- 著者
-
塩澤 和人
廣瀬 圭子
田口 孝行
原 和彦
- 出版者
- 公益社団法人 埼玉県理学療法士会
- 雑誌
- 理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.1, pp.21-26, 2014 (Released:2014-02-05)
- 参考文献数
- 10
【目的】本研究では,退院後生活空間に影響を及ぼす要因を退院直前の歩行能力,ADL能力,家屋整備状況,介護サービス整備状況,ADLおよび外出自己効力感の観点から明らかにすることを目的とした。【方法】分析対象は,回復期リハビリテーション病棟から自宅退院した患者のうち,HDS-Rが19点以上であり,移動手段が屋内歩行自立の者43名とした。退院直前に最大5 m歩行時間(直線歩行能力),TUG(応用的歩行能力),FIMの各運動項目得点(ADL能力),家屋整備状況,介護サービス整備状況,ADL自己効力感得点,退院1か月後にLife-Space Assessment(LSA),外出自己効力感得点を評価した。【結果】高活動群と低活動群間の最大5 m歩行時間,TUG,FIM移動得点,ADLおよび外出自己効力感得点に有意差を認めた。LSAを従属変数,LSAと相関がある項目を独立変数として回帰分析を行った結果,TUG,FIM移動得点,ADLおよび外出自己効力感得点でいずれも有意な標準偏回帰係数が得られた。【結論】退院後生活空間に影響を及ぼす要因は,応用的歩行能力,ADL移動能力,ADLおよび外出自己効力感であることが示された。