著者
上田 隆司 花見 真司 平野 聡 山本 明
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.1195-1200, 1985-06-05
被引用文献数
6

Influence of the bonding material of a diamond stick is investigated on honing performance. Three kinds of synthetic diamond sticks are used, that is, a metal bonded stick, a resinoid one and a vitrified one. For the metal bonded stick its bending strength is changed to find out the suitable bonding strength. Workpieces are alumina AI_2O_3,silicon nitride Si_3N_4 and silicon carbide SiC, which are sintered under atmospheric pressure. The results are as follows. The metal bonded diamond stick is most suitable for the effective honing of these three ceramics. In this stick, there is an advisable value of bending strength σ_b to get high productivity, namely, 120-140 MPa for AI_2O_3 and 80-100 MPa for Si_3N_4 and SiC honing, and these are less than the ordinary value 200 MPa at metal honing. This comes from necessity of creating some new cutting edges in operating. Then, the diamond grain with high toughness is recommended. Using the vitrified bonded stick and the cubic boron nitride grain is not advisable.
著者
柴田 早苗 寺西 裕美子 藤井 千惠子 長濱 勝治 村田 桃代 山本 明弘
雑誌
明治国際医療大学誌 = The Bulletin of Meiji University of Integrative Medicine (ISSN:18841414)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-13, 2014-09-30

多くの女性にとって化粧は,精神的満足や自尊感情を高めるための重要な行為だといわれるが,入院が長期化しがちな精神科病院においては,社会生活から遠ざかる中で,化粧に対する関心や欲求そのものが希薄になり,それがまた,医療者側の化粧への配慮を失わせて行くという負の循環を生み出してきた.しかしながら,化粧には,陰性症状,協調性,自発性等の改善効果があることや,「自・他の関心」や「女性としての生き方を考える」などの変化をもたらすという報告がある.そこで本研究では,統合失調症により精神科閉鎖病棟に入院する女性10名(希望者)を対象に化粧会を実施し,化粧による日常生活行動(ADL:activity of daily living)への影響について検討した.その結果,化粧は,ADL評価点を向上させ,さらにその効果は化粧会実施後も持続することが認められた.化粧には統合失調症を持つ女性の現実感覚を回復させ,ADLを改善する効果のあることが示唆された.(著者抄録)
著者
山本 明 萩原 滋
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.97-109, 2003

1. 日本における中国・中国人イメージ : 先行研究の概観2. 『ここがヘンだよ日本人』(TBS系列)における中国・中国人描写3. 日本人の中国・中国人イメージに関する調査結果4. 考察論文
著者
服部 和裕 山本 明美 笹井 みさ 谷内 昇一郎 小島 崇嗣 小林 陽之助 岩本 洋 難波 恭子 八重島 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.20-30, 2003
被引用文献数
1

腸内にBifidobacteriumが少ないアトピー性皮膚炎患児15例を予備的な菌叢の検索から選択し,うち投与群8例に対してビフィズス菌凍結乾燥末(Bifidobacterium breve M-16V株)を経口投与した.腸内細菌叢の変動とアレルギー症状の推移を観察し,対照群7例と比較した.投与群では,ビフィズス菌末投与1カ月目の時点で,腸内のBifidobacterium占有割合の有意(P=0.0173)な上昇と,総好気性菌占有割合の有意(P=0.0499)な低下を認め,さらにアレルギー症状も有意(皮膚スコアでP=0.0176,総合スコアでP=0.0117)に改善した.一方,ビフィズス菌末の投与はアトピー性皮膚炎の症状改善を対照群に比較して有意に促進したが,自然排泄便を検体とした腸内細菌叢の変動と,アレルギー症状の推移の間には,明確な相関を認めなかった.
著者
小沢 文幸 山本 明夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.5, pp.773-784, 1987-05-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
61
被引用文献数
5

ジオルガノパラジウム錯体(PdRR'L2.R,R'=アルキル基,アリール基などの有機基.L=第三級ホスフィン配位子)の還元的脱離反応は,パラジウム錯体触媒を用いる有機合成反応の重要な素反応の一つである。本研究では,トランス,および,シス構造をもつ,一連のジメチル-,ジエチル-,メチル(アリール)-,および,ジアリールパラジウム(II)錯体を,立体選択的に合成単離した。さらに,合成した錯体の還元的脱離反応,ならびに,有機ヨウ化物との反応について,系統的な機構論的研究を行ない,反応に対する,錯体の立体配置,有機基,,および,配位子の影響を明らかにした。
著者
山本 明子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.949_1, 2014

