著者
遠藤 秀紀 森 健人 細島 美里 MEKWICHAI Wina 小川 博 恒川 直樹 山崎 剛史 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.131-138, 2012-09-01
参考文献数
13
被引用文献数
4

軍鶏,タイゲーム(カイ・チョン),ソニア,ファヨウミ,ロードアイランドレッドに関して筋肉重量を比較し,闘鶏用を含む直立型ニワトリ品種における筋肉系の形態学的特徴と機能的意義を検討した。軍鶏とタイゲームに関して,闘鶏用品種の筋肉系の機能形態学的特徴を以下のようにまとめることができた。1)ソニア,ファヨウミ,ロードアイランドレッドよりも軍鶏やタイゲームにおいて,体重に占める骨格筋の総重量比が大きかった。2)軍鶏とタイゲームにおいて,筋肉重量は後肢に集中し,走行,跳躍,直立姿勢に適応していた。3)闘鶏において柔軟で速い頸部の運動が要求されるが,軍鶏とタイゲームの頸部構造における筋重量比や筋重量指数は他品種に比べて小さかった。4)軍鶏とタイゲームの間では,検討した各筋肉の筋重量比や筋重量指数は類似していた。
著者
金森 悟 坂本 宣明 白田 千佳子 海野 賀央 江口 泰正 山下 奈々 北島 文子 厚美 直孝 小林 宏明 高家 望 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.79-86, 2021-02-28 (Released:2021-03-10)
参考文献数
6

目的:筆者らは,多職種産業保健スタッフの研究会にて「コロナは世界・健康教育・ヘルスプロモーションをどう変えたのか?」というテーマで夏季セミナーを開催した.本報告ではセミナーの開催概要を紹介するとともに,参加者によるセミナーの評価について報告する.方法:2020年9月13日に多職種産業保健スタッフの研究会のコーディネーター12名がセミナーを開催した.参加形態はZoomを用いたオンライン形式とした.全体の構成は第I部に基調講演,第II部は産業保健の現場からの話題提供,第III部は「オンラインの対面型コミュニケーションツールで可能になったことや新たな使い方」についてのグループワークとした.セミナーの評価を行うため,参加者を対象にGoogle formを用いた質問票調査を実施した.結果:参加者は71名,調査への回答者は52名(73.2%)であった.回答者のうち女性が69.2%,年代では40代が34.6%,職業では看護職が53.8%であった.各部について参考になったという者は80.8~96.2%であった.学んだことを今後に活用していこうと思う者は94.2%,全体について満足であった者は96.2%であった.結論:本セミナーでは,新型コロナウイルス流行下での健康教育やヘルスプロモーションの意義や事例,可能性が議論された.参加者のほとんどがセミナーに満足し,本セミナーの開催は意義があった.
著者
吉田 邦一 上林 宏敏
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.15-23, 2018
被引用文献数
2

<p>従来からSPAC法において用いられている二重正三角形アレイの水平成分から回転成分波形を求め,それを用いてラブ波の位相速度を推定する手法を考案した。水平面内の回転成分はラブ波のみに依存し,レイリー波の影響を受けないので,回転成分を適切に求められれば,その位相速度はラブ波の位相速度となる。ここでは回転成分を計算するために必要な空間微分を,正三角形アレイの記録を用いてテイラー展開により求めた。検証のため,全波動場を計算したものと,SH波動場のみを計算したものの2種類の理論微動アレイ記録を作成し,それらに対しこの手法を適用した。全波動場とSH波動場のアレイ記録それぞれから得られた回転成分波形は,ほぼ一致し,P-SV波動場を含む全波動場からSH波動場(ラブ波)のみによる成分を良好に取り出すことができることが確認できた。この方法をもとに,二重正三角形の中心点を除く6観測点の内の3点の組み合わせから,中心1点と円周上3点の計4点からなる正三角形アレイの回転成分波形を求めた。得られた回転成分アレイ波形に対しSPAC法あるいは<i>f</i>-<i>k</i>法などを適用することで位相速度を推定できる。ここでは回転成分アレイ波形にSPAC法を適用し,ラブ波の位相速度を推定できることを確認した。また,想定しているサイズのアレイで観測されるべき回転成分は,通常用いられる観測システムで十分求められるべき振幅を持つことを示した。</p>
著者
生田 正文 丹羽 正和 檀原 徹 山下 透 丸山 誠史 鎌滝 孝信 小林 哲夫 黒澤 英樹 國分(齋藤) 陽子 平田 岳史
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.89-107, 2016-03-15 (Released:2016-06-21)
参考文献数
67
被引用文献数
11

