著者
井戸 健一 関 秀一 酒井 秀朗 山中 桓夫 木村 健 河合 忠
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.18, no.7, pp.464-467, 1977-07-26 (Released:2009-07-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

肝疾患における自己抗体の検索を性別差の観点から行なった.対象は肝硬変60名,慢性肝炎33名,急性肝炎27名,脂肪肝9名の計129名.自己抗体は抗核抗体(蛍光抗体間接法),抗DNA抗体(赤血球間接凝集反応),リウマチ因子(血球凝集反応)を検索した.抗核抗体(P<0.05),抗DNA抗体(P<0.005),リウマチ因子ともに女性の陽性率が男性より高かった. さらに抗核抗体陽性者は全員HBs抗原(RIA)陰性であった.このような結果は“性”というgeneticな要因が病因論的に大きな役割をはたしている可能性を示唆するものと考えられた.
著者
佐藤 勝 林 敦子 加登 基弘 新田 裕 並河 勇 白木 雅文 勝谷 芳文 岩山 幸雄 平田 健一 木村 健一
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.407-415, 1985-06-28
被引用文献数
2 2

ヒトの口腔内には鞭毛虫類としてTrichomonas tenax (T. tenax)が生息し,歯周疾患の進展と共にその検出率が高くなることが経験的に知られている。しかし本原虫は培養,純培養が困難であるため,その病原性や生物学的性状は不明である。我々はT. tenaxの培養用に新培地を開発し,この培地がT. tenaxの分離,増殖にも優れていることを確認したので今回は,ヒトの歯肉縁下歯垢中における本原虫の分布と検出率を疫学的に調査した。その結果,T. tenaxの検出率と,被検者の年齢,ポケットの深さ,歯肉炎の程度および歯垢集積量の間には密接な関連性が認められた。また歯周療法がT. tenaxの消長に及ぼす影響を検討したところ,臨床症状の改善に伴ってT. tenaxの検出頻度は低下した。
著者
木村 健 小谷 善行
雑誌
第53回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.91-96, 2012-01-06 (Released:2012-06-20)

本稿ではGPGPU(グラフィックスプロセッサの汎的計算への応用)を用いた将棋ゲーム木探索手法を提案する。チェスや将棋などのゼロ和完全情報ゲームにおける並列ゲーム木探索の研究は決して新しい研究ではない。しかしながらさまざまな技術が年を経るごとに開発されているにつけ、並列探索の技術も変化を必要としている。GPU上における並列計算環境であるCUDAと、CUDAライブラリの一部であるCUDA版C++STLとも言えるThrustを用いた、並列ゲーム木探索手法を提案する。提案手法は1993年にTransputer上に実装されたYBWCをベースにしており、高いスピードアップが期待できる。ただし、CUDA固有の高スループット実現の難しさもあり、提案手法の実際の実装についての知見が必要である。 In this paper, we introduce a Shogi (Japanese Chess)’s game tree search method that uses GPGPU (General Purpose GPU). This is not new research field that parallel game tree search for zero-sum perfect information games (such as Chess and Shogi). The technology of parallel game tree search need change to fit new technology such as GPGPU. Inthispaper, we introduce the way of searching game tree in parallel which uses CUDA (Parallel environment for GPGPU) and Thrust (C++STL like CUDA based library). The proposal method is based on YBWC which implemented 1024 nodes Transputers in 1993, so high speed-up is guaranteed. But there are difficulties of implementing high throughput program in CUDA, so individual implementation and their performance findings are needed.
著者
川本 智章 井戸 健一 人見 規文 磯田 憲夫 大谷 雅彦 木村 健 望月 真 広田 紀男 近藤 雅雄
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.241-246, 1989-02-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

症例は49歳,男性.昭和58年,肝機能障害を指摘された.昭和62年4月,当科を受診し,多発性の高エコー病変を指摘され入院.既往歴として25歳時,輸血歴がある.39歳より糖尿病を指摘され,Glibenclamideを内服している.飲酒歴はビール1本/日,30年間.入院時,皮膚症状はなく,軽度の肝機能障害を認めた.腹腔鏡検査では軽度の白色紋理と小陥凹を認め,多数の円形~地図状の暗紫青色病変がみられた.超音波腹腔鏡にて同病変は高エコーに描出された.紫外線照射により,生検標本の暗紫青色部に,淡い赤色蛍光がみられた.生検組織像はchronic persistent hepatitisであり,暗紫青色部には脂肪変性を認めた.ポルフィリン体の分析では,尿中ウロポルフィリン,及び7-カルボキシルポルフィリンの増加を認め,皮膚症状を欠く晩発性皮膚ポルフィリン症と診断された.本症例の確定診断には,腹腔鏡検査,及び超音波腹腔鏡画像誘導下の狙撃生検法が極めて有効であった.
著者
木村 健二郎 平田 恭信 菅谷 健 佐藤 武夫
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