この原稿の締め切りの1週間前にいわゆる会社の女子会があり,そこで「山本さんの目標とする人とかロールモデルってどなたでしたか?」と質問され,答えに窮した.私自身これまであまり意識したことがなかったからだ.ロールモデルは,社員が将来目指したいと思う模範となる存在で,そのスキルや具体的な行動を学んだり模倣をしたりする対象となる人材のこと.ロールモデルの必要性は,女性活用推進のアクション・プランなどで指摘されていて,企業におけるロールモデルの育成など,普及のための様々な取り組みが行われている.ロールモデルは一人とは限らなくて,社内にいなければ社外でもいいし,同性でなくてもよいそうだ.
著者
山本 明歩
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-14, 2018

我々が言語を用いる際には一定数の言い間違えが生じる。これらの言い間違えは我々が言葉を創出する過程についてのなんらかのヒントを与えてくれる可能性があると考えられ、研究の対象となってきた(寺尾 2006)。例えば、寺尾が幼児の言い間違えに多く見られる要素として挙げている音位転倒は、幼児が一度に処理できる音韻要素の容量について多くの示唆を与えてくれるものである。しかしながら、文法などのより一般的な言語運用能力について考察する上では、また新たなアプローチが必要になると考えられる。そこで、本稿では発話に見られる「言い間違い」ではなく、映画の原稿に見られる非文を分析し、それによって文法構造の背景となる人間の認知パターンについての分析を試みた。その結果、様々な非文の中では主語の省略が最も多く見られたが、特に、主語が図ではなく地として機能する場合に省略が生じる傾向が見られた。つまり、本来の文章の一部を省略すること自体が、「その文章の中のどの部分に話し手の注意を引き付けたいのか」という話し手の意図を反映するものであり、例えば命令文に見られる主語の省略も、同様の機能を果たしているのではないかということが示唆された。
著者
佐藤 雅也 柊 和佑 山本 明 柳谷 啓子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s13-s16, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
7

近年ではヴァーチャル・リアリティ(以下VR)技術の発展により容易にVRコンテンツに触れることが可能になった。現在流通する3Dモデルのアバター(以下アバター)現在流通するアバターの数は少なく、製作するか配布・販売しているものを利用する必要がある。将来的に個人の所有するアバターの数が増えることが予想できる。また、VRサービスが一般化することで、従来の“わかっている”利用者以外が経済圏に参入してくる。その際、アバターは洋服的な“着替える”対象になり、感情や気分、体調といった要因で選択されることが考えられる。そこで、今後の利用者及びアバター自体の増加に対応できるように、洋服を選ぶようにアバターを蓄積し、検索、装着などの広範な利用方法を検討する必要がある。本稿では、ファッションの分類を参考に、価格や3Dモデル特有のポリゴン数などの要素を追加した、アバターのアーカイブ化について提案を行う。
著者
高木 章好 梶田 哲 豊田 典明 山本 明美
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.148-151, 2000-04-15

ウイルス性疣贅の一型である尋常性疣贅の中には液体窒素による凍結法などに反応せず,治療に苦慮する症例がある.今回我々はモノクロロ酢酸による腐食療法を行い,本法が安価で簡単,安全かつきわめて有効な治療と思われ報告する.方法は,少量のモノクロロ酢酸飽和水溶液を楊枝の先で直接疣贅に塗布し(疣贅上に付着した液を数回軽く突くようにして疣贅内に浸透させるが,周囲に流れないように気をつける),乾燥を確認し帰宅させ,処置した日は入浴をさける.原則とし1週間に1度の間隔で施行した.結果は,1998年1月から6月まで総数377例,男171例,女206例に施行し,最年少は2歳男児,最高齢は83歳女性であった.ほとんどの症例で著効または治癒し,不変,悪化は足底で1.8%,手背は0.6%であった.
著者
津田 孝範 深谷 吉則 大島 克己 山本 明 川岸 舜朗 大澤 俊彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.430-435, 1995-06-15
参考文献数
18
被引用文献数
2 11

