著者
村田 伸 甲斐 義浩 安彦 鉄平 中野 英樹 松尾 大 川口 道生 松本 武士 吉浦 勇次 角 典洋
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.19-22, 2018-04-30 (Released:2018-08-12)
参考文献数
17

本研究の目的は,変形性膝関節症患者20名(全て女性:64.0±7.0歳)を対象に,通常歩行と最速歩行時の歩行パラメータを比較し,歩行の特徴を明らかにすることである。その結果,最速歩行時には有意(p<0.01)に速度が速まるが,その他ストライド長と歩幅は有意(p<0.01)に広がり,足角と歩行角は有意(p<0.05)に狭まった。また,立脚時間と両脚支持時間が有意(p<0.01)に短縮した。ただし,歩行速度を高めるためのパラメータの効果量を算出すると,ストライド長と歩幅は中等度(ともにΔ=0.69)であったが,立脚時間と両脚支持時間の短縮の効果(Δ=-1.62と-1.14)は大きかった。これらのことから,変形性膝関節症患者はストライド長や歩幅を広げるよりも,立脚時間や両脚支持時間を短縮させて,速く歩こうとすることが示唆された。
著者
辻野 彰 松本 武浩 前田 隆浩
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

遠隔医療への期待が高まっている昨今、ビデオカンファレンス方式による遠隔診療の診断精度や治療効果(質)に及ぼす影響については十分に検討されていないのが現状である。本研究では、専門医が不在の離島にカメラ付きスマートグラス(MOVERIO Pro:エプソン)を利用したDoctor To Doctor To Patient(D to D to P)のバーチャル専門外来を開設して、その有用性を質に重点を置いて検討するものである。本年度は離島の基幹病院にバーチャル神経専門外来を開設し、慢性神経疾患診療、特にパーキンソン病における治療効果に重点を置いて、D to D to Pの遠隔診療支援の有用性を検討する。専門診療介入前後でパーキンソン病の治療効果や診療満足度が向上するかどうかの評価を開始した。診察プロトコール:1ヶ月に一度の外来受診(年12回)を基本として、同意取得後の6カ月間は通常診療を行う。この期間の診療をコントロール期間として、その後に引き続いてバーチャル神経専門外来を実施する。通常診療時とは別の現地の専属医師が大学の専門医のアドバイスを受けながらパーキンソン病患者を診療して抗パーキンソン病薬の薬物調整を行う。評価項目:PD統一スケール改訂版(MDS-UPDRS)、ウエアリング・オフ現象のオンとオフ状態の時間、ジスキネジアの有無、PD特異的QOL尺度質問票(PDQ-39)、臨床的全般印象度の変化(CGI-C)、認知機能(MoCA)、レボドパ換算総薬物投与量、入院回数、併存合併症(骨折など)、慢性疾患患者ケアシステム評価(PACIC)、アンケート調査を開始前から3カ月ごとに評価する。
著者
後藤 久貴 宮副 誠司 江崎 宏典 松本 武浩 八橋 弘 井上 長三 古賀 満明 矢野 右人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.701-703, 1999-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

症例は32歳,女性.発熱,両側季肋部痛を呈し来院,炎症所見以外に腹部エコー, CT等の画像検査では腹痛の原因を確認できなかったが,腹腔鏡検査にて肝周囲に典型的なviolin-string状の線維性癒着を認め,腹痛は,既往歴と併せ,クラミジア肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)によるものと診断した.癒着の切離にて腹痛は消失,診断,治療に腹腔鏡が有効であった.クラミジア感染症の増加に伴い,腹痛の原因疾患としての本症に対する認織は重要となると考え報告した.
著者
松本 武一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.321-325, 1973-05-15 (Released:2011-11-04)

本誌1月号の「日本民族と醸造食品」に関する座談会にのぼった話題に関連して和歌山県酒造史編纂委会より遠く大和時代にさかのぼることができる紀州と朝鮮との酒造技術の交流のあかしとして百済渡来の酒神・鳴武大明神, 朝鮮からの帰化人である村主にまつわる考証がよせられた。景行天皇の第5王子といわれる酒神神櫛ノ王も紀の国の酒部をひらいており, そこに日韓の酒造技術の隔合があったにちがいない。
著者
松本 武一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.493-498, 1973-07-15 (Released:2011-11-04)

大隅風土記にあらわれた口がみ酒, 播磨風土記にあらわれた徽酒, 丹後風土記における天女の酒造りを中心に諸家の説を紹介しながら, わが国古代の民衆のなかに生れた酒の姿を追求する。
著者
松本 武浩 川崎 浩二
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

地域完結型医療の推進に伴い、専門疾患も診療所管理へと変わってきたため、専門診療を支援する仕組みが必要である。がん疾患では、地域連携パスが期待されたが、充分に機能していない。診療所管理の際に専門家が関与できないことが一因と考え、ネットワーク型の地域連携パスを開発した。専門家による診察内容をシステム上に展開し、必要な検査データを自動で格納することで、専門外の医師による専門診療を可能とし、その結果により専門家が異常と判断する条件を組み込み、該当患者を一覧表示することで、診療所管理時でも検査追加の判断や増悪等を早期認識できるシステムを開発した。今後は本システムの評価を行う必要がある。
著者
村田 伸 甲斐 義浩 大田尾 浩 松永 秀俊 冨永 浩一 松本 武士 吉浦 勇次 北嶋 秀一 角 典洋
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.499-503, 2009 (Released:2009-09-24)
参考文献数
35
被引用文献数
3 1

