著者
澤田 純男 古川 愛子 中村 晋 鍬田 泰子 後藤 浩之
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

固体である地盤を伝播する地震波は重力の作用を無視するが,流体に近い性質を持つと考えられる液状化地盤では重力の作用を無視することができるとは限らない.重力の作用を考慮した数値解析手法によって,液状化地盤を伝播する波をシミュレートしたところ,せん断剛性の低下に対応して表面波が流体中の重力波に似た性質をもつようになること,またスロッシング現象が顕著になることを明らかにした.
著者
澤田 純男 後藤 浩之 米山 望
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本課題は,固体か流体かに依存しない支配方程式を理論的に導出し,その支配方程式に基づいた数値解析コードを開発して,固体と流体との中間的状態にある媒質の動的な挙動を高精度に解析することを目指したものである.固体と流体の双方を取り扱うことのできる支配方程式をラグランジュ形式で導出し,線形弾性体からニュートン流体までシームレスに解析できることを静的解析,および動的解析によって検証した.本解析コードを飽和砂地盤の動的解析に適用し,液状化地盤の揺動現象を再現することができた.非液状化層や埋設構造物を想定した側壁付近で,励起された鉛直振動に伴う液状化が確認された.
著者
塚本耕司 後藤浩行 齋藤孝道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.611-613, 2013-03-06

本論文では, ユーザの行動追跡を行う上での新たな特徴点の一つとして, JavaScriptベンチマークであるsunspiderの結果を用いたユーザのCPUを推定する手法を提案し,その実装を示す.
著者
後藤 浩一 工藤 勝弘 奥村 誠崇
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.358-362, 2002-11-30
被引用文献数
1 1

自然の復元を目指した緑化対策の現状を把握するために,近年竣工した3箇所のダム原石山跡地で植生調査等を実施した。その結果,厚層基材吹付工を実施した箇所では実施しなかった箇所より在来種の進入種数が少なかった。また,厚層基材吹付工に在来木本種子を混ぜて播種した箇所で播種した在来木本の植被率は,草本種子量を減じた箇所の方が高かった。小段部の植裁工については,成長した植栽木からの種子の散布による周辺のり面への定着を図ることを主眼として,厳しい立地環境である原石山跡地においても定着が可能なアカマツなどの先駆性の木本を中心に樹種を選定することが望ましいと考えられた。
著者
後藤 浩介 西沢 健 田中 一雄 松岡 智之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.6-9, 1998-03-30

阪神淡路大震災以降、防災への意識が一気に高まり、各家庭や自治体などで防災資材や食料の備蓄、準備が進められている。しかし、個人的なサバイバルのための食料や、避難所生活で必要となる仮設トイレなどに比べて、震災発生から避難所生活に至るまでに発生する災害に対する準備例えば倒壊家屋からの救出、二次災害防止、消火活動などに関わる資材にまでは、なかなか進んでいないのが現状である。一方、現状の防災用品の備蓄場所については、小学校や公民館、市役所など公的な施設に集中的に管理されているか、街区公園の防災倉庫、自治会役員宅などに収納されている場合が多い。ところが、家屋の倒壊や火災についてはいつ、どこで発生するか分からないという点で1箇所に集中して配備するより、災害時の早急な対応のためには分散して収納、配置することが望まれている。また、公園等に設置されている防災倉庫については、ベニヤ板による手作りの倉庫や家庭用の既製品が流用されていることも多く、倒壊、火災などで利用出来なくなる恐れも指摘されている。その他、景観的には狭い公園の敷地に唐突に置かれていたり、日常の利用がないために公園のスペースを狭くしているなどの問題も発生している。本プロジェクトは、上記のような防災用品の備蓄および防災倉庫の現状を背景として、二次災害を防止するための救助用資機材を分散して準備すること、及びそのために日常的な利用価値をあげて分散配置を促すことを目的としてベンチの基礎部分を収納スペースとした防災対応の新しいストリートファニチュアの開発である。
著者
斉藤 敦 後藤 浩治 笹沼 拓也 鈴木 清修 中瀬 太郎 濱崎 勝義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.174, pp.13-18, 1996-07-24
被引用文献数
1

超伝導体-constrictions-超伝導体(S-c-S)を電界蒸発法を用いて作製した。本手法を用いることにより、constriction長とAndreev反射確率を容易に変化させることができる。実験から得られた準粒子電流特性とその温度依存性は、S-c界面でのsingle-Andreev反射を基礎とする拡張したBTK理論と定量的に一致した。しかし、中にconstrictionが形成される絶縁層(MgO)が薄い場合のトンネル特性のときに観測されたサブハーモニックギャップ構造(SGS)は、界面の散乱ポテンシャルZ〜0になったとき、multiple-Andreev反射を基礎としたOTBK 理論の予想とは異なり4.2KからT_<c,Nb>までの全ての温度領域で観測されなかった。
著者
高部 佳之 清水 隆文 大和 忠臣 後藤 浩一 山口 弘太郎 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.41-50, 1998-01-25
被引用文献数
2

ワイヤレスカードシステムは, 電波を利用することにより, カードをデータ読み書き装置に接触させることなく, 情報のやり取りを行うことを目的とする。ワイヤレスカードの技術は, 料金徴収, ID管理, 履歴管理および位置管理等の広範な利用分野において様々な応用が可能であり, 社会生活の利便性を向上させ, 高度情報通信社会推進の一翼を担う技術として大きく期待されている。本稿では応用例として, 有料道路の自動料金収受システム, 鉄道の自動改札システム, FA生産ラインシステムおよび特定区域への入退場管理システムに関する現状を紹介すると共に将来を展望する。
著者
後藤浩一 松原 広 深澤 紀子 水上 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.3256-3268, 2003-12-15
被引用文献数
21

携帯端末を用いて,鉄道の駅における視覚障害者の行動を支援する情報提供システムを開発した.視覚障害者の行動支援のためには利用者の現在位置を特定する必要がある.画像認識や音声認識による環境の認識はまだ実用レベルではなく,GPSや携帯電話の基地局等による位置の把握は,精度的にも利用可能な場所の面からも要求を満たせない.本システムでは,視覚障害者が移動のときの目安としている視覚障害者用誘導ブロックに位置情報を保持するRFIDタグを埋め込んで位置情報を取得し,携帯端末が持つ利用者情報や地図情報を用いて現在地の案内や目的地までの誘導案内を行う.利用者はシステムへ要求を音声で伝え,システムも音声で必要な情報を提供する.本稿では,現状の問題点とシステムへの要求を整理したのち,開発したシステムの構成と機能を説明する.実際の駅で行った評価試験の結果,目標とした機能を果たせることを確認した.本システムが提供する機能は,駅だけでなく一般市街地でも活用できることが期待でき,今後は歩行者ITS等の同様のシステムとの共通化を図り,実用化を目指す.We have developed a information guide system for visually disabled people by embedding location data in the station environment. This system consists of a portable information device, a cane carried by the user and guide blocks embedded RF-ID tags which have location data. The datum of a RF-ID tag is read by the cane and transmitted by radio wave to the portable information device. Then information about the current location is provided vocally to the user. When the user tells the information device where he/she wants to go, the device computes a route and guides the user to the destination. This paper also includes the result of a field test executed in a real railway station.