著者
梅野 貴裕 細川 忍 森田 絢子 中村 尚季 塩尻 正明 佐久川 亮 小倉 里奈 林 栄子 斎藤 利江子 増田 雅史 林 敦志 高橋 友香 田村 麻衣子 別所 昭宏
出版者
岡山赤十字病院
雑誌
岡山赤十字病院医学雑誌 (ISSN:09158073)
巻号頁・発行日
no.30, pp.14-19, 2019-11

肺クリプトコッカス症は髄膜炎発症例では重症化の恐れもあり,早期診断・治療が重要である.本疾患における早期診断や診断精度の向上に対する気管支鏡検査時のrapid on-site evaluation(ROSE)の有用性について後方視的に検討を行った.2015年4 月から2019年6 月の間に当院において,気管支鏡検査時にROSE を併用して診断した肺クリプトコッカス症の 8 例を対象とし,臨床像や臨床経過とともに気管支鏡検査時のROSE 結果と病理学的・真菌学的所見との比較を検討した.ROSE の所見は8 例全ての症例で莢膜を有する菌体と多核巨細胞を確認できており,組織診の所見と一致していた.1 例を除く7 例で培養陽性であった.また,基礎疾患を有する症例では気管支鏡検査後1 ~14日(中央値3 日)で治療導入を行っていた.本疾患において,ROSE の併用は診断精度の向上のみならず,早期の診断や治療に対しても有用である可能性が示唆された.
著者
町田 和雄 戸田 義継 森谷 正義 津田 直純 秋田 健三
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.444-452, 2000-04-15
参考文献数
11
被引用文献数
5

This paper presents the space test of the ARH (Advanced Robotic Hand System), which is the world's first precise extravehicular robot aboard the satellite“Hikoboshi”. The telerobotic system has features of dexterity, autonomy and flexible operability, using a three-finger multisensory hand at a work site in space and a computer-graphics-based desktop interface at an operation site on the ground. The concept of sensor-fused telerobotics utilizing multisensory information is introduced, and the system is implemented to perform high precision tasks under the barrier of inter-satellite space communication. The robot system was launched into low earth orbit, and the capability of sensor-fused telerobotics was successfully demonstrated in precise in-orbit servicing.
著者
岡田 浩之 山川 宏 大森 隆司
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.244-251, 2001-03-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

The trade-off of exploration and exploitation is present for a learnig method based on the trial and error such as reinforcement learning. We have proposed a reinforcement learning algorism using reward and punishment as repulsive evaluation (2D-RL) . In the algorithm, an appropriate balance between exploration and exploitation can be attained by using interest and utility. In this paper, we applied the 2D-RL to a navigation learning task of mobile robot, and the robot found a better path in real world by 2D-RL than by traditional actor-critic model.
著者
森本 和寿
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要
巻号頁・発行日
vol.67, pp.123-136, 2021-03-25

本稿は、ライティング教育はどのような視点から、どのように分類できるかという問題意識の下、米国におけるジェームズ・バーリンとリチャード・ファルカーソンの分類に着目し、ライティング教育の理論的な分析枠組みを描くことを試みた。先行研究において見落とされていた1980年代のバーリンの研究成果を検討することで、ファルカーソンの分析枠組みを修正し、より妥当な枠組みを提供することを目指した。本稿では、価値論/認識論、教授学、評価の3つの観点と現代的伝統修辞学、認知主義、表現主義、批判的/文化研究、手続き的修辞学という5つの立場で構成される新しい分析枠組みを提示した。これにより、①認知主義のポリティクスへの分析視角が保障される、②「プロセス」概念を教授学に組み込むことで分析視角が明瞭になる、③価値論・認識論に関わる論点と評価論に関わる論点を個別に検討できるという改善が得られた。
著者
野崎 達生 熊谷 英憲 石橋 純一郎 池原 研 山田 泰広 北田 数也 真田 佳典 正木 裕香 小森 省吾 高谷 雄太郎 山崎 徹 長瀬 敏郎 前田 玲奈 CK航海 乗船者一同
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
日本地質学会学術大会講演要旨 第125年学術大会(2018札幌-つくば) (ISSN:13483935)
巻号頁・発行日
pp.355, 2018 (Released:2019-08-16)

【災害のためプログラム中止】 平成30年北海道胆振東部地震により学術大会のプログラムが大幅に中止となりました.中止となったプログラムの講演要旨については,著者のプライオリティ保護の見地からJ-STAGEに公開し,引用可能とします.ただし,学術大会においては専門家による議論には供されていませんので「災害のためプログラム中止」との文言を付記します.(日本地質学会行事委員会)
著者
宗森 純 川津 美菜穂 伊藤 淳子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.560-571, 2021-02-15

インターネットの普及により,自国にいながらにして世界中の人とインターネットを通じてMMORPGを楽しむことができる.そこでは外国人とグループを組んで協力して楽しむ機会が増えている.しかし外国人とのコミュニケーションは言語が壁となりお互いの共通言語,たとえば英語などを理解していないとコミュニケーションをとることは難しい.そこで,定型文を含む絵文字のみで文章化してコミュニケーションをとる,チャットシステム「EMO-GコミュニケータII」を提案する.絵文字定型文を既存のゲームを参考に6つにジャンル分けしたところに特徴がある.遠隔地間で「EMO-GコミュニケータII」を用いて外国人とのゲーム内でのコミュニケーションの理解度を計算した結果,コミュニケーションの理解度は平均89.6%となり,チャットのうち絵文字定型文の使用率は73.7%であった.このことからゲームの展開を定型文である程度示すことが可能であることが示唆された.また,絵文字定型文によるコミュニケーションは,ゲームだけでなく定型文のコミュニケーションが多く含まれる対象では使用できる可能性が示唆される.
著者
小暮 英輔 原 毅 大沼 剛 森山 隆 阿部 勉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.435-437, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕スパイロメーターから得られた換気機能と最長発声持続時間(Maximum Phonation Time:MPT),最長呼気持続時間との併存的妥当性を調査することを目的とした.〔対象と方法〕呼吸器関連に異常がない健常者23名を対象とした.調査項目は基本属性,スパイロメーターから得られた換気機能,MPT,最長呼気持続時間とした.MPTと最長呼気持続時間と各評価指標との関係性を調査した.〔結果〕MPTと最長呼気持続時間は有意に正の相関を認めた.MPTは肺活量,%肺活量と正の相関を認めたが,最長呼気持続時間はどの換気機能とも相関を認めなかった.〔結語〕MPTは,肺活量を簡易的に評価できる測定方法である可能性が示唆された.
著者
伊藤 将司 森本 章倫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_101-67_I_108, 2011
被引用文献数
1

本研究は,参加型の社会資本整備より,市民主体の継続活動に展開する要因を明らかにするものである.既往研究及び事例調査から,人(参加者とつながり),意識(目標と信頼関係),環境(適正な合意形成の場)の3つの要因を仮定し,詳細の事例分析によって検証を行った.<br>その結果,参加型の社会資本整備より,市民主体の継続活動に展開する流れを明らかにするとともに,その過程において,継続活動において3つの要因の形成が重要であることが明らかとなった.また,3つの要因に課題が生じた場合においては,継続活動が停滞する場合があることも分かった.