〔目的〕女性高齢者の膝関節痛の有無と大腿四頭筋筋力との関連について検討した。〔対象〕整形外科医院に通院加療中の女性高齢者47名(平均年齢77.9±6.2歳),94肢とした。〔方法〕膝関節痛の有無,大腿四頭筋筋力,筋組織厚,大腿部周径を評価し,膝関節痛の有無別にそれぞれの測定値を比較した。〔結果〕膝関節に痛みがない群(45肢)の大腿四頭筋筋力は大腿部周径(r=0.56),筋組織厚(r=0.64)との間に有意な正相関が認められたが,膝関節痛有り群(49肢)の大腿四頭筋筋力は,大腿部周径や筋組織厚との間に有意な相関は認められなかった。〔結語〕今回の結果から,膝関節痛を有する高齢者の大腿四頭筋筋力の測定は,現在報告されている測定法では,潜在的に有する最大筋力を測定できない可能性があること,また,彼らの最大筋力を測定するための工夫や新たな測定方法を開発する必要性が示唆された。
著者
善甫 啓一 岡田 みずほ 松本 武浩 本村 陽一 佐藤 洋
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

入院患者や非介護者が夜間にベッドから転落する事故が絶えないことから,ベッド上の人の姿勢・位置推定,寝返りを検出し,転倒原因となる姿勢時の感知技術が望まれる。また,プライバシーにも配慮するために,本研究では熱画像を用いた見守り技術を目指す。ベッド上で正常に眠っている状態を定義し,熱画像上で逸脱した特徴量を持つ状態の検出により,寝返りや起き上がりなど転落へ繋がるイベントの検出を行った。
著者
神谷 康雄 松本 武司 上原 有恒 小宮山 博
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.859-869, 2011-08

中央政府から牧民レベルにまで踏み込んだ今回のゾド緊急調査の結果を要約すれば次のとおりである。ゾド被害が大きくなった要困は、①家畜頭数が急激に増加していた状況で2009年夏のガンで草地がダメージを受け、飼料が不足していたこと、②12月~2月まで異常な寒さが続き、さらに、これに追い打ちをかけるように4月に大雪が降ったこと、③政府は、ガンの状況をみて、乾草、補助飼料の準備の指令を出したが、政府の予算不足と家畜相場の下落による家畜の販売不振で牧民に資金が無く十分分な準備が出来なかったこと、④ウブルハンガイ県を例に取れば、オトル用地の確保、放牧地の緊急移動の計画は作成したが、ソムから牧民への的確な指令が行き届かなかったこと、⑤新規参入や若い層の牧民が増え、ゾドやガンに備える技量が不足していたことの5点に集約できる。ゾドの被害の主要因は寒冷など異常気象によるところが大きいが、その被害規模は、放牧地の適切な利用・管理による家畜の飼料の確保によってかなりの部分を軽減することができるであろう。現在、こうした自然災害を少しでも軽減し、モンゴル国の牧畜業の持続的発展を図るため、モンゴル国政府一丸となって対策に取り組んでいる。具体的な例としては、2010年5月に国会で承認された「モンゴル家畜国家プログラム」があげられる。これは、牧蓄業の市場経済の中における競争力を改善し、家畜の健康を図り、家畜の質を向上し、気候等のリスクを乗り越えられる牧畜業にすること、資産物の生産から販売の流通の流れを明確にすること等を内容とした畜産政策プログラムである。このプログラムの推進の柱は、①獣医や畜産技術者の行政サーどス能力向上を図ること、②国際市場でも競争力のある畜産物製品の生産・開発をすること、③牧畜業の主要な従事者である牧民を育成し、放牧地マネージメント能力の向上を図ることなどとなっている。
著者
松本 武男
出版者
東亞天文協會
雑誌
天界 = The heavens
巻号頁・発行日
vol.18, no.200, pp.9-14, 1937-11-25
著者
織畑 秀夫 榊原 仟 石原 純一 松本 武四郎 石津 澄子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.257-267, 1963-06

司会:梅津隆子 文責:吉田美喜子症例検討会(26) 昭和38年2月22日 東京女子医科大学第一臨床講堂
著者
岩本 純明 大鎌 邦雄 坂下 明彦 松本 武祝 加瀬 和俊 坂根 嘉弘 藤田 幸一 生方 史数 仲地 宗俊 杉原 たまえ
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

共有資源の管理システムを、林野・漁業・水利に焦点を当てて比較制度論的に検討した。調査地は、海外 8 カ国、国内 12 カ所で行った。主な知見は以下の通りである。(1)共同体をベースにした共有資源管理制度は、市場経済の浸透のもとでもまだ広汎に残っている。(2)しかしながら、共同体的関係の弛緩とともに、従来は内部で吸収できていたコストが顕在化している。(3)資源管理に関わる技術革新も制度変容の重要な要因となっている。