著者
平本 毅 山内 裕 北野 清晃
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 = Journal of information and management (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.19-32, 2014-09

This article introduces conversation analysis, an analytic approach that enables the formal and systematic investigation of language use in the everyday world. As a social research program, conversation analysis can be used to investigate the moment-to-moment interaction between participants in video and audio recorded in natural settings. This study focuses in particular on the usage of information in business communication. A detailed examination of a customer service interaction in a hamburger restaurant shows how information usage is achieved through precisely coordinated verbal and non-verbal exchanges between customers and salespeople.
著者
平本 毅 山内 裕
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.61-72, 2019-06-20 (Released:2019-10-30)
参考文献数
32

成員の認識を組織の分析にどう取り込むかという問いを,組織研究の主題の1つとして挙げることができる.解釈主義的アプローチに分類される組織論者達が,この問いに取り組んできた.本稿では,旧来このアプローチに分類されることの多かった社会学のエスノメソドロジーの位置付けを再考し,また透析治療場面の経験的分析を通じて,エスノメソドロジーが解釈主義とは別の仕方で,組織認識研究に貢献をもたらすことを明らかにする.
著者
山内 裕 佐藤 那央
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.64-74, 2016-01-08 (Released:2020-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本稿では既存のサービスデザインの概念を社会科学の理論的視座から再考する。その目的は既存のサービスデザインを否定することではなく,その更なる発展のため,サービスデザインの実践研究とサービスの理論の接合を試みることにある。そこで,本稿ではサービスは相互主観性レベルの事象であるという主張を元に,サービスデザインにおける基礎的な概念である,「体験」や「共創」が孕んでいる理論的矛盾点を指摘する。具体的には,これまで利用者やステークホルダーがデザインされた,あるいはされる対象を客体として観照し体験しているという主観性の概念に依拠するのではなく,これらの人々が自分の理解をどのように示し合うのかという相互主観性の水準で議論することで,従来のデザイン方法論と比較したときのサービスデザインの独自性を明確にする。従来から議論されている方法論は主観性を基礎としている限りにおいて,相互主観性の水準で議論されるべきサービスデザインの方法論として適切ではなく,独自の方法論を探究しなければならない。
著者
浅野 彰之 石田 亮 森上 裕子 大橋 朋悦 山内 裕士 山田 浩史 錦見 俊徳 小林 弘明
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.130-133, 2020-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
9

症例は50歳,男性.尿閉を主訴に当院受診.CTでは膀胱内に直径1.7cmの円形の膀胱異物を認めたため,膀胱鏡を施行.膀胱内にガラス玉を認めた.異物が球状であり,自己挿入が可能であった事から経尿道的手術を予定した.機器は軟性膀胱鏡,異物鉗子,滅菌経腟用エコープローブカバー等を用い,異物鉗子でプローブカバーの開口部をつかんだ状態で,タモ網を使用する要領でガラス玉をプローブカバー内に入れ,そのまま牽引し用手的に摘出した.術中出血はなく良好な視野のまま摘出可能であった.術後排尿は問題なく,以後一年間の外来フォローでは再発を認めていない.
著者
山内 裕 平本 毅 泉 博子 張 承姫
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.53-65, 2015-12-20 (Released:2016-06-29)
参考文献数
20
被引用文献数
1

クリーニング屋の店員によるオプション提案のように,顧客にとって想定外のものでありうる行為は組織ルーチンから外れる可能性がある.そのとき店員はいかにして,問題がなく自然なものとしてオプション提案を行い,組織ルーチンを作り上げるのか.本研究では,エスノメソドロジーに依拠して店員と顧客の会話分析を行い,ルーチンを作り上げるにあたって店員が自らの行為に説明可能性を付与する実践が重要であることを示す.
著者
山内 裕斗 小野 史典
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.65-71, 2019 (Released:2020-03-25)
参考文献数
21

In this study, a discomfort feeling scale to other’s gaze was made based on the free description survey, and the relation with metacognition was examined. As a result, the discomfort feeling scale to other’s gaze consisted of a two factors structure of “anxiety/fear” factor and “irritability” factor. And people who were easily embarrassed by other’s gaze had low self-control ability. Also, females were more likely to feel uncomfortable (especially “irritability” factor) to the gaze of others than male.
著者
栗原 まな 高橋 佳代子 小萩沢 利孝 山内 裕子 井田 博幸
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.294-298, 2009 (Released:2016-05-11)
参考文献数
11

