1 0 0 0 OA 夢とうつつ

著者
山本 信
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1961, no.11, pp.45-61, 1961-03-31 (Released:2009-07-23)

私がここで夢をとりあつかうのは、意識に関する一連の問題のうちの一環としてである。それも、たとえばフロイドの理論におけるように、内容的な側面からする夢の成立機構や意味についての問題ではなくて、夢における意識のあり方一般についての問題、もつと限定していえば、夢と知覚との区別の問題である。直接の機縁となつたのは、いわゆるデカルトの方法的懐疑であつて、それが成りたたないということを、私としては示したいのである。これは一つの小さな特殊問題にすぎない。しかし夢そのものに私の哲学的興味が向けられているわけではなく、目差すところはやはり正常な意識にある。その「正常さ」ということの意味や、意識存在の特性といつたことを考えるにあたつて、夢体験をどう性格づけるかが、少くとも一つの論点になると思われる。従つてこの考察は、知覚や想像や普遍概念などに関する認識論的な諸問題にも、また世界と人間とのかかわり方に関する存在論的な問題にも、直接間接に結びついてくるであろう、多少なりともそのことを示すため、最初に一節をついやし、哲学史を借りてこの問題の由来をのべ、また最後に、ここでえられた結論と関連のある幾つかの私見を附記しておく。
著者
山本 信弘 光藤 雅康 須藤 勝見 上延 富久治 近藤 雄二 山下 節義
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 3 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.p287-297, 1988-12
被引用文献数
2

ファミリーコンピュータなどの家庭用テレビゲームが急速に普及し,児童の心身発達過程における悪影響が指摘されはじめた。われわれは,小学校高学年の児童を対象に質問紙法によりテレビゲームの実行状況を調査し,特に,画面を見つづけることによる視機能や身体・精神面への影響とテレビゲーム遊びがもたらす日常生活場面における影響に関するデータから,学校保健上の指導対策を考えた。その結果として以下の様な知見を得た。(1)テレビゲーム経験者は調査対象者の9割以上で,遊びの頻度と1回当りの時間については約4割の者が親や教師との約束を守りながら実行していた。(2)テレビゲーム実行後の自覚症行については眼の症状の訴えだけでなく,頸,肩,腕,手指などの訴えが多く,実行時の姿勢や環境に留意させる必要がある。(3)精神面については,「何もしたくない」,「イライラする」,「親の話を聞くのが面倒」などと訴える者が多く,無気力,短気,反抗的などの傾向がみられる。
著者
東根 裕子 阪上 愛子 澤田 参子 山本 信子 米田 泰子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.129, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 若い世代を中心に日本人の魚離れが進んでいるとの報告(2006年度水産白書)もあるが、瀬戸内海、太平洋、日本海に囲まれた近畿地方は、昔から豊かな魚介類の食文化を築いてきた。そこで魚介類の種類とその調理方法の現状を明らかにする目的で調査を実施した。本調査は、平成15・16年度日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学-魚介類の調査-」の一環として行ったものである。<BR><B>【方法】</B><BR> 上記特別研究の調査用紙と調査方法に基づき、面接、または自記方式によった。調査項目は、利用する魚介類、入手方法、料理名、調理方法、調味料、季節、行事食等である。調査時期は、2003年9月から2004年8月、調査対象者は近畿2府4県に居住する164名で、居住地域により都市型86名、農村型54名、漁村型24名に分類し集計した。<BR><B>【結果】</B><BR> 記載された料理数の一人当たりの平均値は、都市型84、農村型67、漁村型81であった。魚介類の入手方法については、「大部分を自家の者が漁獲」「大部分を購入」「もらうあるいは調理したものしか買わない」の状況は、都市型(1%,92%,4%)、農村型(0.6%,91%,5%)、漁村型(9%,79%,3%)であった。「もらう、調理したものしか買わない」ものは、いかなごの釘煮・鮎の甘露煮などの加工品であった。利用している魚介類は、どの地域においても出現数が多かったのはいかであり、いわし、えび、さば、あじ、さけ、たい、などが続く。出現数に地域性が見られたものは、都市型のたらこ・めんたいこ、農村型のたら、ししゃも、かずのこ、漁村型では、たちうお、かます、とびうお、えそ、かんぱちなどであった。
著者
山本 信次 石場 圭太 土屋 俊幸
出版者
東北森林科学会
雑誌
東北森林科学会誌 (ISSN:13421336)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.50-54, 2009-11-30 (Released:2017-07-27)

