著者
村井 純子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

DNA複製の異常(複製ストレス)は、がん遺伝子の活性化やDNA障害型抗がん剤など様々な原因によって引き起こされ、遺伝子変異やがん化の促進、がんの薬剤耐性獲得の要因となる。よって、複製ストレスにさらされる細胞を排除することができれば、がんの発症、進展、再発の抑制が可能となる。近年、全く新しい複製ストレスの抑制因子として特定されたSchlafen 11(SLFN11)について、がん抑制遺伝子としての機能を細胞レベルと個体レベルで検証する。特に、マウスにSLFN11のホモログが見つかっていないことから、SLFN11の遺伝子導入マウスを作成し、がん抑制機能を研究する。
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。
著者
村井 純
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.328-329, 2020-03-15
著者
堀場 勝広 中村 遼 鈴木 茂哉 関谷 勇司 村井 純
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.923-944, 2018-10-15

Network Function Virtualization(NFV)を利用したサービスチェイニング(NFV-SC)は,ソフトウェアによる動的なネットワークの構成変更を可能とし,通信事業者の機器や運用のコストを低減することが期待されている.しかし,Interop Tokyo 2014 ShowNetにおいてNFV-SCを実装・運用した結果,Virtual Network Function(VNF)の連結によってパケット転送性能の低下が確認され,スケールアウトに課題が残った.そこで本研究では,スケールアウトとその前提となる相互接続性が実現可能なVNF 構成を検討し,その知見に基づき筆者らが提案しているNFV-SCの方式であるFlowFallを設計・実装するとともに,Interop Tokyo 2015 ShowNetにおいて,実際のネットワーク装置を利用してFlowFallを構築・運用し,商用ネットワークサービスとして20の出展者に対して3日間のNFV-SCを提供した.本稿は,これらの実践から得られたNFV-SCにおける相互接続性とスケールアウトの実現に必要な知見を述べる.
著者
江木 啓訓 石橋 啓一郎 重野 寛 村井 純 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.202-211, 2004-01-15
参考文献数
23
被引用文献数
8

本研究は,対面同期会議の参加者が内容の理解や発想,意識共有の質的向上を実現するために,議論への参加を促す手法について検討する.従来の議論の場面では発言する機会を得にくい参加者に着目し,発言とは違う形で貢献をしたり,議論のグループ全体の状況を把握しやすくしたりするために,協同記録作成を導入した議論の手法を提案する.議論の内容に関する記録編集を行うことを通じて,参加者が傍観することなく主体的に参加できることを狙いとする.パーソナルコンピュータを持ち寄った対面での議論の環境を対象とし,提案手法を実現するために必要な協同記録作成ツールを設計・実装した.議論に導入した結果,議論と記録の作成を並行するための認知的な負荷が増すという点が明らかになった.また,記録作成ツールを設計する際に,対面同期環境における参加支援の観点から必要なアウェアネス機能を整理し検討を加えた.The object of this research is to enable participants of a discussion to be able to improve the level of understanding, ideas, and shared consensus in a discussion. Toward this end, software which allows editing by multiple users at once was introduced during face-to-face discussion, creating an environment where participants of the discussion can also participate in the editing of the discussion minutes. As a result it became apparent to be a heavy load that assigning discussing and editing minutes to users at once. Furthermore, awareness functions required to encourage discussion contribution are investigated.
著者
渡辺 恭人 竹内 奏吾 寺岡 文男 植原 啓介 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.234-242, 2001-02-15
被引用文献数
10