知的障害以外の症状が認められなかった時期より長期経過観察をした歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) の28歳女性を報告した. 本例の遺伝子診断に家族の了承は得られなかったが, 母と兄が剖検病理診断でDRPLAと診断されていたため, 頭部MRI・脳波・歩行分析・心理検査などを行いつつ経過を観察した. 頭部MRIでは10歳代後半より小脳萎縮が出現し, 脳波では14歳の初診時より全般性棘徐波複合が認められた. 臨床的には歩行障害とてんかんが発症した15歳をDRPLAの発症と考えた. 歩行分析では20歳代後半になって明らかな異常が認められるようになり, その後1年で歩行不能となった. 経過観察において歩行分析は有用なツールであった.
著者
山内 裕 平本 毅
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.41-46, 2014-12-24 (Released:2014-12-18)
参考文献数
11

This study examines customer interactions at traditional-style sushi bars in Tokyo using an ethnomethodological and conversation analytic approach. Actual interactions were videotaped and analyzed in detail. The findings suggest that sushi chefs test customers by posing a difficult question, that less experienced customers show their orientation to whether their answer is appropriate, and that experienced customers produce a concise answer without such orientation. This is all done in a routine, mundane, and matter-of-fact way. The chefs define that their customers should be able to answer the question without any problem and customers demonstrate their competence through minimal and concise actions. The customer interaction is not only about exchanging information as to what the customers want but also about presentation and negotiation of selves. As an implication, it is briefly discussed that services can be seen as a struggle; beyond meeting customer needs and satisfying customers.
著者
高川 真一 森鼻 英征 下田 廣一郎 山内 裕 神野藤 保夫 井上 和也
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 214 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
pp.177-185, 1990-09-25 (Released:2018-04-01)

The pressure hull of deep submergence research vehicle is an utmost important structure that secures the safety of crew members against the hydrostatic pressure in deep sea, and should be as compact in size and light in weight as possible in order to obtain easy operation and high maneuverability of the vehicle. In design and fabrication of the pressure hull, the application of high strength material which has reliable characteristic for practical use, of design method suitable for such material and fabrication procedure which satisfies the quality requirement of the highest degree have been encouraged. In the develoment of the 6500m deep submergence research vehicle "SHINKAI 6500", which is the latest submergence research vehicle following the 2000m deep submergence research vehicle "SHINKAI 2000" in Japan, the investigation in various fields was carried out in order to adopt titanium alloy, which has superior strength/weight ratio, for the pressure hull. The production procedure of heavy thickness and large size plate and forging material, and the fabrication procedure of the pressure hull were investigated by the fabrication of the full scale model made of titanium alloy and by material tests with specimens cut from the model. The collapse behaviour was examined by collapse tests using scale models of titanium alloy and by nonlinear behaviour analysis with FEM procedure. Finally, in order to confirm both the fabrication procedure and design method in total, the cyclic loading test and collapse test using scale model fabricated according to the procedure equivalent to that for the actual pressure hull. This paper presents the design and fabrication of the pressure hull of "SHINKAI 6500".
著者
錦見 俊徳 小林 弘明 山田 浩史 石田 亮 山内 裕士 服部 恭介 浅野 彰之
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.120-124, 2019 (Released:2019-07-27)
参考文献数
7

【目的】ロボット支援下前立腺全摘術 (RARP) は本邦でも広く行われている. 近年では泌尿器科専門医取得前であっても一定の条件下であればRARPを施行することが可能となり, RARPで初めて前立腺全摘術を経験する術者も増えている. 初心者の場合, 膀胱頸部離断の際に前立腺に切り込んだり, 膀胱を大きく開放することがあり, また精嚢剥離の際には精嚢の同定が困難で間違った方向へ剥離を進めると直腸損傷のリスクもある. 初心者にとって比較的難しいとされる膀胱頸部離断および精嚢剥離時に術中ロボット用エコーが有用であったので報告する. 【方法】膀胱頸部離断, 精嚢剥離の操作前に術中エコー (術中用リニア探触子) を使用して部位確認を行う. 【結果】膀胱頸部離断ではエコーで尿道カテーテルや前立腺を確認し, 離断部位の同定が可能であった. 精嚢剥離の場面でもエコーで精嚢の位置を確認することで安全に剥離が可能であった. 【結論】RARP初心者にとってしばしば難関とされる膀胱頸部離断, 精嚢剥離の場面で術中ロボット用エコーの使用は有用であると考えられた. 初心者はもちろんのこと, 比較的慣れた術者であっても前立腺が膀胱に突出した症例や精嚢および精管膨大部が見つかりにくい症例において効果的であると考えられる.
著者
平本 毅 山内 裕
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.286-302, 2018