アクティブレンジャー(以下ARとする)は,行政側の国立公園における現場での人手不足の解消と,国立公園に関わっている多様な主体のコーディネーター役を目的として,2005年の6月に導入された制度である。2006年の段階で,ARは国立公園・野生鳥獣保護区など計52地区に,65名配属されている。国立公園には,全28国立公園中25国立公園にARが配属されており,現場での管理業務に従事している。本研究では,十和田八幡平国立公園十和田八甲田地区において,ARが実際どのような業務を行い,それらの業務が公園管理においてどのような位置づけにあるのかを調査した。その調査の結果,ARの業務が現場業務に大きく貢献している一方で,導入目的の1つであるコーディネーターとしての機能は果たせていないことが明らかになった。
著者
田村 暢章 菊池 建太郎 龍田 恒康 小林 真彦 園川 拓哉 松田 玲於奈 山本 信治 竹島 浩
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.226-229, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
17

われわれは高齢者の右側口蓋に発生した多形腺腫由来癌の1例を経験した。患者は70歳男性。既往歴はなく,約2年前に近在歯科で右側口蓋の腫脹を指摘されていたが,自覚症状がないため放置していたところ,約1カ月前より腫脹が増大するようになった。他の近在歯科を受診して精査加療目的で当科を紹介来院となった。画像検査では内部充実性の軟部腫瘤であり,核医学検査では集積を認めなかった。生検により多形腺腫の診断を得た後,全身麻酔下で同部の腫瘍切除術を行った。病理組織学的に多形腺腫由来癌の確定診断を得た。術後約5年経過するが再発は認めず良好である。腫瘍性病変を治療せずに長期間放置しておくことは悪性化の危険性が生じることを常に念頭に置き,高齢者の口腔管理に従事していかなければならないと考えられた。
著者
山本 信人
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.p143-170, 1995-10

はじめに一 新聞統制令二 発行停止紙とその特徴三 治安維持と日本おわりに賀川俊彦教授退職記念号
著者
横溝 佐衣子 山本 信子 福田 満
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.134, 2004 (Released:2005-04-02)

[目的]レトルト米や、新しい加工米が多種類開発されている。家事時間の軽減志向により、炊飯器も高温短時間で食味向上が期待されるIH式電気炊飯器や、玄米が炊ける多機能型も開発され、米の利用法や食べ方は多様化してきた。特に最近では、操作の簡便性と環境汚染の面から無洗米が普及し始めている。無洗米はBG米(糠で糠を除去する湿式処理米)が一般的であるが、さらに改良が進み、浸漬時間不要で炊き増え効果があるといわれる乾式無洗米が商品化された。そこで本実験ではこの無洗米に注目し、従来の無洗米(BG米)との食味の違いなどを検討することを目的とした。[方法]試料は「新無洗米(乾式処理)」と「従来のBG米(湿式処理)」の2種に、対照として2試料の無洗米に加工する前の「精白米」を用いた。炊飯操作は、メーカーのマニュアルに従った。即ち、精白米とBG米の加水量は、米重量の1.5倍で浸漬時間30分、新無洗米は1.6倍で浸漬時間は0分とした。官能検査は5段階評価の採点法、さらに吸水率、粒の大きさ、還元糖量、α化度、電子顕微鏡など食味にかかわる調理学的測定を行った。[結果]官能検査の総合評価では平均点の高い方から、精白米、新無洗米、BG米であった。香りについては2種の無洗米(BG米と新無洗米)が、精白米よりも評価点が高かった。しかし、色の評価は、どちらも精白米に比べて黄色いと評価された。無洗米同志の比較では還元糖量、α化度などには測定値に大きな違いはみられなかったが、粒の大きさでは新無洗米がやや膨らみが大きくなり、若干炊き増え効果がみられた。
著者
前田 圭吾 平井 雄三 高地 いづみ 山本 信祐 谷池 直樹 竹信 俊彦
出版者
日本口腔顎顔面外傷学会
雑誌
口腔顎顔面外傷 : 日本口腔顎顔面外傷学会誌 (ISSN:13479903)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.64-68, 2018 (Released:2019-03-05)
参考文献数
31

