著者
栗田 浩樹 大井川 秀聡 竹田 理々子 中島 弘之 吉川 信一郎 大塚 宗廣 岡田 大輔 鈴木 海馬 佐藤 大樹 柳川 太郎
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.842-847, 2012 (Released:2012-11-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

Orbitozygomatic approachはpterional approachの応用で, より外側下方から頭蓋内高位を見上げる手法である. 本稿では, われわれが施行している基本手技 (1-piece method) について解説し, 脳血管外科領域における本法の臨床応用について検討したので報告する. 過去2年間に施行された脳血管外科手術290例 (脳動脈瘤直達術251, 脳動静脈奇形 [AVM] 摘出術39) のうち, 本法が適応されたのは7例 (2.4%) であった. 内訳はcoil塞栓術が困難と判断されたBA-tip AN 4例, 高位BA-SCA AN 2例と, 大型の左medial temporal AVM症例であり, 術後は全例で病変の消失が確認され, morbidityは1例にとどまった. Intravascular treatmentが普及した現在, 脳血管領域では使用頻度こそ少ないが, 広いsurgical corridorが得られる本法は, 高難易度病変に対して必要不可欠なapproachである.
著者
武居拓郎 仲谷善雄 岡田大地
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.607-608, 2012-03-06

ダンスには様々な種類が存在する。従来のダンス教育は、人と人との直接的なコミュニケーションのみで行われるものが多い。しかし、ダンスには特有の用語・感覚などの表現が数多く用いられるため、未経験者にとっては非常に理解しにくい状況にある。本論文では、ストリートダンス未経験教師の支援に着目した。ストリートダンスのジャンルの中でもロックダンスの基本の技に関して、経験者の声・知識などを元に分析し、CGを用いた教育支援方法を提案する。ダンス未経験の教師が、自身でのダンス練習、生徒への教育などにその技の特徴をしっかり理解した上で、自ら上達するだけでなく、生徒に効果的な指導ができるような教育支援システムを構築した。
著者
熊野 純彦 木村 純二 横山 聡子 古田 徹也 池松 辰男 岡田 安芸子 吉田 真樹 荒谷 大輔 中野 裕考 佐々木 雄大 麻生 博之 岡田 大助 山蔦 真之 朴 倍暎 三重野 清顕 宮村 悠介 頼住 光子 板東 洋介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度は、本研究の主要達成課題のうち、「各層(家族・経済・超越)の各思想の内在的理解」を中心とする研究がなされた。近現代日本の共同体論を再検証するにあたっては、2017年度で取り組まれた「和辻共同体論の参照軸化」に加え、家族・経済・超越それぞれの層に関連する思想を巡る形成の背景に対しても、テクストに内在した読解を通じて光を当て直す必要がある。以下、そうした問題意識のもとに取り組まれた、2018年度の関連実績のうち主要なものを列挙する。(1)研究代表者の熊野純彦は、著書『本居宣長』において、近世から現代に至るまでの代表的な思想家たちによる宣長の思想の受容過程を丹念に整理・検証することで、それを近代日本の精神史の一齣として提示することを試みた。それを踏まえたうえで改めて宣長のテクストの読解を行い、今日の時代のなかでその思想の全体像を捉えかえそうとしたところに、本業績の特徴がある。(2)研究分担者宮村悠介は、主に本研究の研究分担者からなる研究会(2018年9月)にて、研究報告「家族は人格ではない 和辻共同体論のコンテクスト」を行い、和辻倫理学の形成過程におけるシェーラーの影響と対話の形跡を、具体的にテクストをあげつつ剔抉した。これは、翌年度の課題である「思想交錯実態の解明」にとってもモデルケースとなる試みである。(3)超越部会では台湾の徐興慶氏(中国文化大学教授)を招聘、大陸朱子学と、幕末から近代に至るまで様々な思想に陰に陽に影響を及ぼしてきた水戸学の影響関係について知見をあおいだ(「「中期水戸学」を如何に読み解くべきか 徳川ミュージアム所蔵の関係資料を視野に」2018年)。これにより、広く東アジアの思想伝統と近世以降現代に至るまでの日本思想の受容・対話の形跡を実証的に検証することの重要性を改めて共有できたことは、本研究の趣旨に照らしても重要な意義を持つと思われる。
著者
道前 翔矢 金井 輝人 石井 順久 板谷 治郎 辛 埴 岡崎 浩三 小川 優 岡田 大 鈴木 剛 渡邉 真莉 染谷 隆史 山本 貴士 笹川 崇男 藤澤 正美
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.1583, 2017