尿蛋白による腎臓の間質尿細管障害の発症と進展の機序を明らかにする目的で実験を行った。(1)マウスの蛋白負荷モデル:12週齢のBalb/cマウスの腹腔内に牛血清アルブミン(BSA)を連日14日間投与して、腎臓の間質尿細管障害を観察した。(1)組織学的検討:通常のBSA(Fraction V, Sigma)では強い間質尿細管障害が生じたが、脱脂したBSAでは間質尿細管障害は軽度に止まった。(2)BSA(Fraction V)中の脂肪酸分析:BSAに含まれる脂肪酸は主としてoleic acid, stearic acid, palmitic acid, linoleic acidであり、ヒトの血清脂肪酸とほぼ同様であった。(2)培養マウス近位尿細管上皮細胞におけるBSAの取り込みの検討:培養液中にBSAを添加して、BSAがどの程度細胞内に取り込まれるかを見た。通常のBSAでは247ng albumin/mg proteinであり、脱脂したBSAでは494ng albumin/mg proteinであり、両者に有意差は見られなかった。(3)ヒト脂肪酸結合蛋白(L-FABP)トランスジェニックマウスでの蛋白負荷モデル:ヒトのL-FABPの染色体遺伝子を導入したマウスを樹立して、腹腔内蛋白負荷を行った。(1)と同様に、脂肪酸を含むBSAを投与したマウスでは強い間質尿細管障害が、脱脂したBSAを投与したマウスでは軽い間質尿細管障害が見られた。脂肪酸を含むBSAを投与したマウスでは尿中のL-FABPの排泄が増加し、また、腎組織中のL-FABPの遺伝子発現ならびに蛋白発現量は著明に増強した。(4)腎組織に浸潤しているマクロファージを免疫組織化学的に染色した。通常のBSA投与群では著明なマクロファージの浸潤を間質に認めたが、脱脂したBSA投与群ではマクロファージの浸潤は軽度に止まった。トランスジェニックマウスにおいても同様に、腎組織に浸潤しているマクロファージは通常のBSAを投与した群で著明であったが、これは野生型マウスで見られるマクロファージの浸潤よりも軽度であった。脱脂したBSAを投与したマウスでは遺伝子導入マウスと野生型マウスの間にマクロファージの浸潤には有意差が認められなかった。考察と今後の課題:尿蛋白に含まれる脂肪酸が間質尿細管障害を惹起し、L-FABPの発現を増強させていることが明らかになった。今後はL-FABPの細胞保護作用を明らかにする必要がある。
著者
木村 健一
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6216号)
著者
古川 宇一 長 和彦 寺尾 孝士 木村 健一郎 大場 公孝
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、自閉症児・知的障害児の生涯ケア体制の整った地域社会の創出をめざして、北海道にTEACCHプログラムを導入する10ヶ年計画の第2次3ヵ年計画のまとめをなすもので、函館・旭川両地区をモデル地区として、幼児期から成人期にいたる各ライフステージにおいてTEACCHプログラムのアイデアの有効性を検証し、関係者・機関への展開を図った。画期的であったことは、函館地区おしまコロニーが独自に、2001年4月、全国に先駆けて自閉症センター「あおいそら」を立ち上げ、活発な相談指導、コーディネート活動を展開し、地域センターとしての活動を展開した。幼児施設、養護学校、特殊学級、施設においてTEACCHプログラムのアイデアを導入するところが増え、幼児期から成人期にいたるTEACCHプログラムを基本においた一貫性のある療育システムが構築されつつあり、全道のセンター的役割を果たそうとしている。旭川地区では、幼児施設でTEACCHのアイデアを引き継ぎ、小学校特殊学級で導入する教室が増え、1成人施設が導入4年目で成果を上げている。両地域とも研究活動は親を含み継続している。本年度の研究16論文は、情緒障害教育研究紀要第21号に、1年次13論文は19号に、2年次12論文は20号に掲載されている。札幌・道央地区、帯広・道東地区では、おのおの1療育施設でTEACCHの手法を用いており、福祉施設においても積極的に導入し研修がすすめられている。札幌、旭川では、家庭教育にTEACCHのアイデアを用いた積極的な取り組みがなされている。おしまの自閉症センターと連携しながら、全道的な展開への準備が整いつつあり、次の第3次3ヵ年計画において道内4圏域でのTEACCHセンター機能の展開が課題である。
著者
石川 誠 山野 英嗣 朴 鈴子 豊田 直香 羽田 聡 不動 美里 黒澤 浩美 平林 恵 木村 健 松村 一樹 西澤 明 竹内 晋平 西村 大輔
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

生涯を心豊かに生きるための基盤作りとして,学校と地域の美術・博物館が相互の知見を共有し,知的財産(コレクション)を活用した鑑賞学習を多様に試行して七つの実践モデル(CD-ROM)にまとめた。従来,学校で扱いにくいかった分野にも対象を広げ,映像やワークショップ・プログラム,「書」など,実践に一つの道筋を付けたといえる。また,こどもの鑑賞過程で「見る」と「つくる」の密接な関係が確認され,実践計画の立案に示唆が得られた。この成果を公開討論会で問い,社会的な評価を受けている。
著者
美馬 のゆり 木村 健一 渡辺 政隆 木村 政司
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

公衆の科学技術意識の向上のために有効な公空間における対話的科学コミュニケーション手法について、デジタル技術を応用したシステムを構築し、参加者の科学技術リテラシーの向上を図るための実証的研究を行なった。科学館のない地方都市において、地域が有する資源を有効活用した地域活動を組織化し、公空間を積極的に利用することで、参加者の科学技術リテラシーの向上を図れることが明らかになった。
著者
内山田 博士 藤田 米一 木村 健治 山田 利昭
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報
巻号頁・発行日
vol.11, pp.22-24, 1977

暖地の早期栽培水稲では, 梅雨が長びくと低温が強くなくても品種によって障害不稔が発生し品種間差があることが知られている。日照制限による障害不稔の発生と耐冷性との関係を明らかにし, 品種の簡易検定法を確立するため検討したものである。