既往文献の火山ガラス屈折率データからは識別が困難であった桜島の歴史時代の噴火(文明,安永,大正)軽石について,本研究では火山ガラスの水和部と未水和部とを区別して屈折率測定を行い,斜方輝石の屈折率も含めてそれぞれの軽石に違いがあることを見出した.一方,宮崎平野南部で掘削したコアに含まれる軽石濃集層に対して鉱物組成分析,火山ガラスの形態分類や屈折率測定,斜方輝石の屈折率測定,および炭質物の放射性炭素年代測定を行い,本研究による歴史時代の桜島噴火起源の軽石の分析と比較した.また,それぞれの火山ガラスについてレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法による主成分・微量元素同時分析を行った.その結果,軽石濃集層は桜島文明テフラに対比されることが判明した.桜島文明テフラは,軽石の状態で宮崎平野南部まで到達していた可能性が高い.
著者
水林 彪
出版者
日本法社会学会
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.80, pp.86-115, 2014

In 1947, Takeyoshi Kawashima published a groundbreaking book titled SHOYUKEN-HO NO RIRON (THEORY OF PROPERTY LAW). In the spring of 2013, a symposium was held to discuss how "A NEW THEORY OF PROPERTY LAW" might look if we update and revise Kawashima's work and try to come up with a new theory. Because the draft of this paper was written as a comment to the symposium, Part I of this paper addresses the significance and problems of Kawashima's classic work. In Part II, the author's ideas for "A NEW THEORY OF PROPERTY LAW" are proposed. The significance of Kawashima's work can be summarized in three points: one, it is a law-and-society piece, not a doctrinally analytical piece, of property law; two, it has a historical perspective; and three, it is dialectical. On the other hand, two problems can be observed: one, Kawashima equated modern law to capitalist law or law in the era of capitalism; and two, Kawashima paid insufficient attention to labor and commercial law. Historical analysis of these two central components of capitalist law and the economic basis out of which these laws emerged, yields a richer historical theory than Kawashima's. By broadening our perspective from capitalist property to modern property, the author tries to overcome the problems of Kawashima's work and presents his theory of both modern and contemporary property law.
著者
西山 勇毅 柿野 優衣 中 縁嗣 野田 悠加 羽柴 彩月 山田 佑亮 佐々木 航 大越 匡 中澤 仁 森 将輝 水鳥 寿思 塩田 琴美 永野 智久 東海林 祐子 加藤 貴昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.1630-1643, 2021-10-15

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大にともない,多くの大学ではキャンパス内での感染予防のために,キャンパスの封鎖とインターネット越しに授業を配信するオンライン授業が導入され,学生たちは自宅から授業に参加している.このような在宅中心の新しい生活様式は,感染予防効果が見込める一方で,運動不足による二次的な健康被害が懸念される.新しい生活様式における大学生の身体活動の実態,特に学生の属性や時間帯ごとの身体活動量とその内容を明らかにすることは,二次的な健康被害を予防するうえで必要不可欠である.そこで本研究では,日常生活中の身体活動データ(歩数と6種類の行動種別)を大学生が所有するスマートフォンを用いて自動収集し,大学生の身体活動量を明らかにする.身体活動データは,必修の体育授業を履修する大学1年生305名から10週間収集した.その結果,通学(7時から10時)や教室での授業,課外活動(11時から24時)の時間帯における歩数の減少と静止時間の長時間化が明らかになった.本結果は,新しい生活様式における大学生活が平日の身体活動量の低下を招く可能性を示唆する.
著者
小林 洋平 山岡 怜央 三上 龍生 山崎 浩二郎 熊井 正貴 山田 武宏 武隈 洋 菅原 満 井関 健
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.771-779, 2020-12-28 (Released:2020-12-28)
参考文献数
14

