著者
石神 暁郎 西田 真弓 浅野 勇 川上 昭彦 川邉 翔平 森 充広
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.I_37-I_51, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
38

積雪寒冷地におけるコンクリート施設では,近年,凍害や摩耗を対象とした調査・診断および補修・補強が行われている.従来の更新だけではなく,補修・補強を前提とした凍害や摩耗の調査・診断では,施設を構成するコンクリートの表面近傍における劣化状態の把握が重要となる.本研究では,北海道内に位置する複数の開水路および頭首工を構成するコンクリートにおいて,主に水に曝される部位を対象としたコア試験体の採取を行い,劣化状態の詳細調査を行った.その結果,積雪寒冷地において長期間供用されたコンクリート施設では,圧縮強度や相対動弾性係数などの力学的特性の低下を伴う著しい劣化を生じる場合があること,表面近傍における凍害とカルシウム成分の溶脱を伴う摩耗とが複合的に発生する可能性があることが明らかとなった.
著者
久保 暁子 山本 清龍 中村 和彦 下村 彰男
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.181-186, 2019

<p>本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。</p>
著者
山内 暁彦
出版者
徳島大学
雑誌
言語文化研究 (ISSN:13405632)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.17-36[含 英語文要旨], 2010-12

The element of satire can be seen in various genres of literature, including fantasy. Peter Pan in Kensington Gardens,written by James Mathew Barry,is a fantasy that has elements of satire.In particular,the chapter of 'The Thrush's Nest'has many examples of satiric descriptions, most of which seem to be very easy to understand,even for children. Solomon Caw has a mania for collecting useless things that is peculiar to the elderly. Those who are born in 'The Sparrows' Year' puff and blow as if they think they are bigger than they really are.In Peter Pan in Kensington Gardens,a house is built by fairies for a little girl called Maimie. In Alice's Adventures in Wonderland,Alice enters the White Rabbit's house. In Gulliver's Travels,a temple serves as Gulliver's lodging in Lilliput. All of these houses are very small for Maimie,Alice and Gulliver.The small size and coziness of these houses represent children's preference for a small spot. However,the three houses are quite different because of the difference of the nature of these novels. Maimie'shouse in Peter Pan in Kensington Gardens is a gift from the fairies,who have affection for the girl. The whole scene is abundant with poetic sentiment.The White Rabbit's house is a mere setting for Alice's activity. She strugglesin the house growing bigger and smaller in Wonderland and she escapes from it to continue her adventure. Gulliver's house in Lilliput,which is usually identified with Westminster Hall in London,shows that the politics and society in England is satirized throughout"the Voyageto Lilliput".Because fantasy is opposite to reality, and satire deals with various issues in reality, fantasy is hardly affiliated with satire in general. Hence it seems to be an exceptional case that the chapter of 'The Thrush's Nest' has many examples of satire. The biggest satirical point in Peter Pan in Kensington Gardens is the very existence of fairies who never do anything useful,because everybody in the real world struggles to live a life seeking usefulness. Amongst other literary genres fantasy may have the biggest possibility of being a satire of the real world.
著者
門田暁人 佐藤慎一 神谷 年洋 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2178-2188, 2003-08-15

ソフトウェアに含まれるコードクローン(重複するコード列)は,ソフトウェアの構造を複雑にし,ソフトウェア品質に悪影響を与えるといわれている.しかし,コードクローンとソフトウェア品質の関係はこれまで定量的に明らかにされていない.本論文では,20年以上前に開発され,拡張COBOL言語で記述されたある大規模なレガシーソフトウェアを題材とし,代表的なソフトウェア品質である信頼性・保守性とコードクローンとの関係を定量的に分析した.信頼性の尺度として保守工程で発見された「フォールト数/LOC(Lines of Code)」を用い,保守性の尺度として「モジュールの改版数」を用いた.分析の結果,コードクローンを含むモジュール(clone-includedモジュール)は含まないモジュール(non-cloneモジュール)よりも信頼性(平均値)が約40%高いが,200行を超える大きさのコードクローンを含むモジュールは逆に信頼性が低いことが分かった.また,clone-includedモジュールはnon-cloneモジュールよりも改版数(平均値)が約40%大きく(すなわち,改版のためにより多くの保守コストが費やされてきた),さらに,モジュールに含まれるコードクローンのサイズが大きいほど改版数がより大きい傾向にあることが分かった.
著者
松井 暁
雑誌
専修経済学論集 (ISSN:03864383)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.17-42, 2010-12-15
著者
松井 暁
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.p45-75, 1995-07
著者
田中 浩基 矢島 暁 筒井 裕士 佐藤 岳実 小野 公二 高田 真志 浅野 智之 櫻井 良憲 丸橋 晃 鈴木 実 増永 慎一郎 菓子野 元郎 劉 勇 木梨 友子 密本 俊典
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.128, 2010