Recently, the frequency of maxillofacial injuries has increased and the causes have diversified. Blast injuries due to explosions can be life-threatening. We report a case of blast injury requiring emergency surgery for a mandibular fracture with active bleeding. A 59-year-old woman presented with an injury to the right face with hemorrhage, caused by a gas canister explosion at her home. She was transferred to the Emergency and Critical Care Center of our hospital. Her vital signs were normal and she was alert with a Glasgow Coma Scale score of 15; however, a penetrating wound of the right buccal region and active bleeding in the oral cavity were found. Contrast computed tomography revealed a right mandibular fracture and extravasation around the fracture region. There was a risk of airway obstruction from active oral cavity bleeding; therefore, we performed urgent open reduction and internal fixation for hemostasis. She received an intraoperative blood transfusion and hemostasis was achieved with good reduction and fixation. Fortunately, she had no other injuries and her clinical course was good. It is crucial to understand the unique mechanisms underlying a blast injury, and to perform appropriate clinical evaluation and treatment because of the possibility of head and neck injury, damaged neck vessels, and airway obstruction.
著者
坂元 明子 山本 信子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.179-188, 2000-09-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
16

It seems tha when people have a meal, their wil gives priority to the traditiona food culture, which is likely to be declining. This is because now is the time when food is so abundant. Therfore, we wanted to know the statusquo in menus, Haizen and arrangement, ment, and examine meals in general. So we conducted a factfinding survey by taking pictures of dinne tables for three days. The research wa given to students of Fukuoka Jogakuin Junior College in Fukuoka area, students of Mukogawa Joshi Junior College in Hyogo area and their families 622. and 606We analyzed the data and got the following results. 84.7% of the staple food for dinner is rice. The position of the rice bowl on the table is traditionally recognized to be in the front on the left, and 74.2% of the dinner tables have the right position. There are more main dishes and side dishes than we expected. The more main dishes and side dishes they have, the more diversity and disorder of the table setting they have. When they have soup in their menu, many of them put the rice bowl at the given position, which is in the front on the lefe, and the main dish in the back on the right, which is the given position.
著者
山本 信一
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.597, pp.597_103-597_118, 2007-06-30 (Released:2011-09-28)
参考文献数
9

日本は,少子高齢化が続く過程で,東京一極集中を強化しつつあり,地震・核テロ・鳥インフルエンザ等のリスクは,RMS社の調査等によれば,予想外に高まっているように思われる。日本の生保業界においては,核テロ等の可能性を考えた場合,昼間にビル単位でどれだけの付保がされているかを試算しておく必要もあろう。東京都の昼間人口調査(2000年)では,皇居も含めた千代田区の昼間人口密度は7万3千人/km2となっており,皇居を除いた人口密度は一層高く,丸の内再開発で,極度の集中化が一層進みつつある。これへの対応策としては,(1) ビル単位で,再保険への出再を検討する。(2) 約款の保険金支払免責条項に,テロ・地震を戦争その他の変乱と同様に,保険金削減の対象である旨,明記する。などが考えられるが,それ以外も含めた集積リスクの検討が必要であろう。
著者
清水 長正 山本 信雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.339, 2013 (Released:2013-09-04)

地下の空隙から冷風を吐出する風穴(ふうけつ)は全国の山地・火山地の地すべり地形・崖錐斜面・熔岩トンネルなどに多数ある。信州の稲核(現・松本市)では江戸期から風穴が利用されていて,幕末期に蚕種を風穴に冷蔵して孵化を抑制し養蚕の時期を延長させる手法が稲核で開発され,その後の明治期における蚕糸業の振興に伴い蚕種貯蔵風穴が全国へ普及し,大正期までに各地に280箇所以上が造成された。明治後期には風穴の機構に関する日本で最初の研究が稲核で始められた。さらに現在でも風穴の利用が持続しているという,自然現象(地形・表層地質・気象)を巧みに利用した山村文化をもつ場所である。

1 0 0 0 OA 代數學

著者
山本信實 編
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.3, 1876