<p>従来のARPESでは平衡状態の電子構造について盛んに研究されてきた。近年はさらに発展した実験手法として、非平衡状態に励起された電子系が平衡状態へと緩和していく様子をフェムト秒の時間分解能で観測できる時間分解ARPESが試みられている。本研究発表では高次高調波を用いた時間分解光電子分光を用いてアンチノード方向を含めたBi2212の時間分解光電子分光の結果より擬ギャップの起源について議論する。</p>
著者
岡田 大樹 梅野 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.145, pp.59-64, 2014-07-21

与えられた2値乱数系列が真の乱数系列であるかどうかを仮説検定する,複数の検定法により構成される検定ツールがあるが,その著名な検定ツールに米国商務省標準技術局が公開しているNIST Special Publication 800-22がある.その検定ツールを構成する検定法の一つに,離散フーリエ変換検定法がある.離散フーリエ変換をより一般化した変換について考察し,それをもとにして作る新たな離散変換(カオスユニタリ変換)を離散フーリエ変換と置き換えるという変更を離散フーリエ変換検定法に加えることで,チェビシェフ写像などを生成法の基にするカオスな擬似乱数系列等を検定可能とする,擬似乱数系列の持つカオス的特徴(=非乱数性)を棄却検定する検定法を構成した.
著者
岡田 大助 オカダ ダイスケ Okada Daisuke
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.373-380, 2013-03

ICTが我々の生活の隅々にまで深く影響を与えているにもかかわらず,政治過程とくに選挙過程においてはあまり活発ではない。デメリットが大きいと考えているからであろう。そこで,本稿ではその限界と可能性について,憲法学の観点から考察を行う。憲法上の選挙原則を考え,そのうえで,選挙過程におけるICTの類型としての,ネット選挙,電子投票,そしてインターネット投票を考察し,問題点を明らかにする。
著者
井ノ口 馨 岡田 大助 大川 宜昭 鈴木 章円 Shehata Mohammad 鈴木 玲子 西園 啓文 野本 真順 横瀬 淳 村山 絵美 趙 埼 北村 貴司
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「記憶のアップデート機構」は知識の形成を通じて精神活動の基盤となる。記憶のアップデートは記憶同士の連合により行われるが、そのセルアセンブリレベルのメカニズムは不明であった。本研究では、二つの記憶情報が連合する回路レベルのメカニズムを明らかにするために、(1)CS-US連合(2)行動タグ(3)高次の連合のそれぞれについて、記憶が連合(相互作用)するセルアセンブリレベルのメカニズムを解析した。その結果、記憶が連合(相互作用)する際には、それぞれの記憶の対応する神経細胞集団の同期活動によるオーバーラップが重要な役割を担っていることが示され、記憶がアップデートされる脳内メカニズムが明らかとなった。
著者
三浦 宏之 吉田 恵一 栗山 實 真柳 昭紘 岡田 大蔵
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

歯は粘弾性体である歯根膜によって顎骨に植立されており,咀嚼時に機能力を受けると,歯槽骨の中に押し込まれて上顎臼歯部は口蓋側遠心歯根方向へ,下顎臼歯部は舌側方向へ変位して,歯および顎骨が受る咬合力を緩衝している.健常者の下顎第1大臼歯は,咬頭嵌合位での噛みしめ時に舌側方向へ50μm程度の回転成分の強い変位経路を示し,プリッツ咀嚼時にはプリッツが上下顎間に介在することによって下顎第1大臼歯は舌側方向のみならず頬側方向への力を受けるために頬側方向への変位を示すが,この頬側方向への変位は咀嚼の進行と共に減少し舌側方向の変位が増加する.一方,歯槽骨の吸収が認められる被験者の下顎第1大臼歯では噛みしめ時の変位量は50μm程度と正常者とほとんど変わらないものの,正常者とは逆方向の頬側方向に変位した.まだ,プリッツ咀嚼時に正常者に見られた咀嚼初期の頬側への変位が見られず,咀嚼初期より舌側方向に変位し,さらに健常者に比べて幅のある大きな動きを示していた.ブラックシリコーンにて記録した同症例の咬合接触像では,軽度,中等度噛みしめ時に遠心舌側咬頭内斜面に1点,強度噛みしめ時には遠心舌側咬頭内斜面,遠心咬頭外斜面,近心頬側咬頭頂の3点に穿孔が見られ,頬側咬頭内斜面のみに特に強い咬合接触像が見られるわけではなく,咬合接触像に特に異常は認められなかった.それにもかかわらず,正常者と異なる変位経路を示したのは歯槽骨の状態の変化によるものと考えられる.歯が機能時に正常時と異なる変位経路を示すと歯周組織の状態をさらに悪化させることも考えられる.したがって,歯槽骨の吸収を伴うような症例では歯周組織の破壊状態を適切に診査,診断を行うとともに,歯周処置を行い,補綴物製作時には補綴物に正常な変位経路をとるような咬合接触関係を付与する必要があることが明らかとなった.