業員のメンタルヘルスの実態を把握し,メンタルヘルスと関連が予測される労働状況,研修講習会の参加状況,生活習慣,疾病の有無,ソーシャルサポート,自己効力感との関連を明らかにする。方法 全国の福祉事務所(1,230か所)を,設置主体,地域別に降順に並び替え,等間隔抽出法により20%,246施設を抽出し,各施設 5 人ずつ計1,230人の生活保護現業員を調査対象とする無記名自記式質問紙調査を行った。調査項目は,基本属性,労働状況,ソーシャルサポート(家族・友人,上司,同僚),研修会・講習会への参加,疾病の有無,生活習慣,生活保護現業員としての自己効力感,生活保護現業員のメンタルヘルス(GHQ28)とした。GHQ28得点を従属変数とし,区分点で GHQ 5 点以下を GHQ 低群,GHQ6 点以上を GHQ 高群として 2 群に分け,独立変数との関連を t 検定,χ2 検定または Fisher の直接確率法により確認した。 単変量分析の結果,性差が認められたことから,男女別に GHQ28得点の高群,低群の 2 群を従属変数とし,有意性が認められた変数を独立変数とする,多重ロジスティック回帰分析(変数増加法ステップワイズ尤度比)を行った。結果 有効回答数は506人,男性410人,女性96人で,GHQ 高群は66.0%,低群は34.0%とメンタルヘルス不調の者の割合が高かった。 分析の結果,生活保護現業員男女ともに,10時間以上の労働時間の者は 9 時間以下の者に比べて,また自己効力感の低い者は高い者に比べてメンタルヘルスが有意に不調であった。男性生活保護現業員では,適度な睡眠時間が取れている者,同僚および,家族・友人のサポートが得られている者,社会福祉士資格を有する者のメンタルヘルスが良好であった。女性生活保護現業員では,年齢が高くなるほどメンタルヘルスが悪化していた。また家庭訪問を最多業務としている者のメンタルヘルスが良好であった。結論 以上のことから,残業時間への配慮,サポート的なコミュニケーションや自己効力感を育む環境づくりが求められる。男性では,適度な睡眠時間の確保,女性ではワークライフバランスを意識した働き方等,性差を考慮したメンタルヘルス対策が示唆された。
著者
遠田 幸生 竹村 卓也 佐藤 和美 沓名 潤子 伊藤 新 高橋 武彦 小林 淳一 郷地 元博
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.387, 2012 (Released:2013-07-08)

バイオエタノール製造前処理技術歯車型粉砕媒体を水平振動式加振機で駆動する省エネルギー型の高衝撃粉砕機を開発している。本粉砕機で処理した粉末は、従来糖化率が高く、同時糖化発酵においても発酵阻害がなどの特徴をもってい。しかしながら、製造コスト40円/Lを達成するためには、酵素の費用の削減、30~40 wt/vol%の高濃度粉末スラリーの同時糖化発酵後のエタノール回収の効率化などが必要である。 そこで本報告では、製造プロセスのコスト削減を図るため、酵素を回収して再利用、30~40 wt/vol%の高濃度粉末スラリーの同時糖化発酵後のエタノール回収に関する検討を行った。そのバイオエタノール製造プロセスの低コスト化を図る一環として、エタノール回収、酵素回収の検討を行った結果、エタノール回収率は95vol%以上、酵素回収率は約50%を達成できる見通しが得られた。
著者
入山 義久 小林 淳彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.200-203, 2012 (Released:2013-04-16)
参考文献数
2

積雪寒冷地における水田畦畔管理の省力化を目的に,草丈の低いクリーピングベントグラスを用いた水田畦畔の緑化方法を検討した。長野県内の5 ヶ所の水田畦畔および畑地法面において,幾つかの播種方法を比較し,ベントグラスの被度の推移を調査した。泥団子の投げつけおよびジョーロによる散布は,資材の混合や播種作業に手間が掛かり,また張芝は養生のための土地の確保が問題となった。一方,作業性およびベントグラスの定着から見ると,種子を実播した後に,水に溶かした糊剤を動力噴霧器あるいは背負子式噴霧器を用いて散布する方法が最適であった。また,埋土種子からの雑草の発芽に備え,除草剤の散布と播種時期の選定が重要であった。