京都大学原子炉実験所では硼素中性子捕捉療法用のサイクロトロン加速器を用いた熱外中性子源の開発を行っている。実機のインストールを平成20年10月に完了し、平成21年3月に施設検査合格、中性子発生試験を開始した。陽子電流は1mAを達成し、熱外中性子強度1×10<SUP>9</SUP>(n/cm<SUP>2</SUP>/s)を実験的に確認した。これまで原子炉で行ってきた臨床試験の中性子強度よりも高い熱外中性子束を得ることができた。
著者
三戸 暁 町田 邦郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.45, no.394, pp.559-566, 1979-06-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
11

伸びの異なる2種類の金属繊維を用いて,エポキシ樹脂を強化した複合材料を試作し,その常温クリープ挙動を調べた.その結果,伸びの小さいタングステン繊維を含む複合材料は,みかけ上遷移,定常,加速クリープを示し,繊維,母材ともに破断したが,体積率の小さな試験片ではタングステン繊維にマルチプルネッキングが生じた.一方,伸び大きいステンレス繊維を含む複合材料は,対数クリープだけを示し,この傾向は高体積率,低応力になるほど著しく,また,クリープ破断は母材だけでおこり,繊維は母材から引き抜けた.
著者
福嶋 慶繁 津邑 公暁 杉本 憲治郎
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

計算機環境が複雑化している中,高度に最適化された機械語を得るためには,分野ごとに特化した専用プログラミング言語が必要不可欠である.しかし,最新の画像処理専用プログラミング言語でも,局所的な最適化しかできず,アルゴリズム全体の最適化は未だできない.本研究では,画像処理をデザインパターンとしてまとめ,多くのパターン集として体系化することともに,それをプログラミング言語として試作する.主に,画像処理は,FIRやIIRといった畳み込み,拡大縮小,点の処理の連続として表現され,これを効率的につなぐことで高速化可能であることを示した.さらにそれらを検証するために様々なアプリケーションで検証した.
著者
小森 美咲 村上 暁信
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.363-368, 2013
被引用文献数
1