タマリンド種皮抽出物の抗酸化性を食品加工へ利用するための基礎について検討した.<BR>(1) タマリンド種皮抽出物は,リノール酸モデル系において強い抗酸化性を示し,クエン酸及びα-トコフェロールとの間に相乗効果を示した.<BR>(2) タマリンド種皮抽出物は,100℃,2時間の加熱に対して安定であり,pHの変化に対しては,pH 5.0で抗酸化性の低下が認められた.また塩化ナトリウム存在下では,10%溶液中でも抗酸化性は,70%以上の残存率を示した.<BR>(3) 実際の食用油脂としてラード及びコーンサラダ油にタマリンド種皮抽出物を添加したところ,いずれの油脂においても抗酸化性を示した.
著者
石黒 洋 山本 明子 中莖 みゆき 衣 蘭娟 石黒 真理子 山口 誠 近藤 志保 持丸 由香 Ishiguro Hiroshi Yamamoto Akiko Nakakuki Miyuki Yi Lanjuan Ishiguro Mariko Yamaguchi Makoto Kondo Shiho Mochimaru Yuka
出版者
名古屋大学総合保健体育科学センター
雑誌
総合保健体育科学 (ISSN:02895412)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.9-15, 2012-03-30

Excretion of hypotonic sweat by eccrine sweat gland is achieved by re-absorption of NaCl by sweat duct which is an important function to prevent the salt loss and heat prostration. The Cl– transport by sweat duct is mediated by cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR) anion channel. CFTR is the causative gene for cystic fibrosis, an autosomal recessive genetic disease. CFTR functions as a cAMP-dependent anion channel localized in the apical membrane of various epithelia. Loss of function due to severe mutations in both alleles causes typical cystic fibrosis characterized by dehydrated, thick, and viscous luminal fluid/mucus in the respiratory and gastrointestinal tract, pancreatic duct, and vas deferens. Cystic fibrosis is the most common genetic disease in Caucasians (1 per ~3,000 births) but it is rare in the Asian population including Japanese (1 per ~1.5 million). A compound heterozygote of mutations/polymorphisms (causing a mild dysfunction of CFTR) involves a risk of developing CFTR-related diseases (or atypical cystic fibrosis) such as chronic pancreatitis and male infertility due to congenital bilateral absence of the vas deferens (CBAVD). Recent studies suggest that CFTR mutations/polymorphisms are frequently found in Japanese patients with chronic pancreatitis, CBAVD and diffuse panbronchiolitis. Cl– concentration in the sweat is a useful measure of CFTR function in human. The sweat [Cl–] in healthy subjects is correlated with ages. High levels (>60 mM) of sweat [Cl–] suggest the dysfunction of CFTR.
著者
荒井 啓 山本 明
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.31-37, 1977-03-19
被引用文献数
1

鹿児島県内数ケ所の公園, 街路に植えられたカナリーヤシ(Phenix canariensis Hort.et Chab.)に立枯症状が認められ, その原因を調べたところ, 以下のことが明らかにされた.1.本症状を呈する樹は, 鹿児島市, 指宿市, 揖宿郡喜入町, 鹿屋市, 垂水市, 曾於郡大崎町, 肝属郡佐多町などで認められた.2.病徴は主として下枝に認められ, 初期には葉身の片側半分が枯れるのが特徴である.やがて下枝全体が枯れ, 次第に上枝に進展する.最終的には樹全体が枯れ立枯症状となる.このような樹の葉身, 葉脚, 根の導管内に多数の菌糸が認められ, 導管周辺の細胞は褐変していた.このような現象は, 外観緑色で健全にみえるような部分にもしばしば認められた.3.罹病組織より, PDA培地を用いて菌の分離を行なつたところ, 葉身, 葉脚, 根のいずれからも, 白色綿毛状の菌叢の菌が分離された.この菌をカナリーヤシに接種したところ, 発病が認められ, 立枯症状を呈した.発病株より, 菌の再分離を試みたところ, 根および葉身より, 同種の菌が分離され, この菌が病原菌であることが確かめられた.病原菌の菌糸は隔膜を有し, 隔膜のない短かい担子梗を分岐し, その上に無色単胞楕円形の小型分生胞子(2.5〜5×4〜10μm)を擬頭上に多数形成していた.時には, Fusarium菌特有の大型分生胞子(3〜5×10〜35μm, 4〜5胞)が認められた.培養過程でスポロドキアが高頻度に観察され, 古くなると, 厚膜胞子(径7.5〜10μm)や菌核の形成が認められた.このような培養所見から, 本菌はFusarium oxysporum Schl.emend.Snyd.et Hans.と推定された.4.病原菌の寄主範囲を調べるために, 分離菌を12科26種の植物に"ふすま"を用いて土壌接種したところ, カナリーヤシとナツメヤシに立枯症状が認められた.以上の結果から, カナリーヤシの立枯症状は, Fusarium oxysporumによる病害であることが確かめられた.このようなカナリーヤシの立枯症状は, わが国では報告がなく, 本病を「カナリーヤシ立枯病 : Fusarium disease of Canary Island date palm」と命名した.