プライバシ保護を実現した地理位置情報システム(GLIシステム)を提案する.我々が提案しているGLIシステムは,インターネットに接続している移動体の地理位置情報を地球規模で管理するものである.位置登録者は自分の位置をサーバに登録し,検索者は移動体の識別子を鍵とした位置検索,および地理的領域を鍵とした移動体検索が可能である.GLIシステムは地球規模での動作を可能とするため,サーバの階層化による分散管理を導入している.本論文で扱うプライバシ保護とは,第三者による移動体の特定防止,位置特定防止,追跡防止,なりすまし防止およびインターネットにおける盗聴防止,データ改竄防止である.さらにサーバが管理するデータベースの盗難も考慮する.移動体の識別子としてHID(hashed ID)を導入することにより,信頼関係のある検索者のみに移動体の特定,位置特定,追跡を可能とし,信頼関係のない検索者には統計情報のみの利用を可能とする.なりすまし防止のため位置登録サーバを導入し,移動体の認証を行う.インターネットにおける盗聴防止および改竄防止にはIPsecを利用する.本論文では,プライバシ保護を実現したGLIシステムの性能も見積もる.We propose the Geographical Location Information (GLI)System with Privacy Proection.The GLI System we propose provides a way to manage geographicallocation information of mobile entities in the worldwide scale.Mobile entities regiter their location information withservers. Searching clients are able to look up location of mobileentities using specified identifier as a search key and look upidentifiers of mobile entities using speified geographical region as a search key. The GLI System has a distributed management method inorder to be scaled to the world.In this paper, we introduce HID (Hashed ID) to the GLI System forprivacy preservation. The privacy preservation means that a mobileentity must not be identified by unknown persons, the location ofa mobile entity must not be realized, and it is impossible to track amobile entity. We designed the new architecture of GLI System andestimate performance.
著者
村井 純 水野 勝成 三谷 和史 加藤 朗 山口 英 石田 慶樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.205-206, 1994-09-20
被引用文献数
6

インターネットの発展とともに、知識や情報を共有する応用は一対一型の通信を基盤とした応用と比べて著しく増加している。例えば、WWWの利用による情報の共有、nv(Net Video)、VAT(Visual Audio Tool)といった会議システムが挙げられる。また、インターネットの地理的に普遍的な接続に対する要求が高まっている。これらの傾向によって生じる課題は、一対多型の通信媒体を有効に利用することによって解決が期待できる。そこで、衛星ネットワークと従来の地上網を融合し、衛星通信のもつ地理的普遍性や同報性などの特徴を用いて、インターネットの新しい課題の解決を目的とするネットワーク構築実験であるWISH(WIDE Internet with Satellite Harmonization)を開始した。WISHの構成は、送受信地球局が図1に示すように6地点、7局(奈良は2局)で、7つの周波数帯域を使用する。各局には1.8mφのアンテナを設置し、切り替えが可能な送受信周波数で出力2W、最大2Mbpsの速度で通信が出来る。これら地球局は衛星網を形成するだけでなく、各所で地上網と接続されている。
著者
土屋 高康 國領 二郎 村井 純
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1_19-1_28, 2017-07-31 (Released:2017-09-20)
参考文献数
22

デジタルヘルス市場では,スマートフォンを活用した新サービスの創出が活況である。しかし,市場ではコモディティー化も顕著であり,差別化戦略は益々重要性を増している。一方,健康に纏わるユーザーの価値観は定量化が難しいだけでなく,サービス価値の判断は競合サービスにも影響を受け変化することから,競合関係とともに捉えることが重要である。そこで本稿は,ユーザーレビューを活用し,テキスト解析と対応分析を駆使することで,差別化戦略を構築する上での有用な指針を抽出する方法を提示する。分析結果より,ユーザーは、体組成計データ等のグラフ表示や記録・管理機能などの一次的価値(機能そのものによる便益)を重視している傾向の他、睡眠管理や服薬管理などの分野ではコモディティー化を逃れていることが示唆された。よって、分野の特性を的確に捉えた上で差別化要素を検討する重要性などが指針として得られ、本稿で示した方法はデジタルヘルス分野における差別化戦略の構築に於いて,一助になると考えられる。
著者
鈴木 二正 西山 由真 芳賀 高洋 大川 恵子 村井 純
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.21-37, 2015-12-09

慶應義塾幼稚舎の小学2年生(児童数36名)のクラスでは,子どもたちの情報活用能力の向上を目標として,1年生のときから児童1人1台のタブレット端末を導入して授業実践を行ってきた(2013年9月~現在).学習におけるICT活用が特別なことではなく,ごく自然に,新しい文房具の1つであるという感覚を養い,ICTを思いどおりに使いこなせるようになることを期待している.タブレット端末は標準的かつ一般的な機能・アプリ等を選定し,直観的な操作・軽量性(機動力)等タブレット端末の特性を生かした学習における活用方法を模索している.加えて,共同研究者である慶應大学の学生とともにプロジェクトチームを構築し,授業記録・授業解析を行っている.一方,慶應義塾幼稚舎では10年以上前から情報科を設置して情報教育を行ってきたが,本実践により情報科の内容を精選していく必要性も感じている.本稿では,特に小学1年生時に行った計18時間の授業実践とアンケート調査等から,学習に対する児童の理解や意識の変容,学習スタイルの変容,児童のICTスキルの向上等を検討する.
著者
鴻野弘明 山本知典 上原雄貴 武田圭史 村井純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.645-647, 2012-03-06