目的:救急/ 集中治療室(以下,ICU)における薬剤師介入の実態や医療経済効果を明らかにすることを目的とした。方法:2017年7,8月に,救急科に入院した患者を対象とし,疑義照会記録を用いて後方視的に調査した。薬学的知識を要しない介入を単純エラー,薬学的知識を要する介入を薬学的介入と定義し,介入の内容および処方反映率を調査した。また,能動的な薬学的介入(薬剤師からの提案)に関して医療経済効果を算出した。結果:介入は391件あり,そのうち76%(297件)が薬学的介入であった。薬学的介入では,抗微生物薬関係の介入がもっとも多く117件(反映率91%)であった。また,医療経済効果は,2カ月間で3,832,000 円であった。結論:薬剤師の救急/ICUへの参画は,医療経済的に有益であることが明らかとなった。また抗微生物薬関係の介入が多く,今後プロトコル作成などにより適正使用推進に寄与できると示唆された。
著者
小林 郁雄
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1201-1206,a1, 1996

地すべりは, 特定の地域および特定の地質条件のもとで発生すると言われ, その原因を地質や地下水などに求めることが多い。しかし, 地すべり面に直接作用し, 関与の程度が大きい特定の地質構造や地下水経路を実際に明らかにすることは容易ではなく, 設計の際には高度な判断を要する場合が多い。このため, 観測という確実性の高い手段による地すべりの監視や機構解明は, 対策設計の精度および信頼性向上に大きく貢献している。<BR>ここでは, 新潟県中頚城郡板倉町および妙高高原町地内にて実施中の直轄地すべり防止事業における事例をもとに, 観測手法の概要や課題を紹介する。
著者
竹内 聖悟 林 芳樹 金子 知適 山口 和紀 川合 慧
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.3446-3454, 2007-11-15

勝率と評価値の関係に基づいた問題点の発見手法を提案し,その有効性を示す.強いプログラムの作成には良い評価関数が不可欠だが,既存の評価関数の問題点の発見や評価値の適切な調整には,対戦などの試行錯誤が必要であり困難であった.本研究ではまず,問題点の発見手法として,評価関数が与える評価値に対する勝率に着目しそのグラフを描くことを提案し,評価関数に欠陥が存在する場合には複数の線として明確に図示されることを示す.さらに,欠陥を解決した評価関数では評価値に対する勝率のグラフが条件によらず一本化されるため,グラフにより評価関数の改善を確認できることを示す.実際に将棋,チェス,オセロについて評価関数の欠陥を図示ができることを示し,将棋においてはその改善がグラフで確認できることを示す.さらに自己対戦から実力が改善されていることを確認した.
著者
林 正敏 山路 公紀
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.311-316, 2014 (Released:2015-04-28)
参考文献数
6
被引用文献数
2 4

筆者らは2010年6月に長野県富士見町で冬鳥であるジョウビタキPhoenicurus auroreusの繁殖を確認した.この事例が偶発的なものか否かを確認するために,同地域で経年調査を実施した.その結果,ジョウビタキは富士見町で4年間繁殖を継続し,茅野市および塩尻市で2013年に4つがいが繁殖していた.したがって,ジョウビタキは八ヶ岳周辺で継続的に繁殖していると判断され,今後,繁殖地域の拡大が予想される.見つかった全ての巣はリゾート地ないし別荘地の定住者が居る建物の人工物の中に造られていた.
著者
仲林 裕司 山田 悟 酒井 平祐 鈴木 亮一
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会論文誌 (ISSN:2189373X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.153-159, 2021 (Released:2021-09-15)
参考文献数
29

Wastewater monitoring is necessary to preserve the quality of water in publicly water bodies. In particular, the presence of colored pollutants in wastewater inhibits the photosynthesis of seaweed, and therefore requires adequate treatment for its removal. We developed a surface-enhanced Raman scattering (SERS) sensor for the detection of color-polluted water. Silver particles on a quartz substrate were grown via mist chemical vapor deposition; this substrate was built into the sensor to enhance its Raman-scattering signals. Aqueous solutions colored with a single dye were detected at concentrations as low as the ppb level, and the intensity of their SERS spectra decreased with the dye concentration. Additionally, we evaluated the performance of the SERS sensor using mixed dyes dissolved in river-water, making assumptions suited to practical occurrences results demonstrated that our sensor depicts the molecular features of each dye in the river-water sample, clearly detecting them at concentrations as low as the ppb level. Therefore, this study proved that SERS can be applied in an environmental spectroscopic sensor.
著者
中 正樹 日吉 昭彦 小林 直美
出版者
武蔵社会学会
雑誌
ソシオロジスト : 武蔵社会学論集 (ISSN:13446827)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.147-182, 2015