<p>本稿ではサービス場面における時間がサービス提供者と消費者の相互行為により意味付けされる過程を解明する.カフェで落ち着いた時間を過ごすことや,クラブで楽しい時間を過ごすことのように,サービス場面における時間への意味付けは,そのサービスの価値の一部になっている.近年のサービス中心論理の議論を援用しながら,相互行為の中でいかにして時間が意味付けされるかを調べることが,サービスの価値を行為者が共創する過程の経験的分析になることを指摘する.この経験的研究の一例として,本稿では江戸前鮨屋の注文場面の会話分析を行う.具体的には,職人が客に注文を伺った後に,つけ台(カウンター)を拭いたり包丁を洗ったりといった手元の作業に従事するというプラクティスに着目し,このプラクティスの詳細を解明する.このプラクティスは,その場に適切な注文品をじっくり選ぶ時間を客に与える.分析結果をふまえて,客に適切な注文品を選ぶ時間を与えることにより,相互行為の中でサービスの価値が共創されていることが論じられる.</p>
著者
平本 毅 山内 裕
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究 (ISSN:24357065)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.79-98, 2017 (Released:2020-07-10)

本稿ではサービスエンカウンターにおけるサービス提供者の「状況への気づき」がもつ社会規範性を例証するために,イタリアンレストランの注文場面において,注文品を選んだ客の様子に店員がどう「気づく」かを,会話分析により調べる。分析結果から,注文の伺いに際して店員が客の様子に「気づく」という事態が,秩序立った仕方で相互行為的に組織されていることが明らかになった。具体的には,注文品を選んだ客がいきなり店員に声をかけることは少なく,まずは,厨房を見る,辺りを見回す,姿勢を変化させる,荷物を探る,窓の外をみる,メニュー表をよける,おしぼりの袋をあける,携帯電話をいじる等々の「注文を決める活動からの離脱を示す要素」を配置していた。この「注文を決める活動からの離脱を示す要素の配置」が,店員の「気づき」を可能にする。ただし店員はいつもこれにすぐ「気づく」わけではない。「注文を決める活動からの離脱を示す要素の配置」が失敗した場合に,客が店員を「直接呼ぶ」手段がとられる。以上の結果は,サービスの提供場面において,顧客のニーズに「気づく」ことが,店員と客とが,社会規範を参照しながら相互行為的に達成しているものであることであることを示している。
著者
山内 裕
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

この研究は、文化を構築することで価値創造を行う実践を明らかにし、そのための理論と方法論を構築することである。特に、サービスという文化が深くかかわる領域に着目し、経験的調査を行いつつ、文化構築のための理論を探究する。下記の3つの活動を計画していた。まず最初に、当初の計画通り、サービス場面における相互行為の経験的分析を進めている。具体的には、バーやアパレル場面での相互行為をビデオに記録し、エスノメソドロジーの視座から分析している。バーの調査はセンスメイキング理論に相互主観性を導入する理論的枠組みを提案し、英文ジャーナルに投稿し査読の過程を経ているところである。アパレルの調査は、サービスにおける店員の視線という相互主観性の水準での行為について分析し、その結果を2018年7月の欧州の国際会議(European Group of Organization Studies, EGOS)で発表することが決まっている。次に、計画にある通り、鮨屋に関する文化表象に関するメソレベルの調査も進んでいる。鮨にまつわる言説を整理し、二次データの分析をベースにした研究を7月の国際会議(Consumer Culture Theory)で発表しフィードバックを得た。さらに、それを踏まえて、鮨おたくと呼ばれる方々数名へのインタビューを実施した。今後このデータを分析しつつ、追加でインタビューを計画している。最後に、計画にある理論構築に関しては、バーやアパレルデータの分析にともない、相互主観性を基礎としたサービスの価値共創を概念化している。2月には南洋理工大学の消費者文化の研究者、12月と3月にはコペンハーゲンビジネススクールの組織論・哲学の研究者2名と国内で議論をする場を持ち、理論構築を進めた。この内容を論文として完成し、2018年中に公刊されるサービス科学の中心的ハンドブックに含まれることが決まっている。
著者
山内 裕
出版者
京都大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
巻号頁・発行日
2016

