著者
後藤 清志
出版者
岡山県立大学短期大学部
雑誌
岡山県立大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13404687)
巻号頁・発行日
no.3, pp.112-139, 1996

日本の体操競技における競技力向上や強化対策としてのトレーニング方法からスポーツタレント発掘にまつわる具体的なジュニア指導法の実践において,一環指導体制の確立が全国的に定まらず,文化的,社会的な側面からも厳しい環墳での試行錯誤の経験的指導法中心型によってトレーニングされてきたことが考えられる。 そこで,新たな手段として,最近では,旧ソ連の崩壊によって優秀なコーチが海外(各国)に出稼ぎ指導を行い競枝力向上に貢献しており,世界的に注目を浴びている。日本体操界でも,こうしたシステムをうまく活用し採用している。 そして,旧ソ連は世界のトップでもあることから,幾分日本の視点も旧ソ連式トレーニングに傾きかけてはいるものの具体的な段階の基準は明白ではなく,体系的なものや基礎技術,姿勢の重要性を強調する程度である。 しかし,現場の指導者として望んでいることは,どのような段階的過程を経てトップアスリートヘ導き出されたかということの重要性であり,発掘に当たっての具体的なプログラムを提示されないまま個々の指導者用基準に成り立っており,情報不足をものがたっている。そうしたことの解消と旧ソ連崩壊後のロシア国スポーツ・体操競技の現状,さらに40年以上もの培われた基準プログラムを例にこの調査研究は提示した。
著者
目黒 雄太 清住 哲郎 加藤 昌義 瀬沼 耕一 後藤 清
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.738-742, 2023-12-28 (Released:2023-12-28)
参考文献数
6

Do not attempt resuscitation(DNAR)プロトコールを学ぶ研修では,従来,隊長役以外の参加者の学びに限界があるなどの課題があった。課題を克服するためvirtual reality(VR)教材を作成して研修に取り入れた。研修に参加した救急救命士153名を対象として質問票によるアンケート調査を行い,前回の研修で隊長を経験した受講者(隊長群)と経験していない受講者(非隊長群)について比較した。参加者全員(隊長群31名,非隊長群122名)が問題なくDNAR教材を使用した。VRは実習の代替になる(そう思う,ややそう思う)と,隊長群15名,非隊長群82名が,DNARブースはVRで行ったほうがよい(そう思う,ややそう思う)と隊長群15名,非隊長群66名が回答した。群間に有意差はみられなかった。 DNARプロトコールを学ぶ研修会において,VR教材を活用することにより,従来の集合型研修で隊長を経験できなかった受講者全員に隊長を経験させることができ,受講者から好意的な反応を得た。
著者
柳川 洋一 後藤 清 越阪部 幸男 阪本 敏久 岡田 芳明
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.11, pp.587-592, 2004-11-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
26

背景:排泄行為は循環動態に影響を与える。目的:トイレでの疾患発生状況を明らかにすること。方法:平成15年5月から1年間で,所沢市内のトイレで発症し,救急車の要請があった全症例(n=74)を対象とした。対象の性別,年齢,気温,トイレの様式,使用目的,搬送先の診断名に関して検討を行った。結果:性別は男性40例,女性34例,平均年齢は68±16歳であった。トイレの様式は洋式62例,和式2例,小便器2例,不明8例であった。使用目的は排便38例,排尿28例,不明8例であった。診断名に関しては中枢神経疾患23例,失神12例,消化管疾患11例,心疾患9例,ショック6例,心肺機能停止4例,その他9例であった。心疾患は失神と比較して,低温環境での発症が多かった。結語:中枢神経疾患を発症する危険性のある患者には円滑な排泄行為が行えるような対策,失神を生じやすい人には高温環境での排泄を回避する対策,心疾患に罹患している患者には低温環境での排泄を回避する対策をとる必要がある。
著者
呂 慶云 後藤 清和 西津 貴久
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.291-296, 2010-05-01 (Released:2013-03-05)
参考文献数
9
被引用文献数
2

「GABA富化玄米」は健康食品であり,「発芽玄米」として市販されている。本報においては,GABA富化条件(温度,時間,送気等)のGABA含有量,発芽率,質量損失等の発芽玄米の品質に対する影響を検討した。また,GABA富化時に浸漬水での微生物の繁殖を抑制するために電解酸性水を使用し,効果を検討した。その結果,富化条件と「GABA富化玄米」の品質の間には種々の関係が存在することが明らかとなった。
著者
上﨑(堀越) 菜穂子 鮫島 隆 大森 康雄 府中 英孝 三明 清隆 森岡 豊 小谷 健二 小齊 喜一 後藤 清太郎 渡辺 至 中島 誠人 猪口 由美 西坂 嘉代子 五十君 靜信 新村 裕 服部 昭仁
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.347-356, 2013-07-15 (Released:2013-08-31)
参考文献数
34
被引用文献数
1

非加熱食肉製品である生ハムにおけるaWおよび乳酸ナトリウムによるL. monocytogenesの制御について5試験機関で検討した.(1) 血清型の異なるL. monocytogenesの増殖に対する乳酸ナトリウムの影響試験から,供試した菌株の乳酸ナトリウムに対する感受性は,4種の菌株間で差がないことが明らかとなった.(2) 試験用生ハムで,いずれの試験機関でもaW 0.93(0.930≤aW<0.940) では,L. monocytogenes (血清型4b,Scott A株) は,10℃で56日間保管した場合に増殖しなかった.このことから,生ハムではaW0.93であれば,原料肉のpHや食塩濃度,亜硝酸塩および低温保管(10℃) などの条件が相加,相乗的に作用して,L. monocytogenesの増殖が抑制されるものと推測された.(3) 今回の試験では,aW 0.94(0.940≤aW<0.950) であれば,2%の乳酸ナトリウムを添加することによってL. monocytogenesの増殖が抑制されることが示唆された.
著者
宮坂 道夫 鳥谷部 真一 山内 春夫 栗原 隆 後藤 清恵 坂井 さゆり 細見 博志 田澤 立之 足立 智孝 中田 光 甲斐 克則
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、【1】医療倫理学の統合的方法論の構築、【2】統合的方法論の実践可能性の検証、【3】統合的方法論の法制度的整合性の検証を目標にしてきた。5年間の研究により、統合的方法論を「修正版四分割表」および「ナラティヴ検討シート」として完成させた。これらにより、原則論に基づくジョンセンらの方法と我々が構築してきたナラティヴ倫理による方法を統合して、臨床現場で実践可能な方法論を提示することができた。また、ハンセン病問題、終末期医療、遺伝子医療等についての臨床倫理の検討方法や諸外国との比較法制度論に関する成果等が得られた。
著者
後藤 清豪 高田 秀志
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.41, pp.1-8, 2010-11-05

現状のウェブでは検索エンジンや推薦アルゴリズムの発達により,求める情報を容易に得ることが可能である.しかし,明確に求めているわけではないが,与えられれば好奇心が刺激されるような情報である「意外な情報」を得る手段として確立されたものはない.一方で,日常生活においては,人との交流や会話などから「意外な情報」を偶然得られることがある.そこで本研究では,ソーシャルメディアにおいて,意外な情報の提供者になり得る人物を推薦する手法を考える.その一つとして,ソーシャルメディア上のユーザの行動から,被推薦者にとって意外な情報の提供者となり得る人物を推薦する手法を提案する.また,本手法をTwitterを対象として実装し,推薦した人物が被推薦者にとって意外な情報の提供者になり得るかどうかを,他の人物推薦システムと比較して検証する.