本研究の目的は,2012年に開催されたロンドンオリンピックの開催期間における日本のテレビニュースの報道傾向を明らかにすることである。そのために,ロンドンオリンピック開催期間に日本のキー局の代表的なニュース番組が提供したすべてのニュースを対象として量的分析を実施した。そして,(1)各ニュース番組の報道傾向,(2)各ニュース番組の英国に対する報道傾向,(3)ニュース番組全体からみた英国報道の傾向,以上の3点に焦点を絞って考察した。考察の結果,以下のような知見を得た。(1)フジテレビ「NEWS Japan+ すぽると!」およびテレビ朝日「報道ステーション」が特徴のある報道をしていた。(2)各ニュース番組の報道傾向は,TBS「NEWS23X」を除いて北京オリンピック開催期間における報道傾向と類似していた。(3)オリンピック開催期間中,ニュース番組が提供する英国ニュースはそのほとんどがロンドンオリンピック関係のニュースで占められていた。(4)ロンドンオリンピック開催期間における英国報道のフレームは,主に競技結果に関するスポーツニュースを選択・強調しており,社会や政治のニュースを選択する方向では機能しなかった。本研究は,先行研究として実施された北京オリンピック開催期間における研究と比較検討を重ねることによって,より大きな成果が期待できる。今後の課題である。
著者
小林 祥泰
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-8, 2014-03-31 (Released:2015-04-01)
参考文献数
26
被引用文献数
2

脳卒中後アパシーは,長い間脳卒中の一つの精神症状すなわち「自発性低下」としてのみ注目され,かつて脳卒中に汎用された脳循環代謝改善薬の多くは自発性低下を治療の標的としていた。その後 Robinson らにより post-stroke depression(脳卒中後うつ状態)が報告され注目された。血管性うつ状態の定義も発表されたがうつ病の中核症状を欠くものであったこと,抗うつ薬の効果が認められなかったことから最近では関心が遠のいていた。今から思えばこれがまさに脳卒中後アパシーであったといえる。脳卒中後アパシーは脳卒中後にもっとも多い神経心理学的症状とされているが,血管性認知症の一症状とみなすのではなく,アパシーが先行して廃用症候群を介して血管性認知症自体を引き起こす重要な因子であることを認識すべきである。
著者
松岡 勝彦 小林 重雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.1-12, 2000-01-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1 1

本研究では、自閉症児者が不得意であるといわれてきた、「他者意図」の理解に関して、行動分析学の立場から、「他者意図」と表現されるものに対応するための適切な刺激設定はどういうものであるかを明確にし(Sidman,1971参照)、どのような環境設定を行えば、これを理解可能になるかを検討することを目的とした。ここでは、他者に対する援助行動という社会的行動の形成の中で、他者の言語行動を「字義通り」に解釈する条件と、環境設定との組み合わせで「言外の意味」を理解する条件とを設定した。訓練では、これらを弁別するためにビデオ弁別訓練が行われた。その結果、対象児は上記の2条件に応じた行動が可能となった。このことから、「心の理論」の欠如(「他者意図」の理解困難)といった抽象的に表現される対象を詳細かつ機能的に分析し、「他者意図」に対応する弁別訓練を行うことにより、他者の「心的状態」の理解を可能とする方略が導き出されるのではないかと考えられた。
著者
林 善茂
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
北海道大學 經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.11-29, 1963
著者
森川 政人 小林 達明 相澤 章仁
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.103-108, 2012-08-31
被引用文献数
1 2 1

学校プール内に生息している水生昆虫相の種,個体数について,東京都及び千葉県内の 4 地域計 32 校において,2007 年 5 月~2008 年 5 月までの使用期間外に各校月 1 回程度調査を実施した。調査の結果を TWINSPAN で解析したところ,東京都と千葉県が異なるグループに分類された。ヒメゲンゴロウ,コシマゲンゴロウ,ミズカマキリ,ショウジョウトンボは東京都の学校プールで確認することができなかった。種数に差が確認された要因として,種の供給源となる学校プール周辺の水田面積や周囲の樹木の有無などが考えられた。主にトンボ目の個体数の差に影響を与える要因としては,学校プール周囲の植生から供給される落葉である可能性が示唆された。