本研究は,屋敷林の変遷と民家の敷地内空間構成を合わせて分析し,どのような民家で屋敷林が維持,もしくは喪失されてきたのかについて明らかにすることを目的とした。特に緑被と建物による民家の敷地内空間構成に着目し,屋敷林の維持される民家,喪失された民家の特性を解明することとした。空中写真を用いた分析と対象地での観察調査に基づく分析結果から,以下のことが明らかとなった。屋敷林を維持する民家では,戦後のライフスタイルの変容にも対応しつつも,短冊状の敷地の後背部に屋敷林をもつという従来の空間構成が残されており,かつ屋敷林以外の樹木構成をもち合わせることで,高い緑被率が維持されてきた。一方,屋敷林を喪失した民家では,建物の新築増築期後も敷地内の緑被が減少し,屋敷林以外の樹木構成をもたない傾向がある。短冊状の敷地後方に屋敷林をもつという従来の空間構成はほとんど喪失されており,建物中心の空間構成へと変容している。これより,建物の新築増築後に残された屋敷林をいかに維持していくかが重要であると言える。
著者
長部 弘幹 大槻 暁 花房 京佑
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1349, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】立位でのリーチ動作は日常生活の場面で頻繁に行われる動作であり,上肢の機能的活動の指標とされる。また,バランスの指標であるFunctional Reach Testで用いられる動作であり,姿勢制御の要素が強く関連している。リーチ動作における上肢や手の運動戦略に関する研究は数多くあるが,リーチ動作における姿勢戦略について明らかにした研究は少ない。立位姿勢における姿勢戦略は股関節戦略,足関節戦略,ステップ戦略に大別され,各運動戦略を組み合わせて姿勢を調整している。立位でのリーチ動作においても同様な姿勢調節が行われていると考えられる。そこで今回は,立位姿勢でのリーチ動作における姿勢戦略の経時的変化を明らかにすることを目的とし,最大リーチ動作時の股関節と足関節による姿勢戦略を検討した。【方法】対象は健常成人19人(平均年齢24.6±2.2歳)とした。実験は,立位姿勢における対象物に対するリーチ,把持の動作をビデオカメラにて撮影し,その間の下肢の姿勢戦略を分析した。被験者の右腋窩直下,大転子,外側膝関節裂隙,外果,第5中足骨遠位端にマーカーを貼付した。矢状面の運動分析のため,ビデオカメラ(SONY;HDR-CX430V)のレンズと大転子の高さと同じにし,真横に4m離れた位置に設置した。実験開始肢位は,安静立位で右上肢を肘関節伸展位のまま肩関節屈曲90°肢位,左上下肢は任意の肢位とした。目標物は,1辺が3cmの立方体を右上腕骨頭の前方延長線上に置いた。検者は目標物を矢状面上でリーチ可能な距離まで移動させ,被験者に前方の目標物を母子と示指で把持すように指示した。その際,体幹回旋による代償動作や足底が床から完全に離れることがないように注意し,母指と示指で目標物を把持するようにした。目標物を徐々に離していき,被験者がつま先を動かさずに目標物を把持することができる最大の距離までリーチ動作を繰り返して行った。記録した映像から最大リーチ動作試行時を解析に使用した。映像分析には,動画解析ソフトダートフィッシュver.5.5(ダートフィッシュ・ジャパン)を用いて,マーカーを目印に股関節と足関節の関節角度を30fpsで測定した。データ解析では,リーチ時間の個別差を補正するため,運動の開始から把持した瞬間までの時間を100%とし,開始から20%毎の区間における各関節の運動範囲を算出した。各関節の運動範囲は,個別差を補正するため,開始時から終了時までの運動角度に対する各区間における運動角度の比率を算出し,その平均値を分析に使用した。各関節での値を一元配置分散分析により比較し,有意差を認めた場合に各区間における運動角度の比率をturkyの多重比較を用いて比較した。統計解析にはSPSS(ver.21)を使用し,有意水準は5%未満とした。【結果】股関節の平均値と標準偏差は0-20%,20-40%,40-60%,60-80%,80-100%の区間(以下それぞれを区間1,区間2,区間3,区間4,区間5とする)でそれぞれ,0.24±0.16,0.37±0.13,0.22±0.10,0.10±0.10,0.07±0.06であった。隣接する区間の比較では,区間1と区間2,区間2と区間3,区間3と区間4は有意差を認めた。区間4と区間5では有意差は認めなかった。一方,足関節の平均値はそれぞれ,0.15±0.20,0.28±0.28,0.24±0.15,0.21±0.26,0.12±0.14であり,一元配置分散分析にて各区間に有意差は認められなかった。【考察】目標物へのリーチ動作において股関節は20-40%区間で最も速く大きく変化し,その後徐々に速度と変化率が低下し,60%を過ぎるとわずかな変化で経過するということが明らかとなった。立位でのリーチ動作における股関節戦略は一定のパターンで,重心の前方移動のために使われるということが推測される。一方で足関節戦略は,どのタイミングで多く使われるかは明らかにならなかった。足関節運動は,各被験者によってピークに差異があり,重心の移動や距離の調整などに使用されていると考えられる。足関節戦略は状況によって変化する多様性のある戦略と推察される。足関節戦略の分析と股関節戦略との関連性については,今後より詳細な検討が必要である。【理学療法学研究としての意義】目標物へのリーチ動作における姿勢戦略を明らかにすることは,臨床での理学療法を行っていくうえで非常に重要なことである。課題に伴う姿勢戦略を適切なタイミングで使用しているかを分析し治療することは機能的な活動を獲得するために重要であり,今回の結果は,クリニカルリーズニングの一助となるもの考える。
著者
足立暁生著
出版者
森北出版
巻号頁・発行日
1990