本基金を利用して滞在したコペンハーゲンビジネススクールの研究者との共同研究が進んでいる。まず、代表者のこれまでの鮨屋の研究を発展させ、教授の一人と工芸についての研究を始め、日本とヨーロッパの国際比較を行うと同時に、初期的な結果を本の1章として発表することが決まっている。またもう一人の教授とは料理のデザインに関する研究で協業しており、5月の国際会議で発表すると共に、ジャーナルに投稿すべく準備を行っている。また、これらの研究者との連携がより強化され、2017年度には2度日本に滞在し、今後も交流が計画されている。さらに共同で申請したデンマークの研究費を利用して、コペンハーゲンビジネススクールと京都大学の共同ワークショップを、6月に京都で9月にコペンハーゲンで実施した。またこの連携により、代表者の指導する博士課程の学生がコペンハーゲンビジネススクールに長期滞在し研究指導をうけるなど、その成果は着実に広がりつつある。南洋理工大学の研究者との連携も進み、2月に来日しワークショップを実施した。フランスの研究者との連携も拡大し、11月には新しい研究費を利用して、リヨン郊外のレストランでデータを収集することに成功した。このように、本基金での活動が国際共同研究のネットワークの拡大に大きく寄与している。米国滞在で進めたネットワーキングを利用し、これまで日本語で発表してきた独自の理論を、英語で発表する準備をすることができた。サービス科学の中心的なHandbookの一つのチャプターとして収録されることが決まっており、すでに最終稿を提出している。また、この研究の成果を組込む形で、従来から配信していたMOOC(大規模オープンオンライン授業)を大幅に改訂し配信している。
著者
高川 真一 森鼻 英征 下田 廣一郎 山内 裕 神野藤 保夫 井上 和也
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
no.214, pp.177-185, 1990-09-25
被引用文献数
1

The pressure hull of deep submergence research vehicle is an utmost important structure that secures the safety of crew members against the hydrostatic pressure in deep sea, and should be as compact in size and light in weight as possible in order to obtain easy operation and high maneuverability of the vehicle. In design and fabrication of the pressure hull, the application of high strength material which has reliable characteristic for practical use, of design method suitable for such material and fabrication procedure which satisfies the quality requirement of the highest degree have been encouraged. In the develoment of the 6500m deep submergence research vehicle "SHINKAI 6500", which is the latest submergence research vehicle following the 2000m deep submergence research vehicle "SHINKAI 2000" in Japan, the investigation in various fields was carried out in order to adopt titanium alloy, which has superior strength/weight ratio, for the pressure hull. The production procedure of heavy thickness and large size plate and forging material, and the fabrication procedure of the pressure hull were investigated by the fabrication of the full scale model made of titanium alloy and by material tests with specimens cut from the model. The collapse behaviour was examined by collapse tests using scale models of titanium alloy and by nonlinear behaviour analysis with FEM procedure. Finally, in order to confirm both the fabrication procedure and design method in total, the cyclic loading test and collapse test using scale model fabricated according to the procedure equivalent to that for the actual pressure hull. This paper presents the design and fabrication of the pressure hull of "SHINKAI 6500".
著者
永井 由美子 須永 剛司 山内 裕平 松井 功 小川 俊二 高橋 敏也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.230-231, 1999-10-15

When we develop tools and system that include complicated information system, "designing" and "using" need to connect with each other. On this ongoing project, "future black board system" for a junior high class room, we approach "activity based design." It leads to develop good design for users. From beginning of this project until now, we go and research the junior high slass room, then results took in the system. And further, designers need to take part designing curriculum that contains using the system.
著者
前迫 孝徳 片山 滋友 山内 裕平 菅井 勝雄 久保 和彦 横尾 能範 木原 俊行 水越 敏行
出版者
大阪大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

本研究の目的は、教育現場で利用可能なセンサーインタフェースを開発し、ハイパーメディア上で統合させることにあった。まず、国産のパーソナルコンピュータが現場で扱い易いセンサーインタフェースを有していないことから、パラレルポートを利用してデジタル入出力とアナログ入力を行う汎用のセンサーインタフェースを開発した。次に、センサーのアナログデータを電圧・周波数交換して、微弱電波や赤外線で伝送する無線方式のセンサーインタフェースを開発した。パソコンへはシリアルポートを通してデータを転送する。さらに、これらのセンサーインタフェースを利用する授業実践を行う中で改善を加えた。一方、環境や身体情報り測定が重要な意味を有するようになってきたことを考慮し、簡単な3次元地震センサー学習状況の把握に役立つ心拍呼吸性変動測定装置を開発した。さらに、インターネットの普及の中で重要性が増したHTMLを対象とすることで、センサー情報のハイパーメディアへの統合を実現する基礎研究を行った。すなわち現場校で気象等の授業を行う際、各種の情報や他地域との比較が望まれたことから、センサーの測定結果を扱う分散データベースと、Java及びJavaスクリプトを利用しインターネットを介して情報交換を行うハイパーメディアシステムの試験運用を行った。このように本研究では、ハードウェアとして、測定対象が卓上から屋内、そして屋外の測定へと拡大しつつある状況に対応可能なセンサーやインタフェースの開発と、ソフトウェアとして、インターネット上のWWWサーバを基本要素とする分散データベース上でリアルタイム測定データを扱う統合したハイパーメディアシステムを実現する基礎が確立できたと考える。今後もシステム運用を継続する中で改善等の活動を行う予定である。