- 著者
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竹林 正樹
吉池 信男
竹林 紅
- 出版者
- 日本健康教育学会
- 雑誌
- 日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.2, pp.173-181, 2021-05-31 (Released:2021-06-16)
- 参考文献数
- 20
目的:ナッジのEASTフレームワークに沿って構築した職域用体重測定促進介入のプロセス評価と報告事業内容:働く世代の肥満予防策として,3つの体重測定促進介入を構築した.全群にEasy型ナッジを採用の上,クイズ群(Attractive型),宣言群(Social型),成功回顧群(Timely型)を設計した.青森県職員(応募要件:体重測定頻度が週1回未満)を対象に1時間の集合型研修会を開催し,実施者の実施意欲と負担感,参加者満足,人件費を含む実施コストについて,インタビューと質問紙調査によるプロセス評価を行った.事業評価:研修会の実施には職員4人が携わり(解析対象者3人),参加者は83人(解析対象者78人)だった.実施者の研修前の実施意欲はクイズ群,宣言群,成功回顧群の順に高かった.実施コストは成功回顧群(263~291千円),クイズ群(207~235千円),宣言群(179~207千円)で,実施負担感もこの順だった.参加者満足はクイズ群(92.6%),成功回顧群(88.5%),宣言群(64.0%)(P=0.016)の順だった.課題:クイズ群は実施者,参加者双方の評価が高く,最も普及可能性があると推測された.人件費を含む実施コストは,事前予想した額に比べ,実際に要した額は2倍以上であった.また,実施者のナッジ普及フェーズが習得期から実践期へ変化したことが観察された.