近年の情報爆発に伴い,多様な情報から適切な情報を解析抽出することにより新しい情報の価値を見出す研究が行われ ている.しかし大学などの教育機関においては,生徒の目的に応じて効率的な授業の履修選択ができないなど,未だ十分に活用できていないことが問題となっている.そこで本研究では,協調フィルタリングとコンテンツベースフィルタリングを組み合わせることで,ユーザに応じた効率的な授業履修を実現する手法およびシステムを提案する.本システムは大学の学事システムと連携することによって,履修履歴データを取得解析することで,科目の分類,難易度により,授業のレコメンドを行う.本手法を実際にユーザに提供することによって効率的に授業をレコメンドできることを示した.
著者
村井純
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.353-354, 2009-04-15
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08 (Released:2016-12-22)

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。 The working group in IPSJ and the study group for “exam for university entrance on information study” carried out nationwide trials of “exam for university entrance on information study” in 2012 and 2013. 920 senior high school students, most of who were the 1st graders participated in these trials and the authors analyzed the result. As a result, the score distribution, answering time and the number of questions in the trials were all so appropriate, and no problems were seen on the degree of difficulty or the range of the questions actually set. However, some issues about its contents have been revealed; especially the theme of programming skills in “scientific understanding of information” is judged to have a problem. That is, there may be the perception gap between the university side and the high school side; the contents a university requires this subject don’t meet with those high school students are to learn in class of information study. This is not the issue only the exam for university entrance on information study involves, but that we have to deal with after considering “educational contents” comprehensively, high school through university, and from various angles.
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15 (Released:2016-08-05)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる. The working group in IPSJ and the study group for "exam for university entrance on information study" held nationwide trials of "University entrance examination on information study" in 2015 and 2016. The number of senior high school student participants in the trial in 2015 is about 2000, and the number in 2016 is about 750. We report the outline of implementation of the trials.
著者
松谷 健史 空閑 洋平 ロドニー バン ミーター 鈴木 茂哉 吉藤 英明 村井 純
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J96-B, no.10, pp.1095-1103, 2013-10-01

大規模データセンターにホストされているクラウドサービスの普及により,ネットワークに対する低遅延通信への要求が高まっている.しかし多くのIPパケット転送の実装は,複雑な経路選択が必要なグローバルインターネットの経路やAccess Control List (ACL)をサポートするために,転送遅延が大きい.本研究では全工程をパイプライン化し,パケットバッファを用いないIPパケット転送を提案する.本手法を市販のFPGAボードに実装したところ,41万経路のIPv4パケットの転送遅延が976nsで一定であることが確認された.これは市販のギガビットL3スイッチにて64バイトフレームを計測したときの20~25%に相当する.IPネットワークの転送遅延を削減することにより,クラウドやHPCなどのインターコネクトとしてIPプロトコルの適用範囲が広がることが期待できる.
著者
高畑 文雄 小野里 好邦 嶋本 薫 初田 健 三橋 龍一 青木 由直 棚橋 真 村井 純 佐藤 亨 木村 磐根 藤崎 清孝 大迫 陽二 立居場 光生 都築 伸二 田崎 三郎 岡 育生 藤原 値賀人 越後 宏 康 健 大沼 孝一 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.435-456, 1997-05-25
被引用文献数
28

衛星の高機能化,無線周波数帯Kuバンドの使用,地球局設備の小型化・低廉化,電気通信事業法の改正に伴う民間企業の衛星通信ビジネスの参入などによって, 衛星通信に関する大学独自の実験・研究が可能になったことをふまえ, 大学を中心とした多数の教育機関と電気通信事業者からなる組織化された研究・実験機関である「ディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会」を設立した. 本報告では, 上記協議会について概説した後, 協議会のもとで衛星を介して実施されている主要な実験・研究として, マルチメディア衛星通信, 北海道統合通信網, 知的通信による手話画像伝送, インターネットアーキテクチャにおける衛星通信の利用などを取り上げて, その内容を紹介する.